JPS6259433B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高周波加熱装置の加熱室内の電波分布
改善に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来から高周波加熱装置の加熱室内の電波分布
の均一化を図る方法として食品載置台を回転させ
るターンテーブル方式があるが、従来のこの方式
では電波を加熱室上部から放射する構造である為
電波の放射源から食品までの距離が遠く、従つて
電波は食品に吸収される前に何回も加熱室壁面で
反射をくり返し、ある程度減衰してから食品に吸
収される為、加熱効率が悪いという欠点がある事
と加熱室の中心部の加熱がどうしても弱くなると
いう欠点があつた。又この欠点をカバーする為に
加熱室底部のほぼ中央に回転アンテナ等を設けて
食品の下から電波を放射する方法も提案されてい
る。この場合の欠点は、アンテナと食品の距離が
近い為に、アンテナの真上の部分の食品は良く加
熱されるが、加熱室の端の方に置かれた食品程加
熱されにくく、又厚みのある食品の場合は底部は
良く加熱されるが、上の方の特に中央部分が加熱
されにくいという問題点があつた。特に加熱室を
上から見た平面形状が正方形でなく横長の長方形
のような加熱室の場合、左右両端部の加熱が弱い
という現象が顕著となる。

この問題を解決する為に第１図のように回転ア
ンテナとは別に複数の電波供給口を回転アンテナ
をはさんだ対称位置に設ける事が提案されたが、
この場合の問題点は電波供給口の真上の部分は良
く加熱されるが、そこからはずれる部分、即ち電
波供給口の前後の部分が加熱されにくいという欠
点があつた。

発明の目的 本発明は上記従来の欠点を解消するもので、加
熱効率及び電波分布の良い高周波加熱装置を提供
する事を目的とする。

発明の構成 上記目的を達する為に本発明は、食品を収納す
る加熱室と、前記加熱室内に高周波を供給する為
の高周波発振器と、前記高周波発振器によつて発
振された電波を伝送する為の伝送手段と、前記加
熱室と前記伝送手段とを加熱室底壁のほぼ中央で
結合する第１の電波放射手段と、前記加熱室を加
熱空間と、前記電波放射手段が位置する電波供給
空間とに分離する食品載置台と、前記第一の電波
放射手段を中心としてほぼ対称的な前記電波供給
空間内に設けられた第２、第３の電波供給手段と
を有し、前記、第２、第３の電波放射手段は、前
記伝送手段と略直角方向に直線又は曲線形状をな
したストリツプ線により構成するものであり、第
１の電波放射手段からの電波が届きにくい部分を
直線又は曲線形状のストリツプ線路による第２、
第３の電波供給手段により加熱し、加熱室内全体
の電波加熱分布の均一性の改善をはかる事が出来
るという効果を有するものである。

実施例の説明 以下本発明の一実施例について図面に基づいて
説明する。

第２図及び第３図において、１は本体であり、
内部に加熱室２がある。食品を出し入れする為に
設けられた加熱室の前面開口部はドアー３によつ
て開閉自在になつている。

４は高周波発振器で、これにより発振された電
波は導波管５により伝送され、第１の電波放射手
段である回転アンテナ８と第２、第３の電波放射
手段である固定ストリツプ放射体２０及び２１に
より加熱室底部より加熱室内に放射される。

回転アンテナ８は加熱室底壁の略中央に設けら
れており、加熱室底壁に略垂直な垂直成分９とこ
れと略直角に接続される水平成分１０とよりな
る。水平成分１０は加熱底壁と共にストリツプ線
路を形成しているが、その先端は加熱室底壁から
遠ざかる方向に曲げられている為、水平成分の先
端に近づく程電波放射量が増加する。回転アンテ
ナの垂直成分９には回転駆動軸１２が接続され、
これはプーリー１３，１４及びベルト１５を介し
てモーター１６により回転駆動される。１７は回
転アンテナの垂直成分９が貫通する加熱室底壁の
開口部を封口する為の封口板である。回転アンテ
ナ８、固定ストリツプ放射体２０及び２１が設け
られている加熱室の電波供給空間と、被加熱食品
を収納する加熱空間とは誘電体材料よりなる食品
載置台１１によつて分離されている。固定ストリ
ツプ放射体２０及び２１は回転アンテナを中心と
してほぼ対称位置に加熱室上面から見て短辺側に
ほぼ平行に設けられてあり、直線部分と回転アン
テナの回転径にそつた曲線部分とを有している。
第４図にこの部分の拡大断面図を示す。導波管５
のほぼ中央に導波管線路からスリツプ線路に変換
する為の結合棒２２が設けられ、アルミ又は銅等
の高導電率金属材料よりなる固定ストリツプ放射
体にネジ２３により接続されている。ストリツプ
放射体と導波管の結合の強さは結合棒２２及びス
トリツプ放射体２０の長さを調節する事によつて
変わる。２４はストリツプ放射体２０及び結合棒
２２と加熱室底壁間の距離をある設定された値に
保つ為のスペーサーで誘電体材料よりなる。

ストリツプ放射体２０からの電波放射量は加熱
室底壁間との距離及びストリツプ放射体自体の巾
寸法等を変える事によつて調節出来るが、出来る
だけ先端部まで均一な放射量を得ようとすれば、
第４図のように先端部を少しテーパー状に曲げて
やると良い。

２５及び２６はストリツプ放射体の先端部に於
ける対加熱室底壁間の距離を必要寸法に保つ為の
固定具で、いづれも誘電体材料よりなる。

以下上記構成における作用について説明する。
高周波発振器４によつて発振された電波は導波管
５によつて伝送され、主に回転アンテナ８の水平
部先端より加熱室内に放射される。回転アンテナ
の垂直部９からも若干の電波放射がある為、回転
アンテナの回転径の範囲内に於いては非常に良好
な電波分布が得られる。従つて加熱室の横巾寸法
と奥行寸法が等しい平面形状が正方形の形のオー
ブンであれば回転アンテナだけでも良好な電波分
布が得られるが、実施例のように横巾寸法が奥行
寸法に比して相当大きい場合は、回転アンテナの
回転径からはずれる端の部分は加熱されにくくな
る。そこで固定ストリツプ放射体２０及び２１か
ら補助的に電波を放射し、回転アンテナにより加
熱されにくい部分を加熱する。

固定ストリツプ放射体は加熱室の短辺側に平行
でしかも回転アンテナを囲むようにして設けられ
ている為、回転アンテナからの電波の届きにくい
所を均一に加熱する事が出来る。又固定ストリツ
プ放射体２０及び２１からの電波は相当平面的に
大きな食品を加熱室内いつぱいに置かない限り直
接食品には吸収されにくい為、加熱室上壁等で反
射され、回転アンテナにより加熱されにくい高さ
のある食品の上部中央の加熱を助け、これによ
り、大きな高さのある食品も均一に加熱する事が
出来る。

発明の効果 以上のような本発明によれば次の効果を得る事
が出来る。

(1) 電波の放射源と食品との距離が近い為、放射
された電波が直接食品に吸収される割合が高
く、従つて電波のロスが少なく加熱効率が高
い。

(2) 平面形状が長方形のような加熱室でも回転ア
ンテナを中心に対称位置でしかも短辺側に略平
行に設けられた固定ストリツプ放射体からの電
波で、加熱室端部及び高さのある大きな食品の
上部中央付近も均一に加熱する事が出来る。

(3) 固定ストリツプ放射体の先端に傾斜部を設
け、加熱室底壁との距離を除々に大きくする事
によつて、ストリツプ放射体の全体からほぼ均
一な電波放射を行なう事が出来、これにより均
一加熱を行なう事が出来る。

(4) 固定ストリツプ放射体２０及び２１に結合す
る結合棒の長さを異ならせる事により簡単にス
トリツプ放射体２０と２１からの電波放射量の
バランスをとる事が出来る為、加熱室内の左右
又は前後の加熱バランスを改善する事が出来
る。

(5) 回転アンテナ及び結合口が加熱室上壁上に設
けられている場合はこれらを、おおうカバーが
必要となるが、底壁上に設けられ、食品載置台
によつてカバーされている為、特別のカバーを
別に設ける必要がなく、安価に出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す高周波加熱装置の斜視
図、第２図は本発明の一実施例を示す高周波加熱
装置のドアーを開けた状態を示す外観図、第３図
は同要部を示す断面図、第４図は同要部拡大断面
図である。 １……本体、２……加熱室、４……高周波発振
器、５……導波管、８……回転アンテナ、２０，
２１……固定ストリツプ放射体、２２……結合
棒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 食品を収納する略長方形の平面形状を有する
   加熱室と、前記加熱室内に高周波を供給する為の
   高周波発振器と、前記高周波発振器によつて発振
   された電波を伝送する為の伝送手段と、前記加熱
   室と前記伝送手段とを加熱室底壁のほぼ中央で結
   合する第１の電波放射手段と、前記加熱室を加熱
   空間と、前記電波放射手段が位置する電波供振空
   間とに分離する食品載置台と、前記第一の電波放
   射手段を中心としてほぼ対称的な前記電波供給空
   間内に設けられた第２、第３の電波供給手段とを
   有し、前記、第２、第３の電波放射手段は、前記
   加熱室を上面から見て短辺側に略平行な直線又は
   曲線形状をなしたストリツプ線路により構成した
   高周波加熱装置。 ２ ストリツプ線路により構成される第２、第３
   の電波放射手段の先端約1/4波長を傾斜させ、対
   加熱室壁面の距離を他の部分より大きくした構成
   の特許請求の範囲第１項記載の高周波加熱装置。 ３ 第１の電波放射手段を回転体で構成し、第
   ２、第３のストツプ線路による電波放射手段を固
   定体で構成した特許請求の範囲第１項記載の高周
   波加熱装置。 ４ ストリツプ線路により構成される第２、第３
   の電波放射体に結合する結合棒の長さを異ならせ
   た特許請求の範囲第１項記載の高周波加熱装置。