JPS625719B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液中に固形分を含んだ原液から固液
を分離したり、脱水例えば汚泥等の脱水を行なう
ベルトプレス脱水機（以下、ベルトプレスと略記
する。）に関する。

第１図に示すのは、下水汚泥、し尿汚泥、産業
水汚泥等の脱水に使用されるベルトプレスであ
る。ベルトプレスは、近年の高分子凝集剤の進歩
及び省エネルギ気運の高揚に伴い、従来の真空脱
水機、フイルタプレス、遠心脱水機等に変り最近
多く使用されるようになつた。

従来のベルトプレスの概略構造を第１図に示
す。第１図において、複数個の上部ロールすなわ
ち上部ガイドロール１ａ、上部楔脱水ロール２
ａ、上部剥離ロール３ａ、上部布緊張ロール４
ａと圧搾脱水ロール５とに張架された上部布６
ａと、複数個の下部ロールすなわち下部ガイドロ
ール１ｂ、下部楔脱水ロール２ｂ、下部剥離ロー
ル３ｂ、下部布緊張ロール４ｂと上記圧搾脱水
ロール５とに張架された下部布６ｂと、上記
布６ａ，６ｂを駆動する駆動源７と、上記下部
布６ｂ上に汚泥８を供給する手段である汚泥供給
ホッパー９と、上下部布６ａ，６ｂに張力を与
える為の上下部加圧シリンダ１０ａ，１０ｂと、
上下部布６ａ，６ｂの洗浄の為の上下部洗浄装
置１１ａ，１１ｂと、上下部布６ａ，６ｂの安
定走行の為の自動ガイド、すなわち上下部布蛇
行修正装置１２ａ，１２ｂと、脱水汚泥排出部に
設けられかつ布６ａ，６ｂから脱水汚泥すなわ
ち脱水ケーキ１３を剥離する上下部スクレーパ１
４ａ，１４ｂと、脱水ケーキ１３を運搬出するケ
ーキ・コンベア１５と、下部布６ｂから過さ
れて来る過水の排出皿１６等とから構成されて
いる。

その脱水機構はまず前段処理で汚泥８は、凝集
造粒槽１７へと導入されここで高分子凝集剤１８
と共に撹拌機１９で混合され汚泥８中の微細粒子
は粗大化されいわゆる凝集造粒化され自由水と造
粒分に分離される。次にこの造粒化された汚泥８
ａが、ベルトプレス上に投入されるが本ベルトプ
レスの脱水機構は大別して３つの脱水ゾーンから
構成されるものである。

まず、重力脱水ゾーンと称せられる部分でここ
では重力の働きで自由水が分離され、造粒汚泥が
濃縮される。次に楔効果脱水ゾーンと称せられる
部分に達する。ここは上部布６ａと下部布６
ｂとが進行するにつれ除々に楔状に間げきを狭く
する部分で濃縮汚泥はこの間にはさまれ内部に発
生する液圧にて更に脱水が進み汚泥は固形シート
状になる。この汚泥は次に圧搾脱水ゾーンへと導
かれる。

このゾーンでは加圧ロール５がＳ字状に何組か
配され上部布６ａ、下部布６ｂが２枚重ねと
なり、このロール５上を進行する。汚泥は２枚の
上下部布６ａ，６ｂの間にサンドイツチ状には
さまれ上下部布６ａ，６ｂに与えられた張力と
ロール曲率で発生する圧搾圧力とにより更に水分
を切られ次の小曲率の剥離ロール３ａ，３ｂによ
り上下部布６ａ，６ｂから上下部スクレーパ１
４ａ，１４ｂで強制剥離されてケーキ・コンベア
１５から機外へと排出される。

上下部布６ａ，６ｂはその後上下部洗浄装置
１１ａ，１１ｂ、テンシヨン装置（上下部加圧シ
リンダ１０ａ，１０ｂに付いた上下部布緊張ロ
ール４ａ，４ｂ）自動ガイドである上部布蛇行
修正装置１２ａ，１２ｂ等を経由し再び重力脱水
ゾーンへと戻る。

本ベルトプレスは他の脱水機に比べ次の如き特
長を備えており最近の普及に貢献している。

連続加圧脱水機である為、高脱水率高処理量
である。

速度が遅く動力消費が少ない。

薬品が高分子の為脱水ケーキの増量がなく且
つ使用量も少ない。

振動、騒音等の２次公害が無い。

一方、ベルトプレスの性能を左右するポイント
としてケーキ剥離性一回収率の問題が重要であ
る。

脱水されたケーキは前記した如く小曲率の上下
部剥離ロール３ａ，３ｂ及び上下部スクレーパ１
４ａ，１４ｂにより上下部布６ａ，６ｂ上から
強制剥離されるがこの剥離性が悪いと回収率の悪
化、布の目づまり進行による脱水能力低下、ロ
ール等の汚れによる連続運転不可能など種々のト
ラブルを招く。

従つて剥離性能はベルトプレスの性能を左右す
るキーポイントの１つとも言えるがこれに影響を
与える因子としては汚泥性状、布性状運転条件
等種々のものが有る。特に、汚泥性状の面で下水
汚泥の場合消化汚泥、混合生汚泥の如く初沈汚泥
が加わつた場合等に問題が多い。元来、剥離の点
で理想的なのは前述の如く、剥離ロールの曲率に
より自然に上下部布６ａ，６ｂから脱水ケーキ
１３が離れるケースであるが、通常はこれに上下
部スクレーパ１４ａ，１４ｂによる補助ないしは
上下部スクレーパ１４ａ，１４ｂ自身による脱水
ケーキ１３の抜き取りを行うといつたケースが多
い。

この場合下水初沈中に含まれる髪の毛等異物が
上下部スクレーパ１４ａ，１４ｂ刃先に付着堆積
し本来は上下部剥離ロール３ａ，３ｂ表面に刃先
が密着しているはずの上下部スクレーパ１４ａ，
１４ｂを上下部剥離ロール３ａ，３ｂ表面から遠
ざけてしまい上下部スクレーパ１４ａ，１４ｂと
上下部剥離ロール３ａ，３ｂとの間に間げきを形
成してしまいこの結果脱水ケーキ１３は全く上下
部布６ａ，６ｂから剥離されずに次工程へ回つ
てしまうことになる。

本現象は初沈中の異物の種類、量等にもよるが
極端な場合には20〜30分程度の運転でも現われ連
続運転のネツクとなつている。

本発明は、ベルトプレスの１本の剥離ロールに
対して、脱水ケーキを剥離する１枚の剥離用スク
レーパと、スクレーパクリーナで洗浄された洗浄
スクレーパと、上記洗浄スクレーパを上記脱水ケ
ーキを剥離する位置にかつ上記剥離用スクレーパ
を上記スクレーパクリーナで洗浄される位置に交
互に切換えるスクレーパ切換装置と、を配設した
ことを特徴とし、その目的とするところは上記に
示した不合理を解消し、ベルトプレスの運転を停
止することなくケーキ剥離性を回復できるように
する脱水ケーキ剥離装置を提供するものである。

すなわち、本発明は次の点に特徴を有してい
る。

(1) 従来１本の剥離ロールに対して１枚であつた
スクレーパ刃を複数枚にし各々を交互に使用す
るようにし且つ使用していない間にその刃先を
別途もうけたクリーニングブラシ等により清浄
化するようにした点。

(2) これにより従来異物等ひつかかりによるケー
キ剥離機能が悪化した場合脱水機を一旦止めて
スクレーパ掃除をしていたのに対して、脱水機
を止めることもなく且全自動によりスクレーパ
の掃除が行なえ常に良好なケーキ剥離状態で脱
水機の運転が可能となつた点。

以下、本発明の好ましい第一実施例を第２図乃
至第４図に図示する実施例にて説明する。なお通
常布走行型バキユームフイルタの如き単布形
脱水機では剥離ロールスクレーパは一組となるが
ベルトプレスの様な複布形脱水機では上下２本
の剥離ロールと各々にスクレーパと２組となるが
本実施例では省略し１組のみの図示とした。

第２図乃至第４図に図示する第一実施例は、ベ
ルトプレスの１本の剥離ロール３ａ，３ｂに対し
て、脱水ケーキ１３を剥離する１枚の剥離用スク
レーパ（No.１スクレーパ刃）２０ａと、スクレー
パクリーナ３１で洗浄された洗浄スクレーパ（No.
２スクレーパ刃）２０ｂと、洗浄スクレーパ２０
ｂを脱水ケーキ１３を剥離する位置にかつ剥離用
スクレーパ２０ａをスクレーパクリーナ３１で洗
浄される位置に交互に切換えるスクレーパ切換装
置２１と、が配設されている。

なお、ロール取付フレーム２２に取付けられた
上記スクレーパ切換装置２１は、スクレーパアー
ム用ピボツト軸受２３、スクレーパアーム２４、
スクレーパバツク２５、スクレーパバツク回転用
モータ２６、スクレーパ加圧用シリンダ２７、ス
クレーパバツク加圧用ストツパ２８などから構成
されている。また、２９は剥離ロール用軸受、３
０はケーキシユート、３２はスクレーパクリーナ
回転モータである。

このように構成された第一実施例において、第
２図の実線で示すようにNo.１スクレーパ刃２０ａ
を布６ａ，６ｂに対して加圧状態にする。この
時、スクレーパバツク加圧用ストツパ２８がスク
レーパバツク２５の加圧力による回転を止めなが
ら加圧シリンダ２７がストローク閉の状態で、No.
１スクレーパ２０ａは布６ａ，６ｂを介して剥
離ロール３ａ，３ｂに対し加圧の状態にある。こ
の状態で布６ａ，６ｂが走行し運転を続ける
と、脱水ケーキ１３は剥離されケーキシユート３
０を滑つて系外へと排出される。

今仮にこの状態でNo.１スクレーパ刃先２０ａに
髪の毛その他の異物がひつかかるとNo.１スクレー
パ刃先２０ａは布６ａ，６ｂ表面から浮き上
り、その結果脱水ケーキ１３は剥離されないまま
剥離ロール３ａ，３ｂを通過し、次のクリーニン
グシヤワ等へ達し、その間にロールへの付着、回
収率の悪化、洗浄排水の濁度悪化等の弊害をもた
らす。

本実施例は、この状態をたとえば洗浄排水の濁
度悪化等により検出し、またはタイマ設定などに
よりスクレーパ刃２０ａ，２０ｂを切り換えると
共にこの異物等の付着したスクレーパ刃先をベル
トプレスを停止したりすることなく自動的又は手
動操作により清浄にしようとするものである。

即ち、No.１スクレーパ刃先２０ａに付着等が起
つた場合には信号又はタイマによりまず加圧シリ
ンダ２７をストローク開放にし、一旦スクレーパ
刃先２０ａを布６ａ，６ｂより解放する。つい
で、スクレーパバツク回転用モータ（又はトルク
アクチユエータ）２６によりスクレーパバツク２
５を回転させ、新しいNo.２スクレーパ刃先２０ｂ
が布６ａ，６ｂに当たる位置にする。この時No.
１スクレーパ刃先２０ａは180゜回転し、もとNo.
２スクレーパ刃先２０ｂが当つた位置に戻る。こ
の状態で加圧シリンダ２７をストローク閉にすれ
ば新しいNo.２スクレーパ刃先２０ｂにより加圧が
行なわれ再びケーキ剥離状態は良好となる。

この時点で、No.１スクレーパ刃先２０ａはスク
レーパクリーナ３１に接した状態にあり、このス
クレーパクリーナ３１をスクレーパクリーナ回転
モータ３２により一方向回転もしくは正逆回転さ
せることによりNo.１スクレーパ刃先２０ａに付着
した髪の毛その他の異物が取り除かれ、スクレー
パ刃先はもとの清浄状態に戻る。

スクレーパクリーナ３１は、プラスチツクブラ
シ、金属ブラシ、綿、毛布、その他が適出でき
る。

第５図乃至第８図は本発明の第二実施例を図示
するものである。

第５図乃至第８図において、（第２図乃至第４
図と均等な部分は同一符号を付す。）スクレーパ
クリーナ３１ａはスクレーパクリーナ回転モータ
３２、スクレーパクリーナ往復動用ねじ軸３３、
スクレーパクリーナ回転止ピン３４、同ピン３４
に嵌合する溝３５から構成されている。

第二実施例は第一実施例のスクレーパクリーナ
３１ａを回転ブラシ状の物から往復動状の物に変
更した例である。すなわち、第二実施例では、ス
クレーパクリーナ３１ａが第７図に図示する如く
スクレーパ刃先２０ａ，２０ｂをはさみ込むよう
な形状をしており、同刃２０ａ，２０ｂがモータ
３２で回転しねじ軸３３により往復動を行つて、
スクレーパ刃先２０ａ，２０ｂを清浄にしようと
するもので、本実施例のスクレーパクリーナ３１
ａはたとえばプラスチツク、ゴム、金属、木、砥
石用の非金属等によるものが考えられる。

以上、本発明に係る第一実施例および第二実施
例について説明したように本発明によれば、脱水
機を止め人手によることもなく自動もしくは手動
操作により簡単にスクレーパ刃先を常に清浄に保
つことが出来、常時変らぬ良好なケーキ剥離性能
が維持できる為、この種の脱水機の性能を大巾に
向上することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はベルトプレスの概略側面図、第２図乃
至第４図は本発明に係る第一実施例の脱水ケーキ
剥離装置で、第２図および第３図はその側面図、
第４図は第３図の−線に沿つた断面図、第５
図乃至第８図は本発明に係る第二実施例の脱水ケ
ーキ剥離装置で、第５図および第６図はその側断
面、第７図は第６図の−線に沿つた平面図、
第８図は第６図の−線に沿つた断面図であ
る。 １ａ，１ｂ……上下部ガイドロール、２ａ，２
ｂ……上下部楔脱水ロール、３ａ，３ｂ……上下
部剥離ロール、４ａ，４ｂ……上下部布緊張ロ
ール、５……圧搾脱水ロール、６ａ，６ｂ……上
下部布、７……駆動源、８……汚泥、９……汚
泥供給ホツパー、１３……脱水ケーキ、１４ａ，
１４ｂ……上下部スクレーパ、２０ａ……No.１ス
クレーパ刃、２０ｂ……No.２スクレーパ刃、２
１，２１ａ……スクレーパ切換装置、２２……ロ
ール取付フレーム、２３……スクレーパアーム用
ピボツト軸受、２４……スクレーパアーム、２５
……スクレーパバツク、２６……スクレーパバツ
ク回転用モータ、２７……スクレーパ加圧用シリ
ンダ、２８……スクレーパバツク加圧用ストツ
パ、２９……剥離ロール用軸受、３０……ケーキ
シユート、３１，３１ａ……スクレーパクリー
ナ、３２……スクレーパクリーナ回転用モータ、
３３……スクレーパクリーナ往復動用ねじ、３４
……スクレーパクリーナ回転止ピン、３５……
溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベルトプレス、真空脱水機などの汚泥脱水機
   において、１本の剥離ロールに対して、脱水ケー
   キを剥離する１枚の剥離用スクレーパと、スクレ
   ーパクリーナで洗浄された洗浄スクレーパと、上
   記洗浄スクレーパを上記脱水ケーキを剥離する位
   置にかつ上記剥離用スクレーパを上記スクレーパ
   クリーナで洗浄される位置に交互に切替えるスク
   レーパ切替装置と、を配設したことを特徴とする
   脱水ケーキ剥離装置。