JPS628110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は中央部を占める所要のキユリー点を持
つ環状の感温磁性体の両側に密接させ、磁極方向
を同じくする環状の永久磁石よりなる磁性筒状体
の環状内にリード部に可撓性のリード線が結線さ
れたリードスイツチを挿入し、磁性筒状体の外側
を吸熱性金属よりなり、その一端を管状に曲げた
管状部で抱持する温度スイツチにおいて、軸方向
に２分割された分割面に開口端を磁性筒状体が挿
入されるような断面半円形の中央孔と、Ω状に蛇
行し、且つそれぞれが対向する断面半円形でリー
ド線を貫通させる溝を中央孔の底から閉端部に設
けた２個の分割固定管の溝の中に、リード線を挾
持させて突き合せた固定管を磁性筒状体の両側に
固着させた感温スイツチである。

従来リードスイツチを用いた感温スイツチは第
１図に示すように所要のキユリー点を持つ環状の
感温磁性体２の両側面に磁極の方向を同じくする
２個の環状の永久磁石１を密接させた磁性筒状体
２１の環状内に、リードスイツチ３を嵌着し、リ
ードスイツチ３のリード部３１のそれぞれに可撓
性のリード線４を結線する。さらに磁性筒状体２
１の外径より僅かに大なる内径で、その一端が閉
じられ、その閉端部５１に貫通孔５２を有する絶
縁性固定管５にて磁性筒状体２１の両端を挾持し
ている。固定管５の貫通孔５２にリード線４を通
し外側に引き出し、リードスイツチ３のガラス管
の端部とリード部３１を覆うように固定管５を永
久磁石１の外側端部に装着し温度スイツチを構成
している。さらにアルミニウムなどの吸熱性金属
で一端を磁性筒状体２１と固定管５とを包む管状
部６１をなす吸熱板体６にて抱持する。また固定
管５の内部の端の部分に切り欠き５３と管状部６
１に設けられている切り欠きとを対向させ、管状
部６１を固定管５に圧着し、切り欠き５３から固
定管５および管状部６１内部にシリコン系の樹脂
７を注入固定し、感温スイツチが形成されてい
る。

しかし従来のこの種の感温スイツチは、リード
線４が長いので、リード線４に捩れ、または引つ
張り外力が加わりやすく、リード線４とリード部
３１との結線部に力が加わり、またはリードスイ
ツチ３のガラス管からリード部３１を引き出す部
分を損傷するなど、特に取扱いに注意を要し、機
器に取り付けた後も振動で損傷することもあり信
頼性に欠ける欠点があつた。

本考案は従来のかかる欠点を除き、可撓性のリ
ード線４が外部に引き出される固定管５内でΩ字
形に湾曲させ、引張りの力に充分耐えるように
し、ガラス管部分の損傷をなくし、感温スイツチ
の信頼性を高めるにある。

本考案の感温スイツチの実施例は第２図に示す
ように、固定管８は軸方向に沿つて二分割された
一対の分割固定管８ａ，８ｂよりなる。この分割
固定管８ａ，８ｂのそれぞれの分割面に開口部と
して磁性筒状体が挿入される断面半円形状の中央
孔９と閉端部端面にΩ状に蛇行し、且つ互いに対
向するような断面半円形状の溝１０ａ，１０ｂが
設けられている。また分割面の両縁辺の適宜の個
所に、分割固定管８ａ，８ｂを結合する複数個の
係止部１１ａと係合突部１１ｂとが対応して設け
られている。また分割固定管８ａ，８ｂのそれぞ
れの一縁辺の相対する位置に樹脂注入のための切
り欠き１２が設けられている。

いま第３図に示すように環状の永久磁石１およ
び感温磁性体２よりなる磁性筒状体２１の環状内
にリードスイツチ３のリード部３１とリード線４
とを結線した温度スイツチを装着する。このリー
ドスイツチ３の端部とリード部３１の結線部分を
分割固定管８ａ，８ｂの中央孔９内に収納するよ
うに磁性筒状体２１の両端部に当接し、リード線
４を溝１０ａ，１０ｂ内に沿つて外部に引き出
す。また他の分割固定管８ｂ，８ａの分割面を突
き合わせ、係止部１１ａと係合突部１１ｂとを係
合させ固定管８とする。磁性筒状体２１の両端に
この種の固定管８が装着され、温度スイツチが形
成される。さらに吸熱板体６の管状部６１を固定
管８を包み圧着し、切り欠き１２から樹脂７を注
入固化させて感温スイツチが形成された。

以上に述べたようにリード線４は固定管８内で
蛇行貫通する溝１０ａ，１０ｂに挾持され、さら
に固定管８は吸熱板体６の管状部６１で抱持固定
されているので、リード線４に外力が加わつて
も、外力でリードスイツチ３のガラス封着部に力
が加わらず、損傷することのない堅固で信頼性の
高い感温スイツチが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の感温スイツチの例の一部を切り
欠いた断面を示した外観平面図、第２図は本考案
の実施例の分割固定管の斜視図、第３図は第２図
に示す分割固定管を取りつけた、一部を切り欠い
た縦断面を示す外観平面図である。 なお、１：永久磁石、２：感温磁性体、２１：
磁性筒状体、３：リードスイツチ、３１：リード
部、４：リード線、５，８：固定管、５１：閉端
部、５２：貫通孔、６：吸熱板体、６１：管状
部、７：樹脂、８ａ，８ｂ：分割固定管、９：中
央孔、１０ａ，１０ｂ：溝、１１ａ：係止部、１
１ｂ：係合突部、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部を占める所要のキユリー点を持つ環状の
   感温磁性体の両側に密接させ、磁極方向を同じく
   する還状の永久磁石よりなる磁性筒状体の環状内
   に、リード部に可撓性のリード線が結線されたリ
   ードスイツチを挿入する温度スイツチにおいて、
   軸方向に２分割された分割面の開口端に前記磁性
   筒状体が挿入される断面半円形状の中央孔と、Ω
   状に蛇行し、且つそれぞれ対向する断面半円形状
   の前記リード線を挾持させる溝を閉端部に設けた
   ２個の分割固定管に、前記リード線を挾持、突き
   合せ接合させた固定管を前記磁性筒状体の両側に
   固着することを特徴とする感温スイツチ。