JPS62793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、超音波発生用圧電振動子による超音
波を利用して洗浄を行う超音波洗浄器に関する。

一般に、圧電振動子を用いた超音波洗浄器にあ
つては、洗浄槽に圧電振動子を装着し、その圧電
振動子を駆動して超音波振動を発生し、該超音波
振動を洗浄槽を介して槽内の洗浄液中に放射する
ようになつている。これにより、洗浄液に浸され
た被洗浄物が洗浄される。しかしながら、このよ
うな型式の超音波洗浄器にあつては、洗浄槽に主
な駆動周波数以外の高次振動や余剰振動が発生し
やすく、洗浄に直接寄与せず損失となつたり騒音
の原因となる超音波振動がかなり多くなるきらい
があつた。

本考案は、上記の点に鑑み、効率良く超音波振
動を利用でき騒音の少ない超音波洗浄器を提供し
ようとするものである。

以下、本考案に係る超音波洗浄器の実施例を図
面に従つて説明する。

第１図及び第２図において、超音波発生用圧電
振動子１は、金属円板２にこれよりやや小径で同
じ程度の厚みの円板状圧電磁器３を同心円状に接
着したものであり、その円板状圧電磁器３の両面
には電界を印加するための電極４Ａ，４Ｂが予め
形成されており、各電極４Ａ，４Ｂには電気接続
用のリード線５Ａ，５Ｂが接続されている。この
ような圧電振動子１は洗浄液Ｌが満たされた円筒
状洗浄槽１０の底面に接着、その他の機械的手段
により装着される。

前記圧電振動子１の如く、金属円板２と円板状
圧電磁器３とが同程度の厚みを有している場合に
は等価的に一枚の円板と考えることができ、この
場合自由振動共振周波数は金属円板２の半径の二
乗に反比例し厚みに比例した値となることが判つ
ている。この場合、圧電磁器３がラジアルモード
で振動し金属円板２がたわみ運動を行うが、この
金属円板２の周辺自由における振動姿態は第３図
に示すようになり、第４図の如く圧電振動子の外
径Ａの約0.6乃至0.7倍の直径Ｂを有するほぼ同心
円状の節円ができる。

そこで、本実施例では、前記洗浄槽１０の外径
Ｃを前記圧電振動子１のたわみ運動における節円
にほぼ一致させるように設定する。すなわち、洗
浄槽１０の外径を圧電振動子１の外径Ａの0.5乃
至0.8倍となるように設定し、洗浄槽１０の底面
に対し同心円状に圧電振動子１を装着している。

上記実施例によれば、円筒状洗浄槽１０の外径
Ｃを前記圧電振動子１の節円に略一致させること
により槽底面から同位相の超音波の振幅を得るこ
とができ、しかも槽側壁への振動伝達を非常に少
くすることができる。従つて、洗浄槽側壁等が洗
浄に寄与しない無用の振動を行うことがないた
め、騒音を著しく少くできしかも効率良く超音波
振動を利用可能であるので洗浄効果の向上が可能
である。

第５図は本考案の他の実施例を示す。この図に
おいて、金属円板２の周縁部に質量的に金属リン
グ６を付加した圧電振動子１Ａを用いている。な
お、その他の構成は前述の実施例と同じである。
この第５図の実施例によれば、金属リング６の質
量によつて振動の調整を行うことが可能である。

なお、洗浄槽は通常ステンレスで形成され、金
属円板の材質としてはアルミニウム等が使用可能
である。

叙上のように、本考案によれば、洗浄槽外径を
圧電振動子のたわみ運動における節円にほぼ一致
させることにより、槽側壁への振動伝達を非常に
少くして効率的で静かな超音波洗浄器を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る超音波洗浄器の実施例を
示す断面図、第２図は同底面図、第３図は実施例
において用いる超音波発生用圧電振動子の振動姿
態を示す側面図、第４図は圧電振動子の節円を示
す平面図、第５図は本考案の他の実施例を示す断
面図である。 １，１Ａ……超音波発生用圧電振動子、２……
金属円板、３……円板状圧電磁器、４Ａ，４Ｂ…
…電極、６……金属リング、１０……円筒状洗浄
槽。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円板状圧電磁器をこれより大径の金属円板に
   同心円状に接着してなる超音波発生用圧電振動
   子を円筒状洗浄槽に取付けた超音波洗浄器にお
   いて、前記円筒状洗浄槽の外径より前記金属円
   板の直径を大きくし、前記円筒状洗浄槽の外径
   を前記金属円板のたわみ運動の節円に略一致す
   るように設定し、当該洗浄槽の底面にほぼ同心
   状に前記圧電振動子を装着したことを特徴とす
   る超音波洗浄器。 (2) 前記金属円板の周縁部に質量部材を形成して
   なる実用新案登録請求の範囲第１項記載の超音
   波洗浄器。