JPS626400Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、簡易ガスコンロの異常圧安全装置
に関する。

従来の技術 簡易ガスコンロは、小容量ガスボンベを燃料源
として着脱式に用い、燃料源とのホース接続を不
要とするもので、便利であるが、小容量ガスボン
ベは、流出ガスに気化熱を奪われて冷えガス供給
が不安定になるから、それを防止するためガスバ
ーナーのすぐ横に位置して、燃焼熱を適度に受け
るようにされる。しかし、コンロの使用状況によ
つてはガスボンベが必要以上に加熱されて内圧が
上昇し、ガスの供給が異常に高まつて危険な燃焼
状態を招く一方、ガスボンベの異常圧もさらに高
まり、爆発の危険さえ生じる。

これらの危険を防止するものに特開昭52−
12507号公報（従来例１）で知られるものがあ
る。このものはガスボンベが接続されるガス供給
路内のガス圧がばねによる復元機能を持つたピス
トンに働くようにされ、このピストンにボンベセ
ツトレバーを非セツト位置に押し戻すセツト解除
レバーを当てがい、異常圧時それが働いてボンベ
セツトレバーを非セツト位置に戻してガスボンベ
が自動的に接続状態から解かれ、ガス供給停止と
異常圧解消とを行うものである。

考案が解決しようとする問題点 従来例１は異常圧によてガスボンベが自動的に
接続解除された後、ピストンはばねによつて元の
状態に復帰してしまい、次のボンベ再接続を無条
件に許してしまう。このため異常圧が働いたこと
によるボンベ再接続であることの確認がなされ
ず、その分コンロの再使用が安易に開始されて、
異常圧の原因対策等がおろそかになり易いもので
ある。

問題点を解決するための手段 本考案は前記のような問題点を解決するため
に、ガスバーナーへのガス供給経路に設けられ
て、供給ガス圧が異常高圧の際その異常高圧を受
けてガス供給路を遮断しその状態を自己保持する
安全弁と、手動操作されガスボンベを前記ガス供
給経路に押圧接続しまたその接続を解除するボン
ベセツト機構と、ボンベセツト機構をボンベセツ
ト状態に係止するかあるいはボンベセツト機構の
ボンベセツト動作に連動し、それら係止または連
動に伴い前記安全弁をガス供給路開き状態に復帰
させるボンベセツト関連部材とを備えたことを特
徴とするものである。

作 用 ガスボンベをボンベセツト機構によりガス供給
路に押圧接続すると、その状態はボンベセツト機
構自体に有している安定機能かボンベセツト機構
に働かせたボンベセツト関連部材による係止作用
で保たれる。

これによりガス供給が途切れずなされコンロの
連続使用が可能となる。

コンロ使用中異常圧が発生すると、安全弁が働
いてガス供給路を遮断しその状態を自己保持する
とともに、前記セツト状態に自己安定性を持つボ
ンベセツト機構は安全弁に連動するボンベセツト
関連部材によつてボンベセツト解除動作させら
れ、前記ボンベセツト関連部材によつてセツト状
態に係止されるボンベセツト機構はボンベセツト
関連部材が安全弁に連動して係止解除することに
よつてボンベセツト解除状態に自己復帰するの
で、ボンベの押圧接続が自動的に解除される。こ
れによりガス通路遮断とガスボンベセツト解除と
の２重の安全を計ることができる。

前記自己復帰するボンベセツト機構はそれをセ
ツト位置に係止するボンベセツト関連部材が係止
位置に復帰していないとボンベセツト操作しても
セツト位置に係止されずボンベセツトを不能とさ
れ、ボンベセツトを可能にするようボンベセツト
関連部材が係止位置に復帰させられるとそれに連
動して安全弁が自己復帰を解除されボンベセツト
およびガス供給路開の状態となるのでコンロ使用
可能状態にすることができるし、この状態への復
帰にはボンベセツトを行うための操作に安全弁の
自己保持を除する動作抵抗が加わるので、異常圧
発生後の再使用であることを使用者に告知するこ
とができる。

また前記セツト位置への安定機能を持つたボン
ベセツト機構は、それをセツト位置に復帰させる
と、それに連動するボンベセツト関連部材を介し
安全弁の自己保持が解除され、ボンベセツトおよ
びガス供給路開の状態となるのでコンロ使用可能
状態にすることができるし、この状態への復帰に
はボンベセツトを行うための操作に前記同様に安
全弁の自己保持を解除する動作抵抗が加わるの
で、異常圧発生後の再使用であることを使用者に
告知することができる。

実施例 第１図から第３図に示される実施例について説
明すれば、１はガスコンロ本体であつて、ガスバ
ーナー２が設置されるバーナー室３と、ガス供給
源としての小容量ガスボンベ４をバーナー２への
ガス供給路５に対し着脱自在に接続するボンベ室
６とを有している。ガス供給路５には、そのバー
ナー２に近い側から器具コツク７およびガス圧調
整器８が設けられている。ガス圧調整器８は、逆
止弁９付きのボンベ接続口１０を持つた一次側８
ａとバーナー２側の二次側８ｂとの連通口１１
を、二次側８ｂに面して設けられたダイヤフラム
１２に連動する調圧弁１３の動作で開度調節し、
バーナー２への供給ガスを一定圧に調整する。

ボンベ室６内には、ボンベ接続口１０と対向す
るボンベ押圧子１４が、ボンベ接続口１０との対
向方向に摺動自在に設けられ、ボンベセツトレバ
ー１５とピン連結１６している。ボンベセツトレ
バー１５は、ボンベ室６の底部に枢着１７され、
操作部１５ａにより第１図実線位置へ矢符ａ方向
に回動させられたとき、ボンベ押圧子１４を矢符
ｂ方向に移動させて、ボンベ室６内に収容された
小容量ガスボンベ４を、ボンベ接続口１０に対し
その逆止弁９を押し開かせながら接続するように
している。ボンベセツトレバー１５には、それを
矢符ａとは反対の方向に回動させて、前記ボンベ
接続状態を解除するよう作動させるばね１８が働
かされているのに対し、ボンベ室６内に上下に摺
動自在なよう保持されると共に、ばね１９により
下動習性を与えられた係止板２０が設けられ、係
止板（ボンベセツト関連部材）２０の下端係合突
子２０ａがボンベセツトレバー１５の窓１５ｂと
係合することによつて、ボンベセツトレバー１５
を第１図実線位置、つまりボンベ４を接続状態に
するボンベセツト位置へ係止するようにしてい
る。

ガス圧調整器８には、供給ガス圧が異常高圧の
際に作動して、ガス供給路５を遮断する安全弁２
１が一体的に設けられている。安全弁２１は、ガ
ス圧調整器８の二次側ガス供給路５途中に設けら
れた弁室２４内の弁座２２と、弁室２４内で弁座
２２に対し離接してガス供給路５を開閉する弁体
２３とからなり、弁体２３は、ばね２５によつて
弁座２２から常時離れた開き状態にあるよう付勢
されている。弁室２４の弁体２３開位置側端部
に、弁室２４とはダイヤフラム２６により仕切ら
れると共に連通路２７によつてガス圧調整器８の
一次側８ａに連通した受圧室２８が設けられ、ダ
イヤフラム２６の弁室２４側に反転ばね２９が設
けられている。反転ばね２９は、常時受圧室２８
側へ湾曲した状態にあり、ガスボンベ４の内圧上
昇により受圧室２８内に異常高圧が作用してダイ
ヤフラム２６が弁室２４側に押圧されたとき、そ
のダイヤフラム２６による押動を受けて弁室２４
側へ湾曲する状態に反転させられ、弁体２３をば
ね２５に抗し弁座２２へ圧着させて閉じ状態に
し、ガス供給路５を遮断すると共にその状態を自
己保持するようにしている。

弁室２４の受圧室２８とは反対の側に、弁体２
３に対し先端３０ａが対向し、尾端３０ｂが外部
に突出した安全弁リセツト杆３０が摺動自在なよ
う設けられている。３１はリセツト杆３０の摺動
部をシールするＯリングである。前記係止板２０
には、リセツト杆３０の尾端３０ｂと対向する折
曲受動部２０ｂが設けられ、ボンベ室６の開閉蓋
３１の天面に開設されている窓３２の真下に受動
部２０ｂが位置するようにしてある。

ボンベ４を手動で外したいときは、ボンベセツ
トレバー１５を第３図仮想線の如く下方へ押し下
げるか、あるいは係止板２０をばね１９に抗して
引き上げるかして、突子２０ａと突１５ｂとの係
合を外せば、レバー１５は、ばね１８の付勢によ
り矢符ａとは反対の方向に回動されて、ボンベ押
圧子１４が矢符ｂとは反対の方向に移動させ、ボ
ンベ４に対する押圧を解除するから、逆止弁９が
復元ばね３３の作用でボンベ接続口１０を閉止す
ると同時に、ボンベ４を接続口１０から押し外す
ことになる。

一方、ガスボンベ４が接続口１０に接続された
状態で、器具コツク７がその操作ツマミ７ａによ
り開かれると、ガスボンベ４内のガスは、ガス圧
調整器８、弁室２４、器具コツク７を介してバー
ナー２に供給される。ボンベ４の内圧がバーナー
２の燃焼熱を受ける等により異常に高まると、反
転ばね２９が第３図の状態から弁室２４側へ湾曲
する状態に反転させられて、弁体２３を弁座２２
に圧着させるから、ガス供給路５は遮断されバー
ナー２へのガス供給が断たれる。弁体２３が前記
閉止動作されるとき、リセツト杆３０を押動する
から、リセツト杆３０は第３図において上動させ
られ、係止板２０の受動部２０ｂを上方へ押動す
る。これにより係止板２０は上動させられて、突
子２０ａとボンベセツトレバー１５の窓１５ｂと
の係合を自動的に解き、ボンベセツトレバー１５
のばね１８の付勢による矢符ａと反対方向への回
動により前述の如くボンベ４を接続口１０から外
させる。

すなわち、ボンベ４が異常高圧になると、バー
ナー２へのガス供給停止と、ボンベ４の接続解除
とが自動的に行われる。

安全弁２１は、遮断動作した後、リセツト杆３
０を押し下げて、弁体２３を介し反転ばね２９を
受圧室２８側への湾曲状態に反転させることによ
り遮断前の状態に復帰させることができ、この復
帰操作は、ボンベ室開閉蓋３１の窓３２を通じ、
係止板２０の受動部２０ｂを押下し、下動する受
動部２０ｂによつてリセツト杆３０を押し下げて
行える。

しかし、異常圧時に、ボンベ４が接続口１０か
ら外れても、接続口１０は逆止弁９によつて瞬間
的に閉止され、安全弁２１の遮断動作と相俟つて
受圧室２８８内の異常高圧は解除されていないた
め、そのような状態のまま安全弁２１を前記リセ
ツト操作しても、反転ばね２９が再び弁室２４側
に湾曲するよう反転させられ、安全弁２１は遮断
動作してしまう。安全弁２１が遮断動作した後の
受圧室２内における異常圧解除は、取外されたボ
ンベ４が冷えて異常圧に戻つたものか、別に用意
された通常圧のボンベ４かを、接続口１０に接続
すると、受圧室２内が通常圧ボンベ４に連動する
ことにより行われ、その状態で安全弁２１をリセ
ツト操作すれば、遮断動作前の状態に復帰させら
れる。係止板２０の下動はボンベセツトレバー１
５を係止する位置への復帰であつてボンベ４をセ
ツトする操作に含まれ、その操作に反転ばね２９
を復帰させる抵抗が作用し、異常圧発生後の再ボ
ンベセツトであることを使用者に告知し得る。

また、安全弁２１の受圧室２８内の異常圧を解
除する他の方法として、リセツト杆３０をある時
間押動し続け、弁体２３を介し反転ばね２９を受
圧室２８側へ湾曲する状態に保ちながら弁体２３
を開き状態にしておき、受圧室２８内の異常圧を
バーナー２側へ抜けさせるようにすることもでき
る。

第４図、第５図に示される実施例は、ガス供給
路５の途中に設けられる安全弁２１が、異常圧に
応動してガス供給路５を遮断するとき、その遮断
動作に連動して、ボンベセツトレバー１５をボン
ベ接続解除方向へ自動的に操作するようにしたも
のである。ボンベセツトレバー１５は水平軸によ
り枢着１７され、先端部のカム孔１５ｃをボンベ
押圧子１４の受動ピン４１に係合させ、枢着１７
部周りの矢符ａ方向への回動によつて押圧子１４
を矢符ｂのボンベ接続方向に摺動させ、矢符ａと
は反対の方向への回動によつては押圧子１４を矢
符ｂとは反対のボンベ接続解除方向に摺動させる
ようにしてあり、ボンベ押圧子１４とボンベ室６
底部との間に、押圧子１４およびボンベセツトレ
バー１５がボンベ接続解除状態に常時あるよう付
勢するばね４２を働かせてある。

カム孔１５ｃの一端部には、受動ピン４１との
弾性係合によつて、ボンベセツトレバー１５およ
び押圧子１４を、ボンベ接続位置に安定させる係
合部４３が形成されている。

安全弁２１は、ガス供給路５の途中に形成され
弁室２４内に、ばね４４によつて閉じ方向に付勢
された弁体２３を設け、別に、ガス供給路５の一
側に面した反転ばね２９を設けて、常時はガス供
給路５側に湾曲した状態で弁体２３をばね４４に
抗し弁座２２から押し離した開き状態としてお
き、ガス供給路５内に異常圧が作用したときは、
反転ばね２９が第５図一点鎖線の如くガス供給路
５とは反対の方に湾曲するよう反転し、弁体２３
はばね４４の付勢によつてその反転に連動し弁座
２２に圧着され、ガス供給路５を遮断するように
されている。

反転ばね２９のガス供給路５とは反対の側に
は、別の室４５を設けて、反転ばね２９に連動す
るようばね４６により付勢した作動子４７を摺動
自在に保持し、作動子４７の室４５から突出して
いる突出端を、別に水平軸により枢着４８して設
けられているボンベリセツトレバー（ボンベセツ
ト関連部材）４９の一端受動部４９ａに対向さ
せ、ボンベリセツトレバー４９の他端作動部４９
ｂを、ボンベセツトレバー１５の操作部１５ａ側
横に形成された受動片１５ｄに対向させている。

これにより、安全弁２１が遮断動作したとき、
作動子４７は、第４図、第５図一点鎖線の如く下
動して、ボンベリセツトレバー４９の受動部４９
ａを押し下げる。レバー４９は受動部４９ａを押
し下げられると、作動部４９ｂによりレバー１５
の受動片１５ｄを持ち上げ、レバー１５を第４図
一点鎖線のボンベ接続解除状態にし、ボンベ４の
接続を自動的に解除させる。

以上において、ボンベセツトレバー１５および
ボンベ押圧子１４は、ガスボンベ４を接続ないし
は接続解除の各状態にするボンベセツト機構をな
し、リセツト杆３０や、作動子４７およびボンベ
リセツトレバー４９は、安全弁２１が遮断したと
き、それに連動してボンベセツト機構をボンベ接
続解除状態とする、異常圧時ボンベ接続解除機構
をなし、何れも具体的構成は種々に設計できる。

考案の効果 本考案によれば、ガスバーナーへのガス供給経
路に設けられて、供給ガス圧が異常高圧の際その
異常高圧を受けてガス供給路を遮断しその状態を
自己保持する安全弁と、手動操作されガスボンベ
を前記ガス供給経路に押圧接続しまたその接続を
解除するボンベセツト機構と、ボンベセツト機構
をボンベセツト状態に係止するかあるいはボンベ
セツト機構のボンベセツト動作に連動し、それら
係止または連動に伴い前記安全弁をガス供給路開
き状態に復帰させるボンベセツト関連部材とを備
えたものであるから、コンロ使用中異常圧が発生
すると、安全弁が働いてガス供給路を遮断しその
状態を自己保持するとともに、前記セツト状態に
自己安定性を持つボンベセツト機構は安全弁に連
動するボンベセツト関連部材によつてボンベセツ
ト解除動作させられ、前記ボンベセツト関連部材
によつてセツト状態に係止されるボンベセツト機
構はボンベセツト関連部材が安全弁に連動して係
止解除することによつてボンベセツト解除状態に
自己復帰するので、ボンベの押圧接続が自動的に
解除される。これによりガス通路遮断とガスボン
ベセツト解除との２重の安全を計ることができ、
異常圧発生に対する安全性が高い。

特に本考案は前記２重安全機能を持ちながら前
記自己復帰するボンベセツト機構はそれをセツト
位置に係止するボンベセツト関連部材が係止位置
に復帰していないとボンベセツト操作してもセツ
ト位置に係止されずボンベセツトを不能とされ、
ボンベセツトを可能にするようボンベセツト関連
部材が係止位置に復帰させられるとそれに連動し
て安全弁が自己復帰を解除されボンベセツトおよ
びガス供給路間の状態となるのでコンロ使用可能
状態にすることができるし、この状態への復帰に
はボンベセツトを行うための操作に安全弁の自己
保持を解除する動作抵抗が加わるので、異常圧発
生後の再使用であることを使用者に告知すること
ができるし、また前記セツト位置への安定機能を
持つたボンベセツト構は、それをセツト位置に復
帰させると、それに連動するボンベセツト関連部
材を介し安全弁の自己保持が解除され、ボンベセ
ツトおよびガス供給路開の状態となるのでコンロ
使用可能状態にすることができるし、この状態へ
の復帰にはボンベセツトを行うための操作に前記
同様に安全弁の自己保持を解除する動作抵抗が加
わるので、異常圧発生後の再使用であることを使
用者に告知することができるもので、通常のボン
ベセツト操作によつて安全弁を復帰させることが
でき特別な安全弁復帰動作が要らないうえ、安全
弁の自己保持解除のための操作抵抗によつて異常
圧発生後の再使用を使用者に告知して異常圧対策
を促し安全使用に意を向けさせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の斜面図、第２図は要部の半
部を横断して見た平面図、第３図は要部の縦断面
図、第４図は他の実施例の一部斜面図、第５図は
一部縦断面図である。 ４……小容量ガスボンベ、５……ガス供給路、
｛１４……ボンベ押圧子、１５……ボンベセツト
レバー、１８……ばね｝ボンベセツト機構、２
０，４９……ボンベセツト関連部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガスバーナーへのガス供給経路に設けられて、
   供給ガス圧が異常高圧の際その異常高圧を受けて
   ガス供給路を遮断しその状態を自己保持する安全
   弁と、 手動操作されガスボンベを前記ガス供給経路に
   押圧接続しまたその接続を解除するボンベセツト
   機構と、 ボンベセツト機構をボンベセツト状態に係止す
   るかあるいはボンベセツト機構のボンベセツト動
   作に連動し、それら係止または連動に伴い前記安
   全弁をガス供給路開き状態に復帰させるボンベセ
   ツト関連部材と を備えたことを特徴とする簡易ガスコンロの異常
   圧安全装置。