JPS627854B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 折たたみ式車いすにおいて、 後輪および前輪をそれぞれ支持する平行に離間
した一対の主枠と、 上記主枠の各々によつて垂直方向に摺動可能に
支持された一対の側枠と、 上記側枠の各々によつて垂直方向に摺動可能に
支持された一対のシート及び背もたせ枠と、 上記シート及び背もたせ枠によつてそれらの間
に支持された可撓性シートと可撓性背もたせと、 側枠の下端部とシート及び背もたせ枠の上端部
とに連結された少なくとも一対の交差支柱を有す
る安定及び折たたみ装置と、 側枠を主枠に対して上昇させるために主枠と側
枠との間に連結された昇降装置とを有し、 該いすを折たたむとき上記交差支柱の傾き角度
が増加してシート及び背もたせ枠が互に接近し側
枠に対して上昇することを特徴とする折たたみ式
車いす。

２ 上記昇降装置が駆動装置によつて駆動される
スクリユーとナツトを有し、上記スクリユーと駆
動装置が主枠に取付けられ、上記ナツトが上記側
枠に取付けられている請求の範囲第１項に記載の
折たたみ式車いす。

明細書 本発明は、車いすの使用者が現在手のとどかな
い場所および区域に、さらに容易に到達したり、
また、それを見ることができるよう、車いす使用
者を昇降させ得る車いすの改良に関するものであ
る。

発明の背景 多数の行動能力喪失者は、それぞれの家庭で生
活しており、これらの対麻痺の人は、車いすにす
わつて家内を動きまわり、車いすにすわつたまま
でそれぞれの家事活動を行なうよう束縛されてい
る。

しかし、安全上の見地から、車いすの安定性を
増大させるよう、車いすは、重心が極めて低くな
るように設計されている。しかし、このように重
心を低くした設計では、例えば、料理、洗濯等の
日常の家事雑仕事や、その任務を行なう際に極め
て不便であり、また、極めて危険であると考えら
れる。

これがため、車いすの使用者は、車いすにすわ
つている使用者の目の高さにガス台の上面がある
状態で、ガス台上で料理をしなければならないこ
とが、しばしばであり、これは極めて危険な状態
である。

従来技術の検討 折たたみ式車いすとしては、例えば、米国特許
第4166631号および第4140341号に示されるような
ものが知られており、これらの特許に示されてい
る折たたみ式車いすは、基本的には、交差した支
柱によつて互に連結された２個の側枠から構成さ
れている。これらの支柱は、ひじ掛けに連結され
ており、そのひじ掛けは、側枠内で垂直方向に摺
動可能に取付けられている。両側枠を一緒に合わ
せて車いすを折たたむ際、交差支柱の動きによつ
てひじ掛けが上昇する。

シートを昇降させる装置を有する車いすもま
た、例えば、米国特許第1219834号、第3215469
号、第2982336号および第2578382号に示されるよ
うに既知であるが、しかし、これらの米国特許に
示す車いすは、いづれも折たたむようになつてお
らず、また、車いすを折たたむよう構成すること
も不可能である。

英国特許第922175号には、シート部分を昇降し
得るよう構成した折たたみ式車いすが示されてい
る。この車いすは、枠組上に支持した液圧式ラム
の上にシートを取付け、その枠組を車いすの側方
レールにクリツプ装置によつて取付けている。車
いすを折たたむには、折たたむ前に、シート枠組
および液圧ラムを取外ずすことが必要である。こ
れがため、シート枠組および液圧ラムは別々に携
帯し、収納する必要がある。

しかし、家庭で生活しているそれらの患者およ
び種々場所間を移動する必要のあるそれらの患者
にとつて、車いすを容易に移送し、格納し得るよ
う簡単な方法で車いすを折たたみ得るようにする
ことが極めて重要である。また、家事の日常の雑
用、料理、食事の準備、洗濯等を安全に行なうた
め、また、製造業においてそれぞれの就職先で活
動するため、使用者が車いすにすわつたままで昇
降し得ることが極めて強く希望されている。

これがため、本発明の目的は、車いすの使用者
がシートに腰かけたままで上昇し得るよう車いす
のシートおよび背もたせ部分を昇降し得る車いす
または車いすに取付けるためのアタツチメントを
提供しようとするものである。

本発明の他の目的は、車いすのシートに腰かけ
ている使用者がレバーまたはスイツチを操作する
だけで使用者が上昇し得るとともに必要に応じて
普通の方法で車いすを折たたみ得る機構を具える
車いすを提供しようとするものである。

発明の簡単な説明 これがため、本発明による折たたみ式車いす
は、前後輪をそれぞれ取付けた一対の平行に離間
した主側枠と、主枠に対して相対的に垂直方向に
摺動可能のシートおよび背もたせ用枠と、車いす
の両側を相互に連結する安定装置とを具えるもの
において、各前記主枠と前記各々のシートおよび
背もたせ用枠との間に設けられた側枠と、主枠と
平行に離間した位置に維持している状態で前記側
枠を前記主枠に対して相対的に上昇させ、これに
より、前記シートおよび背もたせ部分を上昇させ
て前記主枠に対して相対的に昇降させる装置とを
具えることを特徴とするものである。

【図面の簡単な説明】

次に、本発明を添付の図面につきさらに詳細に
説明する。図面において、 第１図は、下降位置における車いすを示し、 第２図は、上昇位置における車いすを示し、 第３図は、車いすの一方の側の側面図である。

車いす１は、その各側に枠を具えており、便宜
上、主として一側における枠についてのみ説明す
る。

枠は、主枠２を具え、この主枠２はベース部分
３と、前側直立部分４と、後側直立部分５とを有
し、前側直立部分４には前キヤスタ輪７のための
ソケツト６が取付けられており、後側直立部分５
に設けられた車軸取付孔１０に支承した主軸９に
後輪８が取付けられている。

可撓性シート１１が、上昇用架台１２に取付け
られ、この上昇用架台１２は案内棒１３によつて
前側および後側直立部分４および５上に支持され
ており、案内棒１３は、上昇用架台１２の孔１４
に挿入して取付けられ、前側および後側直立部分
４および５の孔１５に摺動自在に案内される。車
いすを普通の方法で折たたむ際に、上昇用架台は
主枠に対して相対的に上昇するよう構成されてい
る。

主枠２と上昇用架台１２との間に側枠１６が設
けられている。案内棒１７は、主枠２における孔
１８に挿入して取付けられ、側枠１６における孔
１９内に摺動自在に案内される。

交差安定用支柱２０は、それぞれ側枠１６およ
び上昇用架台１２の下部に枢着されて従来の折た
たみ式車いすと同様の方法で車いすを折たたみ得
るようになつている。

「サジナウ」型（Saginaw）ジヤツキ・スクリ
ユー２１のような昇降装置が側枠１６と主枠２と
の間で各側に設けられ、昇降装置は主枠上に取付
けられ、側枠上に取付けられたナツト部材を有す
る。これらの昇降装置は電動モータおよび減速装
置２２によつて、あるいはまた、ハンドル（図示
せず）によつて手動で駆動することができる。

図面から明らかなように、シートの昇降に際
し、昇降装置は側枠１６を持ち上げ、側枠は上昇
用架台を上昇し、これによつてシートを上昇す
る。これらは、側枠案内棒１７および上昇用架台
案内棒１３によつて上昇運動を案内される。歪み
を最小にするとともに力のモーメントをバランス
させるため、昇降装置は使用者の重心線上に位置
するよう設けられる。

シートの上昇用架台１２にバツク架台２３が設
けられ、これがため、ハンドル２４はバツク架台
２３のソケツト２５に着脱自在に取付けることが
できる。

フート架台２６を側枠１６上のアーム２７に枢
着することができ、調整ナツト２９によつて調整
可能に位置決めされる安定アーム２８によつて調
整可能に位置決めされる。

フート架台の高さは伸縮可能のアームおよびク
ランプ３０によつて位置決めすることができ、一
方架台３１自身は伸縮可能のアームの端に枢着さ
れる。

昇降装置を電動モータによつて駆動する場合、
車いすに再充電可能の乾電池を可とするバツテリ
ーを取付けるためのブラケツト等を設ける。車い
すを折たたむ場合には、バツテリーは取外すこと
が必要であるが、しかし、取外す必要がないよう
にバツテリーを位置決めすることもでき、これに
より、車いすが従来既知の車いすと同様の方法で
折たたまれ、上昇用レスト１６が折たたみ作業中
に案内棒１３により案内されて上昇するよう構成
する。

車いすは、所要の強度を有する軽量金属または
プラスチツク材料等任意の適当な材料で構成する
ことができる。例えば、側枠および主枠を商品名
「レキサン」で市販の材料で造ることもできる。

他の実施例において、ピストンおよびシリンダ
構造を有するラムによつて枠の前後においてそれ
ぞれの枠を相互に連結してシート枠を昇降させる
よう構成することができる。これがため、２個の
枠を既存の車いすに加え、２個または４個のラム
を相互に連結して液圧が供給される際にそれらの
ラムが同時に作動するようにする。

この液圧は液圧タンクから液圧流体を引出すポ
ンプを用いる液圧とすることができ、あるいは他
の方法として、空圧ピストンおよびシリンダから
空気を解放する際に、空気を抽気弁を経て解放さ
れるよう構成して用いることもできる。

本発明は、種々の形式の車いす、特に、折たた
み式車いすまたは他の特別な車いすに適応して
種々の態様で実施することができる。

車いすのひじ掛けの近くに設けられたレバー等
によつて使用者が操作し得る往復動型または回転
型の液圧ポンプまたは空圧ポンプに流体ラムを接
続することができる。

バツテリーを電源とする電動モータによつて駆
動される車いすでは、バツテリーによつて駆動さ
れる小型の電動モータによりポンプを駆動するこ
とができ、あるいはまた、リフト用枠に機械的リ
フト装置を組込んで設け、適当な電動モータによ
つて駆動されるスクリユーおよびナツト装置を利
用してシートを昇降することができる。

このように電動モータによつて駆動する場合に
は、バツテリー費が高くなるが、患者の状態によ
つては、かかる方法が十分望ましい。

折たたんだ状態の車いすにおいて、安定用およ
び鎖錠用棒は車いすを鎖錠するとともに特に、使
用者の体重が車いす内にある場合に、車いすを拡
げた位置に安定させるよう枠上に設けられている
が、しかし、シート部分を所要に応じて上昇およ
び下降させることができる。

ある種の車いすでは、特に、安定用棒が枠の上
部またはシート部分の下部に作用する車いすで
は、車いすのシートを上昇させ得るよう２個の枠
間に別個の安定用または鎖錠用部品を挿入するこ
とが必要である。これは、車いすの形式ならびに
鎖錠および安定構造によつて変わる。

シートを10〜20cm上昇することによつても、使
用者は従来より多くの区域に手をふれ、これらの
区域で安全に仕事することができる。

シートを30cmまで上昇させ得ることは勿論であ
るが、しかし、高さが高くなるにしたがつて、車
いすと使用者との組合せの重心が著しく高くなる
ために、車いすの安定性を考慮に入れることが必
要である。

本発明は、製造中の車いすに実施することもで
き、また、車いすの枠自身をポンプからラムへの
流体を通すための配管として用いることもでき
る。

本発明の種々の実施態様につき詳細に説明した
が、本発明は上述した例に限られることなく、本
発明の精神と範囲内で種々の変更を加えて実施す
ることができる。