JPS626369Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、筒状の弁座と、該弁座内に介装する
コイルバネによつて上下動可能に保持されるエレ
メントと、該エレメントに一体となつて前記弁座
に対し接離する混合弁とを収蔵しているカートリ
ツジを、水管と湯管とが合流する弁筐内に嵌装
し、前記エレメント上方のガイド端に出没するピ
ストンの先端に衝合するバネ受及び該バネ受を上
下動可能に保持し内部にコイルバネを装入するバ
ネケースと、該バネケースをハンドルによつて上
下動さすネジ部材と、これらを保持するボデーと
からなる調整部を、そのボデーを介して前記弁筐
の開口部に嵌着して構成される自動ミキシングバ
ルブ装置の改良に関する。

水から湯まで変更して取出す必要のある自動ミ
キシングバルブ装置で、できるだけ湯が混じらな
い水を取出す場合、混合弁と弁座のシールを良く
するため、該混合弁を弁座に強く圧接する必要が
ある。このためには、該混合弁と一体に作動する
ようになつているエレメントのガイド部を直接押
圧すると良い。

しかし、従来のこの種の自動ミキシングバルブ
装置において、エレメントのガイド部を直接押圧
するときには、調整部のハンドルを廻すことにな
るが、このハンドルを廻しすぎると、混合弁と弁
座に異常に大きな力が加わり、混合弁を損壊する
おそれが多い。換言すれば、従来のこの種の自動
ミキシングバルブ装置では、エレメントのガイド
部を直接押圧するようにはなつておらず、エレメ
ントを保持している側のコイルバネと、調整部側
のコイルバネとの差圧によつてのみ混合弁を弁座
に圧接するようになつていて、混合弁の損壊が起
きないようになつており、反面、水のみ取出すと
き湯の漏洩を完全に防止できない。

本考案は、これら従来技術の問題点に鑑みてこ
れを解決するためになされたもので、従来装置に
僅かな改良を加えることにより、混合弁及び弁座
の耐用年限の延長、適正な水の取出しが行なえる
新規な自動ミキシングバルブ装置を提供すること
を目的とする。

この目的のために、本考案の自動ミキシングバ
ルブ装置では、筒状の弁座２と、該弁座２内にコ
イルバネS₁を介装し上下動可能に保持されるエレ
メント３と、該エレメント３に一体となつて前記
弁座２に対し接離する混合弁４とを収蔵している
カートリツジａを、水管１０と湯管１１とが合流
する弁筐ｂ内に嵌装し、前記エレメント３のガイ
ド９端に出没可能に突出するピストン８の先端に
衝合するバネ受１５及び該バネ受１５を上下動可
能に保持し内部にコイルバネS₃を収蔵するバネケ
ース１６と、該バネケース１６をハンドル１７に
よつて上下動さすネジ部材１８と、これらを保持
するボデー１９とからなる調整部ｃをそのボデー
１９を介して前記弁筐ｂの開口部に嵌着して構成
される自動ミキシングバルブ装置において、前記
弁座２を前記カートリツジａの筒枠１に対し上下
可動に設け、その筒枠１内に該弁座２を支えるコ
イルバネS₂を設け、かつ、前記ガイド９先端とバ
ネケース１６の先端とを前記ハンドル１７により
上下動するネジ部材１８を介し衝合可能とし、そ
の衝合押圧力により前記混合弁４を弁座２に圧接
させるよう構成したことを特徴とする。

以下、本考案の詳細を図示する実施例に従つて
説明する。

第１図において、Ａは自動ミキシングバルブ
で、カートリツジａ、弁筐ｂ、調整部ｃで構成さ
れている。

カートリツジａは、有天の筒枠１内に、筒状の
弁座２と、該弁座２内に介装する第１コイルバネ
S₁によつて上下動可能に保持されるエレメント３
と、該エレメント３に一体となつて前記弁座２に
対し接離する混合弁４などを収蔵して構成されて
いる。

第１コイルバネS₁は受座５と押え側のバネケー
ス６との間に介装され、該バネケース６は前記エ
レメント３と一体、従つて、前記混合弁４とも一
体となつている。

前記筒状の弁座２の下方外周には、段部２ａを
形成して第２コイルバネS₂を介装している。７
は、該第２コイルバネS₂を受けるために前記筒枠
１の下部に設けたバネ受である。

前記エレメント３の上端部には、ピストン８の
ガイド９が設けられ、該ガイド９は前記筒枠１の
有天部１ａを摺動可能に貫通しその上部に突出し
ている。

前記筒枠１は、上部に水入口１ｂを、下部に湯
入口１ｃを夫々開設し（第３図）、その内周壁に
は、前記混合弁４の外周との気密を保持するＯリ
ングr₁、及び、前記弁座２の外周との気密を保持
するＯリングr₂を設けている（第４図）。そし
て、この混合弁４が上下動することにより、該水
入口１ｂから導入される水の量及び該湯入口１ｃ
から導入される湯の量を調整するようになつてい
る。また、該筒枠１の外周壁には、第１図に示す
ように、弁筐ｂの内周壁との気密を保つために、
上中下段にＯリングr₃・r₄・r₅が設けられている
（第３図）。

該弁筐ｂは、第１図に示すように、水管１０と
湯管１１とが合流する管路部分に形成され、前記
カートリツジａの挿入口１２及び混合水の取出口
１３は前記水管１０及び湯管１１と直交するよう
になつている。１４はカートリツジ据付用段部
で、混合水の取出口側に形成されている。前記挿
入口１２から該弁筐ｂ内にカートリツジａを嵌挿
据付した後、該挿入口１２には調整部ｃが装着さ
れるようになつている。

該調整部ｃは、第１図に示すように、前記ピス
トン８の先端に衝合するバネ受１５及び該バネ受
１５を上下動可能に保持しかつ内部に第３コイル
バネS₃を収蔵するバネケース１６と、該バネケー
ス１６をハンドル１７によつて上下動さすネジ部
材１８と、これらを保持するボデー１９などで構
成されている。

前記バネケース１６の下端は、第２図に示すよ
うに、前記ガイド９の上端に衝合可能となつてお
り、かつ、その下端部外周には前記ネジ部材１８
が衝合する段部１６ａが形成されている。

該ネジ部材１８は、雄ネジ部材２０と雌ネジ部
材２１とからなる。該雄ネジ部材２０の中央に
は、下方に開放する空胴２０ａが形成されてい
て、そこに前記バネケース１６の上方が上下摺動
可能に嵌合しており、その外周下部に雄ネジ２０
ｂが刻設されていて、そこに上方に開放し内部に
雌ネジ２１ｂの刻設される有底筒状の雌ネジ部材
２１が螺合している。該雌ネジ部材２１の有底部
分が調整ネジ受２１ａとなつて、該調整ネジ受２
１ａが前記バネケース１６に嵌合してその下端部
外周の段部１６ａに衝合している。

そして、この有底筒状の雌ネジ部材２１はボデ
ー１９に上下動可能に保持され、前記雄ネジ部材
２０は該ボデー１９に回動可能に保持されて、か
つ、その上端部分が該ボデー１９の上方に突出し
ていてその部分に回動用のハンドル１７が固着さ
れている。r₆は該雄ネジ部材２０の回動保持部分
に介装するＯリングである。

該ボデー１９は、下端側に前記挿入口１２と嵌
合する嵌合部１９ａを形成し、かつ、中央には前
述した調整部ｃの雌ネジ部材２１が上下摺動自在
に嵌合する下向に開放する空胴１９ｂを形成する
と共に、それの雄ネジ部材２０の上方部が貫通し
てこれを回動自在に抱持する軸受部１９ｃを形成
している。２２は固定ネジである。

前述した、第１・第２・第３コイルバネS₁・
S₂・S₃の強度の関係は、S₁＜S₃＜S₂に設定され
る。

第１コイルバネS₁と第３コイルバネS₃は、エレ
メント３にかかるバネであるから、それに適した
バネ力にする必要があり強くできないことと、第
１コイルバネS₁と第３コイルバネS₃とは対抗した
バネのため混合弁４を弁座２に圧接する力は、該
１コイルバネS₁と第３コイルバネS₃の差圧による
力とするものである。第１コイルバネS₁は４〜６
Kg、第３コイルバネS₃は８〜10Kgに設定され、混
合弁４を弁座２に圧接する力はその差圧で得られ
る４Kg程度である。この程度の力による圧接にお
いて、混合弁４と弁座２とのシール部分は壊れな
いが、湯の漏洩を完全に防止できない。圧接力を
増大させても、そのシール部分を壊さないように
するために、第２コイルバネS₂が、最も強いバネ
力をもつて設定されている。この第２コイルバネ
S₂は、バネ力12〜15Kgに設定されるが、対抗する
バネはないので、そのバネ力そのままが混合弁４
を圧抗する力となつている。

次に上述のように構成された自動ミキシングバ
ルブ装置の作用を説明する。

混合水を取出すときには、第１図に示すよう
に、第１コイルバネS₁とエレメント３の伸縮部ピ
ストン８の伸縮により混合弁４が上下し、水及び
湯の量を調節しコントロールする。

他方、水を取出すときには、調整ネジ受２１ａ
が下方に移行するように、ハンドル１７を介して
雄ネジ部材２０を回動すると、先ず、ピストン８
と先に混合弁４が下降して弁座２に当接する。す
ると、ピストン８に押されたバネ受１５を介して
第３コイルバネS₃が撓わみ、バネケース１６の下
端面が、第２図に示すように、ガイド９の上端面
に衝合して該ガイド９と共に混合弁４を弁座２に
押圧することになり、該弁座２は第２コイルバネ
S₂に抗して押し下げられることになる。

以上述べたように、本考案の自動ミキシングバ
ルブ装置においては、筒状の弁座２と、該弁座２
内にコイルバネS₁を介装し上下動可能に保持され
るエレメント３と、該エレメント３に一体となつ
て前記弁座２に対し接離する混合弁４とを収蔵し
ているカートリツジａを、水管１０と湯管１１と
が合流する弁筐ｂ内に嵌装し、前記エレメント３
のガイド９端に出没可能に突出するピストン８の
先端に衝合するバネ受１５及び該バネ受１５を上
下動可能に保持し内部にコイルバネS₃を収蔵する
バネケース１６と、該バネケース１６をハンドル
１７によつて上下動さすネジ部材１８と、これら
を保持するボデー１９とからなる調整部ｃをその
ボデー１９を介して前記弁筐ｂの開口部に嵌着し
て構成される自動ミキシングバルブ装置におい
て、前記弁座２を前記カートリツジａの筒枠１に
対し上下可動に設け、その筒枠１内に該弁座２を
支えるコイルバネS₂を設け、かつ、前記ガイド９
先端とバネケース１６の先端とを前記ハンドル１
７により上下動するネジ部材１８を介し衝合可能
とし、その衝合押圧力により前記混合弁４を弁座
２に圧接させるよう構成したので、従来、水を取
出すときに、湯の通路の閉塞するのに４Kgのバネ
差圧による力で混合弁を弁座に圧接させていたも
のを12〜15Kgの力で圧接することが可能となつ
て、湯の漏洩を完全に防止できると共に、その弁
座がコイルバネを介して設置されることで緩衝作
用を受けるから混合弁とのシール部分に損壊が生
ずることも防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動ミキシングバルブ装置の
縦断面図、第２図は同上自動ミキシングバルブ装
置の作動状態を示す縦断面図、第３図は同上自動
ミキシングバルブ装置のうちカートリツジ部分の
側面図、第４図は同上カートリツジ部分の縦断面
図である。 図面符号の説明、Ａ…自動ミキシングバルブ、
ａ…カートリツジ、ｂ…弁筐、ｃ…調整部、１…
筒枠、１ａ…有天部、１ｂ…水入口、１ｃ…湯入
口、１０…水管、１１…湯管、１２…挿入口、１
３…取出口、１４…段部、１５…バネ受、１６…
バネケース、１６ａ…段部、１７…ハンドル、１
８…ネジ部材、１９…ボデー、１９ａ…嵌合部、
１９ｂ…空胴、１９ｃ…軸受部、２…弁座、２ａ
…段部、２０…雄ネジ部材、２０ａ…空胴、２０
ｂ…雄ネジ、２１…雌ネジ部材、２１ａ…調整ネ
ジ受、２１ｂ…雌ネジ、２２…固定ネジ、３…エ
レメント、４…混合弁、５…受座、６…バネケー
ス、７…バネ受、８…ピストン、９…ガイド、
S₁・S₂・S₃…コイルバネ、r₁・r₂・r₃・r₄・r₅・r₆
…Ｏリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の弁座２と、該弁座２内にコイルバネS₁を
   介装し上下動可能に保持されるエレメント３と、
   該エレメント３に一体となつて前記弁座２に対し
   接離する混合弁４とを収蔵しているカートリツジ
   ａを、水管１０と湯管１１とが合流する弁筐ｂ内
   に嵌装し、前記エレメント３のガイド９端に出没
   可能に突出するピストン８の先端に衝合するバネ
   受１５及び該バネ受１５を上下動可能に保持し内
   部にコイルバネS₃を収蔵するバネケース１６と、
   該バネケース１６をハンドル１７によつて上下動
   さすネジ部材１８と、これらを保持するボデー１
   ９とからなる調整部ｃをそのボデー１９を介して
   前記弁筐ｂの開口部に嵌着して構成される自動ミ
   キシングバルブ装置において、前記弁座２を前記
   カートリツジａの筒枠１に対し上下可動に設け、
   その筒枠１内に該弁座２を支えるコイルバネS₂を
   設け、かつ、前記ガイド９先端とバネケース１６
   の先端とを前記ハンドル１７により上下動するネ
   ジ部材１８を介し衝合可能とし、その衝合押圧力
   により前記混合弁４を弁座２に圧接させるよう構
   成したことを特徴とする自動ミキシングバルブ装
   置。