JPS626188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は枠体と壁体から構成され、内部に配管
を収納し、壁体前面に衛生器材を取付けてなる設
備ユニツトと設置場所壁面との空隙部における目
地処理に関するものである。

衛生設備として設備ユニツトはビル建築におい
て他の工事と並行して実施でき作業の省力化、合
理化ができるものとして多用されている。従来の
設備ユニツトにおける壁体、特に設備ユニツト前
面に用いる壁体として亜鉛メツキ鋼板の表面にア
クリル焼付塗装を行つたものが多用されてきた。
然し乍ら老朽化しやすい、一般に広くおこなわれ
ているタイルを壁面に貼つた場合と趣きを異にし
違和感が払拭できないものである等から、壁体に
タイルを貼付することが望まれている。ところで
設置時における省力化を目的とする設備ユニツト
において一々タイルを貼付するのでは省力化でき
ず、為にあらかじめタイルを貼付したタイルパネ
ルを用い、その重量を考慮して壁面全体を分割す
る複数枚を壁体として用いて取付けることが作業
上効率的である。複数枚のタイルパネルを用いて
壁面を構成した場合壁面全体の統一感を得るため
には、タイルパネル間を近接させ、各パネルのタ
イル間目地幅に合一させるようにすることが必要
である。このため設備ユニツトの両側端におい
て、設置場所の壁面との間に空隙部が生じやす
く、空隙部においてはタイル間の目地処理と同様
の目地処理が壁面の統一感を得るためにも必要で
ある。この時、単に目地用のコーキング材を充填
すると空隙部に相当量の注入が必要であり、又コ
ーキング材と壁面との接触面積が広くなり、ユニ
ツトの保守点検の必要があつても、コーキング材
の接着力等によりタイルパネルの取外しが困難と
なつたり、場合によつては壁面を傷付ける事態に
もなりかねないものであつた。

本考案はかかる現状に鑑み案出されたものであ
り、空隙部へのコーキング材の充填に効果的な目
地構造を提供するものである。即ち、枠体と壁体
から構成され、内部に配管を収納し、壁体に衛生
器材を取付けてなる設備ユニツトにおいて、その
両側端と設置場所の壁面とで形成される空隙部に
向けて断面Ｌ字状の長尺体からなる目地材のＬ字
をなす一辺を他辺が壁体前方側に向くように壁体
裏面に取付けるとともに、他辺を壁に当接させる
ことにより形成される空隙部に目地材前方先端よ
りわずかあふれるようにコーキング材を充填した
ことを特徴とする設備ユニツトと壁との目地構造
である。

実施例を図面に従い説明する。第１図は本考案
に係る設備ユニツトの分解図、第２図は設備ユニ
ツトの側端における正面図、第３図は要部の断面
図である。設備ユニツト１は金属性アングル等か
らなる枠体２と該枠体２に取付ける壁体３、枠体
２上に載置される天板４から構成され、内部に給
水・排水管（図示せず）を収納し、壁体前面には
便器等の衛生器材（図示せず）を取付けてなる。
壁体３としてタイルパネル５が用いられる。タイ
ルパネル５は合板等からなる基板６に適宜間隔を
有する目地を構成してタイル７を貼付したもので
ある。タイルパネル５の裏面には基板６の周辺部
には補強用に金属製のフレーム８が固定される。
タイルパネル５は設置場所の広さに従い適宜枚数
を使用し、各タイルパネル５間を前記タイル７間
の目地程度とすべく近接して枠体２に取付ける。
タイルパネル５の枠体２への取付けにおける調整
に応じ設備ユニツト１の両側端では設置場所の壁
面９との間に空隙部１０が生じる。タイルパネル
５から構成される設備ユニツト１の壁面における
統一感を得るため、空隙部１０においてもタイル
パネル５内におけるタイル間の目地処理と同様の
処理が必要であるが、空隙部１０にそのままコー
キング材１１を充填すると相当量の注入が必要で
あり、壁面９とコーキング材１１の接触面積が広
くなり、設備ユニツト１の点検時におけるタイル
パネル５の取外しの際コーキング材１１の接着力
により取外しが困難になつたり、壁面９を傷付け
ることになりかねない。本考案に係る空隙部１０
の目地処理においては、第３図に示す如く、断面
Ｌ字状の長尺体からなる目地材１２を用いる。該
目地材１２はそのＬ字をなす一辺をタイルパネル
５の裏面に他辺が壁体３の前方側に向くようにし
てビス等で固定する。又、補強用のフレーム８が
取付けてある場合は該フレーム８に固定する。空
隙部１０の幅が必ずしも一定とならない場合も生
ずるので、ビス孔を横方向の長孔とし、ビスによ
り固定するようにしておくと調整が容易である。
他方、目地材１２の断面Ｌ字を形成する他の一辺
は壁面９に当接させる。以上によりタイルパネル
５、壁面９、目地材１２、及びタイルパネル５裏
面のフレーム８等により空隙部１０は一方を開口
して断面コ字状に囲繞される。該空隙部１０には
目地材前方先端よりわずかあふれるようにコーキ
ング材１１を充填して仕上げる。コーキング材１
１は目地材１２等で囲繞された部分だけに注入す
ればよいので不必要に注入することなく節約する
ことができる。又、壁面９との間は大半が目地材
１２によつて遮断され一部が壁面９と接触するの
みであるから、壁面９に必要以上に接着されるこ
ともない。

以上、本考案によれば設備ユニツトの側端と設
置場所との間に生ずる空隙部に向けてＬ字状の長
尺体からなる目地材をその一辺が、他辺が壁体前
方側に向くようにし、該他辺が壁面に当接するよ
うに取付けて囲繞したのでコーキング材を必要以
上に注入することなく目地処理ができ、かつ仕上
げも美麗なものとすることができる。又、コーキ
ング材はその多くが目地材と接触し、壁面に接す
る部分を少なくすることができるので点検等でタ
イルパネルの取外しが必要となつた場合でも容易
に実施でき、壁面を痛めることもない。又、目地
材の固定に際し、長孔を介してビス止めするよう
にすれば空隙部の幅に対応して調節できるなど多
くの利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る設備ユニツト、第２図は
設備ユニツトの側端における正面図、第３図は要
部の断面図である。 １……設備ユニツト、２……枠体、３……壁
体、５……タイルパネル、９……壁面、１０……
空隙部、１１……コーキング材、１２……目地
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠体と壁体から形成され、内部に配管を収納
   し、壁体に衛生器材を取付けてなる設備ユニツト
   において、その両側端と設置場所の壁面とで形成
   される空隙部に向けて断面Ｌ字状の長尺体からな
   る目地材のＬ字をなす一辺を他辺が壁体前方側に
   向くように壁体裏面に取付けるとともに、他辺を
   壁に当接させることにより形成される空隙部に目
   地材前方先端よりわずかあふれるようにコーキン
   グ材を充填したことを特徴とする設備ユニツトと
   壁との目地構造。