JPS626064B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は身体障害者用階段昇降装置に関するも
のである。

身体障害者を各階層へ昇降させるようにした従
来の身体障害者用階段昇降装置は専用の装置とし
て階段の一側に設置されているため、使用頻度の
少ない装置に階段の一部を占有されて床面積の有
効使用ができないうえに装置が大がかりなものと
なつて設置費が嵩む欠陥があつた。

本発明は前記のような欠陥のない身体障害者用
階段昇降装置を目的として完成されたものは、以
下、図示の実施例について詳細に説明する。

１は階段と同一傾斜角をもつて該階段の一側に
設けたレール２に走行自在に支持される片持式の
塔乗板であつて、該塔乗板１は身体障害者（以
下、身障者という）を乗せる塔乗部３とこれと一
体に形成された支持ブラケツト４とよりなるもの
とし、また、前記レール２は支持ブラケツト４の
上端に軸支した車輪５を支持するために階段の一
側に設けられた側枠部６上に固着される上部レー
ル２ａと、該側枠部６の側面に設けられて支持ブ
ラケツト４の下端方部両側に設けられた案内車輪
７，７′を案内支持する下部レール２ｂ，２ｂと
よりなつており、該レール２の上部レール２ａの
上下端方部および下部レール２ｂ，２ｂの上端方
部は水平となつている。また、案内車輪７，７′
は第３図に示すように軸部９を介して支持ブラケ
ツト４に回動自在に枢着されたフオーク状の車輪
受け８に軸支されており、該車輪受け８は案内車
輪７，７′が下部レール２ｂ，２ｃの水平部から
傾斜部に移行する際に軸部９を中心として回動
し、案内車輪７，７′が下部レール２ｂ，２ｂの
傾きに沿うようになつている。１０は階上に設け
た駆動室１１内に取付けた図示されないモータに
流体継手を介して連結した減速機の出力軸に取付
けられる正逆回転自在な主動用の鎖車で、該鎖車
１０に掛けられたチエン１２は階下の側枠部６に
設けられた従動用の鎖車１４と案内鎖車１３に案
内されて階上と階下との間に掛けわたされてい
る。また、このチエン１２は側枠部６内に位置さ
せてあり、該チエン１２の適所に設けた連結ピン
１５は側枠部６の開口より外方に張出されて支持
ブラケツト４に連結されていて駆動室１１内の図
示されないモータを駆動して鎖車１０を回転させ
れば、チエン１２の移動にともない連結ピン１５
に連結された塔乗板１は水平状態を保ちつつ上部
レール２ａに支持される車輪５と下部レール２
ｂ，２ｂに案内支持される案内車輪７，７′によ
り階上および階下を昇降できるようになつてい
る。１７は塔乗板１が嵌合された際にその上面が
フロアと同一面となるよう上下のフロアａ，ｂに
設けられるフロアピツトであり、１８はフロアピ
ツト１７の下方に設けられて塔乗板１の嵌合が解
かれた際に上面がフロア面と同一となるまで上昇
移動する移動台で、該移動台１８はフロアピツト
１７内に設けられる台板１９と、該台板１９を昇
降させるパンタグラフ２０と、該パンタグラフ２
０を伸縮させる駆動装置２１とよりなるもので、
前記した一対のパンタグラフ２０はフロアピツト
１７の底面に一端を枢支した外アーム２２と、該
外アーム２２の中央部に枢着ピン２３をもつて中
央部を軸支し交差させて一端を台板１９の裏面に
枢支した内アーム２４と、外アーム２２の他端に
軸支したローラ２５と内アーム２４の他端に軸支
したローラ２６とよりなるものであり、２７は両
側の内アーム２４を連結する連結棒である。ま
た、外アーム２２のローラ２５と内アーム２４の
ローラ２６を転動案内する案内レール２８，２９
が移動台１８の台板１９の下面とフロアピツト１
７の上面に取付けられている。そして、前記パン
タグラフ２０を伸縮させる前記の駆動装置２１は
両ローラ２６の軸に連結される連結部材３０と、
連結部材３０の中間部に設けられた雌ねじ部３１
に螺合されるねじ棒３２と、該ねじ棒３２をはす
ば歯車３４，３５を介して正逆回転させる減速機
付のモータ３７とよりなるものである。なお、図
中３３はねじ棒３２の軸受、３６ははすば歯車３
５を設けたモータ３７の回転軸であり、また、３
８は側枠部６に隣接する建物壁面に取付けた歩行
者用の手摺り、３９，３９′は階下と階上に設け
られる操作盤、４０は側枠部６の側面を蔽うプラ
スチツク製の照明用のカバーであり、カバー４０
内のライトは塔乗板１を昇降させる際に点灯させ
るものである。４１は下部レール２ｂの適所に設
けられ塔乗板１の通過により作動されて移動台１
８を昇降動させるスイツチ、４２は塔乗板１の走
行範囲を示して一般歩行者の注意を促すために階
段に塗布される白線標示であり、４３は塔乗部３
の上面に設けられる車椅子の車輪を案内する案内
溝、４４は塔乗部３の前後端面に設けられる光電
管式のセンサで、白線標示４２内に人その他の障
害物があるときには一旦塔乗板１を停止させるた
めのものである。

このように構成されたものは、塔乗板１の不使
用時には片持式の該塔乗板１の塔乗部３はフロア
ａ，ｂのいずれか一方のフロアピツト１７内に格
納されて塔乗部３の上面とそのフロア面とは同一
の高さににつているのに対し、塔乗板１が格納さ
れていない他方のフロアピツト１７は移動台１８
の上面がそのフロア面と同一の高さとなるよう移
動しているので、歩行者は平常通りに階段全幅を
使用することができるが、身障者がこの階段を昇
降しようとする場合には、操作盤３９にある呼出
釦を押して係員に知らせれば、係員はその場に出
向くか或いは管理室よりテレビで監視しながらス
ピーカで身障者に操作方法を伝えるとともにテー
プレコーダ等により歩行者が白線標示４２から外
へ出るように放送し、かつ、カバー４０内のライ
トを点灯して歩行者に注意をうながす。そして、
安全が確認できたら、身障者は車椅子を塔乗板１
の塔乗部３上に移動させ、支持ブラケツト４に設
けられた図示されない起伏自在な手摺りを起しこ
れを把持して操作盤３９のスタート釦を押せば、
駆動室１１内の図示されないモータが起動し、鎖
車１０は駆動室１１内の流体継手の作用により緩
やかに始動され、鎖車１０に掛けられているチエ
ン１２が移動して身障者を乗せた走行自在な片持
式の塔乗板１は階段と同一傾斜角をもつて該階段
の一側に設けたレール２に支持されて水平状態で
フロアｂからフロアａに向つて移動される。そし
て前記の塔乗板１がフロアｂのフロアピツト１７
の凹部から離れてレール２に沿つて僅かに上昇し
たときは下部レール２ｂに設けたスイツチ４１が
働いて駆動装置２１のモータ３７が作動し、ねじ
棒３２を一定時間回転させるから、該ねじ棒３２
のねじ部に螺合している雌ねじ部３１を中間部に
設けた連結部材３０は移動し、該連結部材３０の
軸に連結されているローラ２６は案内レール２９
に沿つて転動して内アーム２４を起すため、枢着
ピン２３に枢支されている外アーム２２も案内レ
ール２８に沿つてローラ２５を転動させて起き上
り、パンタグラフ２０は伸長し、移動台１８の台
板１９をフロア面と同一の高さに上昇させるか
ら、塔乗板１が離れたフロアピツト１７はフロア
面と段差がなくなり、歩行者の歩行に支障をきた
すことがない。そして、この塔乗板１がフロアａ
に近ずくとレール２の下部レール２ｂに設けられ
た前記スイツチ４１と同様のスイツチ４１が働い
て階上の駆動装置２１のモータ３７が作動して階
上のフロアピツト１７内で伸長状態にあつたパン
タグラフ２０は収縮状態になるから身障者を乗せ
た塔乗板１は収縮したフロアピツト１７内の移動
台１８の台板１９上に至つてフロアａと段差のな
い状態で停止され、その後身障者は車椅子を移動
させて塔乗板１からフロアａ上に移動することが
できる。このように塔乗板１がフロアａ上に停止
されるとカバー４０内のランプが消灯して階段は
歩行者が全幅を使用する通常時の状態になる。ま
た、身障者が階上から階下に移る場合は階上に設
けた操作盤３９′の釦を押して前記とは逆に階下
への移動を行えばよいものである。なお、実施例
では移動台を昇降させるようにしているが横から
フロアピツトをふさぐようにスライドするもので
もよく、また、必要時にはこの装置を荷物の揚降
用として使用してもよいことは勿論である。

本発明は前記説明によつて明らかなように、階
段と同一傾斜角をもつて該階段の一側に設けたレ
ールに片持式の塔乗板を走行自在に支持させる一
方、塔乗板がフロア面と同一面となるよう嵌合さ
れるフロアピツトを設けてあるから、塔乗板を格
納した時はフロアには段差が生ぜず、しかも、片
持式であるために塔乗板の支持ブラケツトは階段
の一側に沿つて走行者の妨げにならず、さらに、
フロアピツトには移動台が設けられているから、
塔乗板がないフロアピツトは移動台によりフロア
と同一面とされて歩行者の歩行を妨げないように
なつており、階段を身体障害者と歩行者が共用す
ることができて床面積を有効に利用でき、また、
設置費も安くなる等種々の利点があり、業界にも
たらすところ極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す一部切欠斜視
図、第２図は同じく一部切欠側面図、第３図は塔
乗板の斜視図、第４図は移動台の一部切欠正面
図、第５図は同じく一部切欠平面図である。 １：塔乗板、２：レール、１７：フロアピツ
ト、１８：昇降台、ａ，ｂ：フロア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 階段と同一傾斜角をもつて該階段の一側に設
   けたレール２に片持式の塔乗板１を走行自在に支
   持させるとともに該階段の上下のフロアａ，ｂに
   は該塔乗板１が嵌合された際にその上面がフロア
   面と同一面となるフロアピツト１７，１７を設
   け、さらに、各フロアピツト１７の下方には塔乗
   板１の嵌合が解かれた際に上面がフロア面と同一
   面となるまで移動する移動台１８を設けたことを
   特徴とする身体障害者用階段昇降装置。