JPS625832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は繊維工業や化学工業などの各種工業
より排出されたスラリーやスラツジなどの汚泥の
脱水をおこなうために使用されるプレスロールフ
イルタの改良に関する。

従来、各種工業から排出されるスラリーやスラ
ツジなどの汚泥を脱水するため、上側ロール群と
下側ロール群とによつてそれぞれ案内される上下
２組のエンドレスベルト状の濾布の間に上記汚泥
を供給するとともに、上記両濾布を介して上記汚
泥を押圧する上記両ロール群のプレスロールによ
り上記汚泥を圧搾脱水せしめるプレスロールフイ
ルタが広く使用されてきた。しかるに、従来のプ
レスロールフイルタは、供給される汚泥が繊維質
を多く含んだものである場合にはさほど問題にな
らないが、それが無機物質スラリーの場合である
と、ロール圧搾による脱水時において、この無機
物質スラリーをあまり強く押圧すると上下２枚の
濾布の間よりはみ出してしまい、また脱水された
ケーキも薄く、上下の濾布に付着されてしまうこ
とにもなり、逆に無機物質スラリーを上下２枚の
濾布の間よりはみ出さないように押圧すると十分
に脱水され得ない等の不都合を生じ、処理能力を
十分に上げることができない等の欠点を有してい
た。

そこで、上記のような欠点を解消するものとし
て、本出願人は第１図に示す構造のプレスロール
フイルタを提案した（実願昭51−43598号）。図中
符号１は上側ロール群である。この上側ロール群
１は上側前部支持ロール２と、このロール２と対
向して配設された上側後部支持ロール３と、これ
ら両ロール２，３間にほぼ水平方向に沿つて等間
隔ずつ離間して配設された複数個（第１図におい
ては５個）の上側プレスロール４と、これらプレ
スロール４の前方にこれと所定間隔離間し配設さ
れた第１主プレスロール５と、この主プレスロー
ル５の前方にこれと所定間隔離間して設けられて
いるガイドロール６と、上記両支持ロール２，３
間のほぼ中間部上方に配設されたガイドロール７
とによつて構成されている。そしてこれら各ロー
ル２，３，４，５，６，７は、それぞれプレスロ
ールフイルタの上側機枠８に水平方向に沿つて回
転可能に支持されている。また上記上側ロール群
１には、エンドレスベルト状の上側濾布９が張架
されており、この上側濾布９の外面幅方向両端部
には、長手方向に沿つて中空または中実のエンド
レス状弾性体からなる所定高さのサイドシールロ
ープ１０，１０がそれぞれ一体的に取りつけられ
ている。そして上記上側濾布９は、上記前部支持
ロール２を駆動装置（図示せず）により第１図に
おいて反時計方向に回転させると、上記上側ロー
ル群１の各ロール２，３，４，５，６，７に案内
されて第１図中矢印方向に所定速度で循環移行す
るようになつている。

また、上記上側ロール群１の下方には下側ロー
ル群１１が配設されている。この下側ロール群１
１は、上記上側前部支持ロール２の下方に配設さ
れたデイスチヤージロール１２と、このデイスチ
ヤージロール１２の後方端部に配設された下側後
部支持ロール１３と、上記デイスチヤージロール
１２および後部支持ロール１３間のほぼ中間部に
上記上側ロール群１の各上側プレスロール４とそ
れぞれ対向し、かつこれらとそれぞれ対をなす下
側プレスロール１４と、上記上側ロール群１の第
１主プレスロール５とガイドロール６との間に配
設された第２主プレスロール１５と、上記下側後
部支持ロール１３と下側プレスロール１４との間
に互にほぼ等間隔ずつ離間して配設された複数個
（第１図においては３個）の案内ロール１６と、
上記デイスチヤージロール１２と後部支持ロール
１３との間の下方に配設された案内ロール１７と
から構成されている。そしてこれら各ロール１
２，１３，１４，１５，１６，１７は、それぞれ
下側機枠１８に回転可能に支持されている。上記
下側ロール群１１にはエンドレスベルト状の下側
濾布１９が上記上側後部支持ロール３−ガイドロ
ール６間において上記上側濾布９と対向して張架
されている。上記下側濾布１９は、上記デイスチ
ヤージロール１２を駆動装置（図示せず）により
第１図において時計方向に回転させると、上記下
側ロール群１１の各ロール１２，１３，１４，１
５，１６，１７に案内されて第１図矢印方向に上
記上側濾布９およびサイドシールロープ１０，１
０と同速度で循環移行するようになつている。し
かして、駆動装置を始動させて上側前部支持ロー
ル２及びデイスチヤージロール１２をそれぞれ第
１図において反時計方向および時計方向に回転さ
せ、上側濾布９及び下側濾布１９をそれぞれ互に
同速度で第１図中矢印方向に移行させる。これと
同時に、汚泥供給装置より所定の汚泥を上記下側
濾布１９上の後端側に供給する。そうすると、供
給された汚泥は下側濾布１９の移行とともにフイ
ルター本体の前部方向に移行する。そして汚泥が
後端側に位置する上下のプレスロール４〔ａ〕，
１４〔ａ〕に至ると、上記スラリー上を上側濾布
９が覆い、上記両濾布９，１９は各上下のプレス
ロール４，１４間に挾持されるとともに、上記ス
ラリーは上下の濾布９，１９間に挾まれた状態で
各上下のプレスロール４，１４、第１主プレスロ
ール５及び第２主プレスロール１５により圧搾さ
れて脱水されながら移行する。ここで上側濾布９
に取りつけられているサイドシールロープ１０，
１０は、各上下のプレスロール４，１４間の間
隔、上記両主プレスロール５，１５と下側濾布１
９、上側濾布９とによる押圧程度に応じてその弾
性力に抗して収縮し、押し潰ぶされて上側濾布９
の幅方向両端部に強く当接し、これにより上記両
濾布９，１９間の間隙をシールする。このため、
上記汚泥が各ロール４と１４，５，１５によつて
それぞれ圧搾されるときに、スラリーが上記両濾
布９，１９間の間隙よりはみ出すような不都合が
ない。

ところで、上記従来提案のプレスロールフイル
タにおいては、上記したように、従来のプレスロ
ールフイルタにおける汚泥が上下２枚の濾布間よ
りはみ出してしまうという欠点は解消できるもの
の、その後種々検討したところ、下記のような欠
点が新らたに生じてしまうことが判明した。すな
わち、上記サイドシールロープ１０，１０は、上
下両プレスロール４，１４間および両主プレスロ
ール５，１５とガイドロール６間に挾持されてい
る状態にあり、上下両濾布９，１９はその両端部
だけを上記サイドシールロープ１０，１０を介し
て上下両ロール群に挾持されている状態にある。
そのため濾布９にかかる力よりサイドシールロー
プ１０，１０にかかる力のほうが大きくなり、サ
イドシールロープ１０，１０がプレスロール群に
より若干しごかれることになる。従つて濾布９お
よびサイドシールロープ１０，１０が回転するに
ともなつて、サイドシールロープ１０，１０と濾
布９との間に位置ずれを起そうという力が生じ
る。ところが濾布９にサイドシールロープ１０，
１０が一体的に取りつけられているので、上記力
を緩和させることができずに濾布９がよじれた
り、濾布９にしわが入つたりしてしまい、プレス
ロールフイルタが正常に機能しなくなつてしまう
ことがあるという欠点である。また、濾布９にサ
イドシールロープ１０，１０が一体的に取りつけ
られているため、サイドシールロープに若干汚泥
が付着したまま回転しやすく、プレスロールフイ
ルタの前部において汚泥が完全に下側濾布１９上
に落下しないという欠点もある。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的は圧搾・脱水時に濾布に不必要な負荷が
かかることがなく、かつ汚泥が上下２枚の濾布間
よりはみ出してしまう不都合がなく、充分に脱水
することができ確実に脱水率の高いケーキを得る
ことができるとともに、ケーキを厚く形成するこ
とができ、能率的に脱水処理をおこなうことがで
きるプレスロールフイルタを提供することにあ
り、汚泥のはみだしを防止するサイドシールロー
プを支持するガイドを濾布から離れたところに少
なくとも２ケ所設け、上記サイドシールロープを
両濾布間の濾布端近くに移動自在に設けて、サイ
ドシールロープの存在が濾布やロールをすこしも
拘束することなく、上記サイドシールロープが上
記ガイドに案内されて濾布とともに走行する際
に、上記両濾布が与える押圧力に応じて、上記サ
イドシールロープが変形して両濾布間に挾圧され
るようにしたものである。

以下この考案を図面を参照して説明する。第２
図ないし第４図は、この考案に係るプレスロール
フイルタの全体図および部分図であり、図中第１
図と同一符号は同一構成要素を示し、その説明は
省略する。図中符号２０は前側ガイドであり、こ
の前側ガイド２０は前記上側機枠８から上側前部
支持ロール２の両側を通り前方へ突出し、その一
端において上記上側機枠８に固定されている。そ
して、上記前側ガイド２０は、上側機枠８の両側
にその一端を一体的に取りつけられている支持腕
２１，２１と、この支持腕２１，２１間に設けら
れ、支持腕２１，２１のそれぞれに直交し、かつ
一体的に連結されている支持軸２２とから構成さ
れている。支持軸２２の両端中央寄りには、サイ
ドシールロープ２３，２３を係止する鍔状の４ケ
の係止管２４ａが２ケずつ対になつて取りつけら
れており、ロープ係止部２４，２４を形成してい
る。また、符号２５は後側ガイドであり、この後
側ガイド２５は、第２図および第４図に示すよう
に前記上側後部支持ロール３の枢軸２６に上側後
部支持ロール３の後方へ突出するようにして、そ
の一端が上記枢軸２６の両端部に固定されて取り
つけられている。そして、上記後側ガイド２５
は、上記枢軸２６に一体的に取りつけられている
支持腕２７，２７と、この支持腕２７，２７間に
設けられ、支持腕２７，２７のそれぞれに直交
し、かつ一体的に連結されている支持軸２８とか
ら構成されている。支持軸２８の両端中央寄りに
は、サイドシールロープ２３，２３を係止する鍔
状の４ケの係止管２９ａが２ケずつ対になつて取
りつけられており、ロープ係止部２９，２９を形
成している。また、サイドシールロープ２３，２
３は中空または中実のエンドレス状の弾性体によ
りロープ状に形成されたもので、第３図および第
４図に示すように前記上下の濾布９，１９間の両
濾布端近くに移動自在に設けられており、上記前
側ガイド２０と後側ガイド２５上および濾布９を
介した上側ロール群１上とに張架されている。

しかして、駆動装置を始動させて上側ロール群
１、下側ロール群１１を回転させるとともに、汚
泥供給装置より所定の汚泥が上記下側濾布１９上
の後端側に供給される。ひきつづき連続運転がな
され、汚泥が圧搾・脱水されながら移行する。こ
のとき、サイドシールロープ２３，２３は上下の
濾布９，１９から受ける加圧力に対して、該サイ
ドシールロープ２３，２３自身の弾性力によつて
対抗し、シール性を確保する。また、ここで、サ
イドシールロープ２３，２３は上下の濾布９，１
９間に挾まれているが、濾布９に固定されていな
いので、続けて運転している内にサイドシールロ
ープ２３，２３と濾布９との運行方向に沿う位置
にずれが生じても濾布９に不必要な力が加わるこ
とがなく、濾布９にしわが入つたり、よじれたり
することがない。また濾布９とサイドシールロー
プ２３，２３との間に生じた位置ずれは、前記し
たようにガイド２０，２５が設けられることによ
り上側ロール群１の前側および後側において、濾
布９とサイドシールロープ２３，２３とが離間さ
れており、この離間部分で調整され解消される。
従つてプレスロールフイルタを連続運転しても全
く支障を起こすことなくスムースに圧搾・脱水作
業を続けることができる。また、濾布９とサイド
シールロープ２３，２３とは一体的に設けられて
おらず、単に接触しているだけであり、プレスロ
ールフイルタの前部においては、上側濾布９とサ
イドシールロープ２３，２３と下側濾布１９は、
それぞれ別々の経路を通るので、脱水後の汚泥は
上側濾布９やサイドシールロープ２３には付着し
にくく、容易に下側濾布１９上に落下する。その
結果サイドシールロープ２３，２３を設けた目的
である下記のような点を容易に達成することがで
きる。すなわち、 (イ) 圧搾・脱水時に汚泥が濾布からはみ出してし
まうのを防止する。

(ロ) 汚泥を充分に脱水し得て確実に脱水率の高い
ケーキを得るとともにケーキを厚く形成する。

(ハ) 能率的に脱水処理をおこない、処理能力も向
上させる。

(ニ) 既応のロール、濾布等に対して、すこしも加
工を加えることなく脱水性を改善できる。

(ホ) サイドシールロープは濾布張力に無拘束にシ
ール力を発揮できるので、該サイドシールロー
プの存在によつて、濾布張力や濾布への変形を
加えたりする必要はない。

なお、上記実施例では、サイドシールロールを
上側ロール群に対して設けたが、下側ロール群に
対してもかまわない。

また、上記サイドシールロープは第１図のよう
な濾布張力により圧搾・脱水する型のプレスロー
ルフイルタだけでなく、他の型のプレスロールフ
イルタである対向ロールによるプレスゾーンを備
えたプレスロールフイルタにも同じように適用で
きることは、もちろんである。

以上説明したように、この考案に係るプレスロ
ールフイルタは、汚泥のはみだしを防止するサイ
ドシールロープを支持するガイドを濾布から離れ
たところに少なくとも２ケ所設け、上記サイドシ
ールロープを両濾布間の濾布端近くに移動自在に
設けて、上記サイドシールロープが上記ガイドに
案内されて濾布とともに走行する構造なので、圧
搾脱水時に濾布に不必要な負荷がかかることがな
く、かつ汚泥が上下２枚の濾布間よりはみだして
しまう不都合がなく、充分に脱水することができ
確実に脱水率の高いケーキを得ることができると
ともにケーキを厚く形成することができ、能率的
に脱水処理をおこなうことができる。また、両濾
布が与える押圧力に応じて、サイドシールロープ
が変形して両濾布間に挾圧されるものであるか
ら、両濾布間で変形したサイドシールロープと該
両濾布との間の密着性によつて、汚泥をシールす
ることにより、サイドシールロープに強大な緊張
力を付与する必要がなく、濾布の押圧力だけで、
効果的にかつ合理的に汚泥の両濾布間よりのはみ
だしを防止できる。さらに、サイドシールロープ
が脱水終了後にガイドに支持されて濾布から離れ
るように構成したから、脱水処理後の汚泥がサイ
ドシールロープや上側濾布から離脱し易く、脱水
後の処理を容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来提案のプレスロールフイルタの構
成図、第２図はこの考案に係るプレスロールフイ
ルタの構成図、第３図はこの考案に係るプレスロ
ールフイルタの前側ガイドの構成図、第４図は同
じく後側ガイドの構成図である。 １……上側ロール群、９……上側濾布、１１…
…下側ロール群、１９……下側濾布、２０……前
側ガイド、２３……サイドシールロープ、２５…
…後側ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上側ブレスロールを有する上側ロール群に案内
   されるエンドレスベルト状の上側濾布と、上記上
   側ブレスロールと対向して設けられるブレスロー
   ルを有する下側ロール群に案内されるエンドレス
   ベルト状の下側濾布との間に挾まれた汚泥を上記
   ブレスロールにより圧搾・脱水するとともに、上
   記両濾布間の汚泥が側方に漏出するのを防止する
   サードシール手段を有するブレスロールフイルタ
   において、中空または中実のエンドレス状弾性体
   よりなるサイドシールロープが上記両濾布間の濾
   布端近くに移動自在に設けられるとともに、上記
   上側または下側ロール群の前方および後方に上記
   濾布から離れて上記サイドシールロープを支持す
   るガイドが設けられ、上記サイドシールロープが
   上記ガイドに案内されて上記両濾布とともに走行
   する際に、上記両濾布が与える押圧力に応じて、
   上記サイドシールロープが変形して両濾布間に挾
   圧されることを特徴とするプレスロールフイル
   タ。