JPS627890Y2 - - Google Patents

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JPS627890Y2
JPS627890Y2 JP1982102812U JP10281282U JPS627890Y2 JP S627890 Y2 JPS627890 Y2 JP S627890Y2 JP 1982102812 U JP1982102812 U JP 1982102812U JP 10281282 U JP10281282 U JP 10281282U JP S627890 Y2 JPS627890 Y2 JP S627890Y2
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oil
case
oil passage
gear
regulating valve
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は舶用推進装置に適した減速逆転機の潤
滑装置に関する。
一般に舶用減速逆転機においてはオイルパンか
らのオイル飛沫やオイルギヤラリーからのオイル
によりギヤーや軸受等を潤滑するようになつてい
るが、減速逆転機の上部に位置するギヤーについ
てはオイルを供給しにくい構造になつている。勿
論その対策として上部のギヤーに隣接させてオイ
ルギヤラリーを開口させることが考えられるが、
その場合にはギヤラリーが複雑になるので製造コ
ストが上昇する。
本考案は上記従来の不具合を解決するために、
潤滑油調圧弁からの排出油を溜める油溜めを減速
逆転機の上部に設け、該油溜めからのオイルを内
部のギヤーへ案内するようにしたもので、次によ
うに構成されている。
すなわち本考案は、ケースス内に複数のギヤー
をケースの幅方向に分散させて配置し、上記ギヤ
ーの設置範囲上方においてケースの上壁に開口を
形成し、ケースの上端に上蓋を取り付け、上蓋に
潤滑油調圧弁を取り付け、調圧弁の排油口に連通
する油溜めをを上記開口の近傍において上記ギヤ
ーの設置範囲に沿つて上壁上面に形成し、上壁の
一部により油溜めと開口との間に潤滑油が乗り越
える堰を形成し、堰の下側において上壁内部に油
路を形成し、該油路の周壁により堰の下部からギ
ヤーの上方へ張り出した潤滑油案内部を形成した
ことを特徴としている。
上記構成によると、潤滑油調圧弁から排出され
た潤滑油は排油口を経て油溜めへ流入し、油溜め
から堰を乗り越えて案内部に達し、案内部からギ
ヤーへ落下する。
次に図面により実施例を説明する。
垂直縦断面図である第1図において、エンジン
フライホイール1にダンパー2を介して減速逆転
機の入力軸3が連結している。出力軸4は入力軸
3の後方(第1図の右方)かつ下方に位置し、入
力軸3と平行に延びている。入力軸3の後端部に
は入力ギヤー5が設けられ、出力軸4の前端部に
は出力ギヤー6が設けてある。
第1図の一部切欠き−矢視図である第2図
において、H−Hは入力軸3及び出力軸4の中心
を含む垂直中心面で、中心面H−Hを対称中心と
してギヤー5,6の上方には1対の正転ユニツト
F,Fが設けられ、左右の斜上方には逆転ユニツ
トG,Gが設けてある。第1図において正転ユニ
ツトFへ中間ギヤー7と出力ピニオン8と両者
(7,8)を連結できる油圧多板クラツチ9とを
同芯に備え、中間ギヤー7が入力ギヤー(5)と噛み
合い、出力ピニオン8が出力ギヤー6と噛み合つ
ている。第2図の左右1対の正転ユニツトF,F
は互に同一の構造及び寸法を備えている。逆転ユ
ニツトG,GもユニツトFと略同一の構造及び寸
法を備え、ユニツトGの中間ギヤー7′が入力ギ
ヤー5とは噛み合つておらず、ユニツトFの中間
ギヤー7と噛み合つている点だけが異なつてい
る。従つて正転ユニツトFのクラツチ9を接続す
ると、入力ギヤー5の回転力は両ユニツトFの中
間ギヤー7、クラツチ9、出力ピニオン8を経て
出力ギヤー6に伝わり、出力軸4は入力軸3と同
方向に回転する。又逆転ユニツトGのクラツチ
9′を接続すると、入力ギヤー5の回転力は正転
ユニツトFの中間ギヤー7から逆転ユニツトGの
中間ギヤー7′、クラツチ9′、出力ピニオン8を
経て出力ギヤー6に伝わり、出力軸4は入力軸3
と逆方向に回転する。
減速逆転機のケースは下部ケースA、中間ケー
スB、上部ケースCの3分割体により形成されて
おり、ボルト10,11により互に固定されてい
る。ケースA,B,Cの分割面(合せ面)a−
a,b−bは水平である。下部ケースAと中間ケ
ースBの分割面a−aは出力軸中心Oよりも下側
にあり、出力軸4は下部だけが分割面a−aより
も下側にある。中間ケーースBと上部ケースCの
分割面b−bは両方の正転ユニツトF,Fの中心
f,fを通つている。下部ケースAはオイルパン
を形成している。中間ケースBは減速逆転機全体
として見た場合に軸受部の主要部を形成してお
り、入力軸3及び逆転ユニツトGのサポート軸1
2を全周にわたつて支持すると共に、出力軸4の
上部と中間部及び正転ユニツトFのサポート軸1
3の下半部を支持している。中間ケースBの左右
両側壁には水平に突出した据付足15,15が一
体に設けてあり、据付足15は図示されていない
舶体の機関台にボルト止めされるようになつてい
る。又第1図の如くフライホイール1のハウジン
グ1aにはダンパー2を周囲から覆う概ね環状お
マウンテイングフランジ2aの前端がボルト1b
により固定され、フラジ2aの後端はボルト2
b,2cにより下部ケースA及び中間ケースBに
固定されている。上部ケースCのの上端面c−c
には蓋Dがボルト止めされている。
第2図の−断面部分図である第3図の如
く、正転ユニツトFの中間ギヤー7はサポート軸
13の前部(第3図の左部)に油圧嵌め等により
固定されており、出力ピニオン8はブラツシユ3
1を介してサポート軸13の後部に回転自在に支
持されている。油圧多板クラツチ9は従来品と略
同様の構造を有し、入力部9aは中間ギヤー7の
外周部から後方へ延長された筒状部で形成され、
出力部9bは出力ピニオン8から前方へ延長され
た筒状部で形成されている。入力側及び出力側の
摩擦板9cはそれぞれ入力部9a及び出力部9b
に連結されている。9dは入力部9aの先端部内
周に固定した環状のストツパー、9eは摩擦板9
cとギヤー7(シリンダー端壁)の間に設けたピ
ストン、9fは出力部9bの半径方向内側に設け
たピストン9e用のリターンスプリングである。
ギヤー7の内周部にはサポート軸13の前端ま
で突出したボス筒7aが設けてあり、サポート軸
13の前端部はボス筒7a、円錐ころ軸受32,
環状スペーサ33を介してケーースB,Cの軸受
部35に支持されている。スペーサ33は内周面
が軸受32の外輪32aの外周面及び前端面(第
3図中左端面)を支持しており、サポート軸13
と平行な回止ピン33a(ねじ)によりケースB
(又はC)に対する回止めが施されている。ピン
33aはスペーサ33の外周部にギヤー7と反対
側から固定されており、スペーサ33から突出し
た前端部がケースBの窪みに嵌合している。ケー
スB,Cの軸受部35は面b−b上で互に接合さ
れて全体が筒状体を形成しており、スペーサ33
の外周面と前端面を支持している。
サポート軸13の後部は小径の環状スペーサ3
6,円錐ころ軸受37、大径の環状スペーサ38
を介してケースB,Cの孔39の内周面に支持さ
れてい。スペーサ36はブツシユ36aを介して
ピニオン8の後端面に当接しており、軸受37の
内輪37bの内周面と前端面がスペーサ36によ
り支持されている。軸受37の外輪37aは外周
面と後端面がスペーサ38により支持されてい
る。スペーサ38はその外周面の後部に固定した
ピン38aにより回止めを施された状態で孔39
の内周面に嵌合している。ピン38aは孔39の
内周面に設けた窪み39aに嵌合し、又窪み39
aは後方(第3図の右方)に開口して蓋40によ
り覆われている。孔39はケースB上端の半円形
の凹部とケースC下端の半円形の凹部とで形成さ
れており、又孔39の内径はピニオン8の外形よ
りもも大きく設定されている。
サポート軸13の小径後端部はケースB,Cよ
りも後方へ突出して後部蓋40の孔41内へ突出
している。蓋40はボルト42によりケースB、
Cの後面に固定された部材で、外部の作動油通路
Mや潤滑油通路Nに接続する内部油路m,nを備
え、作動油油路m及び潤滑油油路nはそれぞれサ
ポート軸13内の油路m′,n′を介してピストン
9eの背面側の加圧室9gならびにブツシユ31
や摩擦板9c等の摺動部に接続している。
蓋40の後端面には油ポンプ43が複数のボル
ト44により固定されている。ポンプ43の入力
軸45は孔41内へ突出して、軸45の突出端部
外周面に筒状のに継手46がねじ止さめされてい
る。継手46は軸45から突出した部分(第3図
の左半部)がサポート軸13の後端の直径方向の
スリツト(又は同芯孔等)に嵌合してピン47に
よにり固定されている。図示されていないが、上
記ポンプ43は第2図の両方の正転ユニツトFに
併設されており、2台のポンプ43によりクラツ
チ油圧や潤滑油を供給するようになつている。
第2図の−断面部分図である第4図におい
て、、逆転ユニツトGは正転ユニツトF(第3
図)と比べて次の点だけが相違している。なお第
4図において第3図の各部と対応する部分には同
一の符号が付してある。第4図において軸受部3
5や孔39はースB単体により形成されている。
又後部蓋40に油ポンプは取り付けられておら
ず、孔41は蓋40の後端面に固定したカバー4
8により塞いである。以上が相違点であるが、第
4図の蓋40に設けられたカバー48取付用の座
面やボルト孔は第3図の蓋40に設けられたポン
プ43取付用の座面やボルト孔と一致している。
従つてカバー48に代えて第3図のポンプ43を
第4図の蓋40に固定し、かつポンプ43の入力
軸45を第4図の孔41内においてサポート軸1
2後端の直径方向のスリツト12a部分に連結す
ることができ、又カバー48により第3図の孔4
1を塞ぐことができる。
次に潤滑油及びクラツチ作動油の供給装置につ
いて説明する。油路のレイアウト図である第5図
において前記1対の油ポンプ43,43′はそれ
ぞれ蓋40内の油路100,100′を介して上
部ケースC内の油路101,101′に接続し、
両油路101,101′はケースC内の合流点9
0において1本の油路102に接続している。油
路102は合せ面c−c上の開口103を介して
上蓋D内の油路104に接続し、油路104は作
動油調圧弁Q(1次調圧弁)の入口gに接続して
いる。
調圧弁Q自体は、第2図はその断面を示す如
く、従来から公知の構造を備え、第5図の如くそ
の高圧出口q1は外部配管91を介して前後進切
換弁Jの入口jに接続している。切換弁Jの出口
j1は4本の前記外部通路Mや内部油路m,
m′を介してそれぞれ正転ユニツトF及び逆転ユ
ニツトGのクラツチ9,9′に接続している。
調圧弁Qの排油口q2は上蓋D内部の油路10
5及びケーススC内部の油路106を介して油ク
ーラーKの入口に接続し、油クーラーKの出口は
ケースC内部の油路107を介して上蓋D内部の
油路108に接続している。油路108の途中部
分はケースD内部の油路を介して潤滑油調圧弁
Lに接続し、調圧弁Lの排油口1は上蓋D内部
の油孔92を介して後述する油溜め93に接続し
ている。
油路108の出口はケースC内の油路109に
接続し、油路109の出口はコツク94の内部を
経てケースC内へ延びる2又油路112を介して
1対のこし器95に接続し、両こし器95の出口
はケースCの内部を経てコツク94内で合流する
2又油路113を介してケースC内の1本の油路
114に接続している。油路114(メインギヤ
ラリー)は1対の出口開口116,116′を備
えた油路115にケースC内において連続してお
り、両開口116,116′はそれぞれ上蓋D内
の1対の油路117,117′に接続している。
両油路117,117′は上蓋Dの上面dにおい
て開口しており、該出口開口に取り付けた継手9
6,96′を介して前記潤滑油用外部通路Nに接
続している。
上述の各油路はきり孔により形成されている。
又第6図、第7図に示す上記各油路の不要な端部
開口は盲栓により閉鎖されている。次に油路構造
等について詳細に説明する。
第2図の−矢視部分図(ケースCの平面
図)である第6図において、1対の油ポンプ4
3,43′に接続するケースC内の油路101,
101′の内、一方の油路101′の入口部120
と他方の油路101は中心面H−Hを挾んで左右
に離れた位置に設けてある。入口部120はケー
ス上面c−cに開口する2個の孔121,122
を備えている。両孔121,122は互に近接し
ており、蓋124の下面に設けた油溝125を介
して連通している。蓋124は小形の板状部品
で、油孔121,122近傍の4個のねじ孔12
6に螺合するボルト(図示せず)により上面c−
cに締着されている。油路101′の下流部12
3は前方(油ポンプ43′から離れた側)の油孔
122の底部からケースC内を中心面H−Hと直
角に延び、合流点90において油路101と合流
して油路102に接続している。油路102は合
流点90から前方に延びており、出口側の上向き
開口103はケースCの前後方向中間部において
第7図の垂直油路104に接続している。
第7図は第2図の−矢視部分図(上蓋Dの
平面図)で、第7図の如く油路104の上端開口
が作動油調圧弁Qに接続している。上蓋Dの上面
dには調圧弁Q固定用の4個のボルト孔128と
底面が設けてある。調圧弁Qの排油口q2に接続
する油路105は中心面H−Hと交差する形で右
側へ延び、右端の下向き出口開口105′が第6
図のケースCの内部油路106に接続している。
油路106は後方へ延びて後端の右向き屈曲部
がケースCの上部右端面130上で開口し、該端
面に取り付けた油クーラーK(第2図)の入口に
接続している。クーラーKの出口は第6図の油路
107を経て第7図の油路108の下向き開口1
31に接続している。
油路108は上蓋Dの左右両端部の下向き開口
131,132の間を中心面H−Hと直角に延び
ており、油路108の左端寄りの部分に潤滑油調
圧弁L用の油路が後方から水平に接続してい
る。潤滑油調圧弁L自体は後述する第10図にそ
の断面を示す如く公知の構造であり、第7図の如
く上蓋Dの後端面左端部に設けた孔′に嵌合し
て固定されている。
油路108の出口開口132は第6図のケース
Cの内部油路109に接続し、更に前記油路11
2を経て油こし器95に接続した後、油路113
を径て油路114に接続している。油こし器95
はケースCの左端部に設けた前後1対の垂直孔9
5′に第2図の如くフイルターエレメントを取り
付けて構成されている。又第2図の如くコツク9
4はケースCの左端面に取り付けてある。第6図
の如く油路114はケースCの左端面上の入口開
口から両油こし器95の間を通つて右方へ延びて
おり、油こし器95の近傍において油路115に
接続している。油路115は中心面H−Hと直交
する形でケースCの右半部まで延びている。油路
115の両端に設けた上向き開口116,11
6′びは中心面H−Hに対して対称に位置し、開
口116,116′に接続する第7図の上蓋Dの
油路117,117′も中心面H−Hに対して対
称に位置している。両油路117,117′は垂
直孔により形成されており、油路117,11
7′に接続する第8図の継手96,96′も中心面
H−Hに対して対称に設けてある。
第1図の−矢視図である第8図の如く、前
述の外部潤滑油通路Nはそれぞれ継手96,9
6′に接続する配管N1と、各配管N1に継手N
2を介して接続する1対の配管NF,NGとを備
え、各配管NF,NGの出口が前記蓋40の内部通
路n(第3図、第4図)に接続している。左右1
対の各配管N1,NF,NGと継手N2も中心面H
−Hに対して対称に設けてあり、又各継手N2に
接続する2本の配管NF,NGも略同一の長さを備
えている。従つて第5図の油路115(メインギ
ヤラリー)から左右の正転及び逆転ユニツトF,
Gの潤滑部まで油路長さは略同一である。
第8図の−矢視図である第9図の如く、前
後進切換弁Jは上蓋Dの後部に取り付けてあり、
第8図の如く減速逆転機の左右方向中央部に位置
している。切換弁J下部の左右側面にはそれぞれ
1対の継手M1が取り付けられ、各継手M1から
前述の各部作動油通路M(配管)が各蓋40の作
動油入口まで延びている。正転ユニツトF,Fに
接続する1対の通路M,Mの長さは互に略同一で
あり、逆転ユニツトG,Gに接続する1対の通路
M,Mの長さも互に略同一である。
第1図の拡大部分図である第10図の如く、潤
滑油調圧弁Lに併設した前記油溜め93はケース
Cの上壁C2上面に設けた窪みにより形成されて
おり、潤滑油調圧弁Lの排油孔となる上蓋Dの垂
直孔92は油溜り93の上方に開口している。油
溜め93の前壁(第10図の左壁)は他の壁部よ
りも背の低い堰140を形成しており、堰140
の下方にはギヤー7,7′の上方まで張り出した
案内部141がケースCの油路周壁により形成さ
れている。又第6図に破線ハツチングで示す如く
油溜り93はケースCの上壁中央部を左右方向に
細長く延びている。
堰140の前側には開口141′が設けられ、
開口141′には第10図の如くブリーザ用の迷
路142を形成する邪魔板143が設けてある。
邪魔板143は複数の板の組立体で、ボルト14
4により上蓋Dの下面に取り付けてある。迷路1
42の上端出口は上蓋Dの内部空洞145に連通
し、空洞145は上蓋Dの前端に設けた水平孔1
46を介して外部に連通している。
第7図の如く上蓋Dの前部には左右に間隔を隔
てて1対の窓47が設けてある。窓147は第1
0図の如くボルト148により固定した蓋149
で通常は塞がれており、ボルト148と蓋149
を外すことにより窓147から減速逆転機の内部
へオイルを補給したり、内部の点検を行うことが
できる。又油ポンプ故障時等には窓147から工
具を入れて下記の如く手動によりクラツチ接続操
作を行えるようになつている。
第3図において加圧室9gに対向するギヤー7
部分にはボルト150が螺合するねじ孔が設けて
ある。ボルト150はギヤー7の円周方向に間隔
を隔てて複数本設けてあり、それぞれサポート軸
13と平行に延びている。ボルト150は矩形断
面の頭部151を備え、頭部151は軸受32側
へ突出している。従つて前記窓147(第10
図)から差し込んだ工具により頭部151を回す
と、ボルト150によりピストン9eを摩擦板9
cと圧接する位置まで移動させることができ、加
圧室9gに油圧を供給できない場合でも、エンジ
ン停止状態においてボルト150によりクラツチ
9を接続させ、次にエンジンを始動させることに
より航行が可能になる。第4図の如く逆転ユニツ
トGのクラツチ9′にも同様のボルト150が設
けてあり、ケースBの側面にはボルト操作用の窓
147′が設けてある。149と148は窓14
7′を塞ぐ蓋とボルトである。
第5図において両方の油ポンプ43,43′か
ら吐出されたオイルは前述の油路を経て作動油調
圧弁Qへ供給され、調圧弁Qから供給された油圧
が切換弁Jを経てクラツチ9,9′へ択一的に供
給される。又調圧弁Qへ流入したオイルは略全部
が排油口82から排出され、クーラーKやフイル
ター95を経て各潤滑部へ供給される。このよう
に通常は2台の油ポンプ43,43′が作動する
が、仮に一方の油ポンプ43又は43′が故障し
た場合でも、第5図の油路101′に関連する下
記の構造により、船は航行を続けられるようにな
つている。
すなわち船内には、図示の蓋124とは別に、
油溝125を備えていない盲蓋又は盲栓が設けて
あり、該盲蓋を図示の蓋124と取り換えること
により油路101′を途中で遮断できる。従つて
油ポンプ43′が故障した場合には、油路10
1′の遮断により油路101から油ポンプ43′へ
オイルが逆流することを防止でき、一方の油ポン
プ43だけにより調圧弁Qへ確実に高圧油を供給
できる。又油ポンプ43が故障した場合には、両
方の油ポンプ43,43′を付け換えて油路10
1′を遮断することにより、調圧弁Qへ確実に高
圧油を供給できる。なお油ポンプ43,43′を
付け換えるための構造としては、ポンプ43,4
3′を単体で蓋40に対して交換可能にするか、
又はポンプ43,43′を蓋40と共にケース
B,Cに対して交換可能にする構造のいずれをも
採用することができる。第6図の蓋124の取付
用ボルト孔126と座面は前記盲蓋の取り付けに
も利用できるようになつている。
又前記動作中に第10図の潤滑油調圧弁Lから
排出されたオイルは油孔92を通つて油溜め93
に溜まり、堰140からあふれたオイルがボス1
41を伝つてギヤー7,7′上へ流れ落ちる。
以上説明したように本考案によると、潤滑油調
圧弁Lからの排出油を溜める油溜め93を減速逆
転機の上部(例えば上部ケースCの上壁C2)に
設け、油溜め93からの流出油をギヤー7,7′
へ導くようにしたので、一般に潤滑しにくいとさ
れている上部のギヤー7,7′,5(オイルパン
側からのオイル飛沫を受けにくいギヤー)を簡単
な構造により充分に潤滑することができ、ギヤー
7,7′,5の摩耗を防止すると共に動力伝達効
率を高め、噛合部での騒音を防止できる。
又本考案では、油溜め93をケースCの窪みに
より形成するとともに、案内部141をケースC
の油路周壁により形成しているので、油溜め93
専用の部品を取り付けたり、案内部141専用の
張出し部を設けたりする必要がない。従つて製造
コストを低減できる。
更に本考案では、油溜め93や開口41′をケ
ース内に分散させて配置した複数のギヤー7,7
の設置範囲に沿つて形成したので、広範囲にわた
つて多数のギヤー7,7′に潤滑油を確実に供給
することができる。換言すれば、油溜め93を上
壁C2の上面に形成したので、油溜め93を広い
範囲にわたつて形成することができ、従つて多数
のギヤー7,7′を確実に潤滑できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の垂直縦断面図、第2図は第1
図の一部切欠き−矢視図、第3図、第4図は
それぞれ第2図の−及び−断面部分図、
第5図は油路の概略図、第6図、第7図は第2図
の−及び−矢視部分図、第8図は第1図
の−矢視図、第9図は第8図の−矢視
図、第10図は第1図の拡大部分図である。7,
7′……ギヤー、93……油溜め、L……潤滑油
調圧弁。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ケース内に複数のギヤーをケースの幅方向に分
    散させて配置し、上記ギヤーの設置範囲の上方に
    おいてケースの上壁に開口を形成し、ケースの上
    端に上蓋を取り付け、上蓋に潤滑油調圧弁を取り
    付け、調圧弁の排油口に連通する油溜めを上記開
    口の近傍において上記ギヤーの設置範囲に沿つて
    上壁の上面に形成し、上壁の一部により油溜めと
    開口との間に潤滑油が乗り越える堰を形成し、堰
    の下側において上壁内部に油路を形成し、該油路
    の周壁により堰の下部からギヤーの上方へ張り出
    した潤滑油案内部を形成したことを特徴とする減
    速逆転機の潤滑装置。
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