JPS627835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は横辷りして開き、かつ障子外面の清
掃に便利な辷り開き窓に関し、殊に障子に取付け
られるケーシングを滑出し金具の枢軸に対して回
転自在に装着した辷り開き窓の改良に係わるもの
である。

従来の横辷り開き窓は実公昭37−8883号公報に
記載されているように、障子の左右いずれか一端
側上下部が窓上下枠に沿つて摺動可能に取付けら
れるとともに、上記障子の上下の横框の略中間部
がそれぞれ窓上下枠に支持アームを介して連結さ
れている。

しかしながら、上記横辷り開き窓に於ては障子
の一端側下部が窓下枠に沿つて摺動する滑出し金
具が下端に１個のボールを回動自在に支承した枢
軸片を上端に取付けた取付脚を介して障子枠の下
部に単に固定したものであるから、この取付位置
は上下方向に調整することはできず、窓の大小や
窓枠の建て付けの悪さにより高さ寸法が変化して
も追従して調整することはできず、かつ１個のボ
ールで障子の全重量を受けるので重量分散が計れ
ずそのため摩耗度合が速く故障等の原因となつて
いた。

この考案は上述した事情に鑑みてなされたもの
であり、横辷り開き窓における障子の窓下枠に沿
つて摺動する滑出し金具を上下方向調整自在に取
付けて上下方向の調整を可能とし、かつ障子の重
量を受け持つ戸車を２個にして重量の分散を計る
とともに、滑出し金具の枢軸内に上記戸車及び障
子の開状態を維持するストツパの操作ロツドを装
着してコンパクトにした辷り開き窓を提供せんと
するものである。

この考案は障子の左右いずれか一端側上下部が
窓上下枠に沿つて摺動可能に取付けられるととも
に、上記障子の上下の横框の略中間部がそれぞれ
窓上下枠に支持アームを介して連結されている横
辷り開き窓において、上記障子の一端側下部が窓
下枠に沿つて摺動する滑出し金具が上記障子の一
端側竪框の下部端面に形成された係合条に上下方
向摺動可能に取付けられた円筒状ケーシングと、
上記窓下枠に形成されたレール上を走行する２個
の戸車を下端の水平部に軸架した垂直部が上記ケ
ーシング内に軸心回りの回動を自在にして装着さ
れた障子框のコーナ部に沿つて形成されたＬ字形
の枢軸筒と、該枢軸筒の垂直部内に挿通された上
端に摘みを形成したロツドと、該ロツドの下端に
延設された窓下枠に対し係合付勢されたストツパ
とからなることを特徴としている。

以下、この考案を図示した実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図はこの考案の辷り開き窓の内観図であ
り、１は障子、２は窓枠、３は支持アームであ
る。障子１は、第２図々示のように支持アーム３
に支持されつつ、レール４上を走行する障子端面
に配設した滑出し金具５により、室内側に突出す
ることなく180度近くまで反転する動きをなす。

第３図はこの考案の要部である障子１の竪框１
ａの上下に配設した滑出し機構を示す図である。
下方の滑出し金具５は枢軸筒６とロツド７とから
なる。枢軸筒６は障子框のコーナ部に沿つた逆Ｌ
字形をしており、その水平部６ａ内には下枠レー
ル４上を走行する２個の戸車８が軸架され、一方
の戸車８は丁度垂直部６ｂ直下に設けてある。該
垂直部６ｂ内にはロツド７が摺動自在に挿通さ
れ、その下端には前記一方の戸車８に当らないよ
うに迂回したストツパ９が、両戸車８間に延設さ
れている。ストツパ９は下枠２ａの適宜の箇所に
設けた係止凹部（図示せず）に対し係合脱離自在
となつており、その先端には滑り用のボール１０
が装着してある。またストツパ９は枢軸筒６の水
平部６ａに内装したコイルばね１１により常時係
合方向に附勢されている。

ロツド７の上端には前記ばね１１の附勢力に抗
してストツパ１０を係止凹部から持ち揚げ脱離さ
せる摘み１２を装着してある。

一方、前記枢軸筒６の垂直部６ｂがその軸心回
りの回動を自在にして内挿されるケーシング１３
は障子１の竪框１ａの下部端面に取付けられてい
る。この取付けは第４図に示すようになされる。
すなわち、竪框１ａ端面両側に係合条となる対向
突条１４，１４を形成すると共に、ケーシング１
３の一側両面に凹溝１５，１５を設け、この凹溝
１５，１５を前記対向突条１４，１４に摺動自在
に嵌め込みケーシング１３を上下位置調整自在と
なし、もつてビス１６等の手段により竪框１ａに
固着してある。なお、前記対向突条１４，１４を
ケーシング１３に、凹溝１５，１５を竪框１ａに
形成しても良い。そして、枢軸筒６はその垂直部
６ｂの下部がベアリング１７で回転自在に支承さ
れ、かつ垂直部６ｂの上部がピン１８によつて抜
止めされている。

また、上方の滑出し金具は、先端にボールを回
動自在に支承した枢軸片を障子の上部横框に固定
した筒状筐体内に嵌装し、かつばねを介装してこ
のばねによつて枢軸片を常時上方に押圧するよう
にしたもの（実公昭37−8883号）であつてもよい
が、本実施例では図示した滑出し金具２５にし
た。

即ち、上方の滑出し金具２５は上枠２ｂレール
２４上を走行するガイド車２８を軸架した枢軸２
７からなり、この枢軸２７の外周に回転自在に装
着したケーシング２３を障子竪框１ａの端面に取
付けてある。

このような構成において、今第３図の状態でス
トツパ９が下枠の係止凹部に係合していれば障子
１を押しても開放しないが、摘み１２を持ち揚げ
ロツド７を介してストツパ９の係合を解除してや
れば、戸車８は自由となり、ガイド車２８ととも
にレール上を走行し、障子１は枢軸筒６の垂直部
６ｂを中心に回転しながら第２図の軌跡を描いて
開披する。このとき次の係合凹所までの間、スト
ツパ９はそのボール１０により下枠上を滑走する
から戸車８の走行に支障を来たすことはない。ま
た、障子１の重量はケーシング１３の回転中心線
と一致した枢軸筒６の垂直部６ｂ直下の一方の戸
車８で支承されるので耐荷重性が良く、かつ戸車
８がもう１つあるので１個の場合に比較して重量
分散が計れ走行が円滑となる。ストツパ９が他の
係合凹所に来たら、ばね１１により自動的に没入
することとなり所定角度位置に障子１は保持され
る。

以上述べたようにこの考案によれば、ケーシン
グと枢軸筒とロツドとは軸心を同じくした３重構
造であり、かつロツド、ストツパ、ばね及び戸車
はすべて枢軸筒内に配設されているので、露出し
ているものと異なり故障が少なく占有空間を小さ
くすることができる。

また、障子の重量はケーシングの回転中心線と
一致した枢軸筒直下の一方の戸車で支承されるの
で耐荷重性が良く、かつ戸車がもう１つあるので
１個の場合に比較して重量分散が計れ走行が円滑
となる。さらに、この考案によれば、下方の滑出
し金具におけるケーシングは障子に対し上下位置
調整自在に取付けられているから、窓の大小や窓
枠の建て付けの悪さにより窓枠の高さ寸法が変化
しても、これに追従して調整することができる。
また、ケーシングは障子に係合条を介して嵌め込
まれているので、たとえ取付ビスが緩んでも両者
が分離して障子が落下することなく安全である。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は辷り開
き窓の内観図、第２図は障子の回転軌跡を説明す
る動作図、第３図は障子滑出し機構の縦断面図、
第４図は下方の滑出し機構の横断面図である。 １……障子、１ａ……竪框、２……窓枠、２ａ
……下枠、４……レール、６……枢軸筒、７……
ロツド、８……戸車、９……ストツパ、１１……
ばね、１２……摘み、１３……ケーシング、１４
……対向突条（係合条）、１６……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 障子の左右いずれか一端側上下部が窓上下枠に
   沿つて摺動可能に取り付けられるとともに、上記
   障子の上下の横框の略中間部がそれぞれ窓上下枠
   に支持アームを介して連結されている横辷り開き
   窓において、上記障子の一端側下部が窓下枠に沿
   つて摺動する滑り出し金具が上記障子の一端側竪
   框の下部端面に形成された係合条に上下方向摺動
   可能に取り付けられた円筒状ケーシングと、上記
   窓下枠に形成されたレール上を走行する２個の戸
   車を下端の水平部に軸架した垂直部が上記ケーシ
   ング内に軸心回りの回動を自在にして装着された
   障子框のコーナ部に沿つて形成されたＬ字形の枢
   軸筒と、該枢軸筒の垂直部内に挿通された上端に
   摘みを形成したロツドと、該ロツドの下端に延設
   された窓下枠に対し係合付勢されたストツパとか
   らなることを特徴とする辷り開き窓。