JPS627883Y2

JPS627883Y2 -

Info

Publication number: JPS627883Y2
Application number: JP10836982U
Authority: JP
Priority date: 1982-07-16
Filing date: 1982-07-16
Publication date: 1987-02-24
Also published as: JPS5913745U

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は、シンクロメツシユ式ギヤ変速機構の
シフトフオークをピストンロツドの正逆シフトに
よつて駆動する油圧式操作手段への圧油供給状態
を、変速選択用制御弁の切換えによつて変更する
よう構成するとともに、ギヤ伝動系と直列に設け
た油圧クラツチをパイロツト式流路切換弁で制御
するよう構成し、前記油圧式操作手段をして、前
記切換弁のパイロツト圧印加制御用のパイロツト
弁に構成した油圧操作式ギア変速装置に関するも
のである。この変速装置は、常時咬合する複数組の変速ギ
ヤ対ごとに装備した油圧クラツチを択一的に入り
操作して所望の変速状態を得るように構成した油
圧クラツチ変速装置の不具合点、つまり、油圧ク
ラツチが変速段数と同数必要となる、という欠点
を解消するために開発されたものであつて、変速
操作手段と兼用のパイロツト弁のピストンロツド
が変速位置であるストロークエンドにあるときに
油圧クラツチ作動用のパイロツト式流路切換弁に
パイロツト圧を印加し、ピストンロツドが変速中
立位置にあるときに前記パイロツト圧を解除する
ことによつて、変速選択用制御弁を切換え操作し
てシフトフオークをピストンロツドで油圧駆動し
ながら、これに同期して油圧クラツチを自動的に
入切作動させ、所望の変速状態を主クラツチ操作
なく簡単に得ることができ、しかも、油圧クラツ
チの個数を一般の油圧クラツチ変速装置よりも少
く構成できるものである。しかし、従来は、前記ピストンロツドが変速中
立及びその近傍にあるときにのみ、パイロツト圧
を解除するように構成されていたために、パイロ
ツト圧解除時間が少くてパイロツト圧の抜けが悪
いことがあり、このような場合には、ギヤチエン
ジと油圧クラツチ切り作動との同期性が低下して
円滑な変速が行い難くなつていた。特に作動油の
粘度が高くなつてパイロツト圧の抜けが悪くなる
寒冷期には上記傾向が一層強くなるものであつ
た。本考案は、パイロツト弁の改良によつて上記欠
点を解消することを目的とする。以下、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。第１図は農用トラクタのミツシヨン構造を示
し、エンジン１からの動力を油圧式多段変速装置
６及び差動機構７を介して左右後車輪２，２に伝
達するように構成してあり、上記変速装置６につ
いて詳述する。即ち、エンジン１に多板式の主クラツチ８を介
して連動連結された入力軸９と、差動機構７への
ベベルピニオン軸１１とが第１あるいは第２分岐
伝動系１２，１３、並びに、前後進切換機構１４
を介して連動連結されている。前記第１及び第２分岐伝動系１２，１３を構成
するに、夫々、２本の伝動軸１２ａ，１２ｂ，１
３ａ，１３ｂが第１及び第２多板式油圧クラツチ
１５，１６を介して連結解除自在に連動連結さ
れ、かつ、前記伝動軸１２ａ，１２ｂ，１３ａ，
１３ｂ夫々に、二段変速自在な第１ないし第４シ
ンクロメツシユ式ギア変速機構１７，１８，１
９，２０が付設されている。前記第１あるいは第２分岐伝動系１２，１３か
らの伝動軸２１と前記ベベルピニオン軸１１との
間において、シンクロメツシユ式ギヤ変速形式の
前記前後進切換機構１４が設けられている。尚、図中２２は、入力軸９にギヤ式伝動機構２
３を介して連動連結された動力取出軸を示す。前記第１ないし第４シンクロメツシユ式ギヤ変
速機構１７，１８，１９，２０及び前後進切換機
構１４に対する操作手段は夫々同様に構成されて
おり、第２シンクロメツシユ式ギヤ変速機構１８
を例にして説明すれば、第３図に明示するよう
に、シンクロナイザスリーブ２４に連係されたシ
フトフオーク２５をピストンロツド２６にピン連
結し、そのピストンロツド２６をミツシヨンケー
ス３の外面に付設したケース２７に摺動自在に取
付けると共にピストンロツド２６の長手方向両端
夫々に中立復元用バネ４ａ，４ｂを内装したシリ
ンダ室２８ａ，２８ｂを付設してあり、後述する
変速選択用制御弁Ｖの流路切換えによりシリンダ
室２８ａ又は２８ｂに選択的に圧油を供給して、
ピストンロツド２６を前記バネ４ａ又は４ｂに抗
して一方向に摺動させることによつて高速又は低
速のギヤ伝動状態が得られるように構成してあ
る。そして、前記第１ないし第４シンクロメツシユ
式ギヤ変速機構１７，１８，１９，２０及び前後
進切換用シンクロメツシユ式ギヤ変速機構１４
夫々に対する操作手段をして、第２図に示すよう
に、第１ないし第５パイロツト弁１７ａ，１８
ａ，１９ａ，２０ａ，１４ａに兼用構成して、前
記第１及び第２油圧クラツチ１５，１６に対する
圧油給排のためのパイロツト式流路切換弁３１，
３２，３３，３４へのパイロツト圧付与による切
換操作、及び、第１及び第２油圧クラツチ１５，
１６に対する圧油供給を行わせるように構成して
ある。但、前記前後進切換用のシンクロメツシユ
式ギヤ変速機構１４に対しては、前記スプール弁
Ｖとは別の三位置切換弁V₁の切換えにより操作
するように構成してある。前記変速選択用制御弁Ｖは９位置切換え式のス
プール弁として構成したものであつて、一次側に
ポンプＰと排油路Ｄを接続するとともに、二次側
に設けた８個の出力ポートに夫々第１ないし第８
油路P₁……P₈を接続してある。そして、前記制御
弁Ｖを切換えることによつて第１ないし第８油路
P₁……P₈を、次頁に表記するように、圧油供給状
態と非供給状態とに切換えて、第１ないし第４シ
ンクロメツシユ式ギヤ変速機構１７，１８，１
９，２０、並びに、第１及び第２油圧クラツチ１
５，１６夫々を所定状態に切換え、中立状態、第
１速ないし第８速の状態が得られるのである。そ
して、これに前後進切換えを組合わせて前進８
段、後進８段の多段変速を行うことができるので
ある。

【表】そして、前記表からも理解できるように、前記
制御弁Ｖを順次的に低速から高速又は逆に切換え
てゆくと、変速状態が一段切換わるつど、第１、
第２油圧クラツチ１５，１６の作動状態が背反的
に切換わる。つまり、第１、第２分岐伝動系１
２，１３が交互に利用されることになる。この場合、油圧クラツチの入り状態への切換え
は圧油供給によるので高速に行われるが、油圧ク
ラツチの切り状態への切換えは油圧クラツチから
の排油によるので、変速操作に同期して分岐伝動
系を反転するためには、先に入り状態にあつた油
圧クラツチから極力迅速に排油して切り状態に切
換えることが要求される。ここにおいて、第２図に示すように、前記第
１、第２油圧クラツチ１５，１６の作動を司どる
パイロツト式流路切換弁３３，３４は、その上手
のパイロツト式流路切換弁３１，３２によつて制
御されているので、この切換弁３１，３２の復帰
を迅速に行わせて、切換弁３３，３４への印加パ
イロツト圧を早く低下させれば、第１、第２油圧
クラツチ１５，１６の切り状態への切換わりが迅
速に行われるものである。そこで、本考案では、前記切換弁３１，３２を
支配する第２、第４パイロツト弁１８ａ，２０ａ
を次のように構成している。つまり、第３図に示すように、前記ケース２７
には切換弁３１へのパイロツト油路PL₁に接続し
た出力ポート３５ａ，３５ｂを設けるとともに、
前記ピストンロツド２６の両端近くには、ロツド
軸心方向に比較的幅広く環状溝３６ａ，３６ｂを
設けてある。そして、第１パイロツト弁１７ａ及び第２パイ
ロツト弁１８ａの各油路P₁，P₂及びP₅，P₆に圧油
が供給されていない状態では第３図に示すよう
に、前記両ポート３５ａ，３５ｂが夫々環状溝３
６ａ，３６ｂを介してケース２７の中央に形成さ
れたドレン空間３７に連通されている。ここで、制御弁Ｖを例えば第１速位置に切換え
て、第１及び第５油路P₁，P₅に圧油を供給する
と、第４図に示すように第１パイロツト弁１７ａ
が切換えられるとともに、第２パイロツト弁１８
ａのピストンロツド２６が図上右方のエンドまで
移動され、この状態では一方のポート３５ａがシ
リンダ室２８ａに連通されるとともに、また、他
方のポート３５ｂがケース２７内で閉塞され、こ
れによつて、第５油路P₅の油圧がパイロツト油路
PL₁に印加される。そして、このパイロツト圧で
切換弁３１が開かれ、第１パイロツト弁１７ａを
通して切換弁３１に供給される油圧がパイロツト
油路PL₂に印加され、これによつて切換弁３３が
切換えられて第１油圧クラツチ１５が入り操作さ
れる。このように第１油圧クラツチ１５が入れられた
変速状態（例えば第１速）から次の変速状態（例
えば第２速）に切換えるために制御弁Ｖを操作す
ると、前記第５油路P₅への圧油供給が断たれるた
めに、ピストンロツド２６がバネ４ｂによつて中
立側（図上左方向）に復帰移動され、且つ、この
ときピストンロツド２６が少し動くとピストンロ
ツド２６の右端とピストン室２８ｂの奥端面との
間が開き、ポート３５ｂが環状溝３６ｂを介して
ピストン室２８ｂ及び第６油路P₆に連通され、パ
イロツト油路PL₁の圧が低下しはじめる。そし
て、ピストンロツド２６が更に左に少し動くと環
状溝３６ａの左端がポート３５ａに干渉しはじ
め、パイロツト油路PL₁がポート３５ａ及び環状
溝３６ａを介してドレン空間３７に連通されるよ
うになり、切換弁３１がパイロツト圧解除によつ
て復帰作動し、これによつてパイロツト油路PL₂
の圧が逃がされ、切換弁３３が復帰して、第１油
圧クラツチ１５が直ちに切られるのである。又、第１パイロツト弁１７ａへの切換えと第２
パイロツト弁１８ａの第６油路P₆への圧油供給に
よる変速（例えば第５速又は第７速）では、他方
のポート３５ｂを介してのパイロツト油路PL₁へ
のパイロツト圧印加が行われて第１油圧クラツチ
１５が入れられ、この変速状態からの切換え時に
も前述と同様に環状溝３６ａ，３６ｂを介しての
パイロツト圧解除が行われる。又、第２油圧クラ
ツチ１６に関連する第３パイロツト弁１９ａ及び
第４パイロツト弁２０ａについても上記と同様に
構成され、同様に作動する。尚、第５図は１個の油圧クラツチ１５を介在し
た別の実施例を示し、この場合は、前記油圧クラ
ツチ１５の上手に、第１、第２のシンクロメツシ
ユ式ギヤ変速機構１７，１８、下手に第３、第４
の同様なギヤ変速機構１９，２０が設けられ、こ
れら変速機構１７，１８，１９，２０を用いた変
速と、これらの下手に設けた前後進切換機構１４
による切換えで、前後進とも16段の変速が可とな
つている。そして、これら変速機構１７……の操
作手段をパイロツト弁１７ａ，１８ａ，１９ａ，
２０ａ，１４ａとした変速用油圧回路が第６図に
示すよう構成されており、主実施例と同様に各パ
イロツト弁１７ａ……２０ａでパイロツト式流路
切換弁３３，３８，３９，４０を制御して、変速
と油圧クラツチ１５の同期をとつてある。以上実施例で説明したように、本考案による油
圧操作式ギヤ変速装置は、油圧式の変速操作手段
と兼ねたパイロツト弁のピストンロツドに広幅の
パイロツト圧解除用の環状溝を設けて、ピストン
ロツドが変速位置であるストロークエンドから少
し外れると、この環状溝を通してのパイロツト圧
解除作動を開始して、油圧クラツチを切り作動さ
せるようにしたので、変速位置の中間での油圧ク
ラツチの切れが迅速確実となつて、ギアチエンジ
作動と油圧クラツチ作動の同期が良好に保たれ、
円滑な変速を行えるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る油圧操作式ギア変速装置の
実施の態様を例示し、第１図は伝動構造全体の構
成図、第２図は変速操作用油圧回路図、第３図及
び第４図は変速操作手段と油圧クラツチの関係を
示す要部拡大縦断面図であつて、第３図は変速中
立状態、第４図は変速状態を示している。第５図
は別の実施例における伝動構成図、第６図は別の
実施例での変速操作用油圧回路図である。１５……油圧クラツチ、１８……シンクロメツ
シユ式ギヤ変速機構、１８ａ……パイロツト弁、
２５……シフトフオーク、２６……ピストンロツ
ド、２７……パイロツト弁ケース、２８ａ，２８
ｂ……シリンダ室、３３……パイロツト式流路切
換弁、３５ａ，３５ｂ……ポート、３６ａ，３６
ｂ……環状溝、３７……ドレン空間、Ｖ……変速
選択用制御弁、PL₁……パイロツト油路。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

シンクロメツシユ式ギヤ変速機構１８のシフト
フオーク２５をピストンロツド２６の正逆シフト
によつて駆動する油圧式操作手段への圧油供給状
態を、変速選択用制御弁Ｖの切換えによつて変更
するよう構成するとともに、ギヤ伝動系と直列に
設けた油圧クラツチ１５をパイロツト式流路切換
弁３３で制御するよう構成し、前記油圧式操作手
段をして、前記切換弁３３のパイロツト圧印加制
御用のパイロツト弁１８ａに構成した油圧操作式
ギア変速装置であつて、前記ピストンロツド２６
の両端を支承したシリンダ室２８ａ，２８ｂを有
するケース２７に、油圧クラツチ制御用パイロツ
ト油路PL₁に接続したポート３５ａ，３５ｂを設
け、前記ピストンロツド２６の端部近傍の外周面
には該ロツド２６のシフトによつて前記ポート３
５ａ，３５ｂに連通又は遮断されるパイロツト油
圧解除用の環状溝３６ａ，３６ｂを形成し、前記
ピストンロツド２６がストロークエンドにあると
きには、該ピストンロツド２６をシフトするため
に圧油が供給された一方のシリンダ室２８ａ又は
２８ｂと、一方のポート３５ａ又は３５ｂとを連
通するとともに、他方のポート３５ｂ又は３５ａ
を閉塞し、且つ前記ピストンロツド２６がストロ
ークエンドから外れると前記ポート３５ａ，３５
ｂとシリンダ室２８ａ，２８ｂ外方に設けたドレ
ン空間３７とを前記環状溝３６ａ，３６ｂを介し
て連通するように、前記環状溝３６ａ，３６ｂを
ピストンロツド軸心方向に広幅に構成してあるこ
とを特徴とする油圧操作式ギア変速装置。