JPS6256330B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタービンと圧縮機との間にロータ軸の
軸受部を有する排ガスターボスーパーチヤージヤ
ーであつて、タービン羽根車が軸の一方の端部に
解離不能に結合されており、圧縮羽根車が、中間
ブシユを介して軸の他端部に設けられた軸ジヤー
ナルに解離可能に結合されておりかつねじによつ
て軸方向に固定されており、中間ブシユの上に圧
縮羽根車がプレス嵌めで取り付けられている形式
のものに関する。

内側で軸受けされたターボスーパーチヤージヤ
ーにおいては軸受箇所における軸の直径は軸受摩
擦損失を小さく保つために小さく保たれなければ
ならない。軸受として安価な一体のブシユを使用
できるようにするためには、組み立てる場合に軸
の一方の側は自由でなければならない。つまり、
両方の羽根車のうちの一方は一体の軸受ブシユに
軸を差し込んだ後では、軸に固定され得ない。こ
の一方の羽根車というのは多くの場合には圧縮羽
根車である。それというのは、タービン羽根車は
収縮嵌めを拒絶する高温の作業温度にさらされる
ために通常軸に溶接されているからである。圧縮
羽根車と軸との結合は収縮嵌め又はプレス嵌めに
よつて行なわれる。これは修理する際に大した困
難なく圧縮羽根車をはずすことができるようにす
るためである。さらにこの収縮嵌め又はプレス嵌
めはケーシング内での圧縮羽根車の正確な位置決
めを行なうために軸受けと軸の平滑面との間の軸
方向の遊びを組み立てに際して調整することを容
易にする。

公知の構造においては軸と圧縮羽根車のプレス
結合には中間ブシユが使用されている。中間ブシ
ユはその円錐面で軸の自由端部に取り付けられて
おり、同時に軸受けに向けられた端面で軸の軸方
向遊びを制限しかつケーシングに対して圧縮羽根
車を正確に位置決めする。この中間ブシユには円
筒状のプレス嵌めで圧縮羽根車が取り付けられて
いる。この場合には中間ブシユが取り付けられて
いる軸ジヤーナルは、実質的には中間ブシユ自体
と同じ長さである。軸と中間ブシユとの間の円錐
面と、中間ブシユと圧縮羽根車のボスとの間の円
筒状のプレス嵌め面は軸ジヤーナルの自由端部で
ボスの長さの一部分に亘つて、有利にはそのほぼ
４分の１に亘つて延びている。圧縮羽根車と軸と
の結合を軸方向に固定するためには軸の端面に設
けられた、座金を有するねじが用いられる。

中間ブシユを圧縮羽根車と一緒に軸から引き抜
くためには押し離しねじが差し込まれる、中間ブ
シユの端面に設けられた雌ねじが用いられる。

圧縮羽根車を固定するために円筒状のプレス嵌
め面を中間ブシユの自由端部に、すなわち圧縮羽
根車の吸込み端部に配置するということは、圧縮
羽根車の後方端部に設けられたボス孔が遠心力に
基づいて、さらに圧縮羽根車が軽金属から成りか
つ圧縮比が比較的高い場合には加熱にも基づいて
圧縮作用によつて大きく拡大され過ぎてしまうと
いう事実からやむを得ず行なわれるものである。

中間ブシユの使用は次のような利点を有してい
る。すなわち中間ブシユは結合部を損傷させるこ
となく圧縮羽根車と一緒に任意にしばしば軸から
引き抜かれ得る。

しかしながらこの構造は次のような欠点を有し
ている。すなわち長い軸端部は比較的重いにも関
わらず直径が比較的小さいために充分に剛性的で
なく、衝撃がかかつた場合や臨界回転数に達した
場合に大きな半径方向の振れが発生することを阻
止できない。この半径方向の振れは相応の大きさ
の遊びを圧縮羽根車とケーシングとの間にもたら
してしまう。この場合に特に危険であるのは、細
い軸端部に比べて質量が大きい場合には大きな振
れとそれに相応する軸の大きな湾曲をもたらし、
運転回転数の極めて近くにある第３の臨界回転数
である。又、プレス嵌め箇所における僅かな整合
誤差は圧縮羽根車の重心のかなり大きな偏心をも
たらしてしまう。これは圧縮比が大きいために長
い軸方向長さを有する圧縮羽根車の場合に顕著で
ある。この公知の構造の別の欠点は、同じ長さ範
囲における同軸的なダブルプレス嵌めが製作誤差
との関係で非常に困難であるということである。

特許請求の範囲第１項記載の特徴を有する本発
明の課題は、冒頭に記載した構造の排ガスターボ
チヤージヤーにおいて圧縮羽根車と軸との固定を
公知の構造における前述の欠点が回避されるよう
に行なうことである。

次に本発明の１実施例を図面について詳細に説
明する。図面には半径流の圧縮羽根車１と軸流の
タービン羽根車２とを有する排ガスターボスーパ
ーチヤージヤーのロータが概略的に示されてい
る。この圧縮羽根車１とタービン羽根車２とは軸
３の両方の端部に配置されている。タービン羽根
車２は軸３に有利には摩擦溶接によつて溶接され
ている。これに対して圧縮羽根車１は軸３に解離
可能に結合されている。タービン羽根車２と圧縮
羽根車１との間に設けられた両方の軸受け４と５
は概略的に示されている。ロータの軸方向の運動
遊びを制限するためには一方では軸の段部の肩部
に当接されている調節リング６が用いられ、他方
では中間ブシユ７の、軸３に向けられた端面が用
いられている。この中間ブシユ７は軸側で円錐状
の孔を有するボス８として太くなつている。中間
ブシユ７はこの円錐状の孔で軸３の円錐状の軸ジ
ヤーナル９に取り付けられておりかつ座金１１を
有するねじ１０によつて軸方向に固定されてい
る。

圧縮羽根車１は中間ブシユ７の前方の薄壁部１
３の長い円筒面１２に、しかも空気流入範囲にお
いて長さ１４の前方部分でトルクを伝達するプレ
ス嵌めによつて取り付けられているので、トルク
を伝達するその他の部材は必要でない。圧縮羽根
車１の後方端面はボス８の範囲におけるコーム１
５の平滑な端面に当接させられている。

中間ブシユ７の前方の開放端部には雌ねじ１６
が設けられている。この雌ねじ１６はロータの分
解を目的として中間ブシユ７を圧縮羽根車１と共
に押し離すために用いられる。中間ブシユ７と圧
縮羽根車１を外した後で軸３はこれに溶接された
タービン羽根車２と共に軸受けから引き抜くこと
ができる。

軸３と通常は軽金属から成る圧縮羽根車１との
前記結合形式は冒頭に記載した構造に較べて運転
に関して次のような利点を有している。すなわち
回避できない製作誤差により引き起こされる振れ
を励起させるアンバランスは圧縮羽根車１及び軸
ジヤーナル９の質量が比較的小さいために共振に
関してはさほど問題ではなくなる。この意味では
圧縮羽根車が比較的剛性度の少ない軸に支持され
ている代わりに剛性的な中間ブシユ７に支持され
ていることも有利に作用する。又、場合によつて
は起こり得る整合誤差もそれ程大きな影響は及ぼ
さない。なぜならば円錐状の軸支承部は圧縮羽根
車１の重心のより近くに設けられているからであ
る。さらに中間ブシユ７の内部には中間ブシユ７
を円錐状の軸ジヤーナル９に押しつける太いねじ
１０のために充分な空間が与えられる。さらに両
方のプレス嵌め箇所は相互に影響し合わないの
で、材料にかかる応力は小さくかつ寸法に対する
許容誤差は大きくなる。又、軸３は短かくて済む
ので、値段も安くなる。

【図面の簡単な説明】

図面はタービンと圧縮機との間に配置された軸
受部を有する本発明の排ガスターボスーパーチヤ
ージヤーを示した図である。 １……圧縮羽根車、２……タービン羽根車、３
……軸、４，５……軸受け、６……調節リング、
７……中間ブシユ、８……ボス、９……軸ジヤー
ナル、１０……ねじ、１１……座金、１２……円
筒面、１３……薄壁部、１４……長さ、１５……
コーム、１６……雌ねじ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タービンと圧縮機との間にロータ軸の軸受部
   を有する排ガスターボスーパーチヤージヤーであ
   つて、タービン羽根車が軸の一方の端部に解離不
   能に結合されており、圧縮羽根車が、中間ブシユ
   を介して軸の他端部に設けられた軸ジヤーナルに
   解離可能に結合されておりかつねじによつて軸方
   向に固定されており、中間ブシユの上に圧縮羽根
   車がプレス嵌めで取り付けられている形式のもの
   において、中間ブシユ７と軸ジヤーナル９との間
   の解離可能な結合部が圧縮側の軸受け５と圧縮羽
   根車１の重心との間の範囲にしかも中間ブシユ７
   の、前記軸受け５に直接的に接しているボス８内
   に配置されており、圧縮羽根車１のプレス嵌めが
   中間ブシユ７の円筒面１２の、圧縮羽根車１に対
   する空気流入部側の端部における一部分に制限さ
   れていることを特徴とする、タービンと圧縮機と
   の間に配置された軸受部を有する排ガスターボス
   ーパーチヤージヤー。 ２ 中間ブシユ７と軸ジヤーナル９との間の解離
   可能な結合部が、円錐状に構成された軸ジヤーナ
   ル９とボス８内の円錐状の孔との対偶から成つて
   いる、特許請求の範囲第１項記載の排ガスターボ
   スーパーチヤージヤー。