JPS6255676B2 - - Google Patents

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JPS6255676B2
JPS6255676B2 JP55057713A JP5771380A JPS6255676B2 JP S6255676 B2 JPS6255676 B2 JP S6255676B2 JP 55057713 A JP55057713 A JP 55057713A JP 5771380 A JP5771380 A JP 5771380A JP S6255676 B2 JPS6255676 B2 JP S6255676B2
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JP
Japan
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key
circuit
signal
output
timing
Prior art date
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Application number
JP55057713A
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English (en)
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JPS56106287A (en
Inventor
Hideo Suzuki
Makoto Kaneko
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Nippon Gakki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Gakki Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/228,883 priority patent/US4350068A/en
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Publication of JPS6255676B2 publication Critical patent/JPS6255676B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、鍵数よりも少ない楽音発生チヤン
ネルを具え、押圧鍵をいずれかの楽音発生チヤン
ネルに割当てて発音させるようにした電子楽器に
おいて、楽音発生チヤンネルと鍵域(あるいは鍵
盤)との関係を固定せずに、演奏モードに応じて
変更するようにしたことに関連するものであり、
詳しくは、演奏モード切換時において発音割当て
動作に不都合が生じないようにしたことに関す
る。 一般にメロデイ演奏に使用されることが多い上
鍵盤と、一般に伴奏演奏に使用されることが多い
下鍵盤とを具える電子楽器にあつては、上鍵盤音
と下鍵盤音の音色を異ならせるのが普通であり、
そのために上鍵盤用の複数の楽音発生チヤンネル
と下鍵盤用の複数の楽音発生チヤンネルとを夫々
独立に構成しなければならない。そのようなタイ
プの電子楽器としては、例えば特願昭52−93992
号(特開昭54−28614号)に開示されたものが知
られている。上鍵盤用及び下鍵盤用の楽音発生チ
ヤンネル数は同時最大発音数(例えば10前後)に
見合つた数だけ夫々設けなければならない。これ
は、上鍵盤のみを両手で演奏したり、あるいは下
鍵盤のみを両手で演奏したりすることがあるため
である。しかし、上鍵盤と下鍵盤を使用した一般
的な演奏形態においては、上鍵盤を用いて一方の
手(右手)でメロデイ演奏を行い、下鍵盤を用い
て他方の手(左手)で伴奏演奏を行うものであ
る。その場合、上鍵盤用楽音発生チヤンネル及び
下鍵盤用楽音発生チヤンネル共、実際に利用され
る楽音発生チヤンネル数は全チヤンネル数よりも
かなり少なくなり、夫々1乃至3チヤンネル程
度)、多くの利用されない楽音発生チヤンネルが
無駄となる。 他方、鍵盤を一段しか持たない電子楽器におい
ても鍵域分割によつて高音側鍵域でメロデイを演
奏し低音側鍵域で伴奏を演奏し、夫々を異なる音
色で発音することが実施されている。その種の電
子楽器においては、メロデイ及び伴奏に夫々対応
して複数の楽音発生チヤンネルを夫々独立に設け
ているが、各々のチヤンネル数はそれほど多くな
いのが普通である。これは、利用されない楽音発
生チヤンネルが生じる無駄を防ぎ、製造コストを
低くおさえるためである。しかし、予定された演
奏態様(例えばメロデイは1音、伴奏は同時に3
音)の枠を外れて、自由な演奏(例えばメロデイ
音色で同時に多数の音を演奏する)を行おうとす
る場合、限られた少数のメロデイ用楽音発生チヤ
ンネルしかない電子楽器においては演奏が不可能
となるという不都合が生じる。 上述の点に鑑みて、楽音発生チヤンネルと鍵域
(あるいは鍵盤)との関係を固定せずに、その関
係を演奏モードに応じて変更し得るようにし、楽
音発生チヤンネルすべてを全鍵域によつてメロデ
イ音発生のために利用したりあるいは楽音発生チ
ヤンネルをメロデイ音(特定鍵域の音)と伴奏音
(別の鍵域の音)とで分けて利用する等の変更が
できるようにした電子楽器が先行出願(特願昭54
−112580号)において提案されている。この先行
出願によれば、楽音発生チヤンネルの総数を節約
できることにより製造コストをおさえることがで
き、しかも楽音発生チヤンネルを演奏モードに応
じて有効利用することによりメロデイ演奏のみの
演奏モード(第1の演奏モード)あるいはメロデ
イ演奏と伴奏演奏とから成る演奏モード(第2の
演奏モード)などいずれの演奏モードにおいても
支障のない演奏が可能となるが、演奏モード切換
時に次のような不都合が生じるおそれがあつた。 鍵盤演奏を開始する前に十分な余裕をもつて演
奏モード切換操作を行えば特に問題は生じないの
であるが、押鍵演奏中あるいは間奏等の短い期間
において演奏モード切換操作を行つた場合は、モ
ード切換えによつて或る楽音発生チヤンネルにお
ける楽音発生態様が変更されたにもかかわらず、
モード切換前にそのチヤンネルに割当てられてい
た音がモード切換後も残されることにより不要な
音が発生されることがある。例えば、楽音発生チ
ヤンネルがA,B,C,D,Eの5チヤンネルで
あるとし、第1のモードのときは5チヤンネルA
〜Eすべてがメロデイ音のために使用され、第2
のモードのときはチヤンネルA,Bがメロデイ
音、チヤンネルC,D,Eが伴奏音のために夫々
使用されるとし、チヤンネルC,D,Eのいずれ
かに割当てられたメロデイ音が発音中のときに第
1のモードから第2のモードに切換えられたとす
る。この場合、モード切換後はチヤンネルC,
D,Eは伴奏音用のチヤンネルに変更されるが、
モード切換前におけるメロデイ音の割当てが残さ
れるのでメロデイ演奏のために押鍵された音が伴
奏音用チヤンネルC,D,Eから発音されてしま
う。上記とは逆にチヤンネルC,D,Eのいずれ
かに割当てられた伴奏音が発音中のときに第2の
モードから第1のモードに切換えられた場合も上
述と同様な不都合が生じる。更に上述のような不
都合に限らず、演奏モード切換時は発音割当て回
路あるいは楽音発生回路内の各楽音発生チヤンネ
ルの楽音発生態様が切換えられる過渡期であるた
め、発音中の音が存在する場合はその音の発音割
当て動作に予期せぬ不都合が生じることがある。 この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、
演奏モード切換時において発音割当て動作に不都
合が生じないようにすることを目的とする。この
目的の達成のため、この発明では、複数の鍵を具
える鍵盤と、鍵の総数よりも少ない数の楽音発生
チヤンネルから成る楽音発生手段と、前記鍵盤で
押圧されている鍵を検出する押鍵検出手段と、演
奏モードを選択し、前記楽音発生チヤンネル及び
前記鍵盤の鍵を該演奏モードに応じて異なる態様
で夫々グループ化しかつグループ化された各チヤ
ンネルグループにおける楽音発生態様を該演奏モ
ードに応じて夫々異ならせるモード選択手段と、
前記押鍵検出手段で検出された押圧鍵にもとづく
音の発音を、前記演奏モードに応じて該押圧鍵が
属する鍵グループに対応してグループ化されたチ
ヤンネルグループ内のいずれかのチヤンネルに割
当てる発音割当て手段とを具える電子楽器におい
て、前記モード選択手段によつて選択される演奏
モードが切換えられたことを検出し、モード切換
え時に前記各楽音発生チヤンネルのうち少なくと
もモード切換えによつて楽音発生態様が変化する
楽音発生チヤンネルの発音割当てを消去する割当
て消去手段を更に具えたことを特徴とする。前記
割当て消去手段によつて発音割当てを強制的に消
去することにより、前記発音割当て手段における
発音割当て動作及び楽音発生手段における楽音発
生動作が実質的に禁止される。これにより、モー
ド切換時の過渡期において、不都合な発音割当て
動作が行われたり、不要な音が発生されることが
防止される。 前記割当て消去手段は、モード切換時にすべて
の楽音発生チヤンネルの発音割当てを消去してそ
れらのすべてのチヤンネルの発音割当て動作を一
時的に禁止してもよい。しかし、楽音発生チヤン
ネルの或るもの(或る一部のグループ)において
は、演奏モード切換前と切換後の楽音発生態様が
変化せず、モード切換えによつても何ら不都合が
生じないものが有るかもしれない。そのようなチ
ヤンネル(チヤンネルグループ)に関しては、モ
ード切換時の発音割当て消去は特に行わなくても
よい(前述の例ではチヤンネルAおよびBがこれ
に相当する)。そこで、この発明においては、前
記割当て消去手段は、少なくともモード切換えに
よつて楽音発生態様が変化する楽音発生チヤンネ
ル(通常は複数のチヤンネルから成るチヤンネル
グループである)における発音割当てを消去する
ものとしている。 以下で説明する実施例においては、モード選択
手段によつて選択可能なモードとして2種のモー
ドが示されている。その第1のモードは、1段鍵
盤の全鍵から成る1つの鍵グループを全部の楽音
発生チヤンネルから成る1つのチヤンネルグルー
プに関係づけて発音割当て処理を行わせ、それら
鍵グループ及びチヤンネルグループを第1の楽音
発生態様(例えばメロデイ演奏)に対応させるモ
ードであり、これを実施例ではノーマルモードと
呼んでいる。その第2のモードは、鍵盤を2つの
鍵グループに分割するとともに楽音発生チヤンネ
ルを2つのチヤンネルグループに分割し、1つの
鍵グループ(上鍵域)を1つのチヤンネルグルー
プに関係づけもう1つの鍵グループ(下鍵域)を
別のチヤンネルグループに関係づけて発音割当て
処理を行わせ、前者の関係を第1の楽音発生態様
(メロデイ演奏)に対応させ後者の関係を第2の
楽音発生態様(伴奏演奏)に対応させるモードで
あり、これを実施例では自動ベースコードモード
と呼んでいる。従つて、ノーマルモードと自動ベ
ースコードモードを含めて、チヤンネルグループ
数は大別して3つ有る。1つはノーマルモードの
ときの全チヤンネルから成るグループ(第1の楽
音発生態様すなわちメロデイ演奏に対応するも
の)、もう1つは自動ベースコードモードのとき
の1部のチヤンネルから成るグループ(第1の楽
音発生態様に対応するもの)、更にもう1つは自
動ベースコードモードのときの残りのチヤンネル
から成るグループ(第2の楽音発生態様すなわち
伴奏演奏に対応するもの)、である。演奏モード
が切換えられたときに(ノーマルモードから自動
ベースコードモードに、あるいはその逆に、切換
えられたときに)、楽音発生態様が変化するのは
自動ベースコードモードのときに第2の楽音発生
態様(伴奏演奏)に対応するチヤンネルグループ
である。すなわち、このチヤンネルグループ内の
各楽音発生チヤンネルは、自動ベースコードモー
ドのときは第2の楽音発生態様に対応するが、ノ
ーマルモードのときは第1の楽音発生態様に対応
する。 更にこの発明の好適な実施例においては、前記
発音割当て手段は、発音割当てされたチヤンネル
に対応して鍵押圧を示すキーオン信号を夫々記憶
するキーオンメモリを含む手段であり、前記割当
て消去手段は、モード切換えによつて楽音発生態
様が変化するチヤンネルに対応してモード切換時
にオフチヤンネル信号を夫々発生し、このオフチ
ヤンネル信号が発生したチヤンネルにおける前記
キーオン信号の記憶をクリアすることにより実質
的に発音割当てを消去する手段である。前記オフ
チヤンネル信号によつて前記キーオン信号がクリ
アされることにより、該オフチヤンネル信号が発
生したチヤンネルに割当てられている音に対応す
る鍵が離鍵されたものとして処理されることにな
り、楽音発生手段の該当チヤンネルにおける発生
音が消音される。以下の実施例では、発音割当て
手段において個々のチヤンネルは時分割タイミン
グによつて識別されるようになつているため、前
記オフチヤンネル信号は割当て消去すべきチヤン
ネルの時分割タイミングに対応して発生するオフ
チヤンネルタイミング信号(OFchT)から成
る。 更にこの発明の好適な実施例においては、前記
楽音発生手段内の各楽音発生チヤンネルはエンベ
ロープ発生回路を夫々含み、前記割当て消去手段
は、モード切換えによつて楽音発生態様が変化す
るチヤンネルにおける前記エンベロープ発生回路
の発生エンベロープ信号をモード切換時に夫々ク
リアすることにより該チヤンネルにおける発生音
を消去する手段である。各楽音発生チヤンネルで
形成した楽音の振幅エンベロープは前記エンベロ
ープ発生回路から発生されるエンベロープ信号に
よつて制御されるので、このエンベロープ信号を
前記モード切換パルスによつてクリアすることに
より発生音が直ちに消去される。これにより、モ
ード切換時に不要な音が形成されたとしても発音
に至ることなく消去される。尚、前記オフチヤン
ネル信号によるキーオン信号のクリアと前記エン
ベロープ信号のクリアとを併用すれば、モード切
換時において確実かつ迅速に発音割当てを解消す
ることができる。以下の実施例ではそのような2
段構えの発音割当て消去法が示されている。 尚、以下の実施例では、発音割当て回路におけ
る時分割的なチヤンネルと実際に楽音を形成発生
する楽音発生チヤンネルとを便宜上区別するため
に後者を楽音発生系列ch1〜ch10と称してい
るが、概念的には両者は共通するものである。す
なわち時分割的なチヤンネルは実際の楽音発生チ
ヤンネル(系列)を示している。また、楽音発生
チヤンネルを単にチヤンネルあるいは発音チヤン
ネルと略称することもある。 以下添付図面を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明する。 実施例の全体構成の概略説明 第1図に示す電子楽器は一段鍵盤式のものであ
り、キースイツチマトリクス10には一段鍵盤の
各鍵に対応するキースイツチがマトリクス状に配
列されている。キー走査回路11はキースイツチ
マトリクス10を高音側から走査し、各キーに対
応するタイムスロツトにおけるパルスの有無
(“1”か“0”か)によつて当該キーのオン・オ
フを示す時分割多重化されたキーデータKDを単
一の出力ラインに発生する。尚、キー走査回路1
1は低音側のキーから走査するようにしてもよい
が、以下では高音側から走査するものとして説明
する。 キー走査回路11は、走査用のカウンタを含ん
でおり、現在走査中のキーを示す複数ビツトのキ
ーコード(ノートコードN1〜N4とオクターブ
コードB1〜B3とから成る)を該カウンタから
出力して走査キー表示ライン12に供給する。ま
た、キー走査回路11では、キースイツチマトリ
クス10の各キーには対応していない余分の走査
時間を形成するようになつており、その間キーデ
ータKDを送出しないことにより、後段の回路で
各種自動演奏用のキー情報類を形成するための時
間的余裕を確保している。更に、キー走査回路1
1では、キー走査に関連する様々なタイミング信
号を形成し、他の回路に供給するようになつてい
る。それらのキー走査関連タイミング信号の詳細
は後に明らかにする。 第1図に示す電子楽器は、自動ベースコード演
奏機能を具えており、自動ベースコード演奏が選
択されていない場合は鍵盤の全鍵を第1の楽音発
生態様(メロデイ演奏)で発音するよう全発音チ
ヤンネルを全鍵共通に利用し、自動ベースコード
演奏が選択された場合は鍵盤の一部の鍵域を第2
の楽音発生態様(自動ベースコード演奏及び自動
アルペジヨ演奏すなわち伴奏演奏)に対応させ、
残りの鍵域を第1の楽音発生態様(メロデイ演
奏)に対応させるようにしている。鍵盤を第1及
び第2の楽音発生態様のために分割利用する場合
は、全発音チヤンネルのうち所定の発音チヤンネ
ルグループが第2の楽音発生態様のために専用に
利用され、残りの発音チヤンネルグループが第1
の楽音発生態様のために専用に利用される。 第2の楽音発生態様のために使用される鍵域で
は、伴奏コード(和音)が押鍵指定される。自動
ベース音は、押鍵指定された伴奏和音とベースパ
ターンデータとにもとづいて自動的に形成され
る。第2の楽音発生態様のための発音チヤンネル
グループ(伴奏用チヤンネル)は、和音のための
所定の発音チヤンネルと、自動ベース音のための
専用の発音チヤンネルを含んでいる。 更に、第1図に示す電子楽器は、自動ベースコ
ード演奏に連動する自動アルペジヨ演奏機能を具
えている。自動ベースコード演奏が選択されたと
き、これに連動して自動アルペジヨ演奏も選択さ
れ、伴奏和音の構成音がアルペジヨ形式で自動的
に発音されるようになつている。そのため、第2
の楽音発生態様のための発音チヤンネルグループ
には、自動アルペジヨ音のための専用の発音チヤ
ンネルを更に含んでいる。 第1図に示す電子楽器の鍵盤及び発音チヤンネ
ルを、第1の楽音発生態様のみで利用するか、あ
るいは第1及び第2の楽音発生態様で分割利用す
るかは、モード選択回路13によつて選択され
る。モード選択回路13は、主として、自動ベー
スコード演奏のフインガードコードモードを選択
するスイツチFC−SWと、シングルフインガーモ
ードを選択するスイツチSF−SWを具えており、
その他付随的な機能選択スイツチとしてメモリ機
能選択スイツチM−SWと、利用チヤンネル選択
スイツチ10/7−SWとを具えている。更に、モ
ード選択回路13では、上記各スイツチのオン・
オフ状態を取込むラツチ装置14と、このラツチ
装置14に取込まれた各スイツチのオン・オフ状
態にもとづいて各種モード信号10/7,M,
FC,SF,ABCを発生すると共にモード切換時に
モード切換えを示すパルス△,△ABCを発生
するモード切換制御回路15とを具えている。 フインガードコードモード選択スイツチFC−
SWあるいはシングルフインガーモード選択スイ
ツチSF−SWがオンされているとき、自動ベース
コード演奏(更にそれに連動して自動アルペジヨ
演奏)が選択されていることを意味し、この電子
楽器の鍵盤と発音チヤンネルは第1及び第2の楽
音発生態様によつて分割利用される。このとき、
自動ベースコードモード信号ABCが“1”とな
り、上述のように分割利用すべきことを指示す
る。尚、スイツチFC−SWの出力“1”はインバ
ータ16で反転されてアンド回路17に加わり、
スイツチSF−SWの出力を阻止するようになつて
おり、フインガードコードモード(FC)の方が
シングルフインガーモード(SF)に優先する。 両スイツチFC−SW,SF−SWが共にオフのと
きは自動ベースコード演奏が選択されていないこ
とを意味し、その場合はこの電子楽器の鍵盤と発
音チヤンネルは第1の楽音発生態様のみで利用さ
れる。自動ベースコード演奏が選択されていない
モードを、以下ではノーマルモードということに
する。ノーマルモードの場合、自動ベースコード
モード信号ABCは“0”である。 モード切換制御回路15では、自動ベースコー
ドモード(フインガードコードモードあるいはシ
ングルフインガーモード)からノーマルモードに
変化した場合、あるいはその逆に変化した場合、
モード切換パルス△ABCを一定時間の間発生す
る。このモード切換パルス△ABCは、第2の楽
音発生態様(自動ベースコード演奏)によつて利
用される発音チヤンネルグループの発音割手てを
クリアしたり各種回路の動作を一時的に禁止する
働きをする。この発音チヤンネルグループは、第
1及び第2の楽音発生態様の両方によつて使い分
けられるため、モード切換時に古い発音データ
(第1あるいは第2の楽音発生態様の一方のため
の発音データ)をこのモード切換パルス△ABC
によつて一旦クリアし、新しい発音データ(第1
あるいは第2の楽音発生態様の他方のためのデー
タ)を割当てる準備をするのである。特に、鍵盤
演奏中にモードを切換えた場合に、切換えによる
過渡的な不要な音の発生を禁止するためにこのモ
ード切換パルス△ABCは有効である。 メモリ機能選択スイツチM−SWは、自動ベー
スコード演奏時において押鍵データを離鍵後も記
憶して、離鍵後も自動ベース音、和音等を発生し
続けるメモリ機能を選択するスイツチである。利
用チヤンネル選択スイツチ10/7は、利用する全
発音チヤンネル数を選択するスイツチであり、こ
の実施例では10チヤンネルか7チヤンネルかの一
方を選択することができる。このスイツチ10/7
がオフのときは10チヤンネルが選択される。 発音割当て回路18は、各タイムスロツトにお
けるパルスの有無によつて押圧鍵を示す時分割多
重化されたキーデータKDにもとづいて押圧鍵の
発音を発音チヤンネルのいずれかに割当てる働き
をする発音割当て制御部19を含んでいる。発音
チヤンネル数は最大で10個であり、上述のスイツ
チ10/7がオンされたときは最大発音チヤンネル
数が7個に縮減される。更に、発音割当て回路1
8は、タイミング信号発生回路20とウインドウ
回路21とを含んでいる。 タイミング信号発生回路20は、各発音チヤン
ネルの時分割タイミングに対応してチヤンネルタ
イミング信号UchT,LchT,PchT,AchTを発
生する。或るチヤンネルタイミングでどのチヤン
ネルタイミング信号(UchT,LchT,PchT,
AchT)が発生するかによつて、そのチヤンネル
が第1の楽音発生態様によつて利用されるかある
いは第2の楽音発生態様によつて利用されるかを
示す。モード選択回路13から与えられる各種モ
ード信号10/7〜△ABCの状態に応じて各チヤ
ンネルタイミング信号UchT〜AchTが発生する
チヤンネルタイミングが切換えられる。この切換
えによつて、発音チヤンネルすべてを第1の楽音
発生態様のために利用するか、あるいは第1と第
2の楽音発生態様とで分割利用するかの切換え制
御が可能となる。 ウインドウ回路21は、キー走査回路11から
与えられたキーデータKDを、モード選択回路1
3から与えられる各種モード信号の状態に応じ
て、第1あるいは第2の楽音発生態様の一方に振
分けるためのものである。ノーマルモードの場合
は、すべての鍵のキーデータKDを第1の楽音発
生態様に振分けるが、自動ベースコードモードの
場合は、所定の鍵域のキーデータKDを第1の楽
音発生態様に振分け、他の鍵域のキーデータKD
を第2の楽音発生態様に振分ける。各楽音発生態
様に応じて振分けられたキーデータKDは発音割
当て制御部19に与えられ、タイミング信号発生
回路20から与えられるチヤンネルタイミング信
号UchT,LchTによつて指示されたチヤンネル
グループのいずれかに割当てられる。尚、タイミ
ング信号発生回路20から発生されるオフチヤン
ネルタイミング信号OFchTは、モード切換パル
ス△ABCにもとづいて発生されるもので、発音
割当てをクリアすべきチヤンネルを指示する。 発音割当て回路18に付随して設けられている
トランケート回路22は、最も古く離鍵されたチ
ヤンネル(トランケートすべきチヤンネル)を検
出する回路であり、最も古く離鍵されたチヤンネ
ルに対応してトランケートチヤンネル信号TRUN
を発生する。発音割当て制御部19では、このト
ランケートチヤンネル信号TRUNによつて指定さ
れたチヤンネルに対応して新たな押圧鍵の発音を
割当てる。 発音割当て制御部19では、キー走査回路11
から与えられたキーデータKDを新たに割当てる
べきことを決定したとき、割当てるべきチヤンネ
ルのタイミングに対応して1発のロード信号LD
(割当て命令)を発生する。同時に、発音割当て
制御部19では、ロード信号LDを発生したチヤ
ンネルに対応してキーオン信号KO1を記憶し、
出力する。 キー情報変換部23は、発音割当て回路18で
割当てたキーデータKDを複数ビツトのキーコー
ドに変換して記憶するものである。キー情報変換
部23は、各発音チヤンネルに割当てられた音の
キーコードを記憶するキーコードメモリ24を含
んでいる。キーコードメモリ24にはキー走査回
路11から走査キー表示ライン12を介してキー
コードN1〜N4,B1〜B3が与えられてお
り、発音割当て制御部19からロード信号LDが
与えられたとき、入力側に与えられているキーコ
ードN1〜B3をロード信号LDが発生したチヤ
ンネルに対応して記憶する。 また、キー情報変換部23は比較回路25を含
んでおり、走査キー表示ライン12に与えられた
走査キーを示すキーコードとキーコードメモリ2
4に記憶している割当て済みのキーコードとを比
較する。キーコードメモリ24は、発音割当て回
路18における各チヤンネルの時分割タイムスロ
ツトに同期して各チヤンネルに割当て済みのキー
コードを時分割的に出力する。この各チヤンネル
の時分割タイミングはキー走査タイミングに比べ
て高速であり、走査キー表示ライン12に1つの
キーコードN1〜B3が出力されている間に、キ
ーコードメモリ24からはすべてのチヤンネルの
キーコードが出力されるようになつている。比較
回路25は両入力のキーコードが一致すると一致
信号EQを出力し、発音割当て制御部19に供給
する。発音割当て制御部19では、この一致信号
EQの有無によつて、今、与えられているキーデ
ータKDが既に割当て済みのものであるか否かを
判断する。 キー情報変換部23において設けられているオ
クターブコード変換回路26,27は、自動ベー
スコード演奏あるいは自動アルペジヨ演奏のため
の処理の際に、キーコードのオクターブコードB
1〜B3の値を変更するためのものである。多重
化回路28はキーコードメモリ24から出力され
る各チヤンネルに割当てられたキーコードN1〜
N4,B1〜B3と、発音割当て制御部19から
出力されるキーオン信号KO1とを4ビツトのデ
ータKC1〜KC4に多重化するものである。多重
化する理由は、一点鎖線29で区切つた部分が
別々の集積回路から成るため、接続ピン数を節約
するようにしたのである。 尚、発音割当て回路18内のタイミング信号発
生回路20からは、キー走査時間を設定するクロ
ツクパルスφA,φBも発生され、キー走査回路1
1に供給される。 キー走査回路11から出力されるキーデータ
KDは和音検出制御回路30にも供給される。和
音検出制御回路30は、主に自動ベースコード演
奏における伴奏和音を検出するものであるが、多
機能を有している。和音検出制御回路30内の構
成を機能別に分けると、フインガードコードモー
ド用(FC)和音検出部31と、シングルフイン
ガーモード用(SF)根音検出優先回路32と、
シングルフインガーモード用(SF)和音種類検
出部33と、アルペジヨ用(ARP)キーデータ
記憶部34とを含む。下鍵域キーデータレジスタ
35が、FC和音検出部31、SF和音種類検出部
33、及びARPキーデータ記憶部34によつて
共用されている。また、マイナ和音(min)メモ
リ36とセブンス和音(7th)メモリ37がFC和
音検出部31とSF和音種類検出部33によつて
共用される。 FC和音検出部31は、キーデータKDのうち第
2の楽音発生態様に利用される鍵域(これを下鍵
域ということにする)における押圧キーデータの
組合せにもとづいて伴奏和音を検出し、検出した
和音の根音名を表わす根音データRTLDと、和音
種類を表わすデータminあるいは7thを出力す
る。マイナ和音のときデータminが“1”、セブ
ンス和音のときデータ7thが“1”、メジヤ和音の
ときは両データmin、7thが共に“0”である。
これらのデータmin,7thはメモリ36,37に
記憶される。 シングルフインガーモード(SF)において
は、第2の楽音発生態様に利用される下鍵域(す
なわち伴奏用の鍵域)において、和音の根音を示
す1つの鍵を最高音(または最低音)として押圧
し、同じ鍵域のそれよりも低音側(または高音
側)の鍵の所定の押鍵(または押鍵しないこと)
によつてメジヤ、マイナ、セブンスの和音種類を
指定するものとしている。そのため、SF根音検
出優先回路32では、下鍵域のキーデータKDの
うち最高音(または最低音)の押圧キーデータを
優先検出し、根音データRTLDとして出力する。
また、SF和音種類検出部33では、回路32で
優先検出した最高音(または最低音)以外の押圧
キーデータから和音種類を検出し、メモリ36ま
たは37に記憶する。例えば、根音指定押圧鍵以
外の白鍵が押圧された場合はセブンス和音とし、
黒鍵が押圧された場合はマイナ和音とし、根音指
定押圧鍵以外は何も押圧されない場合はメジヤ和
音とする。 和音検出制御回路30は、キーデータKDのう
ち下鍵域のキーデータを選択して下鍵域キーデー
タLKKDとして出力する。この下鍵域キーデータ
LKKDは下鍵域ニユーキーオン検出回路38に供
給され、下鍵域で何らかの鍵が新たに押圧された
ときに下鍵域ニユーキーオン信号LANKOが該回
路38から発生される。 また、和音検出制御回路30は、下鍵域キーデ
ータLKKDを記憶し、下鍵域で何らかの鍵が押圧
されているとき“1”となる下鍵域キーオン信号
LKOを発生する。この下鍵域キーオン信号LKO
は下鍵域キーオンメモリ39に記憶され、下鍵域
で何らかの鍵が押圧されているとき直流的に
“1”となる下鍵域エニイキーオン信号LKAKO
が該メモリ39から出力される。この信号
LKAKOはメモリモード(Mが“1”)のときは
離鍵後も“1”を持続する。 自動ベースコード処理回路40は、和音検出制
御回路30で検出された根音データRTLDを記憶
しシフトする根音シフトレジスタ41と、ベース
音キーデータ形成回路42と、シングルフインガ
ーモード用(SF)和音キーデータ形成回路43
とを含んでいる。根音シフトレジスタ41は、根
音名のタイミングに対応して発生する根音データ
RTLDを順次シフトし、各シフトステージから根
音に対する所定音程度数の音(従音)のタイミン
グデータを出力する。ベース音キーデータ形成回
路42では、根音シフトレジスタ41の出力と和
音種類データmin,7th、及びベースパターンデ
ータBassPTにもとづいて、ベースパターンデー
タBassPTが示す音程度数に相当する音名のタイ
ミングデータすなわちベース音キーデータKPを
発生すると共に、そのベース音のオクターブコー
ドB1′〜B3′を発生する。また、ベースパター
ンデータBassPTの発生タイミングに対応してベ
ース音の発音タイミングを示すベースタイミング
信号BTを発生する。SF和音キーデータ形成回路
43では、根音シフトレジスタ41の出力と和音
種類データmin,7thにもとづいて、和音の根音
と従音(和音構成音)の音名を示すタイミングデ
ータ(シングルフインガー和音キーデータ
SFKL)を発生する。 和音検出制御回路30内のアルペジヨ用
(ARP)キーデータ記憶部34は、フインガード
コードモード(FC)あるいはシングルフインガ
ーモード(SF)による伴奏和音の構成音の各キ
ーデータを記憶し、そのキーデータAKDをアル
ペジヨ音キーデータ形成回路44に供給する。ア
ルペジヨ音キーデータ形成回路44では、アルペ
ジヨパターンデータArpPTによつて指定された
音高順位の音を和音構成音キーデータAKDの中
から探し出し、探し出した音名のタイミングに対
応してアルペジヨ音キーデータKAを発生すると
共に、そのアルペジヨ音のオクターブコードB
1″〜B3″を出力する。また、アルペジヨパター
ンデータArpPTの発生タイミングに対応してア
ルペジヨ音の発音タイミングを示すアルペジヨタ
イミング信号ATを出力する。また、アルペジヨ
パターンデータArpPTによつて指定された音高
順位の音を探し出すために、キー情報変換部23
の比較回路25から出力される一致信号EQがア
ルペジヨ音キーデータ形成回路44で利用され
る。 シングルフインガー和音キーデータSFKL、ベ
ース音キーデータKP、アルペジヨ音キーデータ
KAにおける各音名のタイミングは、キー走査回
路11から出力されるキーデータKDのタイミン
グと一致している。自動的に形成されたこれらの
キーデータSFKL,KP,KAは発音割当て回路1
8に供給され、第2の楽音発生態様のための発音
チヤンネルグループに割当てられる。ベース音の
オクターブコードB1′〜B3′及びアルペジヨ音
のオクターブコードB1″〜B3″はオクターブコ
ード変換回路26に供給され、ライン12の走査
キーのオクターブコードB1〜B3に代わつてキ
ーコードメモリ24に供給される。また、シング
ルフインガーモード(SF)の場合も、シングル
フインガーモード信号SFにもとづいてオクター
ブコード変換回路26で独自のオクターブコード
が形成され、ライン12の走査キーのオクターブ
コードに代わつてキーコードメモリ24に供給さ
れる。 ベースパターンデータBassPT及びアルペジヨ
パターンデータArpPTは、オートリズム装置4
5内のパターン発生回路46から発生される。オ
ートリズム装置45は、多数のリズム選択スイツ
チ(図示せず)とパターン選択スイツチ(図示せ
ず)を具えており、選択されたリズム及びパター
ンに応じて所定のベースパターンデータ
BassPT、アルペジヨパターンデータArpPT、及
びコード(和音)発音タイミングパターンパルス
CTをパターン発生回路46から発生する。ま
た、選択されたリズムに対応してリズム音信号
R.TONEを発生する。また、オートリズム装置4
5は、リズムが動いているか否かを示すリズムラ
ン信号RUNを発生する。RUNメモリ47に
“1”がセツトされているときオートリズム装置
45は動いており、リズム音信号R.TONEやパタ
ーンデータBassPT,ArpPT,CTを発生し得る
状態となつている。このとき、RUNメモリ47
から出力されるリズムラン信号RUNは“1”で
ある。RUNメモリ47がリセツトされると、オ
ートリズム装置45は止まり、リズム音信号R.
TONEやパターンデータBassPT,ArpPT,CT
は発生されない。RUNメモリ47は、リズムス
タートスイツチSTRTがオンされたとき、あるい
はシンクロスタートスイツチSYNCがオンで伴奏
用の下鍵域で何らかの鍵が押されたとき、オア回
路48からの信号“1”によりセツトされる。シ
ンクロスタートスイツチSYNCの出力はアンド回
路49に加わり、このアンド回路49の他の入力
には下鍵域キーオンメモリ39からの下鍵域エニ
イキーオン信号LKAKOが加わる。シンクロスタ
ートとは、鍵の押し始に同期してリズムをスター
トさせることである。パターンデータBassPT,
ArpPT,CTが発生されるには、単にRUNメモリ
47がセツトされているだけでは不十分であり、
何らかのリズムが選択されていなければならな
い。 RUNメモリ47は、モード切換パルス△ABC
によつて一旦リセツトされる。リズムスタートス
イツチSTRTがオンの場合は、パルス△ABCが消
去したとき再びセツトされるので、モード切換パ
ルス△ABCが発生している間だけリズム及び自
動演奏パターンが止まる。シンクロスタートスイ
ツチSYNCがオンの場合は、パルス△ABCの消去
後に下鍵域の鍵が最初に押圧されたときに再びセ
ツトされる。RUNメモリ47がリセツトされて
いるとき()あるいはリズムが全く選択さ
れていないときにリズムストツプ信号RSTPがオ
ートリズム装置45から発生される。このリズム
ストツプ信号RSTPは、自動ベースコード演奏制
御のために利用される。 多重化回路28は、各チヤンネルに割当てられ
たキーコードN1〜B3及びキーオン信号KO1
のみならず、モード選択回路13から出力される
自動ベースコードモード信号ABC等、制御用の
信号類も多重化して出力する。 復調回路50は多重化回路28から送出された
多重化データKC1〜KC4からキーコードN1〜
B3、キーオン信号KO1、自動ベースコードモ
ード信号ABC等を別々に取出す回路である。復
調回路50から取出されたキーコードN1〜B3
は楽音発生回路51に供給される。楽音発生回路
51は、各チヤンネルに対応して楽音発生系列
ch1〜ch10を具えており、復調回路50から
与えられる各チヤンネルのキーコードN1〜B3
をそのチヤンネルに対応する楽音発生系列ch1
〜ch10に分配し、各楽音発生系列ch1〜ch1
0では分配されたキーコードN1〜B3に対応す
る音高の楽音信号を発生する。タイミング信号発
生部52は、復調回路50から与えられる基準パ
ルスSYにもとづいてタイミングパルスφA′,φ
B′,FB0〜FB10を発生する。タイミングパル
スFB0〜FB10は復調回路50から出力される
各チヤンネルのキーコードN1〜B3を楽音発生
回路51の各楽音発生系列ch1〜ch10に分配
するために該楽音発生回路51で利用される。楽
音制御回路53は、復調回路50から取出された
キーオン信号KO1や自動ベースコードモード信
号ABC等にもとづいて、楽音振幅エンベロープ
制御用のアタツク信号AT、デイケイ信号DCや自
動ベースコードモード信号ABC〓あるいはモー
ド切換パルス△ABC〓を発生し、更に音色選択
信号TCを発生する。楽音発生回路51では、楽
音制御回路53から発生された信号に従つて楽音
振幅エンベロープや音色を制御する。尚、モード
切換パルス△ABC〓はモード切換制御回路15
から発生されるモード切換パルス△ABCとほぼ
同様なパルスであり、配線数の節約のためにパル
ス△ABCを楽音発生回路51まで持つて来ず
に、モード信号ABCにもとづいてモード切換パ
ルス△ABC〓をあらためて作り直しているので
ある。 楽音制御回路53内にはキーオン立上りパルス
発生回路54を含んでおり、キーオン信号KO1
の立上り時に一定時間幅のキーオン立上りパルス
KO2を発生する。このキーオン立上りパルス
KO2にもとづいてアタツク信号ATを短時間だ
け発生させることにより楽音発生回路51におい
てパーカツシブ型の振幅エンベロープを付与した
楽音を発生させる。キーオン立上りパルス発生回
路54では、モード切換パルス△ABC〓が発生
しているときはキーオン立上りパルスKO2の発
生を禁止するようにしている。これは、モードの
切換えによつて押鍵中の音が別の発音チヤンネル
に割当て変更されることにより、実際は鍵の押し
始めでないのに偽のキーオン立上りパルスKO2
が発生されることがあるため、この偽のキーオン
立上りパルスKO2を禁止して、パーカツシブ型
エンベロープの音が二重に発生されることのない
ようにするためである。 楽音発生回路51から発生された楽音信号及び
オートリズム装置45から発生されたリズム音信
号R.TONEはサウンドシステム55に供給され、
発音される。 尚、第1図においては、この実施例の電子楽器
の各部回路の大まかな配線のみが示されているだ
けであり、実際は更に多数の信号類が各部回路の
間で送受される。その詳細は第2図以降に示す各
部の詳細図において明らかになる。 クロツクパルスの説明 第1図の発音割当て回路18内のタイミング信
号発生回路20の詳細例は第2図に示されてい
る。このタイミング信号発生回路20はチヤンネ
ルタイミング信号UchT〜AchTのみならず、キ
ー走査用のクロツクパルスφA,φBも発生する。 第2図において、イニシヤルクリア信号ICは
遅延フリツプフロツプ56とアンド回路57に加
わり、遅延フリツプフロツプ56の出力がインバ
ータ58で反転されてアンド回路57の他の入力
に加わる。イニシヤルクリア信号ICは、電子楽
器の電源を投入したときに一定時間の間“1”に
立上る信号である。遅延フリツプフロツプ56は
システムクロツクパルスφによつて駆動される。
システムクロツクパルスφは第3図に示すように
2相クロツクパルスφ,φから成るものであ
り、データを取り込むタイミングはパルスφ
従い、取り込んだデータを出力するタイミングは
パルスφに従う。このシステムクロツクパルス
φの1周期分の時間を以下では1ビツトタイムと
いう。遅延フリツプフロツプ56、アンド回路5
7、インバータ58は微分回路を構成しており、
イニシヤルクリア信号ICの立上り(電源投入)
に応答して1ビツトタイム幅のパルスIC′をアン
ド回路57から出力する(第3図参照)。 アンド回路57の出力パルスIC′はオア回路5
9を介して11ステージ/1ビツトのシフトレジス
タ60に入力されると共にフリツプフロツプ61
のセツト入力(S)に加わる。フリツプフロツプ
61はシステムクロツクパルスφに同期して駆動
されるもので、パルスφのタイミングでS入力
あるいはT入力の信号を取り込み、入力信号にも
とづいて設定された状態を示す信号をパルスφ
のタイミングで出力する。フリツプフロツプ61
の出力Qはセツト入力(S)に加わるパルス
IC′よりも1ビツトタイム遅れて“1”に立上る
(第3図の61−Q参照)。 シフトレジスタ60は1ビツトタイム幅のパル
スIC′をシステムクロツクパルスφに従つて順次
シフトする。第1ステージQ1から第10ステージ
Q10の出力はノア回路62に加わり、ノア回路
62の出力がオア回路59を介してシフトレジス
タ60に戻されると共にフリツプフロツプ61の
T入力に加わる。シフトレジスタ60の最終ステ
ージQ11に“1”がシフトされてきたとき、そ
の前のステージQ1〜Q10の出力は“0”であ
り、ノア回路62の出力が“1”となる。そのと
きノア回路62の出力“1”がシフトレジスタ6
0の第1ステージQ1に取り込まれ、その次のタ
イミングで第1ステージQ1の出力が“1”とな
る。従つて、シフトレジスタ60では単一の信号
“1”が常に循環し、順送りにシフトされる。
“1”が出力されるシフトレジスタ60のステー
ジQ1〜Q11の番号1〜11を第3図の60−
Qに示す。 フリツプフロツプ61はノア回路62から
“1”が出力される毎に状態を反転する。このフ
リツプフロツプ61の出力Q,61−Qが反転す
るのは、ノア回路62の出力“1”すなわちシフ
トレジスタ60の第11ステージQ11の出力
“1”の1ビツトタイム後である。従つて、フリ
ツプフロツプ61の出力Qは第3図の61−Qに
示すようにデユーテイ1/2の繰返しパルスとな
る。フリツプフロツプ61の出力Qはノア回路6
3に加わり、この出力Qをインバータ64で反転
した信号がノア回路65に加わる。ノア回路6
3,65の他の入力にはシフトレジスタ60の第
11ステージQ11の出力が加わる。ノア回路63
からは第3図に示すような22ビツトタイム周期の
クロツクパルスφBが出力され、ノア回路65か
らは第3図に示すような22ビツトタイム周期のク
ロツクパルスφAが出力される。この2相のクロ
ツクパルスφA,φBはキー走査用のクロツクパル
スとして利用される。2相クロツクパルスとして
対で利用されるとき、これらのパルスφA,φB
φABと表示する。クロツクパルスφBの立上りか
ら次の立上り直前までの22ビツトタイムを1キー
時間ということにする。 また、フリツプフロツプ61の出力Q,61−
Qは、後半期間信号H2としてタイミング信号発
生回路20から出力される。この後半期間信号H
2は1キー時間の後半の11ビツトタイムの間
“1”となる。更に、フリツプフロツプ61の出
力Qはアンド回路66に加わる。アンド回路66
の他の入力にはシフトレジスタ60の第11ステー
ジQ11の出力が加わる。従つて、第3図の61
−Qが“1”で、60−Qが「11」のタイミング
のときアンド回路66の条件が成立し、遅延フリ
ツプフロツプ67に“1”が入力される。遅延フ
リツプフロツプ67はシステムクロツクパルスφ
に従つて入力信号を1ビツトタイム遅延し、信号
S1として出力する。従つて、信号S1は、第3
図に示すように1キー時間の最初の1ビツトタイ
ムに対応して繰返し発生する。 モード選択回路13の詳細 第1図におけるモード選択回路13の詳細例は
第4図に示されている。第4図において、ラツチ
装置14は各スイツチ10/7−SW,M−SW,
FC−SW,SF−SWに対応するラツチ回路14−
1,14−2,14−3,14−4を具えてい
る。各ラツチ回路14−1乃至14−4の内部構
成はほぼ同一であるので、ラツチ回路14−1に
ついてのみ参照符号を付けて説明する。 ラツチ回路14−1において、スイツチ10/7
−SWの出力はアンド回路68に加わり、アンド
回路68の出力はオア回路69を介して遅延フリ
ツプフロツプ70に取り込まれる。アンド回路6
8の他の入力には、比較的周期の長い走査サイク
ルパルス4.5Mが加えられる。後述するように、
このパルス4.5Mは、キー走査回路11(第1
図)から1走査サイクルに対応して発生されるも
ので、1キー時間のパルス幅をもち、パルス発生
周期は4.5ミリ秒である。遅延フリツプフロツプ
70の出力はアンド回路71、オア回路69を介
して自己保持される。アンド回路71の他の入力
にはノア回路72の出力が加わる。このノア回路
72の出力はイニシヤルクリア信号ICが発生し
ているときあるいは走査サイクルパルス4.5Mが
発生したとき“0”となり、上記自己保持を禁止
するが、それ以外のときは自己保持を可能にす
る。従つて、走査サイクルパルス4.5Mが発生す
る毎にスイツチ10/7−SWの状態が遅延フリツ
プフロツプ70に取り込まれ、次にパルス4.5M
が発生するまで記憶保持される。このように、低
速の(4.5ms周期の)パルス4.5Mに従つてスイツ
チ出力をラツチするようにした理由は、スイツチ
のチヤタリングを除去するためである。 スイツチFC−SW及びSF−SWに対応するラツ
チ回路14−3及び14−4では、スイツチ出力
をラツチする遅延フリツプフロツプの入力信号と
出力信号とを入力した排他オア回路73,74を
夫々具えている。この排他オア回路73,74は
フインガードコードモード選択スイツチFC−SW
あるいはシングルフインガーモード選択スイツチ
SF−SWが、オンからオフへ、あるいはオフから
オンへ、切換わつたことを検出するためのもので
ある。例えば、スイツチFC−SWがオフからオン
へ切換つた場合、オンを示すスイツチ出力“1”
を取込むパルス4.5Mの発生タイミングにおい
て、ラツチ回路14−3の遅延フリツプフロツプ
75の入力側には信号“1”が現われ、遅延フリ
ツプフロツプ75の出力側には直前のオフ状態を
示す信号“0”が現われる。従つて、排他オア回
路73の出力信号△FCが1キー時間の間だけ
“1”となる。その逆の場合も同様である。すな
わちスイツチFC−SWがオンからオフへ切換つた
場合は遅延フリツプフロツプ75の入力側が
“0”、出力側が“1”で、排他オア回路73の出
力信号△FCが“1”となる。同様に、スイツチ
SF−SWがオンからオフ、あるいはオフからオン
に切換つた場合は、パルス4.5Mの発生タイミン
グに対応して排他オア回路74の出力△SFが1
度だけ“1”となる。 ラツチ回路14−1のラツチ出力は、利用チヤ
ンネル選択スイツチ10/7−SWのオン・オフ状
態を示すチヤンネルモード信号10/7として出力
される。このチヤンネルモード信号10/7が
“0”のときは10チヤンネル全部が楽音発生に利
用され、“1”のときは所定の7チヤンネルだけ
が楽音発生に利用される。 ラツチ回路14−3の遅延フリツプフロツプ7
5にラツチした信号は、自動ベースコード演奏の
フインガードコードモード(FC)が選択されて
いるか否かを示すフインガードコードモード信号
FCとして出力される。ラツチ回路14−4の遅
延フリツプフロツプにラツチした信号は、自動ベ
ースコード演奏のシングルフインガーモード
(SF)が選択されているか否かを示すシングルフ
インガーモード信号SFとして出力される。 ラツチ回路14−2の遅延フリツプフロツプに
ラツチした信号は、メモリ機能選択スイツチM−
SWのオン・オフ状態を示す信号としてモード切
換制御回路15のアンド回路76に加えられる。
このスイツチM−SWの出力を示す信号と自動ベ
ースコードモード信号ABC及びリズムラン信号
RUN及び下鍵域キーオン信号LKOにもとづいて
メモリモード信号Mが発生される。 モード切換制御回路15における回路77は、
変化検出信号△FCあるいは△SFが発生したとき
一定時間の間“0”となる信号△を発生する回
路である。前述のように、スイツチFC−SWある
いはSF−SWが切換つたとき、パルス4.5Mの発
生タイミングに対応して変化検出信号△FCある
いは△SFが“1”となる(第5図参照)。変化検
出信号△FCあるいは△SFが“1”となると、オ
ア回路78,79を介してフリツプフロツプ80
がリセツトされる。フリツプフロツプ80は、ク
ロツクパルスφAのタイミングで入力を取り込
み、クロツクパルスφBのタイミングで状態を決
定する。従つて、フリツプフロツプ80の出力Q
は第5図の80−Qに示すように、信号△FCあ
るいは△SFより1キー時間遅れて“0”に立下
る。同時に、フリツプフロツプ80の反転出力
は“1”に立上る。この反転出力はアンド回路
81に加わる。アンド回路81の他入力には走査
サイクルパルス4.5Mが加えられる。従つて、次
の走査サイクルパルス4.5Mの発生時に、フリツ
プフロツプ80のT入力に対してアンド回路81
から“1”が供給され、その1キー時間後にフリ
ツプフロツプ80の状態が反転し、出力Q(第5
図の80−Q)が“1”に立上る。以後は、フリ
ツプフロツプ80の反転出力は“0”となるの
でアンド回路81は動作せず、信号△FCあるい
は△SFによつて再びリセツトされるまでフリツ
プフロツプ80の状態は変化しない。 フリツプフロツプ80の出力Qはアンド回路8
2に加わり、アンド回路82の出力はノア回路8
4に加わる。また、オア回路79の出力はインバ
ータ83で反転されてアンド回路82に加わる一
方、ノア回路82にも加わる。ノア回路84と8
5はフリツプフロツプになつており、ノア回路8
5の出力がSF/FCモード切換信号△として出
力される。信号△FCあるいは△SFが“1”に立
上る前はアンド回路82の条件が成立しており、
アンド回路82の出力“1”、ノア回路84の出
力“0”、オア回路79の出力“0”により、ノ
ア回路85の出力信号△は“1”となつてい
る。 信号△FCあるいは△SFが“1”となるとノア
回路85の入力が“1”となり、出力信号△は
“0”に立下る。信号△FCあるいは△SFが
“0”に立下ると同時にフリツプフロツプ80の
出力Qが“0”に立下るので、アンド回路82の
出力は“0”のままであり、ノア回路85の出力
信号△は“0”を維持する。次の走査サイクル
パルス4.5Mの到来によつてフリツプフロツプ8
0が反転すると、アンド回路82の出力は“1”
となり、ノア回路85の出力信号△は“1”に
立上る。従つて、第5図に示すように、信号△
は「4.5ms+α」(但しαは1キー時間)の間だ
け“0”に立下る。 この信号△が「4.5ms+α」の間“0”に立
下るのは、変化検出信号△FCあるいは△SFが発
生したときであり、これは次の場合である。自動
ベースコードモードからノーマルモードに切換わ
つた場合(スイツチFC−SW及びSF−SWが共に
オフになつた場合)、あるいは、その逆の場合
(スイツチFC−SWあるいはSF−SWがオンに切
換つた場合)、あるいは、自動ベースコードモー
ドにおいてフインガードコードモードからシング
ルフインガーモードに切換つた場合あるいはその
逆の場合、である。この信号△は和音検出制御
回路30(第1図)において和音の記憶をクリア
するために使用される。単に自動ベースコードモ
ードからノーマルモードに切換わつた場合(ある
いはその逆)に限らず、自動ベースコードモード
内でのモードの切換時(FCからSF、あるいはそ
の逆)にも信号△が“0”に立下るようにした
理由は、鍵押圧状態が同じでもフインガードコー
ドモードとシングルフインガーモードとでは和音
が異なることがあるからである。 尚、ノア回路85の出力はインバータ86で反
転され、オア回路87に加わる。オア回路87の
出力はモード切換パルス△ABCとして利用され
る。従つて、信号△が“0”に立下つたとき、
この信号△と同じ時間幅(4.5ms+α)でモー
ド切換パルス△ABCが発生する。しかし、この
信号△に対応して発生するパルス△ABCは本
来のモード切換パルス△ABCよりもはるかに短
いパルスである。本来のモード切換パルス△
ABCは次のようにして発生される。 ラツチ回路14−3あるいは14−4から出力
されたフインガードコードモード信号FCあるい
はシングルフインガーモード信号SFはオア回路
88に入力される。オア回路88の出力は、自動
ベースコードモード(FCあるいはSFのどちらか
一方)のとき“1”、ノーマルモードのとき
“0”である。オア回路88の出力は遅延フリツ
プフロツプ89で1キー時間遅延されて排他オア
回路90に加わる。排他オア回路90の他の入力
にはオア回路88の出力が直接加わる。従つて、
自動ベースコードモードからノーマルモードに
(あるいはその逆に)変化したとき、排他オア回
路90から1キー時間幅の変化検出パルス△
ABC′が発生される。この変化検出パルス△
ABC′の発生タイミングは、第5図に示すよう
に、走査サイクルパルス4.5Mよりも1キー時間
遅れている。これは、ラツチ回路14−3,14
−4内の遅延フリツプフロツプの存在により、パ
ルス4.5Mのタイミングよりも1キー時間遅れて
信号FCあるいはSFが変化するからである。 排他オア回路90から出力された変化検出パル
ス△ABC′によつてフリツプフロツプ91がセツ
トされると共にカウンタ92がリセツトされる。
フリツプフロツプ91は前記フリツプフロツプ8
0と同様にクロツクパルスφABによつて制御さ
れ、入力と出力との間に1キー時間の遅れがあ
る。従つて、フリツプフロツプ91の出力Qは第
5図の91−Qに示すように、セツト入力(S)
に加わる変化検出パルス△ABC′の立上りから1
キー時間遅れて“1”に立上る。このフリツプフ
ロツプ91の出力Q,91−Qがオア回路87を
経由し、モード切換パルス△ABCとして出力さ
れる。 カウンタ92のカウント入力(T)にはアンド
回路93を介して走査サイクルパルス4.5Mが加
えられる。また、カウンタ92の制御クロツクパ
ルスとして2相クロツクパルスφABが加えられて
いる。カウンタ92はクロツクパルスφAのタイ
ミングでカウント入力(T)の信号を取り込み、
取り込んだ信号が“1”であれば1カウントアツ
プし、そのカウント結果をクロツクパルスφB
タイミングで出力する。3ビツトバイナリカウン
タ92の出力Q1〜Q3はアンド回路94に入力
される。アンド回路94の残りの入力には変化検
出パルス△ABC′をインバータ95で反転した信
号が加わる。アンド回路94の出力はフリツプフ
ロツプ91のリセツト入力(R)に加わると共に
インバータ96で反転されてアンド回路93に加
わる。 変化検出パルス△ABC′が発生したときカウン
タ92はリセツトされ、その計数値は第5図の9
2−Qに示すように0になる。以後、走査サイク
ルパルス4.5Mが発生する毎にカウンタ92はカ
ウントアツプされ、計数値が10進の「7」になる
と2進出力Q1〜Q3がすべて“1”となり、ア
ンド回路94の条件が成立する。これによりフリ
ツプフロツプ91がリセツトされると共に、アン
ド回路93が不動作となり、計数が停止される。
従つて、フリツプフロツプ91の出力Qは走査サ
イクルパルス4.5Mの7周期分の時間(4.5ms×7
=31.5ms)だけ“1”となる。従つて、フリツ
プフロツプ91の出力Qに対応してオア回路87
から出力されるモード切換パルス△ABCのパル
ス幅は少くとも31.5msの幅をもつ。ところで、
排他オア回路90から変化検出パルス△ABC′が
出力される直前には信号△FCあるいは△SFが必
らず発生するので、フリツプフロツプ91の出力
Qが“1”に立上る2キー時間前に信号△が
“0”に立下り、この信号△をインバータ86
で反転した信号にもとづいてオア回路87の出力
(△ABC)が“1”に立上る。従つて、第5図に
示すように、実際のモード切換パルス△ABCは
フリツプフロツプ91の出力Qよりも2キー時間
前に立上るので、そのパルス幅は31.5ms+2α
(αは1キー時間)である。 ノア回路97と98はフリツプフロツプを構成
しており、自動ベースコードモード信号ABCは
ノア回路97から出力される。カウンタ92の2
ビツト目と3ビツト目の出力Q2,Q3がオア回
路99を介してアンド回路100に加わり、アン
ド回路100の他の入力には変化検出パルス△
ABC′を反転するインバータ95の出力が加わ
る。アンド回路100の出力はアンド回路101
及び102に加わる。遅延フリツプフロツプ89
の出力は、フインガードコードモード(FC)あ
るいはシングルフインガーモード(SF)のとき
すなわち自動ベースコードモードのとき“1”で
あり、この出力がアンド回路102に加わると共
にインバータ103で反転されてアンド回路10
1に加わる。 ノーマルモードから自動ベースコードモードに
切換つたとき、すなわちスイツチFC−SWとSF
−SWが共にオフであつた状態からどちらか一方
がオンに切換つたとき、排他オア回路90から変
化検出パルス△ABC′が発生され、その1キー時
間後に遅延フリツプフロツプ89の出力が“1”
に立上る。パルス△ABC′が“1”になつたとき
アンド回路100の出力(第5図の100参照)
は“0”に立下る。パルス△ABC′によつてカウ
ンタ92がリセツトされるとオア回路99の出力
は“0”になるので、アンド回路100の出力は
パルス△ABC′が消去した後も“0”のままであ
る。カウンタ92の計数値が2以上になると出力
Q2あるいはQ3が“1”となるので、アンド回
路100の出力は“1”に立上る。アンド回路1
00の出力が“0”となつている時間はパルス
4.5Mの2周期分の時間(4.5ms×2=9ms)であ
る。従つて、モードが切換つた時から9msの間ア
ンド回路101,102が不動作となり、フリツ
プフロツプ97,98の状態が変化するのが抑止
される。アンド回路100の出力が“1”に立上
ると、遅延フリツプフロツプ89からの信号
“1”によつてアンド回路102の条件が成立
し、ノア回路98に“1”が入力される。一方、
アンド回路101の条件は成立せず、ノア回路9
7には“0”が入力される。これによりノア回路
97の出力すなわち自動ベースコードモード信号
ABCは“1”に立上る(第5図参照)。自動ベー
スコードモードからノーマルモードに切換わる場
合も同様に、9msの遅延の後にフリツプフロツプ
97,98の状態が反転し、実際の切換え時から
9ms遅れて信号ABCが“0”に立下る。 ラツチ回路14−2から出力されたメモリ機能
選択スイツチM−SWのオン・オフ状態を示す信
号は、アンド回路76,104,105、オア回
路106を介して遅延フリツプフロツプ107に
記憶される。アンド回路104は取り込み用であ
り、アンド回路105は自己保持用である。アン
ド回路76の他の入力にはノア回路97から出力
される自動ベースコードモード信号ABCが与え
られる。アンド回路104にはアンド回路76の
出力のほかに、オートリズム装置45(第1図)
から与えられるリズムラン信号RUNと和音検出
制御回路30(第1図)から与えられる下鍵域キ
ーオン信号LKOが入力される。アンド回路10
4の出力がオア回路106を介して遅延フリツプ
フロツプ107に取り込まれ、この遅延フリツプ
フロツプ107の出力がアンド回路105を介し
て自己保持される。遅延フリツプフロツプ107
の出力がメモリモード信号Mとなる。 自動ベースコード演奏が選択されているときに
(ABCが“1”)、メモリ機能選択スイツチM−
SWがオンするとアンド回路76の条件が成立す
る。このとき、オートリズムが動作中であり
(RUNが“1”)かつ所定の下鍵域で何らかの鍵
が押圧されると(LKOが“1”)、アンド回路1
04の条件が成立し、遅延フリツプフロツプ10
7に“1”が記憶される(メモリモード信号Mが
“1”となる)。 自己保持用のアンド回路105には、遅延フリ
ツプフロツプ107の出力のほかに、アンド回路
76の出力、リズムラン信号RUN、及びSF/FC
モード切換信号△が入力される。従つて、スイ
ツチM−SWがオフされたとき、あるいは自動ベ
ースコードモードがオフになつたとき(ABCが
“0”)、あるいはオートリズムが止つたとき
(RUNが“0”)、あるいはフインガードコードモ
ードまたはシングルフインガーモードに変化があ
つたとき(△が“0”)、アンド回路105が動
作不可能となり、メモリモード信号Mがクリアさ
れる。 鍵盤及び発音チヤンネルの使い分けについて この実施例で使用する鍵盤は、鍵C2からC7
までの61鍵が一列に(一段に)並んでいるもの
である。この鍵盤における鍵域の使い分け方を第
1表に示す。
【表】 ノーマルモードの場合すなわち自動ベースコー
ド演奏が選択されていない場合は、鍵盤の全鍵C
2〜C7が第1の楽音発生態様(メロデイ演奏)
のために利用される。この第1の楽音発生態様の
ために利用される鍵域を上鍵域(符号はUで示
す)ということにする。 自動ベースコードモード(ABCモード)の場
合は、鍵C2からF#3までの低音側の1オクタ
ーブ半の鍵域が第2の楽音発生態様(自動ベース
コード演奏及び自動アルペジヨ演奏すなわち伴奏
演奏)のために使用され、高音側の鍵G3からC
7までの鍵域が第1の楽音発生態様(メロデイ演
奏)のために使用される。第2の楽音発生態様の
ために使用される鍵C2〜F#3の鍵域が下鍵域
(L)である。この鍵C2〜F#3の鍵域は、ノーマ
ルモードのときは上鍵域(U)として機能する
が、ABCモードのときは下鍵域(L)として機能す
るのである。 次に発音チヤンネルの使い分け方について説明
する。 発音割当て回路18(第1図)では各発音チヤ
ンネルに対応するデータが時分割で処理されるよ
うになつている。発音割当て回路18における時
分割チヤンネルタイミングは11個有るが、そのう
ち1つのチヤンネルタイミングは実際の発音チヤ
ンネルに対応していない。楽音発生回路51(第
1図)における実際の発音チヤンネル数(楽音発
生系列数)は10である。余分のチヤンネルタイ
ミングを設けた理由は多重化回路28(第1図)
における処理の都合上によるものである。発音割
当て回路18における11の時分割チヤンネルタイ
ミングの使い分け方を第2表に示す。
【表】 第2表において、チヤンネルタイミング「1」
が実際の発音チヤンネルに対応していない余分の
チヤンネルタイミングであり、チヤンネルタイミ
ング「2」〜「11」が10個の発音チヤンネルの
夫々に対応している。符号Uは、上鍵域の鍵が割
当てられるチヤンネル、すなわち第1の楽音発生
態様(メロデイ音)のために利用されるチヤンネ
ルを示す。符号L,P,Aは下鍵域の押圧鍵にも
とづく伴奏音が割当てられるチヤンネル、すなわ
ち第2の楽音発生態様のために利用されるチヤン
ネルを示す。Lは和音構成音(下鍵域Lにおける
押鍵音)が割当てられるチヤンネルを示し、Pは
自動ベース音が割当てられるチヤンネルを示し、
Aは自動アルペジヨ音が割当てられるチヤンネル
を示す。×は強制的にオフにする(発音割当てを
クリアする)チヤンネルを示す。 第2表において、10チヤンネルモード(チヤン
ネルモード信号10/7が“0”)の場合、ノーマ
ルモードのときはすべてのチヤンネル2〜11が
第1の楽音発生態様(U)のために使用される。
自動ベースコード演奏のフインガードコードモー
ドFCのときはチヤンネル2,3,5,7,9,
11が第2の楽音発生態様(L,P,A)のため
に使用され、残りのチヤンネル4,6,8,1
0、が第1の楽音発生態様(U)のために使用さ
れる。但し、シングルフインガーモードSFのと
きはチヤンネル「3」は使用されず、和音構成音
のためのチヤンネル(L)は3個だけである。これ
は、シングルフインガーモードのときは和音構成
音は3音しか発生しないためである。モード切換
パルス△ABCが発生する短時間(31.5ms+2
α)の間は、第2の楽音発生態様のためのチヤン
ネル2,3,5,7,9,11が強制的にクリア
される。これは、モードの切換えによつてこれら
のチヤンネル2,3,5,7,9,11の楽音発
生態様が変化する(第1から第2へ、あるいはそ
の逆に)ため、割当て動作に不都合が生じないよ
うにするためである。 7チヤンネルモード(信号10/7が“1”)の
場合はチヤンネル「3」,「8」,「10」の3チヤン
ネルが強制的にクリアされることが第2表に示さ
れている。第1の楽音発生態様(U)と第2の楽
音発生態様(L,P,A)の使い分けに関しては
上述の10チヤンネルモードのときと同じである。 第2表に示す時分割チヤンネルタイミング
「1」〜「11」は、発音割当て回路18内のタイ
ミング信号発生回路20のシフトレジスタ60
(第2図)において設定される。このシフトレジ
スタ60の第1ステージQ1から第11ステージQ
11の出力タイミング(第3図の60−Q参照)
が第2表に示すチヤンネルタイミング「1」〜
「11」に対応している。 第2図において、シフトレジスタ60の各ステ
ージQ1〜Q11の出力は割当て態様設定回路1
08と割当て禁止回路109に供給される。割当
て態様設定回路108は、選択されたモードに対
応する所定の割当て態様(第2表参照)に従つて
チヤンネルタイミング信号UchT,LchT,
PchT,AchTを発生する。上鍵域チヤンネルタ
イミング信号UchTは、第2表に示す第1の楽音
発生態様のためのチヤンネル(U)の時分割タイ
ミングに対応して発生される。下鍵域チヤンネル
タイミング信号LchTは、第2表に示す伴奏和音
用のチヤンネル(L)の時分割タイミングに対応して
発生される。ベースチヤンネルタイミング信号
PchTは、第2表に示す自動ベース音用のチヤン
ネル(P)のタイミングに対応して発生される。
アルペジヨチヤンネルタイミング信号AchTは、
第2表に示す自動アルペジヨ音用のチヤンネル(A)
のタイミングに対応して発生される。第4図のモ
ード選択回路13から発生されたチヤンネルモー
ド信号10/7、シングルフインガーモード信号
SF、及び自動ベースコードモード信号ABCが割
当て態様設定回路108に供給され、これらモー
ド信号の状態に応じて所定の態様で(第2表に示
すように)チヤンネルタイミング信号UchT〜
AchTが発生される。 割当て態様設定回路108においては、シフト
レジスタ60の所定のステージ出力Q2〜Q11
を合成して各チヤンネルタイミング信号UchT〜
AchTを得るように論理回路が組まれている。ア
ンド回路110,111,112は10チヤンネル
モード(信号10/7が“0”)のときステージQ
3,Q8,Q10の出力を選択するための回路で
ある。オア回路113はノーマルモード
()のときの上鍵域チヤンネルタイミング信
号UchTを合成する回路である。オア回路114
は自動ベースコードモード(ABC)のときの上
鍵域チヤンネルタイミング信号UchTを合成する
回路である。オア回路115は下鍵域チヤンネル
タイミング信号LchTを合成する回路である。自
動ベースコードモード(ABCが“1”)のとき、
アンド回路116,117,118,119を介
して信号UchT,LchT,PchT,AchTが出力さ
れる。ノーマルモード(ABCが“0”)のときは
アンド回路120からオア回路121を介して信
号UchTのみが出力される。 各信号UchT〜AchTの発生のための理論式を
次に示す。尚、10/7は信号10/7をインバ
ータ122で反転したものを示す。 UchT=ABC・(Q4+Q6+10/7・Q8+10/
7・Q10) +・(Q2+・10/7・Q3+Q4+
Q5+Q6 +Q7+10/7・Q8+Q9+10/7・Q10+
Q11) LchT=ABC・(・10/7・Q3+Q5+Q7+
Q9) PchT=ABC・Q2 AchT=ABC・Q11 割当て禁止回路109は、前記第2表で×印で
示したチヤンネルのタイミングに対応するオフチ
ヤンネルタイミング信号OFchTを発生する。7
チヤンネルモード(信号10/7が“1”)のとき
はアンド回路123,124,125、オア回路
126,127を介してステージQ3,Q8,Q
10の出力タイミングに対応してオフチヤンネル
タイミング信号OFchTを発生する。また、シン
グルフインガーモード(信号SFが“1”)のとき
はオア回路128、アンド回路123を介してス
テージQ3の出力タイミングに対応して信号
OFchTを発生する。また、モード切換パルス△
ABCが発生している間はアンド回路129が動
作可能となり、オア回路130で合成されたステ
ージQ2,Q3,Q5,Q7,Q9,Q11の出
力タイミングに対応して信号OFchTが発生され
る。 10チヤンネルモード(信号10/7が“0”)の
ときのチヤンネルタイミング信号UchT,
LchT,PchT,AchT,OFchTの発生状態例を第
6図に示す。シングルフインガーモードSFのと
きはチヤンネル「3」に対応する信号LchTは発
生されない。これは、第2図のアンド回路110
が不動作となるためである。第3図及び第6図に
示すように、1キー時間(22μs)の間に各チヤ
ンネルのタイミングが2回発生する。 キー走査回路11の詳細 第7図は、第1図におけるキー走査回路11の
詳細例をキースイツチマトリクス10に関連して
示す図である。キー走査回路11のキー走査用カ
ウンタ131,132にはタイミング信号発生回
路20(第2図)から発生されたキー走査用の2
相クロツクパルスφAB(φA,φB)が供給され
る。6進カウンタ131はカウント入力(T)に
加わる信号“1”をクロツクパルスφABのタイミ
ングで繰返し加算する。すなわちクロツクパルス
φAのタイミングでカウント入力(T)を取り込
んでカウントアツプし、パルスφBのタイミング
でカウント結果に対応する出力状態を設定する。
従つて、6進カウンタ131はクロツクパルスφ
ABに従つてカウントアツプされ、その出力の状態
はクロツクパルスφBが立上る毎にすなわち第3
図に示す1キー時間毎に変化する。6進カウンタ
131の計数内容は、10進表示の「0」,「1」,
「2」,「4」,「5」,「6」(2進表示の“000”

“001”,“010”,“100”,“101”,“110”)の順
で変
化し、10進表示の「3」(2進表示の“011”)を
飛び越すようになつている。 6進カウンタ131の計数内容が「6」
(“110”)から「0」(“000”)に戻るとき、詳しく
はパルスφBのタイミングでカウンタ131の出
力が「0」に変わる直前のパルスφAのタイミン
グにおいて、キヤリイ信号(CO)が該カウンタ
131から出力され、16進カウンタ132のカウ
ント入力(T)に供給される。16進カウンタ13
2は、カウント入力(T)に与えられたキヤリイ
信号をパルスφAのタイミングで取り込んでカウ
ントアツプし、パルスφBのタイミングでカウン
ト結果に対応する出力状態を設定する。要する
に、6進カウンタ131の出力が「0」に成る毎
に16進カウンタ132の出力が変化する(1カウ
ントアツプされる)。 16進カウンタ132の計数内容が「15」
(“1111”)から「0」(“0000”)に戻るとき、詳し
くはパルスφBのタイミングでカウンタ132の
出力が「0」に変わる直前のパルスφAのタイミ
ングにおいて、キヤリイ信号(CO)が該カウン
タ132から出力される。このカウンタ132の
キヤリイ信号(CO)は遅延フリツプフロツプ1
33に入力される。遅延フリツプフロツプ133
はパルスφAのタイミングでキヤリイ信号(CO)
を取り込んでパルスφBのタイミングで出力す
る。従つてカウンタ131及び132の出力がす
べて“0”となる1キー時間に対応して遅延フリ
ツプフロツプ133の出力が“1”となる。この
遅延フリツプフロツプ133の出力は走査サイク
ルパルス4.5Mとして各回路に供給される。後述
するように、この走査サイクルパルス4.5Mは最
高鍵C7を走査するタイミングに対応している。 6進カウンタ131の出力はデコーダ134に
加わり、16進カウンタ132の出力はデコーダ1
35に加わる。デコーダ134の出力はキースイ
ツチマトリクス10の音名ラインに入力される。
音名CとF#のラインにはデコーダ134の出力
「0」が入力され、BとFのラインには「1」が
入力され、A#とEのラインには「2」が入力さ
れ、AとD#のラインには「4」が入力され、G
#とDのラインには「5」が入力され、GとC
#のラインには「6」が入力される。従つて6進
カウンタ131の計数内容が「0」,「1」,
「2」,「4」,「5」,「6」,「0」,「1」…と
変化
するにつれて音名C,B,A#,A,G#,G,
F#,F…の順に12の音名が高音側から順に繰返
し走査される。 キースイツチマトリクス10の出力B52〜B
11は鍵C7〜C2の半オクターブ毎のグループ
に対応している。これらの出力B52〜B11は
マルチプレクサ136に加わり、16進カウンタ1
32の計数値「0」〜「10」に対応するデコーダ
135の出力BT0〜BT10によつて選択され、
1本のライン137にまとめられる。キースイツ
チマトリクス10の出力B52〜B11に対応す
る鍵グループとこれらの出力B52〜B11を選
択するデコーダ135の出力BT0〜BT10との
関係を第3表に示す。
【表】 最低鍵C2はその上の半オクターブの鍵グルー
プF#2〜G#2と同じ出力B11に導かれてい
る。そのため、この最低鍵C2のために専用の走
査入力ラインCLが設けられている。音名Cに対
応するデコーダ134の出力「0」はアンド回路
138及び139に入力される。最低鍵C2が属
する半オクターブ域を選択するためのデコーダ1
35の出力BT10がアンド回路139に加わ
り、その出力BT10をインバータ140で反転
した信号がアンド回路138に加わる。従つて、
デコーダ135の出力BT0〜BT9が発生してい
る間はアンド回路138が動作可能となり、デコ
ーダ134の出力「0」にもとづいてC7,C
6,C5,C4,C3あるいはF#6,F#5,
F#4,F#3,F#2の鍵が走査される。デコ
ーダ135の出力BT10が発生するとアンド回
路139が動作可能となり、デコーダ134の出
力「0」が“1”となつたときラインCLを介し
て最低鍵C2に走査パルスが与えられる。この最
低鍵C2の走査出力はマトリクス10の出力B1
1に現われる。ラインCLの走査パルスはマルチ
プレクサ136のアンド回路141にも加えら
れ、出力B11に現われる最低鍵C2の走査出力
を該アンド回路141で選択する。 16進カウンタ132の出力が「0」のときはデ
コーダ135の出力BT0によつて最高の半オク
ターブC7〜G6の出力B52が選択される。以
後、カウンタ132の計数が進むにつれて徐々に
低い鍵域の出力B51…B11が選択される。ま
た、デコーダ135の出力が同じ値を維持してい
る間にデコーダ134の出力は高音側から順に1
回りするので、結局、キースイツチマトリクス1
0の各鍵は高音側から順に(最高音C7から最低
音C2まで)走査されることになる。マルチプレ
クサ136の出力ライン137には高音側の鍵か
ら順に時分割多重化されたキーデータ(“1”が
キーオン、“0”がキーオフを示す)が得られ
る。ライン137のデータはアンド回路142を
経由してキーデータKDとして出力される。時分
割多重化されたキーデータKDにおける1タイム
スロツト(1キーデータ)の幅は1キー時間(第
3図参照)である。 カウンタ131及び132の出力は、現在走査
中の鍵を示すキーコードN1〜N4,B1〜B3
として走査キー表示ライン12(第1図)に供給
される。キーコードを構成するノートコードN1
〜N4のうち下位3ビツトN1〜N3は6進カウ
ンタ131の出力であり、上位1ビツトN4は16
進カウンタ132の最下位ビツト出力である。オ
クターブコードB1〜B3は16進カウンタ132
の上位3ビツト出力である。ノートコードN1〜
N4の値と音名の関係を第4表に、オクターブコ
ードB1〜B3の値とオクターブ鍵域との関係を
第5表に示す。
【表】
【表】 尚、オクターブコードB3,B2,B1は、更
に“110”(10進の6)、“111”(10進の7)という
値をとるが、これは鍵盤には対応していず、信号
BT12.13,BT14.15の発生タイミング
に対応している。 鍵F#3〜C#2の鍵域に対応するデコーダ1
35の出力BT7,BT8,BT9(第3表参照)
はオア回路143に入力される。更にこのオア回
路143には最低鍵C2の走査ラインCLの信号
も入力される。このオア回路143の出力は、自
動ベースコード演奏のために使用される下鍵域の
鍵F#3〜C2の走査タイミングに対応して
“1”となり、下鍵域走査タイミング信号LKとし
て利用される。この下鍵域走査タイミング信号
LKはナンド回路144に入力される。ナンド回
路144の他の入力にはモード選択回路13(第
4図)からモード切換パルス△ABCが供給さ
れ、その出力はアンド回路142に加えられる。
従つて、モード切換パルス△ABCが発生する短
時間(31.5ms+2α)の間、下鍵域走査タイミ
ングにおいてナンド回路144の出力が“0”と
なり、下鍵域F#3〜C2のキーデータKDがア
ンド回路142で阻止される。これは、モード切
換時に不都合な割当て動作がなされるのを防ぐた
めである。 キーデータKDの各タイムスロツトに割当てら
れる鍵C7〜C2の一部を第8図に示す。また、
デコーダ135の出力BT0〜BT15の発生タイ
ミングを第8図のBT0〜15に示す。以下、デ
コーダ135の各出力BT0〜BT15が発生する
タイミングをブロツクタイミングということにす
る。1つのブロツクタイミングは6キー時間であ
る。更に、下鍵域走査タイミング信号LKの発生
タイミングを第8図のLKに示す。また、最低鍵
C2走査タイミング信号CLTの発生タイミング
を第8図のCLTに示す。この信号CLTは最低鍵
走査ラインCLに与えられた走査パルスである。 デコーダ135の出力BT5とBT6及びイニシ
ヤルクリア信号ICがノア回路145に入力され
る。この出力BT5とBT6は、下鍵域の直前の1
オクターブF#4〜G3の走査タイミングに対応
している。ノア回路145の出力は第8図の
に示すようにデコーダ出力BT5とBT6の
発生時(及びイニシヤルクリア信号ICの発生
時)に“0”になる。このノア回路145の出力
は、記憶解除用のキヤンセル信号として利
用される。 デコーダ135の出力BT0とBT1はオア回路
146に入力され、信号BT0.1(第8図参
照)が得られる。また、デコーダ135の出力
BT10〜BT13を入力したオア回路147から
は信号BT10〜13が得られ、BT12とBT1
3を入力したオア回路148からは信号BT1
2.13が得られ、BT14とBT15を入力した
オア回路149からは信号BT14.15が得ら
れる。第8図に示すように、これらの信号BT1
0〜13,BT12.13,BT14.15は実際
のキー走査の後に発生している。これらの信号に
よつて示された鍵に対応していない余分の走査時
間において自動ベースコード演奏あるいは自動ア
ルペジヨ演奏のための処理が行われる。 デコーダ134の出力「0」すなわち音名Cま
たはF#に対応する信号と16進カウンタ132の
最下位ビツトN4をインバータ151で反転した
信号とがアンド回路150に加えられる。このア
ンド回路150から出力されるCノートタイミン
グ信号CNTは、カウンタ131,132から得
られるノートコードN1〜N4が“0000”のとき
すなわちC音のタイミングのとき“1”となるも
ので、第8図に示すように12キー時間毎に繰返し
発生する。尚、カウンタ131,132の出力が
すべて“0”のときは最高鍵C7が走査されるの
で、走査サイクルパルス4.5Mは第8図に示すよ
うに最高鍵C7の走査タイミングに対応して発生
される。また、デコーダ135の出力BT5とBT
6がノア回路279に入力され、信号5.6
が得られる。 各種処理動作の時間関係の概略 割当て処理あるいは自動演奏用のキーデータ形
成処理等、各種処理の詳細な説明の前に、これら
各種処理が実行される時間関係を大局的に理解す
るために、各種処理が実行されるタイミングの概
略を第8図のZに示す。キー走査期間は最高鍵C
7の走査タイミングから最低鍵C2の走査タイミ
ングまでの61キー時間である。第8図のZにおけ
るはノーマルモードの場合の処理動作タイ
ミングを示す。ノーマルモードの場合は全ての鍵
が上鍵域として取扱われるので、全キー走査タイ
ミングに対応して上鍵域の発音チヤンネルに対す
る割当て処理が行われる。尚、個々の押圧鍵に関
する割当て処理は、そのキーデータKDが発生し
ている1キー時間内で行われる。 第8図のZにおけるFCはフインガードコード
モードの場合の処理動作タイミングを示す。フイ
ンガードコードモードにおいては、C7からG3
までの鍵が上鍵域となり、F#3からC2までの
鍵が下鍵域となる。そのため、鍵C7の走査タイ
ミングからG3の走査タイミングまでの42キー時
間においては、キーデータKDによつて示された
押圧鍵(上鍵域の押圧鍵)を上鍵域の発音チヤン
ネルに割当てる処理が行われる。フインガードコ
ードモードにおいては下鍵域で押圧された鍵をそ
のまま和音構成音として発音するので、鍵F#3
からC2までの下鍵域のキー走査タイミングにお
いては、キーデータKDによつて示された押圧鍵
(下鍵域の押圧鍵)を下鍵域の発音チヤンネル
(チヤンネルタイミング信号LchTによつて示され
るチヤンネル)に割当てる処理が行われる。 鍵F#3からC2までの下鍵域のキー走査タイ
ミングにおいて発生したキーデータKD(詳しく
はそのノートタイミング)を下鍵域キーデータレ
ジスタ35(第1図の和音検出制御回路30内)
に記憶しておき、最低鍵C2の走査タイミング直
後の12キー時間において、下鍵域の押圧鍵の組合
せによつて和音が成立しているか否かを検出す
る。和音不成立のときは、その後の12キー時間に
おいて、押圧鍵の最低音を仮根音として設定する
処理を行う。 一方、信号BT12.13が発生する12キー時
間の間にアルペジヨ音キーデータ形成回路44
(第1図)においてアルペジヨ(ARP)同音処理
が行われる。これは、下鍵域の発音チヤンネルに
割当てられている下鍵域押鍵音の中から異オクタ
ーブ同音名の音を検出する処理である。フインガ
ードコードモード(FC)においては下鍵域の押
圧鍵がそのまま発音割当てされるため、異オクタ
ーブ同音名の音が別チヤンネルに割当てられてい
ることもある。アルペジヨ演奏においては、異オ
クターブ同音名の音は同音(複数有つても1音)
として処理するので、このような異オクターブ同
音名の音を検出する処理を事前に行う必要があ
る。その後、信号BT14.15が発生する12キ
ー時間の間にアルペジヨ(ARP)処理が行われ
る。このアルペジヨ(ARP)処理では、アルペ
ジヨパターンデータArpPT(第1図)の値に応
じて下鍵域押鍵音(同音処理後の音)の数を計数
する。 和音検出及びアルペジヨ(ARP)処理が終了
した後、信号BT0.1が発生する12キー時間に
おいて自動ベース音(P)と自動アルペジヨ音(A)
の発音割当てが行われる。勿論、これらの自動音
の発音割当て処理は、パターンデータBassPT,
ArpPTが発生しているときに限つて行われる。
この(P),(A)の発音割当て処理タイミングは上
鍵域発音割当て処理タイミングと重なつている
が、各々の専用の1つのチヤンネル(PchT,
AchTによつて示されるチヤンネル)に割当てる
ので不都合は生じない。 第8図のZにおけるSFはシングルフインガー
モードのときの処理動作タイミングを示す。シン
グルフインガーモードにおいては下鍵域は和音構
成音そのものを指定するのではなく和音の根音と
和音種類を指定するために使用される。従つて、
鍵F#3からC2までの下鍵域のキー走査タイミ
ングにおいて発音割当て処理は行われない。この
下鍵域の走査タイミングにおいては下鍵域のキー
データKDにもとづいて下鍵域押圧鍵の中の最高
音を検出する処理が行われる。この下鍵域最高押
圧鍵が根音である。これは、根音を最高音として
押圧し、和音種類を示す鍵は根音を示す鍵よりも
低音側で押圧するようにしているためである。信
号BT12.13が発生する12キー時間において
SF和音割当て処理が行われる。このSF和音割当
て処理においては、根音及び和音種類にもとづい
てSF和音キーデータ形成回路43(第1図)で
自動的に形成した和音構成音のキーデータSFKL
を出力し、このキーデータSFKLにもとづいて発
音割当て回路18において下鍵域の発音チヤンネ
ルに対する割当て処理を行う。信号BT14.1
5が発生する12キー時間においてはフインガード
コードモード(FC)の場合と同様にアルペジヨ
(ARP)処理を行う。また、信号BT0.1が発
生する12キー時間においては自動ベース音(P)
と自動アルペジヨ音(A)の発音割当て処理を行う。 和音検出等、自動演奏に関する処理に要する時
間が12キー時間なのは、12の音名(C,B,…
D,C#)のすべてのタイミング(ノートタイミ
ング)に合わせるためである。各キー時間に対応
する音名(ノートタイミング)はキー走査回路1
1(第7図)から供給されるノートコードN1〜
N4によつて示されている。 キー情報変換部23の詳細 第1図におけるキー情報変換部23の詳細は第
9図に示されている。キー走査回路11のカウン
タ131,132(第7図)からライン12を介
して供給されたノートコードN1〜N4は第9図
のキーコードメモリ24と比較回路25の一方入
力(A)に加えられる。カウンタ132からライン1
2を介して供給されたオクターブコードB1〜B
3はオクターブコード変換回路26のアンド回路
152,153,154に夫々入力される。アン
ド回路152,153,154の他の入力にはイ
ンバータ155の出力が加わる。ベース音あるい
はアルペジヨ音を割当てるときだけオア回路15
6の出力が“1”となつてインバータ155の出
力が“0”となるが、それ以外のときは常にイン
バータ155の出力は“1”である。従つて、通
常はアンド回路152,153,154が動作可
能となつており、ライン12から供給されたオク
ターブコードB1,B2,B3がアンド回路15
2,153,154及びオア回路157,15
8,159を通過して(変換されずに)出力され
る。尚、アンド回路160にはモード選択回路1
3のラツチ回路14−4(第4図)からのシング
ルフインガーモード信号SFとキー走査回路11
のオア回路148(第7図)からの信号BT1
2.13が加えられており、シングルフインガー
モードにおける和音構成音の発音割当て処理タイ
ミング(第8図に示すBT12.13のタイミン
グ)においてアンド回路160の出力が“1”と
なり、インバータ161を介してアンド回路15
3を不動作にし、オクターブコードB1〜B3の
値を変更する。オクターブコード変換回路26か
ら出力されるオクターブコード(通常はB1,B
2,B3)はキーコードメモリ24及び比較回路
25の一方入力(A)に入力される。 キーコードメモリ24は、キーコードN1〜B
3の各ビツトに対応する7個のシフトレジスタ2
4−1乃至24−7を具えている。各シフトレジ
スタ24−1乃至24−7はチヤンネルタイミン
グ(第6図参照)の数に対応する11のステージを
具えており、システムクロツクパルスφによつて
各チヤンネルタイミング1〜11に同期してシフ
ト駆動される。従つて、シフトレジスタ24−1
乃至24−7の入力と出力のチヤンネルタイミン
グは一致している。各シフトレジスタ24−1乃
至24−7の出力はゲート部24−Gを介して入
力側に戻され、記憶保持される。ゲート部24−
Gは或るチヤンネルタイミングでロード信号LD
が与えられると、ライン12から与えられるノー
トコードN1〜N4とオクターブ変換回路26か
ら与えられるオクターブコードB1〜B3を取り
込み、シフトレジスタ24−1乃至24−7の第
1ステージに入力する。このときロード信号LD
を反転したノア回路162の出力が“0”とな
り、シフトレジスタ24−1乃至24−7の出力
信号がゲート部24−Gで阻止され、ロード信号
LDが発生したチヤンネルに記憶されていた古い
キーコードの記憶がクリアされる。ロード信号
LDが発生していないときはノア回路162の出
力が“1”となり、シフトレジスタ24−1乃至
24−7の出力が入力側に戻され、各チヤンネル
に対応して記憶されたキーコードが保持される。
ロード信号LDは、ライン12に供給されたキー
コードN1〜B3を或るチヤンネルに新たに割当
てるべきときにそのチヤンネルタイミングに対応
して発音割当て制御部19(第1図)から発生さ
れるものである。従つて、キーコードメモリ24
すなわちシフトレジスタ24−1乃至24−7に
は、各チヤンネルに割当てられた音を示すキーコ
ードが記憶されており、これらの割当て済みのキ
ーコードが各チヤンネルタイミングに同期して時
分割的に出力される。 キーコードメモリ24から時分割的に出力され
る各チヤンネルに割当てられたキーコードのうち
4ビツトのノートコードN1〜N4は比較回路2
5の他方入力(B)に加わり、オクターブコードB1
〜B3はオクターブコード変換回路27のオア回
路163,164,165に入力される。オクタ
ーブコード変換回路27は自動アルペジヨの処理
のときにオクターブコードB1〜B3の値を変換
する回路であり、それ以外のときはキーコードメ
モリ24から出力されたオクターブコードB1〜
B3をそのまま通過して比較回路25の他方入力
(B)に入力する。 比較回路25は両入力(A,B)に与えられる
キーコードの値が一致しているとき一致信号EQ
を発生する。一方入力(A)に加わるキーコードN1
〜B3は、キー走査タイミングに対応するもので
あり、1キー時間の間変化しない。他方入力(B)に
加わるキーコードN1〜B3は各チヤンネルタイ
ミング(第6図)毎に変化する。1キー時間は22
個のチヤンネルタイミングに相当するので、キー
走査タイミングに対応するキーコードN1〜B3
が同一値を保持している1キー時間の間にすべて
の(11個の)チヤンネルに割当てられている個々
のキーコードN1〜B3との比較が2回行われ
る。すなわち、1キー時間の前半の11ビツトタイ
ムにおいて、キー走査タイミングに対応するキー
コードN1〜B3と同じ値のキーコードN1〜B
3がいずれかのチヤンネルに既に割当てられてい
るか否かが判明する。 発音割当て処理の一般的説明 発音割当て回路18(第1図)における発音割
当て制御部19とウインドウ回路21の詳細例を
第10図に示す。 ウインドウ回路21のアンド回路166及び1
67にはキー走査回路11のアンド回路142
(第7図)から出力されたキーデータKDが夫々入
力される。ウインドウ回路21は、選択されてい
るモードに応じてキーデータKDを上鍵域(第1
の楽音発生態様)とするかあるいは下鍵域(第2
の楽音発生態様)とするかの振分けを行う。アン
ド回路166の他の入力にはナンド回路168の
出力が加えられる。ナンド回路168には、モー
ド選択回路13のノア回路97からの自動ベース
コードモード信号ABCと、キー走査回路11の
オア回路143(第7図)からの下鍵域走査タイ
ミング信号LKとが入力される。ノーマルモード
のときは信号ABCは常に“0”であり、ナンド
回路168の出力は常に“1”となる。従つて、
アンド回路166が常に動作可能となり、最高鍵
C7から最低鍵C2までのすべてのキーデータ
KDがアンド回路166を通過し、上鍵域キーデ
ータKUとして出力される。従つて、ノーマルモ
ードのときは、すべての鍵が上鍵域に属する鍵と
して処理される。 自動ベースコードのときは信号ABCは“1”
である。このため下鍵域走査タイミング信号LK
が発生しているときナンド回路168の条件が成
立し、ナンド回路168の出力が“0”となつて
アンド回路166が不動作となる。従つて下鍵域
走査タイミング信号LKが“1”となる下鍵域の
鍵F#3〜C2の走査タイミング(第8図参照)
においてアンド回路166が動作せず、これらの
下鍵域F#3〜C2のキーデータKDは上鍵域キ
ーデータKUとはならない。しかし、鍵C7〜G
3の走査タイミング(第8図参照)では信号LK
は“0”であり、ナンド回路168の出力が
“1”となる。従つて、鍵C7〜G3のキーデー
タKDはアンド回路166を通過し、上鍵域キー
データKUとして出力される。従つて、自動ベー
スコードモードのときは一部の鍵C7〜G3が上
鍵域(第1の楽音発生態様)に属するものとして
処理される。 アンド回路167の他の入力には上述の下鍵域
走査タイミング信号LKとモード選択回路13の
ラツチ回路14−3(第4図)から出力されるフ
インガードコードモード信号FCとが入力され
る。このアンド回路167の出力はオア回路16
9を介して下鍵域キーデータKLとして出力され
る。従つて、自動ベースコードのフインガードコ
ードモードのときに限り(FCが“1”)アンド回
路167が動作可能となり、下鍵域走査タイミン
グ信号LKが“1”のときに発生される下鍵域の
鍵F#3〜C2のキーデータKDのみがアンド回
路167で選択され、下鍵域キーデータKLとし
て出力される。 シングルフインガーモードのときはアンド回路
167は動作せず、下鍵域F#3〜C2のキーデ
ータKDが直接的に下鍵域キーデータKLとはなら
ない。その代わりに、SF和音キーデータ形成回
路43(第1図)からシングルフインガーモード
のために自動的に形成された和音構成音のキーデ
ータSFKLが発生され、このキーデータSFKLが
オア回路169に入力され、下鍵域キーデータ
KLとして出力される。 発音割当て制御部19では、ウインドウ回路2
1で振分けられた上鍵域キーデータKUあるいは
下鍵域キーデータKLにもとづき、KUに対応する
音は上鍵域用の発音チヤンネルに、KLに対応す
る音は下鍵域用の発音チヤンネルに、夫々割当て
る。モードが変化すれば、上鍵域チヤンネルと下
鍵域チヤンネルの態様が変化するのは既に述べた
通りである。すなわち、タイミング信号発生回路
20(第2図)におけるチヤンネルタイミング信
号UchT,LchT,PchT,AchTの発生態様が変
化する(第6図参照)。これらのチヤンネルタイ
ミング信号UchT,LchT,PchT,AchTが第1
0図の発音割当て制御部19に供給され、割当て
動作を制御する。 発音割当て制御部19において、上鍵域キーデ
ータKUはアンド回路170に加えられ、下鍵域
キーデータKLはアンド回路171に加えられ
る。アンド回路170〜173は、キーデータ
(KU,KL,KP,KA)に対応する音をいずれか
のチヤンネルに新たに割当てるべき条件が成立し
たか否かを判定するものである。割当て条件が成
立したとき、割当てるべきチヤンネルのタイミン
グに対応して、アンド回路170〜173からオ
ア回路174を介してロード信号LDが発生され
る。このロード信号LDはキーコードメモリ24
(第9図)に与えられると共に、オア回路17
5,176を介してカレントキーオンメモリ17
7及びキーオンメモリ178に記憶される。 両キーオンメモリ177,178はそれぞれ11
ステージ/1ビツトのシフトレジスタから成り、
システムクロツクパルスφによつてシフト制御さ
れる。或るチヤンネルタイミングでシフトレジス
タ(キーオンメモリ)177,178に取り込ま
れた信号“1”(ロード信号LD)は11ビツトタイ
ム後に(すなわち同じチヤンネルタイミングに)
該シフトレジスタ(キーオンメモリ)177,1
78の最終ステージから出力される。シフトレジ
スタ(カレントキーオンメモリ)177の出力は
アンド回路179及びオア回路175を介して自
己保持される。シフトレジスタ(キーオンメモ
リ)178の出力はアンド回路180あるいは1
81及びオア回路176を介して自己保持され
る。 キーオンメモリ177及び178は、キーコー
ドメモリ24(第9図)において各チヤンネルに
対応して記憶されているキーコードN1〜B3が
押圧中の鍵に関するものであるかあるいは離鍵さ
れたものであるかを、すなわち各チヤンネルに割
当てられた鍵が押鍵中であるか離鍵されたかを、
各チヤンネルタイミングに対応して時分割的に記
憶するためのものである。押鍵中の場合は、ロー
ド信号LDにもとづいて記憶した“1”が保持さ
れており、出力は“1”である。離鍵されると、
自己保持用アンド回路179あるいは180,1
81が不動作となつて記憶がクリアされ、出力は
“0”となる。カレントキーオンメモリ177
は、実際の鍵のオン・オフに対応するキーオン信
号KON′を記憶するもので、離鍵されるとその鍵
が割当てられていたチヤンネルのキーオン信号
KON′が直ちにクリアされる。この実際の鍵のオ
ン・オフを示すキーオン信号KON′はトランケー
ト回路22(第1図)に供給される。尚、このカ
レントキーオンメモリ177はベース音及びアル
ペジヨ音及びシングルフインガーモードのときの
下鍵域音(和音構成音)には適用されない。キー
オンメモリ178はメモリモードを考慮したキー
オン信号KO1を記憶するもので、メモリモード
のときは下鍵域の鍵が離鍵されても直ちにキーオ
ン信号KO1はクリアされず、所定のクリア条件
が成立するまで記憶し続ける。このキーオンメモ
リ178から出力されるキーオン信号KO1は楽
音の発音を制御する信号として利用される。 ノーマルモードの場合の発音割当て処理 ノーマルモードの場合は、前述のように、すべ
ての鍵C7〜C2に関するキーデータKDがウイ
ンドウ回路21で上鍵域キーデータKUとして振
分けられる。また、タイミング信号発生回路20
(第2図)からは、第6図に示すように、使用し
ないチヤンネルタイミング「1」を除くすべての
チヤンネルタイミング「2」〜「11」に対応して
上鍵域チヤンネルタイミング信号UchTが発生さ
れ、他のチヤンネルタイミング信号LchT,
PchT,AchTは全く発生されない。尚、信号
UchTがすべてのチヤンネルタイミング「2」〜
「11」に対応して発生するのは10チヤンネルモー
ド(10/7が“0”)のときであり、7チヤンネ
ルモード(10/7が“1”)のときは前記第2表
に示すように異なるが、以下では10チヤンネルモ
ードであるものとして説明する。 例えば鍵C4の走査タイミングでキーデータ
KDが“1”になつたとする。このときライン1
2を介してキーコードメモリ24及び比較回路2
5(第9図)に入力されるキーコードB3,B
2,B1,N4,N3,N2,N1の値は鍵C4
を示す“0110000”(第4表、第5表参照)となつ
ている。第10図においては、この鍵C4のキー
データKDに対応して上鍵域キーデータKUが1
キー時間の間“1”となり、この上鍵域キーデー
タKUが入力されているアンド回路170におい
て割当て条条が成立するかが判定される。アンド
回路170の他の入力には上鍵域チヤンネルタイ
ミング信号UchT(第6図)と、タイミング信号
発生回路20のフリツプフロツプ61(第2図)
から発生される後半期間信号H2(第3図の61
−Q)と、トランケート回路22(第1図)から
発生されるトランケートチヤンネル信号TRUN
と、ノア回路182から出力される未登録信号
と、キーオンメモリ178から出力される
キーオン信号KO1をインバータ183で反転し
た信号が入力される。トランケートチヤンネル信
号TRUNは、既に離鍵されている上鍵域チヤンネ
ルのうち最も古く離鍵されたチヤンネルのタイミ
ングに対応して“1”となる信号で、新たに割当
てる鍵はこのチヤンネルに割当てるべきであるこ
とを示している。このトランケートチヤンネル信
号TRUNの発生の詳細は後述する。 未登録信号は、今割当てようとするキー
データKD(KU)に対応するキーコードN1〜
B3と同じキーコードが既にいずれかのチヤンネ
ルに割当てられているとき、“0”、未だどのチヤ
ンネルにも割当てられていないとき“1”であ
る。すなわち、今割当てようとするキーデータ
KD(KU)に対応するキーコードN1〜B3と
同じキーコードが既にいずれかのチヤンネルに割
当てられている場合は、そのキーコードN1〜B
3が走査キー表示ライン12に供給されている1
キー時間の前半11ビツトタイムにおけるいずれか
のチヤンネルタイミングに対応して比較回路25
(第9図)から一致信号EQが発生される。この一
致信号EQは第10図のアンド回路183に加わ
る。アンド回路183の他の入力にはアンド回路
184、オア回路185を介してカレントキーオ
ンメモリ177からのカレントキーオン信号
KON′が加わる。アンド回路184の他の入力に
はオア回路187の出力をインバータ186で反
転した信号が加えられており、上鍵域割当ての場
合はオア回路187の出力が“0”で、アンド回
路184が動作可能となつている。従つて、一致
信号EQが発生したチヤンネルに割当てられた鍵
が現在実際に押圧されている(KON′が“1”)
ことを条件にアンド回路183の出力が“1”と
なり、アンド回路188及び189に入力され
る。 アンド回路188には上鍵域チヤンネルタイミ
ング信号UchTが加わり、アンド回路189には
下鍵域チヤンネルタイミング信号LchTが加わ
る。従つて、一致信号EQが上鍵域チヤンネルに
対応して発生された場合はアンド回路188から
オア回路190を介して遅延フリツプフロツプ1
91に“1”が記憶される。また、一致信号EQ
が下鍵域チヤンネルに対応して発生された場合は
(但し、これはノーマルモードの場合は起り得な
いが)、アンド回路189からオア回路192を
介して遅延フリツプフロツプ193に“1”が記
憶される。遅延フリツプフロツプ191,193
の記憶はアンド回路194,195を介して夫々
自己保持される。遅延フリツプフロツプ191,
193の出力がノア回路182に入力される。 従つて、今割当てようとするキーデータKD
(KU)が既にいずれかの上鍵域チヤンネルに割
当てられていてそれが現在も押鍵中(KON′が
“1”)である場合は、1キー時間の後半11ビツト
タイムにおいて遅延フリツプフロツプ191の出
力が持続して“1”となり、ノア回路182から
出力される未登録信号は“0”となる。逆
に、今割当てようとするキーデータKD(KU)
がまだどのチヤンネルにも割当てられていない場
合は、1キー時間の後半の11ビツトタイムにおい
て遅延フリツプフロツプ191,193の出力が
“0”であり、未登録信号は“1”となる。
タイミング信号発生回路20(第2図)から発生
される信号S1(第3図)がインバータ208で
反転されてアンド回路194及び195に加わ
り、1キー時間の始めのチヤンネルタイミング
「1」において遅延フリツプフロツプ191,1
93の記憶をクリアする。 アンド回路170に後半期間信号H2が入力さ
れている理由は、正しい未登録信号が得ら
れる1キー時間の後半期間において割当てを行う
ためである。また、キーオン信号KO1をインバ
ータ183で反転した信号をアンド回路170に
入力した理由は空白チヤンネル(KO1が
“0”)に対して新たな割当てを行うためである。
また、未登録信号をアンド回路170に入
力した理由は、既に割当て済みの押鍵音を別のチ
ヤンネルに二重に割当てることがないようにする
ためである。 アンド回路170の全入力信号が“1”のと
き、新たな割当てを行う条件が成立し、1キー時
間の後半のトランケートチヤンネル信号TRUNに
よつて指定される上鍵域チヤンネル(UchT)の
いずれか1つのチヤンネルタイミングに対応して
1発のロード信号LDが該アンド回路170から
オア回路174を介して発生される。このロード
信号LDが発生した1つのチヤンネルタイミング
に対応してライン12のキーコードN1〜B3が
キーコードメモリ24(第9図)に取り込まれ
る。こうして、或るチヤンネル(ロード信号LD
が発生したチヤンネル)に新たに割当てられるべ
き鍵(例えばC4)を時分割タイムスロツトによ
つて示しているキーデータKDがキーコードN1
〜B3(例えばC4を示す値)に変換されてキー
コードメモリ24に記憶される。また、ロード信
号LDが発生したチヤンネルタイミングに対応し
てカレントキーオンメモリ177及びキーオンメ
モリ178(第10図)にカレントキーオン信号
KON′及びキーオン信号KO1が記憶される。 ロード信号LDにもとづいて或るチヤンネルに
対応してキーコードメモリ24(第9図)に記憶
されたキーコードN1〜B3は、次にそのチヤン
ネルに別のキーコードを割当てるときがくるまで
消去されない。カレントキーオンメモリ177及
びキーオンメモリ178に記憶したキーオン信号
KON′,KO1は次のようにして消去される。 第10図のアンド回路196には第9図の比較
回路25から出力される一致信号EQとカレント
キーオンメモリ177の出力KON′とインバータ
197の出力が加えられる。キーデータKDがオ
ア回路198及びアンド回路199を介してイン
バータ197に加わる。アンド回路196の出力
はノア回路200で反転されて、カレントキーオ
ンメモリ177の記憶保持用のアンド回路179
に入力される。オア回路198の他の入力にはオ
ア回路201の出力が加えられるが、このオア回
路201の出力はキー走査タイミングのときは
“0”であり、キーデータKDに影響を及ぼさな
い。また、アンド回路199の他の入力にはナン
ド回路202の出力が加わる。ナンド回路202
にはシングルフインガーモード信号SFと下鍵域
走査タイミング信号LKが加えられており、シン
グルフインガーモード(SFが“1”)で下鍵域の
キーデータKDが発生しているとき(LKが
“1”)に“0”を出力してアンド回路199を不
動作にする。これはシングルフインガーモードの
ときは下鍵域のキーデータKDを発音割当て処理
に直接的に利用していないため、この下鍵域のキ
ーデータKDをアンド回路199で阻止するため
である。 上鍵域のキーデータKDはオア回路198及び
アンド回路199をそのまま通過してインバータ
197に至る。従つて、上鍵域の鍵が離鍵された
ときはその鍵に対応するキーデータKDは“0”
となり、インバータ197の出力は“1”とな
る。そのとき、この離鍵されたキーデータKDに
対応するキーコードN1〜B3が第9図の比較回
路25の一方入力(A)に加えられており、この離鍵
されたキーコードN1〜B3がいずれかのチヤン
ネルに割当てられていればそのチヤンネルに対応
して一致信号EQが発生する。更に、そのチヤン
ネル(一致信号EQが発生したチヤンネル)に割
当てられた鍵が直前まで押圧されていた場合はカ
レントキーオンメモリ177の出力KON′が
“1”である。従つて、今まで押圧されていた鍵
が離鍵されたばかりのときにアンド回路196の
条件が成立し、その鍵が割当てられているチヤン
ネルタイミングに対応して該アンド回路196の
出力が“1”となる(ニユーキーオフパルス
NOFF)。このアンド回路196の出力“1”が
ノア回路200で反転されて、“0”がアンド回
路179に加わり、今離鍵されたばかりの鍵が割
当てられているチヤンネルのカレントキーオン信
号KON′をクリアする。こうして、カレントキー
オン信号KON′は実際のキーオン、キーオフに対
応して“1”または“0”となる。 尚、ノア回路200の他の入力にはタイミング
信号発生回路20(第2図)から発生されるオフ
チヤンネルタイミング信号OFchTとイニシヤル
クリア信号ICが加えられる。従つて、オフチヤ
ンネルタイミング信号OFchT(第6図参照)が
発生したチヤンネルでは強制的にカレントキーオ
ン信号KON′がクリアされ、実際には離鍵されて
いなくても離鍵されたものとして処理される。 尚、オア回路201にはアンド回路203の出
力とキー走査回路11のオア回路149(第7
図)から供給される信号BT14.15(第8図
参照)が入力される。アンド回路203にはキー
走査回路11のオア回路148(第7図)から供
給される信号BT12.13(第8図参照)とモ
ード選択回路13のラツチ回路14−3(第4
図)から発生されるフインガードコードモード信
号FCが入力される。後述のアルペジヨ音キーデ
ータ形成回路44(第1図)における処理(第8
図を参照して概略説明した「ARP同音処理」と
「ARP処理」)のときに、オクターブコード変換
回路27(第9図)でオクターブコード変換して
割当て済みキーコードの実際のオクターブコード
とは無関係に一致信号EQが発生するようにし、
この一致信号EQをアルペジヨ処理に利用するよ
うにしている。このとき発生される一致信号EQ
にもとづいてカレントキーオンメモリ177がク
リアされないようにするために、上記アルペジヨ
処理中はアンド回路203及びオア回路201か
ら“1”を発生し、オア回路198を介して擬似
的にキーデータKDを“1”にするようにしてい
る。 カレントキーオンメモリ177の出力KON′は
インバータ204で反転され、アンド回路205
に加えられる。アンド回路205の他の入力には
上鍵域チヤンネルタイミング信号UchTが加わ
り、その出力はノア回路206で反転されてキー
オンメモリ178の自己保持用アンド回路180
に加わる。アンド回路180の残りの入力にはオ
ア回路207を介して上鍵域チヤンネルタイミン
グ信号UchTが加わる。鍵が離鍵されるとその鍵
が割当てられているチヤンネルのカレントキーオ
ン信号KON′が“0”になり、インバータ204
の出力が“1”となる。その鍵が上鍵域の鍵であ
れば、アンド回路205の出力が“1”となり、
ノア回路206の出力が“0”となつてアンド回
路180が不動作となる。従つて、上鍵域の場合
は、カレントキーオンメモリ177に記憶するカ
レントキーオン信号KON′が“0”になると直ち
にキーオンメモリ178もクリアされる。従つ
て、上鍵域のキーオン信号KO1は実際の押鍵、
離鍵に対応して“1”または“0”になる。 尚、アンド回路180にはオア回路207を介
して上鍵域チヤンネルタイミング信号UchTと下
鍵域チヤンネルタイミング信号LchTが加えられ
ており、上鍵域あるいは下鍵域のキーオン信号
KO1をクリアするためのもので、上鍵域及び下
鍵域のチヤンネル以外のタイミングではこのアン
ド回路180は常に動作不能となる。もう1つの
自己保持用アンド回路181はベース音チヤンネ
ル(信号PchTのチヤンネル)及びアルペジヨ音
チヤンネル(信号AchTのチヤンネル)のキーオ
ン信号KO1をクリアするためのものであり、上
鍵域及び下鍵域チヤンネルタイミングでは常に不
動作となつている。 尚、ノア回路206の他の入力にはオフチヤン
ネルタイミング信号OFchTが加えられており、
この信号OFchTが発生したチヤンネルタイミン
グではノア回路206の出力が“0”となり、実
際には離鍵されていなくてもキーオン信号KO1
が強制的にクリアされる。 フインガードコードモードの場合の発音割当て フインガードコードモードの場合は、フインガ
ードコードモード信号FC及び自動ベースコード
モード信号ABCが“1”となる。前述のよう
に、ウインドウ回路21では、鍵C7〜G3のキ
ーデータKDを上鍵域キーデータKUとして出力
し、鍵F#3〜C2のキーデータKDを下鍵域キ
ーデータKLとして出力する。また、タイミング
信号発生回路20(第2図)からは、第6図の
ABCの欄に示すように所定のチヤンネルに対応
してチヤンネルタイミング信号UchT,LchT,
PchT,AchTが夫々発生する。 上鍵域キーデータKUにもとづく発音割当て処
理動作は、前述のノーマルモードのときと同じで
ある。ただ異なる点は、ノーマルモードのときは
全鍵のキーデータKDが上鍵域キーデータKUと
なるのに対して、自動ベースコードモード(フイ
ンガードコードモード及びシングルフインガーモ
ード)のときは一部の鍵C7〜G3のキーデータ
KDが上鍵域キーデータKUとなる点と、ノーマ
ルモードのときは全発音チヤンネルに対応して上
鍵域チヤンネルタイミング信号UchTが発生され
るのに対して、自動ベースコードモードのときは
一部の発音チヤンネルに対応して上鍵域チヤンネ
ルタイミング信号UchTが発生される点だけであ
る。 第10図の発音割当て制御部19において、下
鍵域キーデータKLはアンド回路171に入力さ
れる。下鍵域F#3〜C2の鍵が押圧されるとそ
の鍵の走査タイミングにおいて1キー時間の間キ
ーデータKLが“1”となる。アンド回路171
の他の入力には下鍵域チヤンネルタイミング信号
LchTと、後半期間信号H2と、トランケートチ
ヤンネル信号TRUNと、未登録信号と、キ
ーオン信号KO1をインバータ183で反転した
信号が入力される。トランケートチヤンネル信号
TRUNは、下鍵域キーデータKLが発生している
ときは下鍵域チヤンネルのうち最も古く離鍵され
たチヤンネルのタイミングに対応して“1”とな
る。 今発生している下鍵域キーデータKLに対応す
るキーコードN1〜B3が既にいずれかの下鍵域
チヤンネルに割当てられている場合は、その下鍵
域チヤンネルタイミングに対応して比較回路25
(第9図)から一致信号EQが発生し、第10図の
アンド回路183に入力される。このアンド回路
183の出力“1”は下鍵域チヤンネルタイミン
グ信号LchTによつて動作可能となつているアン
ド回路189を介して遅延フリツプフロツプ19
3に記憶される。従つて、今発生している下鍵域
キーデータKLに対応する鍵が既に割当てられて
いれば1キー時間の後半の11ビツトタイムにおい
て遅延フリツプフロツプ193の出力が持続的に
“1”となる。この遅延フリツプフロツプ193
の出力は信号LKOEXTとして他の回路に供給さ
れると共にノア回路182で反転され、未登録信
号としてアンド回路171に入力される。 アンド回路171の条件が成立したときロード
信号LDが発生され、今発生しているキーデータ
KD(KL)に対応するキーコードN1〜B3がキ
ーコードメモリ24(第9図)に記憶され、同時
にカレントキーオンメモリ177及びキーオンメ
モリ178にカレントキーオン信号KON′とキー
オン信号KO1が記憶される。こうして、フイン
ガードコードモードにおいては、下鍵域で押圧さ
れている鍵が下鍵域チヤンネルに発音割当てさ
れ、下鍵域押圧鍵(通常は複数)が伴奏和音とし
て発音される。 フインガードコードモードにおける下鍵域のカ
レントキーオン信号KON′の消去は、前述の上鍵
域のカレントキーオン信号KON′の消去と同様
に、アンド回路196の条件が成立したとき(す
なわち今まで押されていた鍵が新たに離鍵された
とき)になされる。キーオンメモリ178におけ
る下鍵域のキーオン信号KO1の消去は次のよう
にして行われる。 モード切換制御回路15(第4図)から出力さ
れたメモリモード信号Mがインバータ209で反
転されてアンド回路210に入力される。アンド
回路210の他の入力にはフインガードコードモ
ード信号FCとカレントキーオン信号KON′をイン
バータ204で反転した信号が加わる。従つて、
フインガードコードモードにおいて(FCが
“1”)、メモリモードでない場合(Mが“0”)
は、下鍵域の鍵が実際に離鍵されると(KON′が
“0”)、アンド回路210の条件が成立する。ア
ンド回路210の出力“1”はオア回路211を
介してアンド回路212に加わる。アンド回路2
12の他の入力には下鍵域チヤンネルタイミング
信号LchTが加わつており、“0”となつたカレン
トキーオン信号KON′が下鍵域チヤンネルに割当
てられたものである(アンド回路210の出力
“1”が信号LchTのタイミングで発生する)こと
を条件に、オア回路211の出力(アンド回路2
10の出力“1”)を通過し、ノア回路206に
加える。結局、アンド回路210の出力“1”は
ノア回路206で反転され、キーオンメモリ17
8の自己保持用のアンド回路180を不動作に
し、キーオン信号KO1をクリアする。従つて、
フインガードコードモードにおいてメモリモード
でない場合は、下鍵域の鍵が実際に離鍵されたと
きに、その鍵が割当てられているチヤンネルのキ
ーオン信号KO1がクリアされる。 メモリモードである場合(Mが“1”)は、イ
ンバータ209の出力が“0”であり、アンド回
路210は不動作となる。従つて、下鍵域の鍵が
実際に離鍵されて、カレントキーオン信号
KON′が“0”になつても、キーオン信号KO1
はクリアされない。従つて、メモリモードの場合
は、実際の離鍵後も“1”を持続するキーオン信
号KO1にもとづいて、下鍵域鍵の離鍵後もその
鍵の発音が続けられる。 メモリモードのときにキーオン信号KO1をク
リアするのはアンド回路213の働きによる。ア
ンド回路213には、カレントキーオン信号
KON′をインバータ204で反転した信号、ウイ
ンドウ回路21のオア回路169から出力される
下鍵域のキーデータKL、一致信号EQを記憶した
遅延フリツプフロツプ193の出力LKOEXTを
インバータ214で反転した信号、及び後半期間
信号H2が入力される。アンド回路213の出力
はオア回路211を介してアンド回路212に加
わる。下鍵域で新たに鍵が押圧されると、その鍵
の走査タイミングにおいてキーデータKLは
“1”となる。この鍵は、今まで押されていなか
つた(すなわち割当てられていなかつた)ので一
致信号EQは発生せず、1キー時間の後半期間に
おいて遅延フリツプフロツプ193の出力
LKOEXTは“0”となり、インバータ214の
出力が“1”となる。従つて、後半期間信号H2
(第3図参照)が発生するときにアンド回路21
3に加わるインバータ214の出力とキーデータ
KLが共に“1”であれば、下鍵域で新たに鍵が
押圧されたことを示している。下鍵域で新たに鍵
が押圧されたとき、実際に離鍵されているチヤン
ネルタイミング(KON′が“0”で、インバータ
204の出力が“1”)に対応して後半の11ビツ
トタイムの間にアンド回路213から“1”が出
力される。このアンド回路213の出力がオア回
路211を介して入力されるアンド回路212に
おいては、下鍵域チヤンネルタイミング(LchT
が“1”)で発生するアンド回路213の出力
“1”を選択し、ノア回路206に加える。この
ノア回路206の出力“0”によつてアンド回路
180が不動作となり、実際の離鍵後も“1”に
保持されていた下鍵域のキーオン信号KO1が
“0”にクリアされる。すなわち、メモリモード
においては下鍵域の鍵の離鍵後もそのキーオン信
号KO1が記憶保持されるが、その後下鍵域で何
らかの鍵が新たに押圧されるとそれまで保持して
いた実際には離鍵されている鍵のキーオン信号
KO1をすべてクリアする。勿論、一方では、新
たに押圧された鍵に関してロード信号LDが発生
され、カレントキーオン信号KON′及びキーオン
信号KO1が新たに記憶されるのは既に述べた通
りである。 尚、下鍵域チヤンネルタイミングに関して発生
した一致信号EQを遅延フリツプフロツプ193
に記憶させるために該一致信号EQを選択するア
ンド回路183の他の入力には、フインガードコ
ードモードの場合はアンド回路184の出力がオ
ア回路185を介して加えられる。アンド回路1
84にはカレントキーオン信号KON′とインバー
タ186の出力が加えられる。フインガードコー
ドモードにおける下鍵域走査タイミング(第8図
のLK参照)においてはオア回路187に加わる
シングルフインガーモード信号SF及び信号BT1
2.13及びBT14.15(第8図)は“0”
であり、上記インバータ186の出力が“1”と
なる。これにより、カレントキーオン信号
KON′がアンド回路184を経由してアンド回路
183に加わり、一致信号EQが発生した下鍵域
チヤンネルに割当てられている鍵が実際に押圧中
のときだけ、遅延フリツプフロツプ193に
“1”が記憶される。 上述のように、フインガードコードモードの場
合に、下鍵域チヤンネルに関する一致信号EQを
記憶する条件としてキーオン信号KO1ではなく
カレントキーオン信号KON′を用いるようにした
理由は、遅延フリツプフロツプ193の出力
LKOEXTをインバータ214で反転した信号を
利用してメモリモードのときのキーオン信号KO
1のクリアを行うようにしているためである。メ
モリモードのときは離鍵後もキーオン信号KO1
が“1”となるため、もしこのキーオン信号KO
1を使つて一致信号EQを遅延フリツプフロツプ
193に記憶した場合は、一旦離鍵した後に同じ
鍵を再押圧した場合に信号LKOEXTが“1”と
なり、アンド回路213において新たな押鍵が検
出できなくなり、メモリ178がクリアできなく
なる。そのためフインガードコードモードの場合
はカレントキーオン信号KON′を利用して一致信
号EQを遅延フリツプフロツプ193に記憶する
ようにしているのである。 トランケート回路22の詳細 第1図におけるトランケート回路22の詳細例
を第11図に示す。第11図において、4ビツト
の加算器216と4個の11ステージ/1ビツトの
シフトレジスタ217〜220とはカウンタを構
成しており、離鍵された各チヤンネル毎に、その
後に離鍵された鍵の数を時分割的に計数する。シ
フトレジスタ217〜220はシステムクロツク
パルスφによつてシフト制御されるもので、その
最終ステージから各チヤンネルタイミングに対応
して時分割的に出力される各チヤンネル毎の計数
値が加算器216の入力A1〜A4に戻される。
加算器216はアンド回路221からキヤリイ入
力(Ci)に加わる信号を加算し、その出力S1
〜S4をアンド回路222〜225を介してシフ
トレジスタ217〜220に入力する。アンド回
路222〜225の他の入力にはノア回路226
の出力が加わる。ノア回路226には、第10図
に示す発音割当て制御部19のカレントキーオン
メモリ177から時分割的に出力される各チヤン
ネルのカレントキーオン信号KON′が加えられ
る。従つて、カレントキーオン信号KON′が
“0”の(すなわち現実に離鍵されている)チヤ
ンネルタイミングにおいてアンド回路222〜2
25が動作可能となり、計数が可能となる。押鍵
中のチヤンネルタイミングでは信号KON′が
“1”で、ノア回路226の出力が“0”となる
ので、アンド回路222〜225が不動作とな
り、計数値がクリアされる。 尚、イニシヤルクリア信号ICが発生したとき
あるいはオフチヤンネルタイミング信号OFchT
が発生しているチヤンネルタイミングではオア回
路227の出力が“1”となり、これがノア回路
226で反転されてアンド回路222〜225を
不動作にする。この場合は計数動作は不可能とな
るが、オア回路227の出力“1”がオア回路2
28を介して最下位ビツトのシフトレジスタ21
7に入力され、計数値を強制的に“0001”にす
る。 アンド回路221にはタイミング信号発生回路
20(第2図)から供給される後半期間信号H2
と、第10図の発音割当て制御部19のオア回路
229から供給されるニユーキーオフ信号NKOF
が入力される。このニユーキーオフ信号NKOFは
何らかの鍵が新たに離鍵されたとき発生されるも
のである。 今までいずれかのチヤンネルに割当てられてい
た鍵が新たに離鍵されると、そのチヤンネルタイ
ミングにおいて第10図のアンド回路196から
ニユーキーオフパルスNOFFが発生する。このニ
ユーキーオフパルスNOFFはアンド回路230あ
るいは231からオア回路232あるいは233
を介して遅延フリツプフロツプ234あるいは2
35に記憶される。アンド回路230の他の入力
には上鍵域チヤンネルタイミング信号UchTが加
えられており、上鍵域チヤンネルに対応して発生
したニユーキーオフパルスNOFFを遅延フリツプ
フロツプ234に記憶する。アンド回路231の
他の入力には下鍵域チヤンネルタイミング信号
LchTが加えられており、下鍵域チヤンネルに対
応して発生したニユーキーオフパルスNOFFを遅
延フリツプフロツプ235に記憶する。遅延フリ
ツプフロツプ234,235の記憶はアンド回路
236,237を介して自己保持される。アンド
回路236,237は信号S1(第3図)をイン
バータ208で反転した信号によつて、1キー時
間の最初に不動作となり、遅延フリツプフロツプ
234,235の記憶をクリアする。 従つて、上鍵域チヤンネルに割当てられていた
鍵が新たに離鍵されると、遅延フリツプフロツプ
234の出力が少くとも1キー時間の後半の11ビ
ツトタイムの間持続的に“1”となる。この遅延
フリツプフロツプ234の出力はアンド回路23
8で信号UchTによつて上鍵域チヤンネルのタイ
ミングでのみ選択され、オア回路229を経てニ
ユーキーオフ信号NKOFとして出力される。他
方、下鍵域チヤンネルに割当てられていた鍵が新
たに離鍵されると、遅延フリツプフロツプ235
の出力が少くとも1キー時間の後半の11ビツトタ
イムの間持続的に“1”となり、この出力“1”
がアンド回路239において信号LchTによつて
下鍵域チヤンネルタイミングで選択され、オア回
路229を介してニユーキーオフ信号NKOFとし
て出力される。 第11図のアンド回路221においては、ニユ
ーキーオフ信号NKOFが有効な状態となる1キー
時間の後半11ビツトタイムにおいて後半期間信号
H2によつて該信号NKOFを通過させる。上述の
ように、ニユーキーオフ信号NKOFは上鍵域チヤ
ンネルまたは下鍵域チヤンネルのどちらか一方の
チヤンネルグループに対応して発生される。従つ
て、加算器216とシフトレジスタ217〜22
0から成るカウンタでは、上鍵域あるいは下鍵域
のチヤンネルグループ別にニユーキーオフ信号
NKOFをカウントする。例えば、新たに離された
鍵が上鍵域チヤンネルに割当てられているもので
あれば、上鍵域チヤンネルのうち既に離鍵されて
いるチヤンネル(KON′が“0”のチヤンネル)
においてニユーキーオフ信号NKOFにもとづいて
夫々1カウントアツプされる。最も古く離鍵され
たチヤンネルの計数値は、その後に離鍵された鍵
の数が最も多くなることから、最も大きい値とな
る。 シフトレジスタ217〜220から出力される
各チヤンネルの計数値はコンパレータ240の一
方入力(A)と最大値メモリ241のアンド回路24
2〜245に入力される。最大値メモリ241は
最大計数値を記憶する回路であり、その出力がコ
ンパレータ240の他方入力(B)に加えられる。最
大値メモリ241は、最大計数値を記憶する遅延
フリツプフロツプ247〜250と、記憶した最
大計数値を自己保持するためのアンド回路251
〜254と、最大計数値をロードするためのアン
ド回路242〜245を含んでいる。 1キー時間の最初のチヤンネルタイミングにお
いて信号S1(第3図参照)が“1”になると、
ノア回路255の出力が“0”となり、自己保持
用アンド回路251〜254が動作不能となつ
て、最大値メモリ241がクリアされる。従つ
て、初めは最小値“0000”がメモリ241から出
力される。シフトレジスタ217〜220から順
次出力される各チヤンネルの計数値と最大値メモ
リ241の出力とがコンパレータ240で比較さ
れ、A>Bのとき、すなわちシフトレジスタ21
7〜220から出力される計数値の方がメモリ2
41の出力よりも大きい場合、アンド回路256
に対して“1”が出力される。アンド回路256
の他の入力には第10図のオア回路257の出力
UchT・KU+LchT・KLが加えられる。このオ
ア回路257の出力は、上鍵域チヤンネルタイミ
ング信号UchTと上鍵域キーデータKUとを入力
したアンド回路258の出力と、下鍵域チヤンネ
ルタイミング信号LchTと下鍵域キーデータKLと
を入力したアンド回路259の出力とをオア合成
したもので、割当てようとするキーデータKDが
上鍵域のものである場合(KUが“1”)は信号
UchTのタイミングで“1”となり、割当てよう
とするキーデータKDが下鍵域のものである場合
は(KLが“1”)信号LchTのタイミングで
“1”となる。 例えば、今供給されているキーデータKDが上
鍵域のものであるとすれば、上鍵域チヤンネルタ
イミングでA>Bが成立したときだけアンド回路
256の出力が“1”となる。アンド回路256
の出力“1”によつてアンド回路242〜245
が動作可能となり、シフトレジスタ217〜22
0の出力を遅延フリツプフロツプ247〜250
に取り込む。こうして、上鍵域または下鍵域の一
方のチヤンネルグループにおける各チヤンネルの
計数値が順次比較され、より大きい値の計数値が
メモリ241に記憶される。従つて、1キー時間
の前半の11ビツトタイムが終了するとすべてのチ
ヤンネルに関する比較が終了し、真の最大計数値
がメモリ241に記憶されている。 1キー時間の後半の11ビツトタイムにおいて、
メモリ241に記憶している真の最大計数値がど
のチヤンネルのものであるか、すなわち最も古く
離鍵されたのはどのチヤンネルであるかが検出さ
れる。すなわち、1キー時間の後半の11ビツトタ
イムにおいて、メモリ241に記憶している真の
最大計数値と各チヤンネルの計数値とがコンパレ
ータ240において比較され、最大計数値のチヤ
ンネルタイミングで一致出力(A=B)が“1”
となる。この一致出力(A=B)はアンド回路2
60を介してトランケートチヤンネル信号TRUN
として出力される。最大計数値のチヤンネルは1
つとは限らず複数有ることがあり、その場合は一
致出力(A=B)が複数のチヤンネルタイミング
で発生する。しかし、トランケートチヤンネル信
号TRUNにもとづいて一旦ロード信号LDが発生
した後はアンド回路260において一致出力(A
=B)が阻止されるようになつている。 遅延フリツプフロツプ261は1キー時間の始
めに信号S1(第3図)を反転した信号“0”が
アンド回路246に加えられることによつてクリ
アされ、その出力を反転したインバータ262の
出力は当初は“1”となつている。インバータ2
62の出力はアンド回路260に加わる。従つ
て、当初はコンパレータ240の一致出力(A=
B)がアンド回路260を通過し、トランケート
チヤンネル信号TRUNが発生する。このトランケ
ートチヤンネル信号TRUNにもとづいて第10図
の回路でロード信号LDが発生すると、このロー
ド信号LDは第11図のアンド回路263にも加
わり、オア回路264を介して遅延フリツプフロ
ツプ261に“1”が記憶される。これによりイ
ンバータ262の出力が“0”となり、アンド回
路260が動作不能となり、以後は一致出力(A
=B)が発生してもトランケートチヤンネル信号
TRUNは発生されない。 尚、アンド回路263の他の入力に加わるノア
回路265の出力は、上鍵域あるいは下鍵域の鍵
を割当て処理する場合は常に“1”となつてい
る。ノア回路265にはアンド回路266及び2
67の出力が加わる。アンド回路266には下鍵
域キーオンメモリ39(第1図)から供給される
下鍵域エニイキーオン信号LKAKOとアルペジヨ
音キーデータ形成回路44(第1図)から供給さ
れるアルペジヨタイミング信号ATとアルペジヨ
チヤンネルタイミング信号AchTが入力される。
アンド回路267には信号LKAKOとベース音キ
ーデータ形成回路42(第1図)から供給される
ベースタイミング信号BTとベースチヤンネルタ
イミング信号PchTが入力される。このアンド回
路266あるいは267はアルペジヨ音あるいは
ベース音の発音割当て処理を行うとき条件が成立
し、ノア回路265の出力を“0”にして、アン
ド回路263でロード信号LDを阻止する。これ
はアルペジヨ音あるいはベース音の発音割当ての
ために第10図のアンド回路172あるいは17
3からオア回路174を介して発生されたロード
信号LDが遅延フリツプフロツプ261に記憶さ
れないようにするためである。後述のように、ア
ルペジヨ音あるいはベース音の発音割当て処理に
はトランケートチヤンネル信号TRUNは利用され
ていず、ロード信号LDはトランケートチヤンネ
ル信号TRUNとは無関係に発生される。この信号
TRUNとは無関係なロード信号LDが遅延フリツ
プフロツプ261に記憶されると、これに平行し
て行なわれる上鍵域のキーデータ(特に第8図に
示す信号BT0.1のタイミングで発生するも
の)の割当て処理に不都合が生じるため、ノア回
路265の出力によつて禁止するようにしている
のである。 フインガードコードモードにおける和音検出 第1図における和音検出制御回路30の詳細例
を第12図に示す。第12図において、キー走査
回路11(第7図)から供給されたキーデータ
KD及び下鍵域走査タイミング信号LK(第8図参
照)がアンド回路268に入力される。従つて下
鍵域F#3〜C2のキーデータKDのみが該アン
ド回路268で選択される。和音検出制御回路3
0ではこのアンド回路268から出力される下鍵
域キーデータLKKDにもとづいて和音検出を行
う。下鍵域キーデータLKKDは下鍵域F#3〜C
2でどの鍵が押圧されているかを、各キー走査タ
イムスロツトにおけるパルスの有無によつて表わ
している。 下鍵域キーデータLKKDはアンド回路269に
加わると共に、SF根音検出優先回路32内のオ
ア回路270を介して遅延フリツプフロツプ27
1に記憶される。遅延フリツプフロツプ271は
キー走査クロツクパルスφABによつて1キー時間
毎に駆動されるもので、その出力はアンド回路2
72からオア回路270を介して自己保持され
る。アンド回路272の他の入力にはキー走査回
路11のノア回路145(第7図)からキヤンセ
ル信号が加えられている。キヤンセル信号
は第8図に示すように、下鍵域走査タイミ
ングが始まる前の12キー時間の間“0”となる信
号であり、この間に遅延フリツプフロツプ271
の記憶がクリアされる。オア回路270の出力は
下鍵域キーオン信号LKOとして出力される。こ
の下鍵域キーオン信号LKOは、下鍵域で何らか
鍵が押圧されているとき、押圧鍵の中の最高音の
走査タイミング(高音側から走査されているた
め)からその次の走査サイクルにおいて信号
が“0”に立下る直前(第8図に示すG4
の走査タイミング)まで持続的に“1”となる。 遅延フリツプフロツプ271の出力はインバー
タ273で反転され、アンド回路274に加えら
れる。アンド回路274の他の入力にはモード選
択回路13のラツチ回路14−4(第4図)から
供給されるシングルフインガーモード信号SFが
加えられる。アンド回路274の出力はインバー
タ275で反転され、アンド回路269に加わ
る。フインガードコードモードのときは信号SF
は“0”であるので、アンド回路274の出力が
“0”、インバータ275の出力が“1”となり、
アンド回路269ではアンド回路268から与え
られる下鍵域キーデータLKKDを常に通過させ
る。 アンド回路269を通過した下鍵域キーデータ
LKKDはオア回路276及び277を経由して12
ステージ/1ビツトのシフトレジスタから成る下
鍵域キーデータレジスタ35に入力される。この
レジスタ35はキー走査クロツクパルスφABによ
つてシフト駆動されるもので、下鍵域キーデータ
LKKDをレジスタ35内で順送りに移動させる。
レジスタ35の最終ステージの出力Q12はアン
ド回路278からオア回路277を経由して第1
ステージに帰還される。アンド回路278の他の
入力にはキー走査回路11のノア回路279(第
7図)から供給される信号5.6とオア回路
149(第7図)から供給される信号BT14.
15を反転した信号14.15が入力され
る。 信号5.6は、第7図のデーコーダ135
の出力BT5とBT6の発生タイミング(ブロツク
タイミング)のとき(第8図のBT0〜15参
照)、すなわち下鍵域走査タイミングが始まる直
前の12キー時間の間、“0”となり、レジスタ3
5の全ステージの記憶をクリアする。その後、下
鍵域走査タイミングにおいて発生した下鍵域キー
データLKKDがシフトレジスタ35に取り込まれ
る。シフトレジスタ35は12ステージであるか
ら、ブロツクタイミングBT7とBT8(第8図)
においてF#3からG2までの12音分のキーデー
タが取込まれ、夫々のキーデータを12キー時間遅
延したデータが最終ステージQ12から出力され
る。下鍵域走査タイミングになると信号5.
6及び14.15は共に“1”であるので、
取込まれたキーデータLKKDはアンド回路278
を介して自己保持される。ブロツクタイミング
BT9,BT10になると、取込まれたF#3〜G
2のキーデータが走査順に従つて高音側から順に
(F#3,F3,E3…G2の順に)レジスタ3
5の最終ステージQ12から出力され、アンド回
路278及びオア回路277を介して第1ステー
ジQ1に戻される。このとき、同音名の1オクタ
ーブ下の鍵F#2,F2…C2が走査され、これ
らのキーデータLKKDが順次発生されてオア回路
277に供給される。従つて、オア回路277に
おいては、現在走査されているキーデータLKKD
と既に記憶した1オクターブ上の同音名のキーデ
ータとがオア合成される。従つて、オクターブに
無関係にどの音名(C〜C#)の鍵が下鍵域で押
圧されているかが下鍵域キーデータレジスタ35
で記憶される。この記憶は信号BT14.15の
タイミングでアンド回路278が不動作となるま
で、すなわち下鍵域走査終了後のBT10〜BT1
3のタイミング(第8図参照)の間、保持され
る。 シフトレジスタ35の最終ステージQ12の出
力は、キーデータLKKDを12キー時間遅延したも
のなので、12の各音名(C〜C#)の走査タイミ
ングに対応している。すなわち、シフトレジスタ
35の最終ステージQ12から出力されるデータ
の音名は、キー走査回路11(第7図)から発生
されるノートコードN1〜N4によつて示されて
いる。ブロツクタイミングBT10あるいはBT1
2の最初の1キー時間がCのノートタイミングで
あり、ブロツクタイミングBT10及びBT11の
12キー時間あるいはブロツクタイミングBT12
とBT13(更にはBT14とBT15)の12キー
時間における各キー時間が12の音名C,B,A
#,…D,C#に順次対応する。 シフトレジスタ35には、高音順に発生したキ
ーデータが順次取り込まれるので、第1ステージ
Q1から最終ステージQ12までの各ステージに
は低音側から順の各音名のデータが並ぶ。和音検
出にあたつては、シフトレジスタ35の最終ステ
ージQ12から出力されるキーデータ(実質的に
はノートデータ)を1度(根音)と見なして、こ
れに対して所定度数の音程関係にあるキーデータ
が他のステージに存在するかを調べる。そのた
め、シフトレジスタ35の第1ステージQ1の出
力を短2度(2b)、Q2を長2度(2)、Q3を短3
度(3b)、Q4を長3度(3)、Q5を完全4度(4)、
Q6を減5度(5b)、Q7を完全5度(5)、Q8を
短6度(6b)、Q9を長6度(6)、Q10を短7度
(7b)、Q11を長7度(7)と見なして処理され
る。 ブロツクタイミングBT10及びBT11あるい
はBT12及びBT13(第8図参照)の各キー時
間においてシフトレジスタ35の各ステージQ1
〜Q12から出力されるキーデータ(ノートデー
タ)の音名の一部を第6表に示す。
【表】 アンド回路280は、三和音(メジヤ和音また
はマイナ和音)を検出するためのもので、1度
(根音)に相当するシフトレジスタ35のステー
ジQ12の出力と完全5度に相当するシフトレジ
スタ35のステージQ7の出力が入力され、更に
長2度に相当するステージQ2の出力及び完全4
度に相当するステージQ5の出力及び長6度に相
当するステージQ9の出力を夫々反転した信号が
入力される。アンド回路281は、七の和音(セ
ブンス和音)を検出するためのもので、1度に相
当するステージQ12の出力と短7度に相当する
ステージQ10の出力が入力され、更に上述のス
テージQ2,Q5,Q9の出力を夫々反転した信
号が入力される。また、和音が検出されなかつた
場合に仮根音を決定するためにアンド回路282
が設けられており、シフトレジスタ35のステー
ジQ12の出力が入力される。 アンド回路280,281,282には、更に
アンド回路283の出力が加えられる。アンド回
路283にはフインガードコードモード信号FC
とキー走査回路11のオア回路147(第7図)
から供給される信号BT10〜13(第8図)を
遅延フリツプフロツプ284で1キー時間遅延し
た信号が加わる。従つてフインガードコードモー
ド(FCが“1”)のときにブロツクタイミング
BT10(第8図)の2キー時間目のタイミング
からBT14(第8図)の1キー時間目のタイミ
ングまでの間(信号BT10〜13を1キー時間
遅延したときの信号発生間隔)でのみアンド回路
280〜282が動作可能となり、和音検出が行
なわれる。和音が成立すると、成立した和音の根
音のノートタイミングでアンド回路280または
281の条件が成立し、オア回路285を介して
“1”(和音成立信号CH)が出力される。 アンド回路280及び281による和音検出に
おいて、最初に仮根音となるのは音名Bである。
何故なら、遅延フリツプフロツプ284の出力に
よつてブロツクタイミングBT10の2キー時間
目から和音検出が可能となるからである。前記第
6表に示すようにブロツクタイミングBT10の
2キー時間目にはレジスタ35のステージQ12
に音名Bのキーデータが来ている。第6表に示す
ように、次のキー時間ではA#が仮根音となり、
以後、高音順に(A,G#…)仮根音が変化し、
信号BT12(第8図参照)の最初のキー時間で
音名Cを仮根音としたときをもつて、12音名(B
〜C)の各々を仮根音とする和音成立検出が終了
する。従つて、オア回路285の出力(CH)に
は、Bを仮根音とする和音成立検出結果(成立の
とき“1”、不成立のとき“0”)を先頭にして高
音順に和音成立検出結果が現われ、一番最後に
(信号BT12の最初のキー時間で)Cを仮根音と
する和音成立検出結果が現われる。これは、後述
する根音シフトレジスタ41では複数の根音デー
タRTLDが発生した場合後着優先(低音優先)に
よつて単一の根音データRTLDを選択するように
しているので、Cを最後にすることによりCが最
優先されるようにするためである。 オア回路285の出力はアンド回路286に加
わる。アンド回路286の他の入力には、キー走
査回路11のオア回路148(第7図)から発生
されたブロツクタイミング信号BT12.13
(第8図)を遅延フリツプフロツプ290で1キ
ー時間遅延した信号をインバータ291で反転し
た信号が加えられる。インバータ291の出力は
ブロツクタイミングBT12の2キー時間目から
ブロツクタイミングBT14の1キー時間目まで
の12キー時間(BのノートタイミングからCのノ
ートタイミングまで)の間“0”となる。従つ
て、ブロツクタイミングBT10の2キー時間目
からブロツクタイミングBT12の1キー時間目
までに発生した12音名(B,A#…C)を仮根音
とする和音成立信号CHがアンド回路286を通
過すると、その次のキー時間(信号BT12の2
キー時間目)から和音成立信号CHが阻止され
る。すなわち、第8図のZのFCにおいて示した
ように、ブロツクタイミングBT10の2キー時
間目からBT12の1キー時間目までの12キー時
間の間でのみ和音成立検出が行われる。 ブロツクタイミングBT10の2キー時間目か
らBT12の1キー時間目までの間でアンド回路
286を通過した和音成立信号CHはアンド回路
287に加わると共に、オア回路288を介して
遅延フリツプフロツプ289に記憶される。遅延
フリツプフロツプ289の出力はアンド回路29
2からオア回路288を経由して自己保持され
る。アンド回路292の他の入力には、モード切
換制御回路15(第4図)から供給されるSF/
FCモード切換信号△とナンド回路293の出
力が加えられる。信号△は第5図に示すように
モード切換時に一時的に(4.5ms+α、すなわち
少くとも1走査サイクル分の時間)“0”となる
信号であり、通常は“1”である。ナンド回路2
93には、キー走査回路11(第7図)から与え
られる最低鍵C2の走査タイミングを示す信号
CLT(第8図)と、オア回路270から出力さ
れる下鍵域キーオン信号LKOをインバータ29
4で反転した信号とが入力される。下鍵域で何ら
かの鍵が押圧されていれば、信号CLTが発生す
るタイミングではインバータ294の出力は必ら
ず“0”(LKOが“1”)であり、ナンド回路2
93の条件は成立せず、該ナンド回路293の出
力は常に“1”である。従つて、一旦、和音が成
立すると通常は、遅延フリツプフロツプ289に
“1”が記憶され続ける。遅延フリツプフロツプ
289における和音成立記憶がクリアされるの
は、下鍵域のすべての鍵が離鍵されたとき
(LKOが“0”となり、CLT発生時にナンド回路
293の出力が“0”となる)、あるいはフイン
ガードコードモード(FC)からシングルフイン
ガーモード(SF)に切換えられたとき(△が
“0”となる)、である。 アンド回路287の他の入力にはオア回路29
5の出力が加えられる。メモリモードでない場合
はメモリモード信号Mが“0”であり、インバー
タ296からオア回路295に“1”が与えら
れ、アンド回路286で選択された和音成立信号
CHはアンド回路287を常に通過する。このア
ンド回路287の出力は、オア回路297を介し
て根音データRTLDとして出力されると共に、オ
ア回路298を介して遅延フリツプフロツプ29
9に記憶され、更にマイナ和音メモリ36のアン
ド回路300及びセブンス和音メモリ37のアン
ド回路301に入力される。従つて、根音データ
RTLDは、検出された和音の根音の音名のタイミ
ングに対応して(ブロツクタイミングBT10の
2キー時間目のBのノートタイミングからブロツ
クタイミングBT12の1キー時間目のCのノー
トタイミングまでの12キー時間のいずれかのタイ
ミングで)“1”となる。また、アンド回路30
0及び301は、根音名のタイミングで動作可能
となる。 アンド回路300の他の入力には短3度(3
b)に対応するシフトレジスタ35のステージQ
3の出力が加えられ、アンド回路301の他の入
力には短7度(7b)に対応するシフトレジスタ
35のステージQ10の出力が加えられる。メジ
ヤ和音が成立している場合は、和音成立タイミン
グにおいてステージQ3及びQ10の出力は共に
“0”(短3度と短7度は存在しない)であり、ア
ンド回路300,301からオア回路302,3
03を介して遅延フリツプフロツプ304,30
5に“0”が取込まれる。マイナ和音が成立して
いる場合は、和音成立タイミングにおいてステー
ジQ3の出力が“1”(短3度が存在する)であ
り、アンド回路300からオア回路302を介し
て遅延フリツプフロツプ304に“1”が取込ま
れる。セブンス和音が成立している場合は和音成
立タイミングにおいてステージQ10の出力が
“1”(短7度が存在する)であり、アンド回路3
01からオア回路303を介して遅延フリツプフ
ロツプ305に“1”が取込まれる。マイナセブ
ンス和音の場合は遅延フリツプフロツプ304,
305の両方に“1”が取込まれる。 遅延フリツプフロツプ304,305に取込ま
れた“0”あるいは“1”はアンド回路306,
307を介して自己保持される。アンド回路30
6,307にはノア回路308の出力が加えられ
る。ノア回路308にはアンド回路287及び3
09の出力及び最低鍵走査タイミング信号CLT
が加えられる。要するに、新たな和音種類データ
を取込むときあるいは信号CLTの発生タイミン
グ以外はノア回路308の出力は“1”であり、
アンド回路306,307を動作可能にして遅延
フリツプフロツプ304,305に取込んだデー
タを自己保持する。従つて、新たな和音種類デー
タを取込んでから次の走査サイクルの信号CLT
の発生時まで該データが一時記憶される。 遅延フリツプフロツプ304,305の出力は
アンド回路310,311、オア回路312,3
13を介して遅延フリツプフロツプ314,31
5に取込まれる。遅延フリツプフロツプ314,
315は遅延フリツプフロツプ304,305に
一時記憶した和音種類データを持続的に記憶する
ためのものであり、和音が変化したこと(和音が
成立したこと)を条件にデータの取込みを行な
う。和音成立検出時に発生されるアンド回路28
7の出力“1”がオア回路298を介して遅延フ
リツプフロツプ299に記憶される。この遅延フ
リツプフロツプ299の記憶はアンド回路316
を介して保持されるが、走査サイクルパルス
4.5Mを反転した信号によつて走査サイクルの始
め(第8図に示すようにブロツクタイミングBT
0の1キー時間目)にクリアされる。遅延フリツ
プフロツプ299に“1”が記憶されると、アン
ド回路317が動作可能となる。アンド回路31
7には、遅延フリツプフロツプ299の出力と、
キー走査回路11のオア回路149(第7図)か
ら供給される信号BT14.15と、アンド回路
150(第7図)から供給されるCノートタイミ
ング信号CNTを遅延フリツプフロツプ318で
1キー時間遅延した信号が加わる。従つて、信号
BT14.15の発生期間(第8図)における信
号CNTの発生タイミング(第8図)から1キー
時間遅れたとき、すなわちブロツクタイミング
BT14の2キー時間目に、アンド回路317か
ら“1”が出力される。このアンド回路317の
出力“1”によりアンド回路310及び311が
動作可能となり、遅延フリツプフロツプ304,
305のデータが遅延フリツプフロツプ314,
315に取込まれる。 遅延フリツプフロツプ314及び315の出力
はアンド回路320,321を介して自己保持さ
れる。アンド回路320,321にはノア回路3
19の出力が加わる。アンド回路317の出力
“1”によつて新たな和音種類データを取込むと
き(あるいはイニシヤルクリア時)にノア回路3
19の出力が“0”となり、古い記憶がクリアさ
れる。従つて、遅延フリツプフロツプ314,3
15に一旦記憶されたデータは、和音が変化する
まで持続的に記憶される。遅延フリツプフロツプ
314の出力はマイナ和音データminとして出力
され、遅延フリツプフロツプ315の出力はセブ
ンス和音データ7thとして出力される。データ
minと7thは、メジヤ和音のとき“0”,“0”、マ
イナ和音のとき“1”,“0”、セブンス和音のと
き“0”,“1”、マイナセブンス和音のとき
“1”,“1”である。 和音が成立しなかつた場合は、和音成立を記憶
する遅延フリツプフロツプ289に“1”は記憶
されず、また、アンド回路287からは成立した
和音の根音タイミングを示す信号(CH)も発生
されない。遅延フリツプフロツプ289の出力は
インバータ323で反転され、和音不成立信号
NCHDとしてアンド回路309及びオア回路29
5に入力される。アンド回路309の他の入力に
はキー走査回路11のオア回路148(第7図)
から供給される信号BT12.13(第8図)を
遅延フリツプフロツプ324で1キー時間遅延し
た信号とアンド回路282の出力が入力される。
前述のように和音成立を検出するのはブロツクタ
イミングBT10の2キー時間目からブロツクタ
イミングBT12の1キー時間目までの12キー時
間の間(第8図参照)であるので、その次の12キ
ー時間すなわち遅延フリツプフロツプ324の出
力が“1”となるブロツクタイミングBT12の
2キー時間目からブロツクタイミングBT14の
1キー時間目までの間には、和音成立検出結果が
確実に遅延フリツプフロツプ289に記憶されて
いる。 和音が成立した場合は和音不成立信号NCHDは
“0”であり、アンド回路309は動作しない。
しかし和音が成立しなかつた場合は和音不成立信
号NCHDは“1”であり、ブロツクタイミング
BT12の2キー時間目(Bのノートタイミン
グ)からBT14の1キー時間目(Cのノートタ
イミング)の間にアンド回路282から出力され
るB〜Cのキーデータ(シフトレジスタ35のス
テージQ12の出力)がすべてアンド回路309
を通過する。アンド回路309の出力はオア回路
297を経て根音データRTLDとして出力され
る。従つて和音不成立のときは下鍵域で押圧され
ているすべての鍵のノートタイミングで根音デー
タRTLDが“1”となる。その場合、Bを最高音
として高音順に押圧鍵のデータ(“1”)が根音デ
ータRTLDに現われ、Cのデータが一番最後に現
われる。後述の根音シフトレジスタ41では根音
データRTLDを後着優先(低音優先)で選択する
ため、和音不成立時は下鍵域押圧鍵の最低音が根
音と見なされる。 また、アンド回路309の出力はオア回路29
8を介して遅延フリツプフロツプ299に記憶さ
れると共にノア回路308に加わる。従つて、和
音不成立時は、ノア回路308の出力“0”によ
つて遅延フリツプフロツプ304,305が共に
クリアされ、メジヤ和音を示す内容“0”,“0”
となる。また、遅延フリツプフロツプ299に
“1”が記憶されることにより、前述と同様にし
て、遅延フリツプフロツプ304,305の出力
“0”,“0”が遅延フリツプフロツプ314,3
15に取込まれ、記憶される。こうして和音不成
立の場合は、データmin,7thが共に“0”とな
り、メジヤ和音を示す。 メモリモードでないときは(Mが“0”)、オア
回路295の出力が常に“1”となり、和音が成
立する毎に、根音タイミングを示す信号がアンド
回路287から出力される。しかし、メモリモー
ドのときは信号Mが“1”となり、インバータ2
96からオア回路295に与えられる信号は
“0”となる。オア回路295の他の入力には下
鍵域エニイニユーキーオン信号LANKOと和音不
成立信号NCHDが加えられる。従つて、メモリモ
ードの場合は、下鍵域エニイニユーキーオン信号
LANKOあるいは和音不成立信号NCHDが発生し
ているときに成立した和音の根音を示すデータが
アンド回路287から出力される。特に、通常
は、信号LANKOが発生したときすなわち下鍵域
で新たに鍵が押されたときに和音が検出される
(和音成立信号CHが通される)。 下鍵域エニイニユーキーオン信号LANKOは、
第13図に詳細を示す下鍵域ニユーキーオン検出
回路38から供給される。第12図のアンド回路
268から出力される下鍵域キーデータLKKDが
第13図に示す下鍵域ニユーキーオン検出回路3
8に供給される。第13図において、下鍵域キー
データLKKDは、オア回路325を介してシフト
レジスタ326に加えられると共にアンド回路3
27に加えられる。シフトレジスタ326は19ス
テージ/1ビツトであつて、キー走査クロツクパ
ルスφABによつて駆動される。シフトレジスタ3
26の出力はアンド回路328からオア回路32
5を介して自己保持されると共に、遅延フリツプ
フロツプ329に加わる。遅延フリツプフロツプ
329の出力はインバータ330で反転された後
アンド回路327に加わる。イニシヤルクリア信
号ICあるいは下鍵域走査タイミング信号LKをノ
ア回路331で反転した信号がアンド回路328
の他の入力に加わる。 シフトレジスタ326のステージ数19は下鍵域
F#3〜C2の鍵の数に対応している。下鍵域走
査タイミングにおいて順次発生した19鍵F#3〜
C2のキーデータLKKDはオア回路325を介し
てシフトレジスタ326に順次取込まれる。この
とき信号LKの“1”によつてノア回路331の
出力が“0”となりレジスタ326の古い記憶デ
ータはクリアされる。下鍵域走査タイミングが終
了すると、信号LKが“0”となり、ノア回路3
31の出力“1”によつてアンド回路328が動
作可能となり、今レジスタ326に取込んだばか
りの下鍵域キーデータが記憶保持される。この記
憶は次の走査サイクルで信号LKが発生するとき
まで保持される。従つて、次の走査サイクルで新
たなキーデータLKKDが供給されたとき、シフト
レジスタ326の最終ステージからは前回の下鍵
域走査結果を示すキーデータが出力されている。 1走査サイクルは16個のブロツクタイミング
BT0〜BT15から成り、1ブロツクタイミング
は6キー時間から成るので、1走査サイクルは96
キー時間から成る。従つて前回の走査サイクルで
得たキーデータを96キー時間遅延すれば今回の走
査サイクルにおけるキー走査タイミングと一致す
るのであるが、シフトレジスタ326は19ステー
ジであるため5循環させたときの遅延時間は95キ
ー時間であり、96キー時間に1キー時間足りな
い。そのためシフトレジスタ326の出力を遅延
フリツプフロツプ329に入力して更に1キー時
間遅延してキー走査タイミングに合わせているの
である。 遅延フリツプフロツプ329の出力はインバー
タ330で反転される。従つて、前回の走査サイ
クルではオフだつた鍵(インバータ330の出力
が“1”)が今回の走査ではオンLKKDが“1”
となると、すなわち下鍵域で新たに鍵が押圧され
ると、アンド回路327の出力が“1”となる。
アンド回路327の出力“1”はオア回路332
を介して遅延フリツプフロツプ333に加わり、
自己保持用アンド回路334に加わるキヤンセル
信号(第8図)によつて次の走査サイクル
の下鍵域走査タイミングの直前でクリアされるま
で記憶保持される。遅延フリツプフロツプ333
に記憶した信号はアンド回路334からオア回路
332を介して下鍵域エニイニユーキーオン信号
LANKOとして出力される。この信号LANKO
は、下鍵域で何らかの鍵が新たに押圧されたこと
が検出されたときその鍵の走査タイミング(ブロ
ツクタイミングBT7〜BT9及びBT10の1キ
ー時間目のいずれかの走査タイミング)から次の
走査サイクルのブロツクタイミングBT4まで
(が“0”になる直前まで)の間持続して
“1”となる。従つて、下鍵域で何らかの鍵が新
たに押圧されたときは、和音を検出するブロツク
タイミングを含むBT10〜BT15の間では確実
に信号LANKOが“1”となつている。 この下鍵域エニイニユーキーオン信号LANKO
は第12図の和音検出制御回路30に供給され、
オア回路295を介してアンド回路287に加わ
る。従つて、メモリモード(Mが“1”)のとき
は下鍵域で新たに鍵が押されたときに発生する和
音成立信号CHを有効な和音検出結果として出力
する。下鍵域で鍵が離されたときに和音が成立し
ても、そのときの和音成立信号CHはアンド回路
287で阻止され、無効となる。これはメモリモ
ードでは鍵が実際に離されても押鍵が持続してい
るものとして発音処理されるため、和音検出も離
鍵には応答しないようにしたためである。 ところで、メモリモードの場合に、誤つて余分
の鍵を押圧してしまい、和音が成立しなかつた後
に、直ちに余分の鍵のみを離鍵して和音成立させ
ても、下鍵域エニイニユーキーオン信号LANKO
は発生せず、この信号LANKOによつてアンド回
路287を動作可能にすることはできない。上記
のような場合に一部離鍵による和音成立信号CH
を通過させて和音検出可能とするために、和音不
成立信号NCHDがオア回路295を介してアンド
回路287に加えられるようになつている。すな
わち、まだ和音が成立していない場合は(NCHD
が“1”)、下鍵域エニイニユーキーオン信号
LANKOが発生していなくても、アンド回路28
7が動作可能となり、和音成立信号CHがアンド
回路286,287を介して出力される。 第12図に示す和音検出制御回路30において
フインガードコードモード(FC)和音検出部3
1(第1図)に相当するのは、今まで説明した部
分すべてである。 次に、第14図に示す下鍵域キーオンメモリ3
9の詳細について説明する。第12図のオア回路
270から出力された下鍵域キーオン信号LKO
は、第14図のオア回路335に供給され、遅延
フリツプフロツプ336に記憶される。遅延フリ
ツプフロツプ336の出力はアンド回路337あ
るいは338からオア回路335を介して自己保
持される。オア回路335の出力は下鍵域エニイ
キーオン信号LKAKOとして他の回路に供給され
る。 メモリモードのときはアンド回路337に加わ
るメモリモード信号Mが“1”となり、遅延フリ
ツプフロツプ336は常に自己保持状態となる。
従つて、下鍵域で一旦鍵が押圧されて信号LKO
が発生すると、以後は、下鍵域エニイキーオン信
号LKAKOは持続的に“1”となる。 メモリモードでない場合は、アンド回路338
の働きによつて信号LKAKOが保持される。アン
ド回路338にはノア回路339の出力が加わ
る。最低鍵C2の走査タイミングを示す信号
CLT(第8図参照)がノア回路339に加えら
れており、1走査サイクルにおける最低鍵走査タ
イミング(BT10の1キー時間目)毎にアンド
回路338が動作不能となり、自己保持クリア状
態となる。一方、オア回路335に加わる下鍵域
キーオン信号LKOは、下鍵域で何らかの鍵が押
圧されていればその走査タイミングから次の走査
サイクルのブロツクタイミングBT5の直前まで
“1”を持続するので(第12図のアンド回路2
72の働きにより)、アンド回路338の自己保
持が切れるときは信号LKOによる“1”がオア
回路335から遅延フリツプフロツプ336に加
わる。しかし、下鍵域で何も鍵が押されなくなる
と、アンド回路338が不動作となる最低鍵走査
タイミングで信号LKOは“0”であり、遅延フ
リツプフロツプ336の記憶がクリアされる。従
つて、下鍵域で何らかの鍵が押圧されている限
り、下鍵域エニイキーオン信号LKAKOは持続的
に“1”であり、下鍵域で何も押鍵されなくなる
と“0”となる。 また、メモリモードでない場合は、オートリズ
ムが止まつたときにも遅延フリツプフロツプ34
0からの信号“1”により、信号LKAKOの自己
保持がクリアされる。オートリズム装置45(第
1図)からのリズムラン信号RUNが、インバー
タ341で反転されてアンド回路342に加わる
と共に、遅延フリツプフロツプ343で1キー時
間遅延されてアンド回路342に加わる。オート
リズムが止まつたとき、リズムラン信号RUNが
“0”に立下る。このとき、その直前の信号RUN
の状態を示す遅延フリツプフロツプ343の出力
が“1”で、“0”になつた信号RUNを反転した
インバータ341の出力が“1”であり、アンド
回路342から1キー時間のパルス“1”が出力
される。このアンド回路342の出力“1”は遅
延フリツプフロツプ340で1キー時間遅延され
た後ノア回路339に加わり、信号LKAKOをク
リアする。 ベース音キーデータ形成及び発音割当て 次に、フインガードコードモードの場合におけ
るベース音キーデータの形成及び発音割当てにつ
いて説明する。ベース音キーデータ形成回路42
を含む自動ベースコード処理回路40(第1図)
の詳細例は第15図に示されている。 和音検出制御回路30のオア回路297(第1
2図)から出力された根音データRTLDは第15
図のオア回路344を介して根音シフトレジスタ
41に入力される。根音シフトレジスタ41は12
ステージ/1ビツトであり、キー走査クロツクパ
ルスφABによつて駆動される。従つて、オア回路
344からシフトレジスタ41に取込まれた根音
データRTLDは1キー時間毎に順次遅延され(シ
フトされ)、12キー時間遅延されたもの
(RTLD′)が第12ステージQ12から出力され
る。シフトレジスタ41の第1ステージQ1から
第11ステージQ11までの出力をすべて入力した
ノア回路345と、このノア回路345の出力と
第12ステージQ12の出力(RTLD′)とを入力
したアンド回路346によつて後着優先(低音優
先)回路が構成されている。 根音データRTLDは、前述のように、Bのノー
トタイミングを先頭とし、以下、高音順に最低ノ
ートCまでの12の時分割化されたノートタイミン
グにおけるパルスの有無によつて根音ノートを示
す時分割多重化されたデータ(キーデータKDと
同様の)である。従つて、根音データRTLDにお
いて、より遅れたタイミングで到来する(後着
の)パルスがより低音の音名を示している。ノア
回路345とアンド回路346とから成る後着優
先(低音優先)回路によつて最も遅く到来した1
つの根音データRTLDのみを優先選択してシフト
レジスタ41に記憶することにより、シフトレジ
スタ41には低音優先選択された単一の根音ノー
トを示すデータが記憶される。 根音データRTLDは初めはすべてシフトレジス
タ41に入力され、それらを12キー時間遅延した
データRTLD′が第12ステージQ12から出力さ
れる。この遅延されたデータRTLD′のノートタ
イミングはデータRTLDのノートタイミング(す
なわちキー走査におけるノートタイミング)と全
く同期している。アンド回路346及びノア回路
345は遅延された根音データRTLD′を、オア
回路344を介してシフトレジスタ41に再び戻
すかあるいは阻止するかの制御を後着(低音)優
先によつて行う。シフトレジスタ41の第12ステ
ージQ12から出力されるデータRTLD′よりも
遅く到来した(より低音の)根音データ(“1”)
が有れば、ステージQ1〜Q11の出力
(RTLD′の音名を除く残りの11音名すべてに対応
している)のいずれかが“1”となつており、ノ
ア回路345の出力が“0”となり、データ
RTLD′をアンド回路346で阻止する。第12ス
テージQ12から出力されるデータRTLD′が最
も後着(低音)であれば、それ以前に現われた
(高音側の)データ“1”はアンド回路346で
阻止されているので、ステージQ1〜Q11の出
力がすべて“0”となつており、ノア回路345
の出力が“1”で、この最低音の根音データ
RTLD′がアンド回路346を通過し、オア回路
344を介してシフトレジスタ41に戻される。
シフトレジスタ41に記憶される根音データが唯
一つになると、以後はその唯一の根音データが循
環して記憶保持される。 こうして、根音データRTLDとして、複数のノ
ートタイミングで“1”が発生すると、その中の
最低音のデータ“1”のみを選択し、シフトレジ
スタ41に記憶する。勿論、多くの場合がそうで
あるように、根音データRTLDとして初めから単
一のノートタイミングだけで“1”が発生してい
る場合はそのデータ“1”がそのままレジスタ4
1に記憶される。 尚、ノア回路345とアンド回路346は単純
な低音優先回路ではなく、あくまで後着優先回路
として機能する。この後着優先機能によつて、和
音(根音)が変化した場合に古い根音データ
RTLD′をクリアする。すなわち、新たに根音デ
ータRTLDが到来したときは(たとえそれが優先
判断では最高音とみなされるBのノートタイミン
グであつても)、この新たな根音データRTLDを
取込んだレジスタ41の出力Q1〜Q11によつ
てノア回路345の出力が“0”となり、それま
で記憶していた古い根音データRTLD′をクリア
する。 後着優先によつて単一の根音データを選択する
例を和音成立の場合と、和音不成立の場合とに分
けて説明する。 和音成立の場合は、前述の通り、アンド回路2
86(第12図)の働きにより、ブロツクタイミ
ングBT10の2キー時間目(Bのノートタイミ
ング)からブロツクタイミングBT12の1キー
時間目(Cのノートタイミング)までの12キー時
間の間でのみ根音データRTLDが発生する。第1
6図のCHの欄には和音成立(CHが“1”)のと
きの根音データRTLDの一例とそれを遅延したデ
ータRTLD′が示されている。尚、第16図のノ
ートタイミングの欄にはブロツクタイミングBT
10から次の走査サイクルのブロツクタイミング
BT1までの各キー時間に対応する音名が示され
ている。第16図のCHでは、2つの音名C#,
Cに対応して根音データRTLDが発生する例が示
されている。これは、例えば、下鍵域でC,C
#,G,G#の4鍵が押圧されたときに起る。第
12図のシフトレジスタ35においてステージQ
12にC#のデータ“1”が到来したとき、完全
5度のステージQ7にG#のデータ“1”が入つ
ており、CとGのデータ“1”はステージQ11
とQ6に入つている(前記第6表参照)ため、ア
ンド回路280においてC#メジヤ和音が成立し
たことが検出され、C#のノートタイミングで根
音データRTLDが発生される。次にシフトレジス
タ35のステージQ12にCのデータ“1”が到
来したとき、ステージQ7にG、ステージQ1に
C#,Q8にG#が入り(第6表参照)、アンド
回路280においてCメジヤ和音が成立したこと
が検出される。 C#の根音データRTLDを12キー時間遅延した
データRTLD′がブロツクタイミングBT13のノ
ートタイミングC#において第15図のシフトレ
ジスタ41の第12ステージQ12から出力される
とき、ブロツクタイミングBT12のノートタイ
ミングCのときに取込んだCの根音データRTLD
を11キー時間遅延したデータ“1”がステージQ
11から出力される。従つて、C#の根音データ
RTLD′はそれよりも後着の(低音の)Cの根音
データRTLDの存在によつてアンド回路346で
阻止される。こうして、単一のCの根音データの
みがシフトレジスタ41に記憶され、ブロツクタ
イミングBT14以後は記憶根音データRTLD′は
Cのノートタイミングでのみ“1”となる。 和音不成立の場合は、前述の通り、アンド回路
309(第12図)の働きによつて、ブロツクタ
イミングBT12の2キー時間目(Bのノートタ
イミング)からBT14の1キー時間目(Cのノ
ートタイミング)までの12キー時間の間でのみ根
音データRTLDが発生される。第16図のの
欄には和音不成立(CHが“0”)のときの根音デ
ータRTLDとしてB,D#,Dのノートタイミン
グで“1”が発生する例が示されている。下鍵域
でB,D#,Dの3鍵が押圧されている場合は、
和音は成立せず、第16図のに示すように、
押圧鍵すべてのノートタイミングで根音データ
RTLDが発生する。Bの根音データRTLDを12キ
ー時間遅延したデータRTLD′がブロツクタイミ
ングBT14のBのノートタイミングで発生され
るが、シフトレジスタ41のステージQ3,Q4
からD及びD#のデータ“1”が出力されるの
で、このBのデータRTLD′はアンド回路346
で阻止される。また、D#の根音データRTLDを
12キー時間遅延したデータRTLD′がブロツクタ
イミングBT15のD#のノートタイミングで発
生されるが、シフトレジスタ41のステージQ1
1からDのデータ“1”が出力されるので、この
D#のデータRTLD′もアンド回路346で阻止
される。ブロツクタイミングBT15のノートタ
イミングDにおいてDの根音データRTLDを12キ
ー時間遅延したデータRTLD′が発生されると
き、それ以前に発生したB,D#のデータ
RTLD′はすべて阻止されているのでシフトレジ
スタ41のステージQ1〜Q11の出力はすべて
“0”であり、このDのノートタイミングのデー
タRTLD′が記憶保持される。こうして、和音不
成立のときは押圧鍵の中の最低音が根音として選
択される。 根音シフトレジスタ41の重要な働きは、単一
の根音データ(RTLD′)を1キー時間毎に順次
シフト(遅延)することにより、従音(根音と共
に和音を構成する音、すなわち根音から所定度数
隔つた音)のノートタイミングデータを形成する
ことである。アンド回路346からオア回路34
4を介して入力される根音データRTLD′を、シ
フトレジスタ41の各ステージQ1〜Q12で1
キー時間ずつ遅延することにより、根音のノート
タイミングから順次低音側に移行するノートタイ
ミングにおいて各ステージQ1〜Q12から
“1”が出力される。従つて、1キー時間遅延し
たステージQ1の出力“1”は根音の1半音下の
音すなわち長7度(7)の音のノートタイミングに対
応しており、2キー時間遅延したステージQ2の
出力“1”は根音の2半音下の音すなわち短7度
(7b)の音のノートタイミングに対応する。以下
同様に、シフトレジスタ41のステージQ3,Q
4,Q5,Q6,Q7,Q8,Q9,Q10,Q
11の出力“1”は、長6度(6)、短6度(6b)、
完全5度(5)、減5度(5b)、完全4度(4)、長3度
(3)、短3度(3b)、長2度(2)、短2度(2b)の
ノートタイミングに夫々対応する。そして、ステ
ージQ12すなわちオア回路344の出力“1”
は根音と同じ音名すなわち1度(1)に対応する。 例えば、根音データRTLD′がCのノートタイ
ミングで発生する場合は、シフトレジスタ41の
各ステージQ1〜Q11の出力が“1”となるタ
イミングは、第16図に示すように、B,A#,
A,G#,……C#のタイミングである。これら
の音名はCを1度としたときの長7度(7)、短7度
(7b)……短2度(2b)に相当する。また、根
音データRTLD′がDのノートタイミングで発生
する場合は、シフトレジスタ41の各ステージQ
1〜Q11が“1”となるタイミングは第16図
に示すように、C#,C,B,A#……D#のタ
イミングである。これらの音名はDを1度とした
ときの長7度(7)、短7度(7b)……短2度(2
b)に夫々相当する。 根音シフトレジスタ41の所定ステージQ2,
Q3,Q5,Q8,Q9,Q12(オア回路34
4)の出力は、ベース音キーデータ形成回路42
の論理回路347に入力される。論理回路347
は、オートリズム装置45(第1図)から供給さ
れるベースパターンデータBassPTにもとづい
て、該ベースパターンデータBassPTによつて示
された音程度数に対応するレジスタ41のステー
ジ出力を選択して1本の出力ライン348に多重
化して出力する。勿論、或るベースパターンデー
タBassPTが発生している間は1つのノートタイ
ミングに対応するデータだけしか出力ライン34
8に出力されないが、別のベースパターンデータ
BassPTに変わると別のノートタイミングに対応
するデータ“1”が出力ライン348に出力され
る。その意味で、ライン348に得られるベース
音キーデータKPは、キー走査回路11(第7
図)から得られるキーデータKDと同質の時分割
多重化データである。 オア回路344(シフトレジスタ41のステー
ジQ12)から出力される1度(1)のノートタイミ
ングデータはアンド回路349に入力される。シ
フトレジスタ41のステージQ2から出力される
短7度(7b)のノートタイミングデータはアン
ド回路350に入力される。ステージQ3から出
力される長6度(6)のノートタイミングデータはア
ンド回路351に、ステージQ5から出力される
完全5度(5)のノートタイミングデータはアンド回
路352に、夫々入力される。また、ステージQ
8,Q9から出力される長3度(3)及び短3度(3
b)のノートタイミングデータはアンド回路35
5,356を経由してアンド回路353,354
に夫々入力される。 アンド回路355,356は長3度と短3度の
切換えを行うためのものである。第12図の遅延
フリツプフロツプ314から供給されるマイナ和
音データminが“1”のときアンド回路356を
介して短3度(3b)に相当するステージQ9の
出力を選択してアンド回路354に加える。この
ときアンド回路355は動作不能となり、長3度
(3)の出力は阻止される。マイナ和音データminが
“0”のときは、アンド回路355を介して長3
度(3)に相当するステージQ8の出力を選択されて
アンド回路353に加わり、短3度(3b)に相
当するステージQ9の出力はアンド回路356で
阻止される。従つて、アンド回路353及び35
4には、マイナ和音であるか否かに応じて長3度
(3)あるいは短3度(3b)のノートタイミングデ
ータのどちらか一方しか供給されない。 ベースパターンデータBassPTは、ベース音を
発音すべきタイミングで発生し、3ビツトから成
るコードの内容によつてそのとき発生すべきベー
ス音の音程(根音からの隔り)を示す。アンド回
路357〜362は、3ビツトにコード化された
データBassPTをデコードするためのものであ
る。8度(1オクターブ上の根音)のベース音を
示すアンド回路357の出力と1度のベース音を
示すアンド回路358の出力はオア回路363を
介してアンド回路349に加えられる。短7度の
ベース音を示すアンド回路359の出力はアンド
回路350に加えられる。長6度のベース音を示
すアンド回路360の出力はアンド回路351に
加えられる。完全5度のベース音を示すアンド回
路361の出力はアンド回路352に加わる。3
度のベース音を示すアンド回路362の出力はア
ンド回路353及び354に加わる。前述のよう
に、アンド回路353及び354には長3度また
は短3度のどちらか一方のノートタイミングデー
タのみが加えられるので、3度を示すアンド回路
362の出力によつて長3度または短3度のデー
タどちらか一方だけが選択される。 ベースパターンデータBassPTが発生している
ときに、アンド回路357〜362のいずれか1
つだけから出力“1”が生じる。従つて、アンド
回路349〜354においては、ベースパターン
データBassPTによつて示された度数に対応する
シフトレジスタ41の唯一つのステージからのノ
ートタイミングデータを選択する。アンド回路3
49〜354の出力はオア回路364で多重化さ
れた後アンド回路365に加えられる。アンド回
路365の他の入力には、第14図に示す下鍵域
キーオンメモリ39から供給される下鍵域エニイ
キーオン信号LKAKOと、キー走査回路11のオ
ア回路146(第7図)から供給される信号BT
0.1(第8図)が加わる。アンド回路365の
出力はベース音キーデータKPとして多重化ライ
ン348を介して出力される。 信号BT0.1をアンド回路365に入力した
理由は、信号BT0.1が“1”となるブロツク
タイミングBT0及びBT1の12キー時間の間での
みベース音キーデータKPを発生させ、この間で
ベース音の発音割当て処理を行うようにするため
である。下鍵域エニイキーオン信号LKAKOをア
ンド回路365に入力した理由は、下鍵域で何ら
かの鍵が押圧されているときのみベース音キーデ
ータKPを発生させて自動ベース音を発生させる
ためである。尚、第14図に示したように、メモ
リモード(Mが“1”)のときは、離鍵後も下鍵
域エニイキーオン信号LKAKOが発生され続ける
ので、ベース音キーデータKPが離鍵後において
も発生されるようになつている。従つて、メモリ
モードのときは下鍵域の音(和音)のみならずベ
ース音も、離鍵後においても発生し続ける。 尚、ベースパターンデータBassPTのすべての
ビツトがオア回路366に入力されており、この
オア回路366の出力がベースタイミング信号
BTとして出力される。このベースタイミング信
号BTは、何らかのベースパターンデータBassPT
が発生している間、すなわちベース音を発音すべ
きときに“1”となる。 例えば、根音シフトレジスタ41に記憶されて
いる根音がCであるとし、ベースパターンデータ
BassPTが5度を指定しているとすると、第16
図のKPに示すようにブロツクタイミングBT0の
Gのノートタイミングでベース音キーデータKP
が“1”となる。この場合、アンド回路352が
動作可能となり、シフトレジスタ41のステージ
Q5の出力がベース音キーデータKPとして選択
出力されるようになつている。根音Cのノートタ
イミングでレジスタ41に“1”が入力されたと
きから5キー時間後にステージQ5から“1”が
出力されるので、Cのノートタイミングの5キー
時間後のG(すなわちCの5度上の音)のノート
タイミングでキーデータKPが発生する。 和音検出制御回路30(第12図)から供給さ
れる根音データRTLDは根音変更検出回路367
にも入力される。根音変更検出回路367におい
て、アンド回路370は根音が変更されたことを
検出する回路である。遅延フリツプフロツプ36
8はアンド回路370の出力“1”(すなわち根
音が変更されたこと)を記憶するためのもので、
アンド回路369及びオア回路371を介してそ
の記憶を保持する。アンド回路370には新しい
根音データRTLDと根音シフトレジスタ41の第
12ステージQ12から出力される古い根音データ
RTLD′を反転した信号とが入力される。従つ
て、今回検出された根音名が前回検出し記憶して
いる根音名と異なる場合は、新しい根音データ
RTLDが“1”となるノートタイミングにおいて
古い根音データRTLD′は“0”(古い根音のノー
トタイミングでないので)であり、アンド回路3
70の条件が成立し、アンド回路370の出力
“1”がオア回路371を介して遅延フリツプフ
ロツプ368に取込まれる。 ところで、前述のように、根音データRTLDは
複数のノートタイミングで発生することがあり、
その場合、先に到来した根音データRTLDは根音
シフトレジスタ41には記憶されない偽の根音デ
ータである。しかし、偽の根音データRTLDに対
してもアンド回路370の条件は成立し、遅延フ
リツプフロツプ368に“1”が取込まれてしま
う。このため、根音データRTLDをノア回路37
2で反転した信号を自己保持用のアンド回路36
9に加えるようにしている。従つて、偽の根音デ
ータRTLDによつて遅延フリツプフロツプ368
に“1”が取込まれたとしても、その後に到来す
る真の根音データRTLDによつてノア回路372
の出力を“0”にしてアンド回路369を不動作
にし、偽の根音変更記憶をクリアする。 真の(すなわち最後着の)根音データRTLDの
後には根音データRTLDは生じないので、真の根
音データRTLDに関するアンド回路370の出力
が遅延フリツプフロツプ368で記憶保持され
る。ノア回路372の他の入力には走査サイクル
パルス4.5Mが加えられており、このパルス4.5M
が発生するブロツクタイミングBT0の最初のノ
ートタイミングにおいて、遅延フリツプフロツプ
368の記憶がクリアされる。従つて、根音が変
更された場合は、根音データRTLDが発生するブ
ロツクタイミングBT10乃至BT13からパルス
4.5Mの発生直前のブロツクタイミングBT15ま
での間、オア回路371の出力は“1”となる。 オア回路371の出力はアンド回路373に加
わる。アンド回路373の他の入力にはCノート
タイミング信号CNTと信号BT14.15(第8
図)がキー走査回路11(第7図)から供給され
る。従つて、ブロツクタイミングBT14におけ
るCのノートタイミングにおいてアンド回路37
3が動作可能となり、オア回路371からの根音
変更信号(変更のとき“1”)を導通して、オア
回路374を介して遅延フリツプフロツプ375
に記憶する。ブロツクタイミングBT14のCノ
ートタイミングは、和音不成立時において発生す
る根音データRTLDの最後の有効タイミングであ
り、このときになれば、根音変更の有無が確実に
判明している。 遅延フリツプフロツプ375の出力はアンド回
路376からオア回路374を介して自己保持さ
れる。オア回路374の出力は、根音変更が記憶
されると持続的に“1”となり、アンド回路37
7に加えられる。アンド回路377の他の入力に
はオア回路366からのベースタイミング信号
BTが加わる。アンド回路377の出力はオア回
路363を経由し、1度(根音)のベース音を指
示する信号としてアンド回路349に加えられ
る。また、オア回路374の出力はインバータ3
78で反転され、7度あるいは6度あるいは5度
あるいは3度のベースパターンデータをデコード
するためのアンド回路359,360,361,
362に夫々入力される。 従つて、根音が変更されたときは、その直後に
発生されるベースパターンデータBassPTのタイ
ミングにおいて、該データBassPTが発生してい
る間中(信号BTが“1”)、アンド回路377か
ら“1”が出力され、アンド回路349を介して
1度のノートタイミングでベース音キーデータ
KPを発生する。そのとき、ベースパターンデー
タBassPTが1度あるいは8度以外の音程を指定
していたとしても、インバータ378の出力
“0”によつてそのデータBassPTのデコード出
力が阻止される。 オア回路366から出力されるベースタイミン
グ信号BTは遅延フリツプフロツプ379で1キ
ー時間遅延されてナンド回路381に入力される
と共に、インバータ380で反転されてナンド回
路381に入力される。ベースタイミング信号
BTが“0”に立下つたとき、すなわち1つのベ
ース発音タイミングが終わつたとき、1キー時間
の間だけナンド回路381の条件が成立し、その
1キー時間の間だけ該ナンド回路381の出力が
“0”となる。このナンド回路381の出力
“0”によりアンド回路376が不動作となり、
遅延フリツプフロツプ375における根音変更記
憶信号(“1”)がクリアされる。こうして、根音
が変更された場合は、変更直後のベース音発音タ
イミングで強制的に根音を発音することにより、
根音が変更されたこと(和音が変わつたこと)を
印象づけるようにしている。 オートリズム装置45(第1図)から供給され
るリズムストツプ信号RSTPあるいはイニシヤル
クリア信号ICがオア回路382を介してオア回
路374に入力され、上述の根音変更信号と同様
に遅延フリツプフロツプ375に記憶されるよう
になつている。リズムストツプ信号RSTPは、リ
ズム選択スイツチがすべてオフになつたときある
いはリズムラン信号RUNが“0”になつたと
き、すなわちオートリズム装置45内のパターン
発生回路46(第1図)からパターンデータ
(BassPT)を発生し得ない状態(リズムストツ
プ状態)となつたとき、“1”に立上る。従つ
て、リズムストツプ状態になると、信号RSTPの
“1”が遅延フリツプフロツプ375に記憶保持
され、オア回路374の出力が“1”となる。リ
ズムストツプ状態のときはベースパターンデータ
BassPTが発生されないので、ベースタイミング
信号BTも発生せず、アンド回路377の条件は
成立しない。しかし、リズムストツプ状態が解除
されて、最初のベースパターンデータBassPTが
発生されるとアンド回路377の条件が成立す
る。従つて、リズム演奏開始時は、前述の根音変
更の時と同様に、最初のベース音として1度のベ
ース音が強制的に発音される。 ベース音のオクターブコードB1′,B2′,B
3′はオクターブコード形成回路383で形成さ
れる。ベース音域を次のように設定したいという
要求に応え得るようにオクターブコード形成回路
383は構成される。 ベース音域設定要求 (1) 根音(1度)はC2,C#2,D2……B2
の音域とする。 (2) 8度の従音(1オクターブ上の根音)はC
3,C#3,D3……B3の音域とする。 (3) 8度以外の従音(3度、5度、6度、あるい
は7度)は、原則として根音と同じ音域C2〜
B2とするが、根音よりも低音になる場合は1
オクターブ上の音域C3〜B3とする。 上記(3)の要求を満たすことにより、従音はすべ
て根音よりも高音側で発生されることになり、
「ウオーキング・ベース」が可能となる。ところ
で、C(すなわちC2音)を根音とする場合は根
音よりも低音になる可能性のある従音はもともと
存在しないこと(C2が最低音であるため)、あ
るいは前記第5表に示すようにこのシステムでは
C2(あるいはC3)のオクターブコードB1〜
B3の値は他のC#2〜B2(あるいはC#3〜
B3)のオクターブコードB1〜B3の値と異な
ること、などから、上記要求(1)〜(3)を満たすため
の処理をすべての根音名(C〜B)に共通に行う
ことはできない。そこで、根音がCの場合とそれ
以外(C#〜B)の場合とでは下記第7表のよう
に異なる態様でオクターブコードB1〜B3を決
定するようにしている。オクターブコードB1〜
B3の決定(形成)にあたつては第7表の事象a
〜gのいずれか1つが適用される。
【表】 第7表においてBQ1,BQ2の欄には、オクタ
ーブコード形成回路383内のオア回路384及
びアンド回路385から発生される信号BQ1及
びBQ2の状態を示してある。音域の欄に示した
音C2,C3あるいは音域C#2〜B2等は、
各々の事象a〜gにおいて発生される可能性のあ
るベース音の音域を示している。例えば、根音が
Cの事象aにおいては根音としてC2の音が発生
されることを意味する。また、根音がC以外の事
象dにおいては根音としてC#2乃至B2の音が
発生されることを意味する。上記要求(1)〜(3)を満
たすには自ずから第7表のように音域を定めなけ
ればならないのである。そして、その音域を得る
には、前記第5表のオクターブコード表から明ら
かなように、第7表のオクターブコードB1〜B
3の欄に示すようにオクターブコードB1〜B3
の値を定めればよいのである。オクターブコード
形成回路383においては、信号BQ1,BQ2の
値に応じて第7表に示すような関係でオクターブ
コードB1〜B3を発生し得るように、排他オア
回路386、アンド回路387、インバータ38
8,389により構成されている。尚、第7表の
根音C以外の場合における「根音よりも高い従
音」あるいは「根音よりも低い従音」においては
音名Cを最高音としC#を最低音として判断する
ようにしている。 発生しようとするベース音(7度、6度、5
度、あるいは3度の従音)が根音よりも高いか低
いかは、根音シフトレジスタ41から出力される
根音データRTLD′のノートタイミングとベース
音キーデータKP(発生しようとする従音のノー
トタイミングを示している)の発生タイミングと
の先後関係から判断するようにしている。ライン
348のベース音キーデータKPがアンド回路3
90に加わり、更にこのアンド回路390の出力
がアンド回路391,392,393に加わるよ
うにし、形成されたオクターブコードB1,B
2,B3をこのベース音キーデータKPのノート
タイミングで該アンド回路391,392,39
3を介して選択することによりベース音のオクタ
ーブコードB1′,B2′,B3′を発生するよう
にしている。このベース音キーデータKPの発生
タイミングでオクターブコードB1′,B2′,B
3′を取り出すことが、従音の動的な(タイミン
グによる)高低判断の一助となつている。尚、ア
ンド回路390にはタイミング信号発生回路20
のアンド回路118(第2図)から供給されるベ
ースチヤンネルタイミング信号PchT(第6図参
照)も加えられているが、これはベース音の割当
て処理のため、すなわちベース音割当て用のチヤ
ンネルタイミングでオクターブコードB1′〜B
3′が出力されるようにするため、である。 遅延フリツプフロツプ394、アンド回路39
5,396、オア回路397から成る回路は1オ
クターブ上げるべきことを記憶する回路であり、
1オクターブ上げるべき従音(または8度音)の
ノートタイミングで“1”を出力する。アンド回
路395及び396には走査サイクルパルス
4.5Mを反転した信号が入力される。アンド回路
396の他の入力には根音シフトレジスタ41か
ら出力される根音データRTLD′が加えられる。
走査サイクルパルス4.5Mは最高鍵C7の走査タ
イミングすなわちブロツクタイミングBT0にお
けるCのノートタイミングで“1”となる。従つ
て、ブロツクタイミングBT0のときに発生する
Cの根音データRTLD′はアンド回路396で阻
止され、遅延フリツプフロツプ394に記憶され
ない。尚、ブロツクタイミングBT2のCのノー
トタイミングではパルス4.5Mは“0”であるの
で、そのときにCの根音データRTLD′は遅延フ
リツプフロツプ394に記憶されるが、オクター
ブコードB1′〜B3′はベース音キーデータKP
にもとづいてブロツクタイミングBT0,BT1の
ときのみ出力されるので、ブロツクタイミング
BT2以降BT15までの遅延フリツプフロツプ3
94の状態は全く無意味なものである。根音デー
タRTLD′がC以外のノートタイミングで“1”
となるきは、走査サイクルパルス4.5Mは“0”
となるので、アンド回路396を介してその根音
ノートタイミングで“1”が取り込まれる。取り
込まれた“1”は遅延フリツプフロツプ394及
びアンド回路395を介して、以後自己保持され
る。次の走査サイクルの始めに発生するパルス
4.5Mによつてアンド回路395が不動作となり
自己保持がクリアされる。従つて、オクターブコ
ードB1′〜B3′を発生するブロツクタイミング
BT0,BT1の間でみると、根音ノートタイミン
グ以前(高音順に走査するので、根音より高音の
ノートタイミング)では遅延フリツプフロツプ3
94の出力は“0”であり、1オクターブ上げな
くてもよいことを示す。しかし、根音ノートタイ
ミング以後(根音より低音のノートタイミング)
では遅延フリツプフロツプ394の出力は“1”
となり、1オクターブ上げるべきことを示す。 尚、ベースパターンデータBassPTが8度であ
ることを示すアンド回路357の出力B8がオア
回路397を介して遅延フリツプフロツプ394
に記憶されるようになつている。従つて、8度の
ベース音を発生すべきときは、遅延フリツプフロ
ツプ394の出力は常に“1”となり、1オクタ
ーブ上げるべきことを示す。 次に、前記第7表に示した各事象(a〜g)別
にオクターブコード形成回路383の動作を説明
する。 根音がCのときは、根音データRTLD′はCの
ノートタイミングで“1”となる。従つて、前述
の通り、ブロツクタイミングBT0及びBT1のと
き遅延フリツプフロツプ394に“1”は記憶さ
れない。事象aの場合、ブロツクタイミングBT
0における根音すなわちCのノートタイミング
(第16図参照)では、根音データRTLD′とCノ
ートタイミング信号CNT(第8図)を入力した
アンド回路385の条件が成立し、その出力信号
BQ2が“1”となる。そのとき、パルス4.5Mに
よつてアンド回路395及び396が不動作とな
るので、オア回路397からアンド回路398に
与えられる信号は“0”である。また、Cノート
タイミング信号CNTを反転した信号“0”を入
力したアンド回路399の出力も“0”であり、
両アンド回路398,399の出力を入力したオ
ア回路384の出力信号BQ1も“0”である。
従つて、根音Cのノートタイミングにおいて、信
号BQ1は“0”、BQ2は“1”となる。両信号
BQ1,BQ2を入力した排他オア回路386の出
力(オクターブコードのビツトB1)は“1”、
信号BQ1と信号BQ2をインバータ388で反転
した信号を入力したアンド回路387の出力(オ
クターブコードのビツトB2)は“0”、このア
ンド回路387の出力“0”をインバータ389
で反転した信号(オクターブコードのビツトB
3)は“1”、となる。従つて、“1”,“0”,
“1”という値のオクターブコードB3,B2,
B1がアンド回路391〜393に入力される。
事象aの場合は、ベース音キーデータKPは根音
Cのノートタイミングで“1”となるので、Cの
ノートタイミングで形成された上述の“1”,
“0”,“1”という値がアンド回路391〜39
3で選択され、オクターブコードB3′,B2′,
B1′として得られる。これはC2のオクターブ
音域を示している。 事象bの場合、ブロツクタイミングBT0のC
のノートタイミングでは前述のようにアンド回路
385の条件が成立し、信号BQ2が“1”とな
る。一方、8度を示す信号B8が“1”となるの
で、オア回路397からアンド回路398に与え
られる信号はベース発音中は常に“1”であり、
信号CNTが発生するCのノートタイミングにお
いてアンド回路398の出力BQ1が“1”とな
る。BQ1とBQ2が共に“1”の場合は、排他オ
ア回路386の出力B1は“0”、アンド回路3
87の出力B2は“0”、インバータ389の出
力B3は“1”である。従つて、ベース音キーデ
ータKPが“1”となる8度すなわち根音Cのノ
ートタイミングでは、“100”という値のオクター
ブコードB3′,B2′,B1′が得られる。これ
はC3のオクターブ音域を示している。 事象cの場合、発生すべき従音はC以外の音名
である。C以外のノートタイミングでは信号
CNTは“0”であり、アンド回路385及び3
98の出力は“0”となる。アンド回路399は
動作可能となるが、根音Cの場合は遅延フリツプ
フロツプ394の出力は“0”であるためアンド
回路399の出力も“0”となる。従つて、信号
BQ1とBQ2が共に“0”となり、排他オア回路
386の出力B1は“0”、アンド回路387の
出力B2も“0”、インバータ389の出力B3
は“1”、となる。従つて、C以外のノートタイ
ミングで“1”となる従音のベース音キーデータ
KPのタイミングで“100”という値のオクターブ
コードB3′,B2′,B1′が出力される。これ
は従音がC#2〜B2の音域となることを示して
いる。 根音がC以外のときは、根音データRTLD′が
“1”になるときCノートタイミング信号CNTは
“0”であるので、アンド回路385の出力BQ2
は常に“0”である。また、前述のように根音デ
ータRTLD′はアンド回路396、オア回路39
7を介して遅延フリツプフロツプ394に記憶さ
れる。根音のノートタイミングで遅延フリツプフ
ロツプ394に“1”が入力されると、1キー時
間遅れて該遅延フリツプフロツプ394の出力が
“1”に立上る。一例として、根音がGのときの
遅延フリツプフロツプ394の出力(Q)を第1
6図の394−Qに示す。走査サイクルパルス
4.5Mのタイミングで古い記憶がクリアされる
と、その1キー時間後のBのノートタイミングに
おいて遅延フリツプフロツプ394の出力が
“0”に立下る。Gのノートタイミングで発生し
た根音データRTLD′の“1”が取り込まれる
と、その1キー時間後のF#のノートタイミング
で遅延フリツプフロツプ394の出力が“1”に
立上る。従つて、ブロツクタイミングBT0,BT
1において、根音(G)よりも高音(B〜G#)
のノートタイミングでは遅延フリツプフロツプ3
94の出力は“0”であり、低音(F#〜C#)
のノートタイミングでは遅延フリツプフロツプ3
94の出力は“1”となる。 まず、事象dの場合、根音(C以外の音)のノ
ートタイミングでは信号CNTが常に“0”であ
り、アンド回路399からオア回路384を介し
て遅延フリツプフロツプ394の出力が信号BQ
1として与えられる。第16図の394−Qにも
示したように根音のノートタイミングでは遅延フ
リツプフロツプ394の出力はまだ“0”であ
る。従つて信号BQ1とBQ2が共に“0”であ
り、前述の事象cのときと同様に、オクターブコ
ードB3,B2,B1の値は“100”となる。根
音のノートタイミングで“1”となるキーデータ
KPにもとづいて上記値“100”がオクターブコー
ドB3′,B2′,B1′として出力される。これ
は、根音の音域がC#2〜B2となることを示し
ている。 事象eの場合、8度を示す信号B8がベース音
(8度音)発音中は常に“1”となるので、遅延
フリツプフロツプ394の出力が常に“1”とな
り、アンド回路399からオア回路384を介し
て得られる信号BQ1は常に“1”となる。信号
BQ1が“1”で、BQ2が“0”の場合は、排他
オア回路386の出力B1は“1”、アンド回路
387の出力B2も“1”、インバータ389の
出力B3は“0”、となる。従つて、8度すなわ
ち根音のノートタイミングでベース音キーデータ
KPが“1”となるとき、“011”という値のオク
ターブコードB3′,B2′,B1′が出力され
る。これは根音の1オクターブ上の音域C#3〜
B3を示している。 事象fの場合、根音よりも高い従音のノートタ
イミングはブロツクタイミングBT0,BT1にお
いて根音のノートタイミングよりも先に発生す
る。従つて、根音よりも高い従音のベース音キー
データKPが発生されたとき、遅延フリツプフロ
ツプ394にはまだ“1”が記憶されていないの
で(第16図の394−Q参照)、オア回路38
4の出力BQ1は“0”である。ブロツクタイミ
ングBT0,BT1における音高順位はCが最高
(最先)であり、以下B,A#……C#の順であ
る。根音より高い従音がC以外の音すなわちB,
A#,……D(C#は最低音すなわちBT1の最
後のノートタイミングであるので根音より高い従
音になることはあり得ない)の場合、信号CNT
が“0”のときにアンド回路399が動作可能と
なり、遅延フリツプフロツプ394の出力“0”
が信号BQ1として使用される。このとき信号BQ
1,BQ2が共に“0”であることにより、前記
事象cの場合と同様に、オクターブコードB3,
B2,B1として“100”が得られる。従つて、
根音C#2〜B2よりも高い従音のオクターブ音
域は根音と同じD2〜B2である。根音よりも高
い従音がCの場合、信号CNTが“1”のときに
アンド回路398が動作可能となりオア回路39
7の出力が信号BQ1として使用される。ブロツ
クタイミングBT0においてCノートタイミング
信号CNTが発生するときはパルス4.5Mも発生す
るので、アンド回路395,396からオア回路
397に与えられる信号は“0”であり、信号
BQ1は“0”である。従つてオクターブコード
B3,B2,B1として“100”が得られ、従音
としてのCは必らずC3の音高で発生される。 事象gの場合、根音よりも低い従音のノートタ
イミングはブロツクタイミングBT0,BT1にお
いて根音のノートタイミングよりも後に発生す
る。従つて、根音よりも低い従音のベース音キー
データKPが発生されたときは、遅延フリツプフ
ロツプ394に既に“1”が記憶されており(第
16図の394−Q参照)、アンド回路399か
らオア回路384を介して出力される信号BQ1
は“1”となる。信号BQ1が“1”でBQ2が
“0”のときは、前記事象eの場合と同様に、オ
クターブコードB3,B2,B1として“011”
が得られ、C#3〜C4の音域が設定される。但
し、前述のようにCは根音よりも高い従音として
処理され、かつBはC以外の根音においてその根
音より低い従音とはなり得ないことから、このオ
クターブコードB3,B2,B1(“011”)によ
つて定められる根音よりも低い従音の音域はC
#3〜A#3である。これは根音の音域C#2〜
B2よりも1オクターブ上の音域である。 ベース音キーデータ形成回路42から発生され
たベース音キーデータKPは第10図に示す発音
割当て制御部19のアンド回路172に供給され
る。アンド回路172の他の入力には1キー時間
の後半を示す後半期間信号H2と、タイミング信
号発生回路20(第2図)から供給されるベース
チヤンネルタイミング信号PchT(第6図)が加
えられる。従つて、ブロツクタイミングBT0,
BT1内の所要のノートタイミングにおいてベー
ス音キーデータKPが発生すると(第16図のKP
参照)、そのキーデータKPが発生している1キー
時間内の後半の11ビツトタイムにおける2番目の
チヤンネルタイミング(PchTの発生タイミン
グ)においてアンド回路172の条件が成立し、
該アンド回路172の出力“1”にもとづいてオ
ア回路174からロード信号LDが発生される。
このロード信号LDにより、カレントキーオンメ
モリ177及びキーオンメモリ178にベースチ
ヤンネルタイミング(PchT)に対応して“1”
が取込まれる。 また、ロード信号LDは第9図に示すキーコー
ドメモリ24に供給される。ベース音キーデータ
KPが発生する1キー時間内の前半及び後半の11
ビツトタイムにおけるベースチヤンネルタイミン
グにおいては、第15図のオクターブコード形成
回路383内のアンド回路390の条件が成立
し、そのベースチヤンネルタイミング(PchT)
に同期してオクターブコードB1′〜B3′が出力
される。このオクターブコードB1′〜B3′は第
9図のオクターブコード変換回路26に供給さ
れ、オア回路400,401,402を夫々経由
してアンド回路403,404,405に夫々入
力される。オクターブコード変換回路26内のア
ンド回路406には、ベースチヤンネルタイミン
グ信号PchTとベース音キーデータ形成回路42
(第15図)から供給されるベースタイミング信
号BTと下鍵域キーオンメモリ39(第14図)
から供給される下鍵域エニイキーオン信号
LKAKOが入力される。アンド回路406の出力
はオア回路156を介してアンド回路403〜4
05に加わる。 従つて、何らかの鍵が下鍵域で押圧されており
(LKAKOが“1”)、かつ、ベース音を発音すべ
きとき(BTが“1”)、ベースチヤンネルタイミ
ングにおいて(PchTが“1”)、アンド回路40
3〜405が動作可能となり、オア回路400〜
402を介して与えられるベース音のオクターブ
コードB1′〜B3′を選択し、オア回路157〜
159を介して出力する。このとき、インバータ
155の出力“0”により走査キー表示ライン1
2から与えられるオクターブコードB1〜B3は
アンド回路152〜154で阻止される。 ベース音のオクターブコードB1′〜B3′がオ
クターブコード変換回路26から選択出力される
タイミングは、ベースチヤンネルタイミングに対
応してベース音割当てのためのロード信号LDが
発生されるタイミングに一致している。 また、このとき走査キー表示ライン12に供給
されているノートコードN1〜N4は、現在の
(すなわちベース音キーデータKPが発生している
今現在の)ノートタイミングがどの音名に相当す
るかを、すなわちベース音の音名を、表わしてい
る。これは、前述の第12図の和音検出制御回路
30あるいは第15図の自動ベースコード処理回
路40における処理がすべて、キー走査における
ノートタイミング(第8図あるいは第16図参
照)に同期して行なわれていることからも明らか
である。従つて、ベース音割当てのためのロード
信号LDが発生したとき、キーコードメモリ24
の入力側には、発生すべき(割当てるべき)ベー
ス音の音名を示すノートコードN1〜N4とその
ベース音のオクターブ音域を示すオクターブコー
ドB1〜B3,B1′〜B3′が与えられており、
このベース音を示すキーコードN1〜B3がロー
ド信号LDの発生タイミングであるベースチヤン
ネルのタイミングに同期して該キーコードメモリ
24に取込まれ、記憶される。こうして、ベース
音は信号PchTによつて指示される専用の1つの
チヤンネルに割当てられる。 尚、カレントキーオンメモリ177(第10
図)にはベースチヤンネルのタイミングで一旦
“1”が取込まれるが、これは無意味なデータで
ある。何故なら、ベース音割当て処理のためにカ
レントキーオンメモリ177の出力(KON′)を
使用することはないからである。キーオンメモリ
178にベースチヤンネルのタイミングで記憶さ
れた“1”は、ベース音を発音すべきことを示す
キーオン信号KO1として利用される。このベー
スチヤンネルのキーオン信号KO1はアンド回路
181を介して記憶保持される。アンド回路18
1の他の入力にはアンド回路407の出力がオア
回路408を介して与えられる。アンド回路40
7には前述のアンド回路406(第9図)と同様
に、下鍵域エニイキーオン信号LKAKO、ベース
タイミング信号BT、ベースチヤンネルタイミン
グ信号PchTが入力される。信号LKAKO及びBT
が“1”のときは、信号PchTの発生タイミング
毎にアンド回路407を介してアンド回路181
が動作可能となり、ベースチヤンネルのキーオン
信号KO1を記憶保持する。ベース発音タイミン
グが終了してベースタイミング信号BTが“0”
に立下つたとき、あるいは下鍵域ですべての鍵が
離鍵されたとき(LKAKOが“0”)に、ベース
チヤンネルのキーオン信号KO1がクリアされ
る。前述のように、信号LKAKOはメモリモード
のときは離鍵後も“1”を保持するので(第14
図参照)、ベース音にもメモリ機能が適用され
る。 シングルフインガーモードにおける和音検出 シングルフインガーモード(SF)において
は、鍵盤の下鍵域は、発音すべき音そのものを指
定するのではなく、和音の根音と和音種類を指定
するために使用される。従来は、シングルフイン
ガーモードにおける根音指定と和音種類指定は
別々の鍵盤(例えば下鍵盤とペダル鍵盤)あるい
はスイツチ列を用いて行うようにしていたが、こ
の発明の電子楽器では一つの(一列の)鍵盤(下
鍵域)を用いて両方を指定し得るようにしてい
る。 すなわち、下鍵域F#3〜C2において、根音
名に対応する1つの鍵を最端音(この実施例では
最高音としているが、最低音としてもよい)とし
て押圧し、それ以外の鍵で和音種類を指定するも
のとしている。詳しくは、根音名を最高音として
押鍵する場合は、その根音鍵よりも低音側の鍵で
和音種類を押鍵するものとする。和音種類の指定
方法は、白鍵を押圧することによりセブンス和音
を指定し、黒鍵を押圧することによりマイナ和音
を指定し、根音鍵以外は何も押圧しないことによ
りメジヤ和音を指定するものとする。尚、和音種
類の指定方法は白鍵と黒鍵で区別する方法に限ら
ず他の適当な方法、例えば鍵域で区別する等、を
採用することもできなくはない。 第12図の和音検出制御回路30内のSF根音
検出優先回路32では、1走査サイクルの下鍵域
キーデータLKKDにおいて最初に“1”となる
(先頭の)ノートタイミングすなわち下鍵域の最
高押圧鍵の走査タイミングを優先検出することに
より、シングルフインガーモード演奏において指
定されている根音名を検出する。キー走査は高音
順に行われているので、最初に“1”になつたノ
ートタイミングが最高押圧鍵のキー走査タイミン
グである。 SF根音検出優先回路32の遅延フリツプフロ
ツプ271の記憶はキヤンセル信号(第8
図参照)によつて下鍵域走査タイミング(第8図
参照)の前にクリアされている。下鍵域で押圧さ
れている最高音のキー走査タイミング以前では、
下鍵域キーデータLKKDは“0”であり、遅延フ
リツプフロツプ271の状態は“0”である。下
鍵域最高押圧鍵のキー走査タイミングになると、
下鍵域キーデータLKKDは“1”となる。このと
き、遅延フリツプフロツプ271はその1キー時
間前のキー走査結果“0”を遅延出力しており、
インバータ273の出力は“1”となつている。
また、アンド回路274に加えられているシング
ルフインガーモード信号SFはシングルフインガ
ーモードのとき“1”である。従つて、インバー
タ273の出力及び下鍵域キーデータLKKDが入
力されたアンド回路274は、1走査サイクルで
下鍵域キーデータLKKDが最初に“1”となつた
ときに、すなわち下鍵域最高押圧鍵の走査タイミ
ング(ノートタイミング)で、“1”を出力す
る。 最高押圧鍵の次のキー走査タイミングでは、遅
延フリツプフロツプ271の出力が“1”に立上
り(最高音キーデータを1キー時間遅延したも
の)、以後、次の走査サイクルでキヤンセル信号
が“0”になるまで“1”を保持する。従
つて、下鍵域最高押圧鍵よりも低音側の(キー走
査順位が後の)鍵の走査タイミングでキーデータ
LKKDが“1”になつても、遅延フリツプフロツ
プ271の出力“1”を反転したインバータ27
3の出力“0”により、それらの低音側のキーデ
ータLKKDはアンド回路274で阻止される。こ
うして、下鍵域最高押圧鍵のキーデータ
(LKKD)のみが優先選択され、アンド回路27
4から出力される。アンド回路274の出力は、
シングルフインガーモード演奏における和音の根
音のノートタイミングを示すデータSFRTLDと
してアンド回路409に加わり、更にオア回路2
97を経由して根音データRTLDとして出力され
る。 アンド回路409の他の入力にはオア回路41
0を介して下鍵域エニイニユーキーオン信号
LANKOが加えられる。この信号LANKOは、前
述の通り、第13図の下鍵域ニユーキーオン検出
回路38から供給されるものである。 ここで、下鍵域でC3の鍵とA#2の鍵(黒
鍵)が押圧されているものとして、下鍵域キーデ
ータLKKDの発生例及び遅延フリツプフロツプ2
71の出力271−Q及びアンド回路274の出
力SFRTLDの一例を第17図に示す。時分割多
重化データである下鍵域キーデータLKKD(ブロ
ツクタイミングBT7からBT10の1キー時間目
までの間で発生する)の先頭に現われるC3のタ
イミングでデータSFRTLDが発生し、その次の
タイミングで遅延フリツプフロツプ271の出力
271−Qが“1”に立上ることによりA#2の
キーデータはアンド回路274で阻止される。 第13図を参照して既に説明したように、下鍵
域エニイニユーキーオン信号LANKOは、新たに
押圧された鍵(ニユーキー)の走査タイミングか
ら“1”に立上り、以後、次の走査サイクルの下
鍵域走査タイミングの前にキヤンセル信号
によつてクリアされるまで“1”を持続する信号
である。従つて、下鍵域最高押圧鍵が初めて押圧
されたものであれば、データSFRTLDの発生タ
イミング(最高押圧鍵のタイミング)で信号
LANKOが“1”となるが、そうでなければ最高
押圧鍵データSFRTLDの発生タイミングにおい
ては信号LANKOは“0”である。第17図の例
で、下鍵域最高押圧鍵C3が初めて押圧されたの
であればC3の走査タイミングから信号LANKO
が“1”に立上り、そのとき発生したデータ
SFRTLDがアンド回路409(第12図)で選
択され、オア回路297を介して根音データ
RTLDとして出力される。しかし、最高押圧鍵C
3よりも低いA#2の鍵が初めて押圧されたので
あれば、A#2の走査タイミングで信号LANKO
が“1”に立上るので、C3の走査タイミングで
は信号LANKOはまだ“0”であり、データ
SFRTLDはアンド回路409で阻止され、根音
データRTLDは発生されない。エニイニユーキー
オン信号LANKOが全く発生されなかつた場合も
同様に、データSFRTLDは阻止される。従つ
て、シングルフインガーモードにおいては、下鍵
域最高押圧鍵が新たに押圧されたときだけ、すな
わち根音が変更されたときだけ、根音データ
RTLDが出力される。このシングルフインガーモ
ードにおける根音データRTLDは、フインガード
コードモードの場合とは異なり、下鍵域走査タイ
ミング(ブロツクタイミングBT7〜BT9及び最
低鍵走査タイミングCNT)の間に発生される。 第12図において、SF根音検出優先回路32
と下鍵域キーデータレジスタ35との間に設けら
れているインバータ275及びアンド回路269
は、下鍵域キーデータLKKDをレジスタ35に記
憶する際に、優先回路32で優先選択した最高音
(根音)のキーデータ(LKKD)をキヤンセル
し、和音種類を指定するキーデータのみを選択す
るための回路である。アンド回路269の一方入
力に加えられるキーデータLKKDとして最高押圧
鍵のデータ“1”(第17図の例ではC3)が現
われるとき、アンド回路274の出力SFRTLD
は“1”であり、インバータ275の出力は
“0”となる。従つて、最高押圧鍵(すなわち根
音)のキーデータLKKDはアンド回路269で阻
止され、レジスタ35には加えられない。最高押
圧鍵の走査タイミング(SFRTLD)以外はイン
バータ275の出力は“1”であり、低音側の
(すなわち和音種類を指定する)キーデータ
LKKDがアンド回路269で選択されてオア回路
276,277を介してレジスタ35に取込まれ
る。アンド回路269の出力の一例を第17図の
269に示す。最高押圧鍵C3のキーデータがキ
ヤンセルされて、鍵A#2のキーデータだけが選
択されている。 記憶保持用のアンド回路278は下鍵域走査タ
イミングの間動作可能となつているため(
5.6と14.15が“1”)、レジスタ35
に取込まれた和音種類を指定するキーデータは、
12ステージの該レジスタ35内を循環して記憶さ
れる。レジスタ35のステージQ1,Q3,Q
6,Q8,Q10の出力は黒鍵検出用オア回路4
12に入力され、ステージQ2,Q4,Q5,Q
7,Q9,Q11の出力とオア回路277の出力
が白鍵検出用オア回路413に入力される。オア
回路412及び413の出力はマイナ和音メモリ
36のアンド回路414及びセブンス和音メモリ
37のアンド回路415に夫々加えられる。アン
ド回路414及び415の他の入力には最低鍵C
2の走査タイミングを示す信号CLT(第8図)
がキー走査回路11(第7図)から供給される。
最低鍵C2のキー走査タイミングにおいてアンド
回路414及び415が動作可能となり、オア回
路412及び413の出力が該アンド回路41
4,415を介して遅延フリツプフロツプ304
及び305に夫々取込まれる。このとき、信号
CLTを反転したノア回路308の出力“0”に
より、遅延フリツプフロツプ304及び305の
古い記憶状態はクリアされる。次のタイミングで
信号CLTが“0”になると、ノア回路308の
出力が“1”となり、直前に取込んだオア回路4
12及び413の出力信号状態がアンド回路30
6及び307を介して遅延フリツプフロツプ30
4,305で夫々自己保持される。 最低鍵走査タイミング信号CLTが発生したと
きは、キーデータLKKDとして最低鍵C2のデー
タが発生しており、レジスタ35の第12ステージ
Q12から出力されるデータもCのデータ(C3
のキーデータ)である。従つて、オア回路277
から白鍵検出用オア回路413にはCの鍵(下鍵
域のC3あるいはC2)が押圧されているか否か
を示すキーデータ(ノートデータ)が与えられ
る。このとき、レジスタ35のステージQ1乃至
Q11からは、Cの走査タイミングよりも1キー
時間乃至11キー時間前の走査タイミングに対応す
るC#乃至Bのキーデータ(ノートデータ)を
夫々1キー時間乃至11キー時間遅延したものが出
力されている。従つて、ステージQ2,Q4,Q
5,Q7,Q9,Q11からはD,E,F,G,
A,B(すなわち白鍵)のキーデータが夫々出力
されている。また、ステージQ1,Q3,Q6,
Q8,Q10からはC#,D#,F#,G#,A
#(すなわち黒鍵)のキーデータが夫々出力され
ている。 従つて、和音種類を指定する鍵として何らかの
白鍵が押圧されていれば、最低鍵走査タイミング
において(CLTが“1”)、オア回路277の出
力あるいはレジスタ35のステージQ2,Q4,
Q5,Q7,Q9,Q11のいずれかから“1”
が出力され、オア回路413からアンド回路41
5を介してセブンス和音メモリ37の遅延フリツ
プフロツプ305に“1”が記憶される。また、
和音種類を指定する鍵として何らかの黒鍵が押圧
されていれば、最低鍵走査タイミングにおいて、
レジスタ35のステージQ1,Q3,Q6,Q
8,Q10のいずれかから“1”が出力され、オ
ア回路412からアンド回路414を介してマイ
ナ和音メモリ36の遅延フリツプフロツプ304
に“1”が記憶される。また、和音種類を指定す
る鍵が何も押圧されていない場合は、最低鍵走査
タイミングにおいてオア回路412及び413の
出力は共に“0”であり、遅延フリツプフロツプ
304及び305には“0”が記憶される。 前述のように、遅延フリツプフロツプ304及
び305の出力は遅延フリツプフロツプ314及
び315に転送されるが、この転送は遅延フリツ
プフロツプ299に“1”が記憶されたときにだ
け行われる。シングルフインガーモードの場合
は、シングルフインガーモード信号SFによりア
ンド回路411が動作可能となり、オア回路41
0の出力“1”が該アンド回路411及びオア回
路298を介して遅延フリツプフロツプ299に
記憶される。前述のように、オア回路410には
下鍵域エニイニユーキーオン信号LANKOが与え
られている。従つて、下鍵域で何らかの鍵が新た
に押圧されたとき、すなわち根音が変更されたと
き(第17図の例ではC3がニユーキーのとき)
あるいは和音種類が変更されたとき(第17図の
例ではA#2がニユーキーのとき)に遅延フリツ
プフロツプ299に“1”が記憶され、これによ
り遅延フリツプフロツプ314及び315の古い
記憶をクリアして遅延フリツプフロツプ304及
び305の出力を該フリツプフロツプ314及び
315に取込む。 尚、オア回路410の他の入力にはモード切換
制御回路15(第4図)から供給される信号△
を反転した信号ΔFが加えられる。信号△はモ
ード切換時に(フインガードコードモードとシン
グルフインガーモードとの間の切換も含む)、
4.5ms+αの間だけ“0”となる信号であるので
(第5図)、その逆に信号△Fはモード切換時の約
1走査サイクル(4.5ms+α)の間だけ“1”に
なる。この信号△Fはモード切換時にマイナ和音
メモリ36及びセブンス和音メモリ37の記憶デ
ータmin,7thをクリアする働きをする。 例えば、フインガードコードモードからシング
ルフインガーモードに切換わつた場合、パルス
4.5Mのタイミングで信号△Fが“1”に立上る
と(第5図に示すように△が“0”に立下るた
め)、それより1キー時間遅れて信号SFが“1”
に立上る(第4図のラツチ回路14−4参照)。
この信号SFと△Fにもとづいてアンド回路41
1(第12図)の出力は4.5msの間“1”とな
り、遅延フリツプフロツプ299に記憶される。
この遅延フリツプフロツプ299の出力“1”に
もとづいて、遅延フリツプフロツプ314及び3
15に記憶されていたフインガードコードモード
における和音種類データmin,7thがクリアされ
る。このとき遅延フリツプフロツプ304及び3
05から遅延フリツプフロツプ314及び315
に取込まれるデータは“0”である。何故なら、
第4図に示すように、フインガードコードモード
からシングルフインガーモードへのモード切換時
に信号△が“0”になるとき、インバーチ86
からオア回路87を介して信号△(すなわち△
F)と同じ時間幅のモード切換パルス△ABCが
発生されるからである。このモード切換パルス△
ABCによつて、キー走査回路11のアンド回路
142(第7図)において1走査サイクルの間だ
け下鍵域のキーデータ(LKが“1”のときの
KD)が阻止される。従つて、第12図のオア回
路410に入力した信号△Fにもとづいてマイナ
和音メモリ36及びセブンス和音メモリ37をク
リアしたとき、下鍵域キーデータLKKDは発生し
ていず、黒鍵検出用オア回路412及び白鍵検出
用オア回路413から遅延フリツプフロツプ30
4及び305に取込まれるデータは“0”であ
る。 尚、第12図の和音検出制御回路30におい
て、SF和音種類検出部33(第1図)に相当す
る部分は今まで説明した部分すべてであり、参照
符号では、35,36,37,269,275,
299,409〜415等で示された回路部分で
ある。 シングルフインガーモードの和音キーデータ形成 根音データRTLDはフインガードコードモード
の場合と同様に第15図の根音シフトレジスタ4
1に記憶される。フインガードコードモードの場
合と異なる点は、シングルフインガーモードにお
ける根音データRTLDは、下鍵域走査タイミング
(BT7〜BT9及びCLTすなわちBT10の1キー
時間目)において発生するという点と、単一のキ
ー走査タイミングでしか発生しないという点であ
る。根音のノートタイミングで“1”となるデー
タがシフトレジスタ41で順次遅延され、各ステ
ージQ1〜Q11から各度数(7,7b,6,6
b,5,5b,4,3,3b,2,2b)に相当する
従音音名を示すノートタイミングで“1”が出力
されるのは前述の通りである。また、ノア回路3
45とアンド回路346とによつて後着優先回路
が構成されているため、根音の変便によつて新し
い根音データRTLDが与えられると古い根音デー
タRTLD′がクリアされるのも前述と同様であ
る。 シフトレジスタ41のステージQ2及びQ5か
ら出力される短7度(7b)及び完全5度(5)
に対応するデータはSF和音キーデータ形成回路
43内のアンド回路416及び417に夫々入力
される。また、シフトレジスタ41のステージQ
8及びQ9の出力が加えられる長3度(3)と短
3度(3b)の切換用のアンド回路355及び3
56はSF和音キーデータ形成回路43の一部と
もなつている。第12図のマイナ和音メモリ36
から供給されるマイナ和音データminの“1”ま
たは“0”に応じてアンド回路355または35
6において長3度あるいは短3度のどちらか一方
の従音ノートタイミングデータが選択されるのは
前述と同様である。第12図のセブンス和音メモ
リ37から供給されるセブンス和音データ7thが
アンド回路416に加わり、該データ7thを反転
した信号がアンド回路417に加わる。従つて、
セブンス和音のときはデーチ7thが“1”である
からアンド回路416において短7度(7b)に
相当する従音ノートタイミングデータが選択さ
れ、完全5度の従音ノートタイミングデータは選
択されない。セブンス和音でないときはデータ
7thが“0”であるからアンド回路417におい
て完全5度(5)に相当する従音ノートタイミン
グデータが選択され、短7度の従音ノートタイミ
ングデータは選択されない。 アンド回路355,356,416,417の
出力及びオア回路344から出力される根音(1
度)のノートタイミングを示すデータはオア回路
418にてオア合成され、シングルフインガーモ
ードの和音構成音を示す時分割多重化データとし
て1本のライン419に与えられる。ライン41
9のデータはアンド回路420を介してアンド回
路421に供給される。アンド回路420にはシ
ングルフインガーモード信号SFが入力されてお
り、シングルフインガーモードのときだけライン
419の多重化データを選択する。アンド回路4
21の他の入力にはキー走査回路11のオア回路
148(第7図)から供給される信号BT12,
13(第8図)と下鍵域キーオンメモリ39(第
14図)から供給される下鍵域エニイキーオン信
号LKAKOが加えられる。アンド回路421の出
力はシングルフインガー和音キーデータSFKLと
して、第10図のウインドウ回路21内のオア回
路169に供給される。 従つて、シングルフインガー和音キーデータ
SFKLは、シングルフインガーモードのときに
(SFが“1”)、下鍵域で何らかの鍵が押圧されて
いること(LKAKOが“1”)を条件に、ブロツ
クタイミングBT12及びBT13(BT12,1
3が“1”)において発生されるブロツクタイミ
ングBT12,BT13における12キー時間の間に
根音データは根音シフトレジスタ41内を1巡
し、各ステージQ1〜Q12から根音及び各度数
(7,7b,……2b,2)に相当する音名のノー
トタイミングで順次“1”が出力される。各度数
(7,7b,……2b,2)に対応するステージQ
1〜Q11から“1”が出力されるノートタイミ
ング(すなわち各度数に対応する音名)は、根音
データRTLD′のノートタイミング(すなわち根
音名)に応じて定まることは、既にベース音キー
データ形成に関連して説明した通りである。 第17図のSFKLには、下鍵域でC3とA#2
(黒鍵)が押圧された場合に発生される和音キー
データSFKLを示した。指定された和音はCマイ
ナ和音であるので、CとGとD#のノートタイミ
ングにおいてキーデータSFKLは“1”となる。
すなわち、ブロツクタイミングBT12のCのノ
ートタイミングにおいて根音データRTLD′が
“1”となり、アンド回路346、オア回路34
4を介してオア回路418に加えられ、キーデー
タSFKLとして出力される。セブンス和音データ
7thは“0”であるので、根音データRTLD′を2
キー時間遅延したステージQ2の出力はアンド回
路416で選択されない。しかしアンド回路41
7は動作可能であり、Cのノートタイミングデー
タ(RTLD′)を5キー時間遅延したステージQ
5の出力はGのノートタイミング“1”となり、
このステージQ5の出力“1”が該アンド回路4
17からオア回路418に加えられる。従つて、
キーデータSFKLは5度の従音であるGのノート
タイミングで“1”となる。マイナ和音データ
minは“1”であるので、アンド回路355が不
動作、アンド回路356が動作可能となり、Cの
ノートタイミングデータ(RTLD′)を9キー時
間遅延したステージQ9の出力はD#のノートタ
イミングで“1”となり、このステージQ9の出
力“1”がアンド回路356からオア回路418
に加えられる。従つて、キーデータSFKLは短3
度の従音であるD#のノートタイミングで“1”
となる。 尚、メジヤ和音の場合はデータmin,7thが共
に“0”であるので、1度及び5度(アンド回路
417により)及び長3度(アンド回路355に
より)の3音に対応してキーデータSFKLが発生
される。また、セブンス和音の場合はデータmin
が“0”、7thが“1”であるので、1度及び短7
度(アンド回路416により)及び長3度(アン
ド回路355により)の3音に対応してキーデー
タSFKLが発生される。また、マイナセブンス和
音の場合はデータmin,7thが共に“1”である
ので、1度及び短7度及び短3度の3音に対応し
てキーデータSFKLが発生される。 第10図のオア回路169に供給されたキーデ
ータSFKLは下鍵域キーデータKLとして発音割
当て制御部19に供給される。従つて、前述の下
鍵域キーデータKLの割当て処理と同様にして、
下鍵域チヤンネルタイミング信号LchTによつて
示される下鍵域用発音チヤンネルのいずれかに和
音構成音の3音(SFKLによつて示された3音)
が夫々割当てられる。但し、このシングルフイン
ガー和音キーデータSFKLが発生するブロツクタ
イミングBT12及びBT13において、キー走査
回路11からライン12を介して供給されるオク
ターブコードB3,B2,B1の値は“110”で
あり、実際のオクターブ音域(第5表参照)には
対応していない。そのため、第9図のオクターブ
コード変換回路26においてこのオクターブコー
ドB1〜Bの値を所定の音域に対応する値に変更
するようにしている。すなわち、シングルフイン
ガーモード信号SFと信号BT12,13がアンド
回路160に入力され、シングルフインガーモー
ドのとき(SFが“1”)キーデータSFKLが発生
するブロツクタイミングBT12及びBT13
(BT12,13が“1”)において該アンド回路
160の出力が“1”となる。このアンド回路1
60の出力は“1”はインバータ161で反転さ
れ、アンド回路153を不動作にする。このアン
ド回路153にはライン12かり与えられるオク
ターブコードB1〜B3のビツトB2が入力され
ており、このビツトB2の値が強制的に“0”に
変更される。従つてオクターブコード変換回路2
6に入力されたライン12のオクターブコードB
3,B2,B1の値は“110”から“100”に変更
されて出力される。これは前記第5表に示すよう
にC3〜C#2の音域を示すものである。尚、ラ
イン12のノートコードN1〜N4は、キーデー
タSFKLの各ノートタイミングに対応する音名を
示すものであるので、そのまま利用する。従つ
て、この実施例では、シングルフインガーモード
における和音はC3〜C#2の音域で発生され
る。 ところで、シングルフインガーモードの場合は
下鍵域のキーデータKDは実際に発音される和音
構成音を直接示しているわけではない。従つて、
キー走査回路11から与えられる下鍵域のキーデ
ータKDをカレントキーオンメモリ177(第1
0図)で利用することはできない。そのため、カ
レントキーオンメモリ177のクリアのために利
用するキーデータKDを阻止するためにアンド回
路199とナンド回路202(第10図)が設け
られている。、シングルフインガーモードのとき
(SFが“1”)下鍵域走査タイミングにおいて
(LKが“1”)ナンド回路202の出力が“0”
となり、オア回路198を経由して供給される下
鍵域のキーデータKDがすべて阻止される。従つ
て、シングルフインガーモードの場合は、ロード
信号LDによつて下鍵域チヤンネルタイミングで
カレントキーオンメモリ177に“1”が一時的
に取込まれたとしても、その後に同じチヤンネル
タイミングで一致信号EQが比較回路25から発
生されたとき直ちにクリアされる。 キーオンメモリ178における下鍵域チヤンネ
ルのキーオン信号KO1の記憶は、シングルフイ
ンガーモードにおいては下鍵域エニイキーオン信
号LKAKOにもとづいて保持される。第14図に
示す下鍵域キーオンメモリ39から供給された下
鍵域エニイキーオン信号LKAKOが第10図のイ
ンバータ422で反転されてオア回路211に加
わる。メモリモードでない場合は、下鍵域エニイ
キーオン信号LKAKOは下鍵域で何も鍵が押圧さ
れなくなると“0”に立下る。信号LKAKOが
“0”になると、インバータ422の出力が
“1”となり、オア回路211からアンド回路2
12に“1”が加わり、更に下鍵域チヤンネルタ
イミングにおいて(LchTが“1”)アンド回路2
12からノア回路206に“1”が加わる。これ
により、ノア回路206の出力が下鍵域チヤンネ
ルタイミングで“0”となり、下鍵域チヤンネル
のキーオン信号KO1がすべて“0”にクリアさ
れる。 メモリモード(Mが“1”)のときは前述のよ
うに下鍵域エニイキーオン信号LKAKOは“1”
を持続するので、下鍵域で根音及び和音種類を指
定していた鍵が離されても、下鍵域チヤンネルの
キーオン信号KO1はクリアされず、“1”を保
持する。また、このとき第15図のSF和音キー
データ形成回路43内のアンド回路421も信号
LKAKOによつて動作可能となつているのでキー
データSFKLも出続ける。 メモリモードのときは、和音が変更されたとき
にキーオンメモリ178の下鍵域キーオン信号
KO1がクリアされる。和音が変更されると、今
まで下鍵域チヤンネルに割当てられていなかつた
音のキーデータSFKLが発生される。この新たな
キーデータSFKLが発生される1キー時間の間、
下鍵域チヤンネルタイミングにおいて比較回路2
5(第9図)から一致信号EQは発生されない。
従つて、新たなキーデータSFKLが発生した1キ
ー時間の後半の11ビツトタイムにおいて遅延フリ
ツプフロツプ193(第10図)の出力
LKOEXTは“0”であり、インバータ214の
出力が“1”となる。また、下鍵域チヤンネルに
対応するカレントキーオンメモリ177の出力
KON′も既にクリアされて“0”となつている。
従つて、新たなキーデータSFKLが発生した1キ
ー時間の後半の11ビツトタイム(H2が“1”)
において、アンド回路213の条件が成立し、ア
ンド回路212の出力が下鍵域チヤンネルタイミ
ング(LchTが“1”)で“1”となり、下鍵域チ
ヤンネルのすべてのキーオン信号KO1がクリア
される。 一方、和音が変更されない場合は、キーデータ
SFKLが発生する毎にいずれかの下鍵域チヤンネ
ルタイミングにおいて一致信号EQが発生され、
アンド回路183に与えられる。シングルフイン
ガーモードの場合はオア回路187に加わる信号
SFが“1”であり、アンド回路184が動作不
能となり、アンド回路215が動作可能となる。
アンド回路215の他の入力にはキーオンメモリ
178からのキーオン信号KO1が加えられてお
り、その出力はオア回路185を介してアンド回
路183の他の入力に加えられる。従つて、シン
グルフインガーモードの場合はキーオン信号KO
1が発生していることを条件に、上記一致信号
EQがアンド回路183で選択され、遅延フリツ
プフロツプ193に記憶される。この遅延フリツ
プフロツプ193の出力LKOEXT(“1”)によ
りアンド回路213の条件は成立せず、キーオン
信号KO1はクリアされない。尚、メモリモード
において離鍵後も記憶されている和音と同じ和音
を指定する鍵が新たに押鍵されたとしてもキーオ
ン信号KO1はクリアされない。これは、同じ和
音であるため、新たな押鍵にもとづくキーデータ
SFKLに対しても一致信号EQが発生し、離鍵後
も記憶保持されているキーオン信号KO1がアン
ド回路215からオア回路185を介してアンド
回路183に与えられることにより該アンド回路
183を介して一致信号EQが選択され、遅延フ
リツプフロツプ193の出力LKOEXTが“1”
となることによる。このように、シングルフイン
ガーモードのメモリモード時においては、単なる
新たな押鍵ではなく、和音が変更されたときに下
鍵域チヤンネルのキーオン信号KO1がクリアさ
れる。 尚、シングルフインガーモードにおけるベース
音キーデータKPの形成及びその発音割当て処理
は、前述のフインガードコードモードの場合と全
く同様である。シングルフインガーモードの和音
キーデータの形成にあたつては、根音シフトレジ
スタ41(第15図)の内容をブロツクタイミン
グBT12,BT13において利用したが、ベース
音キーデータの形成にあたつては根音シフトレジ
スタ41の同じ内容をブロツクタイミングBT
0,BT1で利用するようにしている。 アルペジヨ音キーデータ形成と発音割当て処理 この実施例では、自動アルペジヨ演奏は自動ベ
ースコード演奏(フインガードコードモードある
いはシングルフインガーモード)に連動して実行
される。下鍵域チヤンネルに割当てられている和
音構成音(根音及び従音)の中からアルペジヨパ
ターンデータArpPTによつて指定された音高順
位の1音(音名)を選択し、その音(音名)のノ
ートコードN1〜N4と所定のオクターブコード
B1″〜B3″を付加して専用のアルペジヨチヤン
ネル(信号AchTによつて示されるチヤンネル)
に割当てることによりアルペジヨ音が発生され
る。第18図に詳細例が示されたアルペジヨ音キ
ーデータ形成回路44では、和音構成音の中から
アルペジヨパターンデータArpPTによつて示さ
れた音高順位の1つの音名を選択し、その音名の
ノートタイミングでアルペジヨ音キーデータKA
を発生すると共にオクターブコードB1″〜B
3″を発生する。アルペジヨパターンデータ
ArpPTによつて示された音高順位の音名の選択
は、和音を構成する各音名のノートタイミングで
“1”となる時分割多重化された和音構成音キー
データAKDの中から所要のノートタイミングで
1つのキーデータを抽出することにより行なわれ
る。 下鍵域チヤンネルに既に割当てられている音の
キーコードN1〜B3(これは第9図のキーコー
ドメモリ24から高速のチヤンネルタイミングに
従つて出力されている)と走査キー表示ライン1
2のキーコードN1〜B3(これはチヤンネルタ
イミングよりも低速のキー走査タイミングに従つ
て出力されている)とにもとづいて上記和音構成
音キーデータAKDを得るようにしており、その
ために、比較回路25及びオクターブコード変換
回路27(第9図)と、一致信号EQを記憶する
遅延フリツプフロツプ193(第10図)と、そ
の出力LKOEXTにもとづいて和音構成音キーデ
ータAKDを発生するARPキーデータ記憶部34
(第1図)とが使用される。ARPキーデータ記憶
部34の詳細例としては、第12図のアンド回路
423と下鍵域キーデータレジスタ35の部分が
これに相当する。 第18図において、アルペジヨ音キーデータ形
成回路44は、キーデータ抽出回路424と同音
名除去回路425とオクターブコード形成回路4
26とを具えている。キーデータ抽出回路424
において行う処理の概略は次の通りである。キー
オンメモリ178(第10図)から同音名除去回
路425を経由して与えられるキーオン信号KO
1(高速のチヤンネルタイミングに従つて各チヤ
ンネルのものが時分割的に与えられている)にも
とづいて下鍵域チヤンネルに割当てられている音
すなわち和音構成音の数nをカウンタ427で加
算計数し、この計数値とオートリズム装置45
(第1図)から与えられるアルペジヨパターンデ
ータArpPTの値とを比較器428で比較し、カ
ウンタ427の計数値とデータArpPTの値が同
じになるかあるいはカウンタ427の計数値の方
が大きくなるまで和音構成音の数nを該カウンタ
427にてN倍(但しNは整数)する。アルペジ
ヨパターンデータArpPTの値は低音側から数え
て何番目の和音構成音をアルペジヨ音として発生
すべきかを示している(すなわち低音側から数え
た音高順位を示している)。また、このアルペジ
ヨパターンデータArpPTは、該データが示す音
高順位のアルペジヨ音を発音すべきタイミング
(期間)に対応して発生される。データArpPTの
値が和音構成音の数nよりも大きいときに、カウ
ンタ427の計数値N・nにおける乗数Nは2以
上の値となる。 カウンタ427において上記計数値N・nを得
るための加算計数が終了すると、今度は、和音構
成音キーデータAKDが発生する毎に(“1”とな
る毎に)カウンタ427に計数値から1を減算す
る。和音構成音キーデータAKDは第12図の下
鍵域キーデータレジスタ35の最終ステージQ1
2から第18図のキーデータ抽出回路424のア
ンド回路429に供給される。このキーデータ
AKDはキー走査によるキーデータKDと同様に高
音側の音名(ノートタイミング)から順に発生す
る時分割多重化されたデータである。減算に入る
前のカウンタ427の計数値N・nは和音構成音
の中の最高音(すなわち最初に現われるキーデー
タAKD)の音高順位に対応している。何故な
ら、和音構成音の数nは最高音の音高順位(低音
側から数えてn番目)に対応しているので、その
整数倍であるN・nも最高音の音高順位に対応す
ることになるためである。最高音に対応する計数
値N・nから順次1減算することにより、1減算
したときの計数値(N・n−1)は最高音の1つ
下の和音構成音の音高順位(低音側から数えて
N・n−1番目)、2減算したときの計数値
(N・n−2)は最高音の2つ下の和音構成音の
音高順位(低音側から数えてN・n−2番目)、
というように順次低音側の音高順位に対応してい
く。また、上記減算を行なわせるキーデータ
AKDも順次低音側に移つていく(高音側から発
生されるため)。従つて、カウンタ427の計数
値N・n−X(但しXは1減算した回数)はその
次に発生する(これから最初に到来する)キーデ
ータAKDの音高順位に対応しており、この計数
値N・n−XとパターンデータArpPTが一致し
ている状態のときに発生された1つの和音構成音
キーデータAKDが該データArpPTによつて指定
された音高順位の音に相当し、そのときの(一致
状態のときの)キーデータAKDがアルペジヨ音
キーデータKAとして抽出される。 上述の事柄を、例えば和音構成音がC,E,G
の3音(n=3)で、パターンデータArpPTの
値が「7」であるとして下記第8表にまとめて例
示する。
【表】 すなわち、「加算」においては、和音構成音の
数n=3がパターンデータArpPTの値「7」と
同じかそれより大きくなるまで整数倍されること
により、カウンタ427の計数値はN・n=3×
3=9となる。「減算」においては、高音側から
発生される和音構成音キーデータAKDの最高音
Cとその次の音Gの発生タイミングで夫々1減算
すると、減算結果はN・n−X=9−2=7とな
り、データArpPTに一致する。従つて、その次
にEのタイミングで発生したキーデータAKDが
アルペジヨ音キーデータKAとして抽出される。 同音名除去回路425では、下鍵域チヤンネル
において異オクターブ同音名の音が夫々別チヤン
ネルに割当てられているか否かをブロツクタイミ
ングBT12及びBT13において検出し(第8図
のZに示すARP同音処理)、異オクターブ同音名
の和音構成音がある場合はその数だけ(同音名の
チヤンネル両方ではなく一方だけ)キーオン信号
KO1を除去し、残りの下鍵域チヤンネルのキー
オン信号KO1をキーデータ抽出回路424に供
給する。アルペジヨで利用する和音構成音キーデ
ータAKDは音名だけに対応しており、下鍵域チ
ヤンネルに割当てられた和音構成音のオクターブ
には対応していないため、異オクターブ同音名の
下鍵域キーオン信号KO1を1個(1チヤンネル
分)だけにするためにこの同音名除去回路425
が設けられている。尚、シングルフインガーモー
ドにおいては、異オクターブ同音名の和音構成音
は有り得ないので、この同音名除去回路425は
フインガードコードモードのときだけ使用され
る。キーデータ抽出回路424のカウンタ427
における前述の加算計数処理(これは第8図のZ
に示したARP処理に相当する)は、同音名検出
処理後のブロツクタイミングBT14及びBT15
において行われる。 オクターブコード形成回路426は、アルペジ
ヨ音キーデータKAによつて示された音名のオク
ターブ音域すなわちアルペジヨ音のオクターブ音
域を示すオクターブコードB1″〜B3″を形成す
る回路である。キーデータ抽出回路424のカウ
ンタ427における前述の加算計数処理の結果得
た計数値N・nの乗数Nの値に応じてオクターブ
コードB1″〜B3″の値が定まるようになつてい
る。すなわち、カウンタ427において和音構成
音の数nが繰返し加算される毎に、1オクターブ
ずつ上げられるようになつており、所定最高オク
ターブに達した後なおも数nの繰返し加算が続く
場合は今度は1オクターブずつ下げられるように
なつている。 次に、フインガードコードモードにおける同音
名除去回路425の動作について説明する。 下鍵域チヤンネルにおいて別々のチヤンネルに
同音名の音が割当てられていることを検出するた
めに、ブロツクタイミングBT12及びBT13に
おいて比較回路25(第9図)が利用される。既
に説明したように、このブロツクタイミングBT
12及びBT13の12キー時間においてはCかC
#までの12音名のノートコードN1〜N4がキー
走査回路11からライン12を介して比較回路2
5の一方入力(A)に1キー時間毎に順次与えら
れる(第16図のノートタイミング参照)。ま
た、このブロツクタイミングBT12及びBT13
においては、キー走査回路11からライン12を
介して与えられるオクターブコードB3,B2,
B1の値は“110”となつている。 キーコードメモリ24から高速のチヤンネルタ
イミングに従つて時分割的に出力される各チヤン
ネルの割当て音を示すキーコードN1〜B3のノ
ートコードN1〜N4の値と、ライン12に与え
られるノートコードN1〜N4の値とを、比較回
路25を利用して比較するために、キーコードメ
モリ24から出力されるオクターブコードB1〜
B3の値をライン12のオクターブコードB1〜
B3と同じ値に変換するようにしている。すなわ
ち、第9図のオクターブコード変換回路27にお
いて、アンド回路430にフインガードコードモ
ード信号FCと信号BT12,13(第8図)が入
力されており、フインガードコードモード時
(FCが“1”)のブロツクタイミングBT12及び
BT13のときに該アンド回路430の出力が
“1”となる。このアンド回路430の出力
“1”がオア回路431を介してオア回路163
〜165に加わり、キーコードメモリ24から出
力されたオクターブコードB1,B2,B3を強
制的にすべて“1”に変換する。しかし、オア回
路163の出力“1”が加えられるアンド回路4
32は前記アンド回路430の出力“1”を反転
したインバータ433の出力“0”により動作不
能となるので、オクターブコードのビツトB1は
強制的に“0”とされる。こうして、キーコード
メモリ24から出力されるオクターブコードB
3、B2、B1の値はライン12のオクターブコ
ードB3,B2,B1と同じ値“110”に変換さ
れて比較回路25に入力される。 従つて、1キー時間の間変化せずにライン12
に供給されているノートコードN1〜N4と同音
名のノートコードN1〜N4が割当てられている
チヤンネルタイミングで比較回路25から一致信
号EQが発生される。このとき、同音名の音が
別々のチヤンネルに割当てられていれば、1キー
時間の前半11ビツトタイム及び後半11ビツトタイ
ムにおいて複数のチヤンネルタイミングで一致信
号EQが発生する。 前述のように、この一致信号EQは第10図の
アンド回路183に加わる。ブロツクタイミング
BT12及びBT13においてはオア回路187に
加わる信号BT12,13が“1”であり、アン
ド回路215からオア回路185を介してキーオ
ンメモリ178からのキーオン信号KO1がアン
ド回路183の他の入力に加わる。この一致信号
EQが押鍵中の(KO1が“1”)下鍵域チヤンネ
ルタイミングに対応して発生したものであれば
(LchTが“1”)、遅延フリツプフロツプ193に
“1”が記憶される。この遅延フリツプフロツプ
193の出力LKOEXTは第18図の同音名除去
回路425のアンド回路434に加えられる。ア
ンド回路434の他の入力には比較回路25(第
9図)からの一致信号EQとフインガードコード
モード信号FC及び信号BT12,13が加えられ
る。遅延フリツプフロツプ193の出力信号
LKOEXTは一致信号EQが発生したときから1ビ
ツトタイム遅れて“1”に立上る。従つて、最初
の一致信号EQに対してはアンド回路434の条
件は成立せず、それ以後に一致信号EQが発生し
たときアンド回路434の条件が成立する。アン
ド回路434の出力はアンド回路435に加わ
る。アンド回路435の他の入力には、後半期間
信号H2(第3図)を反転した信号2(すなわ
ち1キー時間の前半の11ビツトタイムで“1”と
なる信号)と、アンド回路436の出力が加えら
れる。アンド回路436には第10図のキーオン
メモリ178から出力されたキーオン信号KO1
と下鍵域チヤンネルタイミング信号LchTが加え
られており、下鍵域チヤンネルのキーオン信号
KO1のみが選択される。 例えば第19図bのN1〜N4に示すように、
下鍵域チヤンネル「3」及び「5」に異オクター
ブ同音名のC(すなわちC2とC3)が夫々割当
てられているとし、下鍵域チヤンネル「7」及び
「9」に夫々GとEの音が割当てられているとす
る。尚、第6図に示すように、チヤンネルタイミ
ング「3」,「5」,「7」,「9」のとき下鍵域チヤ
ンネルタイミング信号LchTが発生する。第19
図bは、第19図aに示すブロツクタイミング
BT12の最初の1キー時間すなわちノートコー
ドN1〜N4としてライン12にCのノートコー
ドが与えられている時間を拡大して示すものであ
る。ライン12のノートコードN1〜N4がCで
あるので、CのノートコードN1〜N4がキーコ
ードメモリ24(第9図)から出力されるチヤン
ネルタイミング「3」及び「5」において比較回
路25から一致信号EQが発生される。1キー時
間の前半のチヤンネルタイミング「3」で最初の
一致信号EQが発生されると、その1ビツトタイ
ム後に遅延フリツプフロツプ193(第10図)
の出力LKOEXTが“1”に立上る。従つて第1
8図のアンド回路434はチヤンネルタイミング
「3」のときは条件が成立しない。この信号
LKOEXTは次のキー時間の始めに信号S1によ
つてクリアされるまで(第10図のアンド回路1
95参照)、“1”を保持する。従つて、その後の
チヤンネルタイミング「5」のときに2番目の一
致信号EQが発生したときアンド回路434の条
件が成立する。アンド回路435に加わる信号
2及びアンド回路436の出力(KO1・
LchT)は第19図bに示すように発生する。ア
ンド回路435では、アンド回路434の条件を
成立させた2番目の一致信号EQが押鍵中(メモ
リモード時に押鍵と見なされる場合も含む)の下
鍵域チヤンネルに対応しているものであることを
条件に(KO1及びLchTが“1”)、前半期間に
限り(2が“1”)、“1”を出力する。このア
ンド回路435の出力“1”(第19図bの43
5に示す)はカウンタ437にカウントパルスと
して供給される。後半期間のチヤンネル「3」及
び「5」のタイミングにおいても一致信号EQが
発生し、アンド回路434の条件が成立するが、
信号2が“0”であるため、カウントパルスは
与えられない。 第19図bに示したような異オクターブ同音名
検出処理が、ブロツクタイミングBT12及びBT
13における各ノートタイミング(第19図a)
毎に繰返し行なわれる。そして、異オクターブ同
音名を検出する毎にカウンタ437が1カウント
アツプされる。しかし、第19図の例では、下鍵
域チヤンネルにおける異オクターブ同音名はCだ
けであるため、結局、ブロツクタイミングBT1
3が終了したときのカウンタ437のカウント値
は1(2進の“01”)である。尚、カウンタ43
7はキヤンセル信号(第8図)を反転した
信号により、ブロツクタイミングBT5及びBT6
のときリセツトされる。 以上のようにして、フインガードコードモード
時のブロツクタイミングBT12及びBT13にお
いて、カウンタ437にて異オクターブ同音名の
数(組数)がカウントされる。 アンド回路436から出力される下鍵域チヤン
ネルのキーオン信号KO1はアンド回路438を
介してアンド回路439に加わり、更にオア回路
440を介してカウンタ427のカウント入力
(T)に加わる。アンド回路438は、押鍵中の
下鍵域チヤンネルタイミングに対応して“1”と
なる時分割多重化されたキーオン信号KO1のパ
ルス列(アンド回路436の出力)において、カ
ウンタ437でカウントされている異オクターブ
同音名の数だけパルス(すなわちキーオン信号
KO1)を除去するためのものである。 カウンタ437のカウント出力はコンパレータ
441の一方入力に加えられ、コンパレータ44
1の他方入力にはカウンタ442の出力が加えら
れる。カウンタ442は信号S1(第3図)によ
つて1キー時間の始めにクリアされる。カウンタ
437の値が0以外の値のとき、1キー時間の始
めにおいてはコンパレータ441の両入力は一致
せず(カウンタ442が0にクリアされているた
め)、一致出力EQLは“0”である。アンド回路
443には、一致出力EQLを反転した信号が与
えられており、一致出力EQLが“0”のとき、
すなわちカウンタ437と442のカウント値が
一致していないときアンド回路436から与えら
れるキーオン信号KO1を選択してカウンタ44
2のカウント入力(T)に加える。一致出力
EQLはアンド回路438にも加えられており、
カウンタ437と442のカウント値が一致して
いないとき、該アンド回路438を動作不能にし
て、キーオン信号KO1を阻止する。カウンタ4
37と442のカウント値が一致したときは、異
オクターブ同音名の数と同数のキーオン信号KO
1を除去した(阻止した)ことを意味する。従つ
て、一致後は、アンド回路438を動作可能にし
(EQLが“1”)、残りの下鍵域キーオン信号KO
1を通過させる。尚、アンド回路438の他の入
力には後半期間H2を反転した信号2が加わ
り、1キー時間の前半期間でのみ下鍵域キーオン
信号KO1を通過させる。これは、カウンタ44
2が1キー時間の始めにクリアされるようになつ
ているので、1キー時間の前半11ビツトタイムに
おいて有効な同音名数キーオン信号除去処理を行
うことができるからである。 第19図bと同時に、下鍵域チヤンネル
「3」、「5」、「7」、「9」にC,C,G,Eの4
音が割当てられており、これらすべてが押鍵中で
あつてキーオン信号KO1が発生されているもの
として上記除去処理の一例を第20図に示す。第
20図においてKO1・LchTはアンド回路43
6から出力される下鍵域チヤンネルのキーオン信
号KO1を示す。442−Qはカウンタ442の
出力を示す。異オクターブ同音名数をカウントし
たカウンタ437のカウント値は1(2進の
“01”)である。1キー時間の始めはコンパレータ
441の出力QLは“0”であり、1キー時間内
で最初に発生したキーオン信号(KO1・
LchT)はアンド回路438で阻止される。しか
し、この最初のキーオン信号によつてカウンタ4
42が1カウントアツプされる。すると、カウン
タ437のカウント値1とカウンタ442のカウ
ント値が一致し、一致出力EQLが“1”に立上
る。従つて、前半期間(2が“1”)におい
て、以後発生する3つのキーオン信号(KO1・
LchT)がアンド回路438を通過する。アンド
回路438から出力されるキーオン信号KO1
(n)の1キー時間内におけるパルス発生数は、
同音名を除去した後の和音構成音の数nに対応し
ている。この和音構成音の数nに対応する数のパ
ルス列から成るキーオン信号KO1(n)は、第
20図に示すように、1キー時間毎に繰返し発生
する。しかし、カウンタ437における異オクタ
ーブ同音名数カウント処理が確実に終わるのは、
前述のようにブロツクタイミングBT13の終わ
りであるので、その次のブロツクタイミングBT
14以後にアンド回路438から出力されるキー
オン信号KO1(n)が有効に和音構成音数nを
示している。そのため、アンド回路439におい
ては信号BT14,15を入力し、ブロツクタイ
ミングBT14及びBT15においてアンド回路4
38(すなわち同音名除去回路425)から出力
されるキーオン信号KO1(n)を選択してカウ
ンタ427に加えるようにしている。 尚、シングルフインガーモードの場合は、異オ
クターブ同音名数をカウントするカウンタ437
の出力は常に“0”であり、コンパレータ441
の出力EQLは常に“1”となる。従つて、下鍵
域チヤンネルのすべてのキーオン信号KO1が信
号KO1(n)としてアンド回路438から出力
される。 カウンタ427はアツプダウンカウンタであ
り、信号BT14,15がアツプダウン切換入力
(UP)に加わり、ブロツクタイミングBT14及
びBT15においてアツプカウントモードに設定
される。従つて、ブロツクタイミングBT14及
びBT15においてアンド回路439からオア回
路440を介してカウンタ427に入力されるキ
ーオン信号KO1(n)は、該カウンタ427で
加算計数される。 カウンタ427のリセツト入力(R)にはナン
ド回路444の出力が与えられており、通常は常
にリセツトされており、アルペジヨパターンデー
タArpPTが発生した直後のブロツクタイミング
BT14,BT15,BT0,及びBT1においての
みリセツトが解除されるようになつている。アル
ペジヨパターンデータArpPTの全ビツトがオア
回路445に与えられ、何らかのアルペジヨパタ
ーンデータArpPTが供給されたときオア回路4
45の出力は“1”に立上る。オア回路445の
出力“1”は下鍵域で何らかの鍵が押圧されてい
ること(メモリモード時に離鍵後も押鍵と見なさ
れる場合も含む)を条件にアンド回路446を通
過し、フリツプフロツプ448に入力される。ア
ンド回路446の他の入力には、下鍵域キーオン
メモリ39(第14図)から供給された下鍵域エ
ニイキーオン信号LKAKOがシフトレジスタ44
7を経由して与えられる。シフトレジスタ447
は走査サイクルパルス4.5Mによつて制御される
3ステージ/1ビツトのもので、下鍵域における
押圧鍵の全てが完全に発音割当てされるまでの待
ち時間を設定するためのものである。 フリツプフロツプ448は、アンド回路446
から与えられる信号を信号BT12,13のタイ
ミング(すなわちブロツクタイミングBT12及
びBT13)で取込み、該アンド回路446の出
力が“1”のときはセツト状態となり、“0”の
ときはリセツト状態に反転する。従つて、パター
ンデータArpPTの発生に対応して“1”となり
その消滅に対応して“0”となるオア回路445
の出力信号の立上りタイミング及び立下りタイミ
ングを、ブロツクタイミングBT12及びBT13
に同期させた信号が該フリツプフロツプ448か
ら出力される。該フリツプフロツプ448の出力
(Q)は、立上り検出用の遅延フリツプフロツプ
449とアンド回路450に加えられると共にア
ンド回路429に加えられ、更にアルペジヨタイ
ミング信号ATとして出力される。 アルペジヨパターンデータArpPTの実際の発
生タイミングの一例を第21図に示す。この発生
時間幅は、一般的な押鍵時間と同程度であり、例
えば数100ms前後の比較的長い時間である。この
データArpPTの発生タイミングに対応してフリ
ツプフロツプ448から出力されるアルペジヨタ
イミング信号ATを同じく第21図に示す。信号
ATの発生時間幅はデータArpPTの発生時間幅と
ほぼ対応している。但し、信号ATの立上り及び
立下りタイミングがブロツクタイミングBT12
に同期している。第21図のBT0〜15はブロ
ツクタイミングBT0〜BT15を示す。 フリツプフロツプ448の出力(AT)を遅延
フリツプフロツプ449で1キー時間遅延し、そ
の遅延出力の反転信号()がアンド回路450
に入力される。従つて、アンド回路450の出力
は、第21図の450に示すように、アルペジヨ
タイミング信号ATの立上り時の1キー時間の間
だけ“1”となる。アンド回路450の出力はフ
リツプフロツプ451のセツト入力(S)に与え
られる。フリツプフロツプ451のリセツト入力
(R)はキヤンセル信号(第8図)を反転し
た信号が与えられる。従つて、フリツプフロツプ
451の出力(Q)は、第21図の451−Qに
示すように、アルペジヨタイミング信号ATが立
上るブロツクタイミングBT12からその次の走
査サイクルのブロツクタイミングBT4までの間
だけ(実際はクロツクパルスφABによつて出力タ
イミングは1キー時間遅延されているが)“1”
となる。フリツプフロツプ451の出力はナンド
回路444に加えられる。ナンド回路444の他
の入力には信号BT0,1及びBT14,15(第
8図)がオア回路453を介して与えられる。従
つてナンド回路444の出力は、第21図の44
4に示すように、アルペジヨパターンデータ
ArpPTが発生した直後のブロツクタイミングBT
14,BT15,BT0及びBT1においてのみ
“0”となり、それ以外のときは常に“1”であ
る。 上記ナンド回路444の出力が“0”のときの
みカウンタ427のリセツトが解除され、カウン
ト可能となる。従つて、カウンタ427は、アル
ペジヨパターンデータArpPTが発生した直後の
ブロツクタイミングBT14及びBT15において
のみ加算計数を行ない、その直後のブロツクタイ
ミングBT0及びBT1においてのみ減算計数を行
なう(信号BT14,15が“0”となることに
よりダウンカウントモードとなる)。 カウンタ427のカウント値を一方入力(A)
に入力し、アルペジヨパターンデータArpPTを
他方入力(B)に入力した比較器428は、カウ
ンタ427のカウント値を反転するインバータ4
54〜457と、このインバータ454〜457
の出力4ビツトと4ビツトのデータArpPTとを
加算する4ビツトの加算器458と、この加算器
458の4ビツト出力すべてを入力したアンド回
路459とから成る。加算器458の内容がオー
バーフローしたとき発生されるキヤリイ信号
CROが、カウンタ427のカウント値(A入
力)よりもパターンデータArpPTの値(B入
力)のほうが大きい(B>A)ことを示す信号と
して利用される。例えばカウンタ427のカウン
ト値(A入力)が“0011”で、データArpPTが
“0100”のとき(B>A)、計算式は であり、キヤリイ信号CROが“1”となる。カ
ウンタ427のカウント値(A)とデータ
ArpPTの値(B)とが同じかデータArpPTの方
が小さいとき(B≦A)は、キヤリイ信号CRO
は発生しない。カウンタ427のカウント値
(A)とデータArpPTの値(B)とが一致する場
合は、加算器458の出力がすべて“1”とな
り、アンド回路459の出力が“1”となる。例
えば、カウンタ427のカウント値(A)が
“0011”で、データArpPTの値(B)も“0011”
のとき、計算式は、 であり、出力がすべて“1”となる。 アンド回路459の出力“1”は遅延フリツプ
フロツプ460で1キー時間遅延され、アルペジ
ヨパターンデータ一致信号ArpEQとしてアンド
回路452に加えられる。 加算器458のキヤリイ信号CROはアンド回
路461に加えられると共に遅延フリツプフロツ
プ462で1キー時間遅延された後アンド回路4
39に加わる。従つて、加算計数が行なわれるブ
ロツクタイミングBT14(パターンデータ
ArpPTの発生直後のBT14)の最初の1キー時
間(Cのノートタイミング)においては、その直
前にブロツクタイミングBT13の最後の1キー
時間(C#のノートタイミング)のときに加算器
458から出力されたキヤリイ信号CROの状態
が遅延フリツプフロツプ462から出力されてい
る。ブロツクタイミングBT13においてはカウ
ンタ427は前述のようにリセツトされているの
で、アルペジヨパターンデータArpPTの値の方
が大きく、キヤリイ信号CROは“1”となつて
いる。従つて、加算計数が行なわれるブロツクタ
イミングBT14の最初の1キー時間の間は遅延
フリツプフロツプ462の出力は必らず“1”で
あり、この1キー時間の前半において発生される
和音構成音の数nに対応するキーオン信号KO1
(n)(第20図参照)がすべてアンド回路439
を通過し、オア回路440を介してカウンタ42
7に与えられる。 上述のように、ブロツクタイミングBT14の
最初の1キー時間においてカウンタ427では必
らず和音構成音の数nを加算計数する。アルペジ
ヨパターンデータArpPTの値が、和音構成音の
数nと同じかそれよりも小さい場合は、この最初
のnの計数の過程で(すなわちブロツクタイミン
グBT14の最初の1キー時間の前半11ビツトタ
イムのいずれかのタイミングで)、比較器428
においてB>Aが成立しなくなり、キヤリイ信号
CROが“0”に立下る(第22図参照)。このキ
ヤリイ信号CROの“0”は、同じキー時間(BT
14の最初の1キー時間)の後半において、クロ
ツクパルスφA(第3図参照)のタイミングで遅
延フリツプフロツプ462に取込まれ、次のキー
時間(BT14の2番目のキー時間すなわちBの
ノートタイミング)においてクロツクパルスφB
(第3図)の立上りと共に該フリツプフロツプ4
62から出力される。従つて、比較器428にお
いてB>Aが成立しなくなつた場合は、次のキー
時間において遅延フリツプフロツプ462からア
ンド回路439に与えられる信号が“0”とな
り、キーオン信号KO1(n)が阻止され、カウ
ントが停止される(第22図の462−Q参
照)。 一方、アルペジヨパターンデータArpPTの値
が和音構成音の数nよりも大きい場合は、ブロツ
クタイミングBT14の最初の1キー時間におけ
るnの計数が終了してもなお、比較器428でB
>Aが成立している(第23図参照)。従つて、
依然としてキヤリイ信号CROは“1”であり、
その次のキー時間においても遅延フリツプフロツ
プ462から“1”が出力される。従つて、次の
キー時間(BT14の2番目のキー時間すなわち
Bのノートタイミング)においても、n個のキー
オン信号KO1(n)がアンド回路439を通過
してカウンタ427に与えられ、カウンタ427
は更にnカウントアツプされる。この2回目のn
の計数の過程で、比較器428でB>Aが成立し
なくなつた場合は前述と同様に次のキー時間で遅
延フリツプフロツプ462の出力が“0”とな
り、以後の計数が停止される。他方、なおも比較
器428でB>Aが成立している場合は、次のキ
ー時間においてカウンタ427では更にnカウン
トアツプされる。 こうして、カウンタ427の計数値(A)がパ
ターンデータArpPTの値(B)と同じかそれよ
りも大きくなるまで(B>Aが成立しなくなるま
で)、1キー時間単位でキーオン信号KO1
(n)の数が計数される。すなわち和音構成音の
数nが整数倍(N倍)される。比較器428でB
>Aが成立しなくなつたとき、カウンタ427の
計数値N・nとパターンデータArpPTの値との
関係は次のようになつている。 N・n≧ArpPT>(N−1)・n 一方、オクターブコード形成回路426におい
ては上記カウンタ427の加算計数動作と並行し
てオクターブカウンタ463の計数動作が行なわ
れる。オクターブカウンタ463はアツプダウン
カウンタであり、そのアツプダウン制御入力
(UP)にはT型フリツプフロツプ(2進カウン
タ)464の反転出力()が与えられる。オク
ターブカウンタ463及びT型フリツプフロツプ
464のリセツト入力(R)には前記カウンタ4
27と同様にナンド回路444の出力(第21
図)が与えられる。尚、T型フリツプフロツプ4
64には2相クロツクパルスφABが加えられてお
り、カウント入力(T)あるいはリセツト入力
(R)をパルスφAで取込んでパルスφBで状態設
定して出力する。従つて、T型フリツプフロツプ
464の入力タイミングと出力タイミングには一
般に1キー時間の遅れがある。オクターブカウン
タ463はオア回路465からカウント入力
(T)に与えられる“1”をクロツクパルスφB
タイミングでカウントする。 カウンタ463のカウント入力(T)にはアン
ド回路466あるいは467の出力がオア回路4
65を介して与えられる。T型フリツプフロツプ
464のカウント入力(T)にはアンド回路46
8あるいは469の出力がオア回路470を介し
て与えられる。アンド回路466乃至469には
アンド回路461の出力が与えられる。アンド回
路461には、前記キヤリイ信号CROと信号BT
14,15を遅延フリツプフロツプ471で1キ
ー時間遅延した信号が与えられる。 カウンタ463及びフリツプフロツプ464の
リセツトが解除されるブロツクタイミングBT1
4及びBT15の最初の1キー時間(BT14の最
初の1キー時間すなわちCのノートタイミング)
においては遅延フリツプフロツプ471の出力は
“0”であり(第22図、第23図参照)、アンド
回路461の出力“0”、アンド回路466乃至
469の出力“0”により、カウンタ463及び
フリツプフロツプ464の状態は変化しない。す
なわち、フリツプフロツプ464の反転出力は
リセツトによつて“1”となつており、カウンタ
463はアツプカウントモードとなつている。ま
たカウンタ463の出力Q2,Q1はリセツトに
よつて“00”となつている。カウンタ463の出
力Q2,Q1はアンド回路472及びノア回路4
73,474から成るコード変換回路475によ
つてオクターブコードB3,B2,B1に変換さ
れる。このコード変換テーブルは第9表に示す通
りである。
【表】 従つて、カウンタ427で和音構成音の数nが
最初に計数されるとき(BT14の1キー時間
目)、コード変換回路475から出力されるオク
ターブコードB3,B2,B1の値はC#2〜C
3の音域を示す“100”となつている。これがア
ルペジヨ音の最低オクターブ音域である。 ブロツクタイミングBT14の2番目のキー時
間(Bのノートタイミング)以降ブロツクタイミ
ングBT0の最初の1キー時間まで、遅延フリツ
プフロツプ471の出力は“1”となる(第22
図、第23図参照)。カウンタ427における和
音構成音数nの最初の計数の過程でキヤリイ信号
CROが“0”になつたとき(第22図参照)、す
なわち和音構成音の数nがパターンデータ
ArpPTの値と同じかそれよりも大きい場合、遅
延フリツプフロツプ471の出力が“1”に立上
つたとき信号CROは既に“0”となつており、
アンド回路461の条件は成立しない。従つて、
オクターブカウンタ463のカウント入力(T)
に“1”は与えられず、カウンタ463の出力Q
1,Q2の値“00”は変化しない(第22図参
照)。 カウンタ427における和音構成音数nの最初
の計数が終了した後もキヤリイ信号CROが
“1”のままの場合(第23図参照)、すなわち和
音構成音の数nがパターンデータArpPTの値よ
りも小さい場合、遅延フリツプフロツプ471の
出力が“1”に立上つたときアンド回路461の
条件が成立し、アンド回路466乃至469に
“1”が供給される。アンド回路466及び46
8にはアツプカウントモードを示すフリツプフロ
ツプ464の反転出力()が加えられており、
この信号は今のところ“1”である。アンド回
路467及び469にはフリツプフロツプ464
の反転出力()をインバータ476で反転した
信号が加えられている。また、アンド回路466
の他の入力にはカウンタ463の出力Q1,O2
を入力したアンド回路477の出力をインバータ
478で反転した信号が加わる。カウンタ463
の出力Q1,Q2が最高値“11”になつたときア
ンド回路477の出力が“1”となる。カウンタ
463の出力Q1,Q2はノア回路479にも加
えられる。カウンタ463の出力Q1,Q2が
“00”のときノア回路479の出力は“1”とな
る。ノア回路479の出力はアンド回路469に
加えられる。ノア回路479の出力をインバータ
480で反転した信号がアンド回路467に加え
られる。また、アンド回路477の出力がアンド
回路468に加えられる。当初は、フリツプフロ
ツプ464の反転出力が“1”、インバータ4
78の出力が“1”であるので、アンド回路46
6の条件が成立し、オクターブカウンタ463の
カウント入力(T)に“1”が与えられる。オク
ターブカウンタ463では、遅延フリツプフロツ
プ471の出力の立上りと共に立上つたカウント
入力(T)の“1”をパルスφBに従つて直ちに
カウントし、その出力Q2,Q1が“01”に変化
する(第23図参照)。これに伴ない、コード変
換回路475から出力されるオクターブコードB
3,B2,B1の値が“011”と変化し(第9表
参照)、1オクターブ上の音域C#3〜C4を示
す。 カウンタ427における和音構成音の数nの2
回目の計数の過程でキヤリイ信号CROが“0”
に立下つた場合(第23図参照)、その次にカウ
ント用パルスφBが立上るとき(BT14のA#の
ノートタイミング)アンド回路461の出力は
“0”であり、オクターブカウンタ463でカウ
ントは行なわれない。以後、カウンタ463のカ
ウント値Q2,Q1は“01”のまま保持される
(第23図参照)。 カウンタ427における和音構成音の数nの2
回目の計数終了後もキヤリイ信号CROが“1”
のままである場合は、その次のキー時間(BT1
4のA#のノートタイミング)の始めにパルスφ
Bが立上つたときアンド回路466からの信号
“1”によりオクターブカウンタ463が更に1
カウントアツプされる。こうして、キヤリイ信号
CROが“0”に立下るまで、1キー時間毎に、
すなわちカウンタ427で和音構成音数nの加算
が繰返される毎に、オクターブカウンタ463が
カウントを行う。尚、ブロツクタイミングBT1
4の4キー時間目(Aのノートタイミング)に行
なわれた3回目のアツプカウントにより、オクタ
ーブカウンタ463の値Q2,Q1が最大値
“11”になるとアンド回路468の条件が成立
し、その1キー時間後(G#のノートタイミン
グ)にフリツプフロツプ464の出力が“0”
に反転する。これによりカウンタ463はダウン
カウントモードとなり、今度はアンド回路467
から与えられる信号“1”にもとづいて1キー時
間毎に1カウントダウンする。その後、引き続き
キヤリイ信号CROが“1”で、ブロツクタイミ
ングBT15の1キー時間目(F#のノートタイ
ミング)に行なわれた3回目のダウンカウントに
より、カウンタ463の出力Q2,Q1が“00”
になるとアンド回路469の条件が成立し、その
1キー時間後(Fのノートタイミング)にフリツ
プフロツプ464の出力は“1”に反転する。
このようにして、キヤリイ信号CROが“0”に
立下るまで、オクターブカウンタ463ではアツ
プカウントとダウンカウントを繰返す。このよう
に、アツプカウントとダウンカウントを繰返すの
は、和音構成音の数nよりもパターンデータ
ArpPTの値の方がはるかに大きい場合である。 第22図は、和音構成音がC,E,Gの3音で
あつてアルペジヨパターンデータArpPTの値が
「1」であるときのキーデータ抽出回路424及
びオクターブコード形成回路426における動作
例を示すタイミングチヤートである。また、第2
3図は、和音構成音は同じくC,E,Gの3音と
しアルペジヨパターンデータArpPTの値を
「4」としたときの動作例を示すタイミングチヤ
ートである。第22図及び第23図には、第21
図に示すように、ナンド回路444の出力“0”
によりカウンタ427のリセツトが解除されたと
きのブロツクタイミングBT14乃至BT1を拡大
して示している。この場合、和音構成音(C,
E,G)に対応するキーオン信号KO1(n)
は、第20図に拡大して示したものと同様に発生
していると考えてもよい。第22図及び第23図
において、427−Qはカウンタ427のカウン
ト値を示し、462−Qは遅延フリツプフロツプ
462の出力を示し、471−Qは遅延フリツプ
フロツプ471の出力を示し、461はアンド回
路461の出力を示し、463はオクターブカウ
ンタ463の出力Q1,Q2の状態を示す。 第22図の例の場合、ブロツクタイミングBT
14の最初の1キー時間(Cのノートタイミン
グ)においてキーオン信号KO1(n)の先頭の
パルスがカウンタ427で加算されたとき、該カ
ウンタ427のカウント値「1」とパターンデー
タArpPTの値「1」が一致し、比較器428か
ら出力されるキヤリイ信号CROが“0”に立下
る。しかし、遅延フリツプフロツプ462の状態
はまだ変化しないので(“1”のまま)、カウンタ
427のカウントが続行され、1キー時間の前半
において発生されるキーオン信号KO1(n)の
第2及び第3のパルスが夫々カウントされ、カウ
ント値427−Qは「1」から「2」へ、そして
更に「3」へと変化する。次のBのノートタイミ
ングのとき、遅延フリツプフロツプ462の出力
462−Qは“0”に立下る。従つて、アンド回
路439が不動作となり、キーオン信号KO1
(n)が阻止され、カウントが停止される。以
後、カウンタ427のカウント値427−Qは
「3」のまま保持される。 第1回目の(Cのノートタイミングにおける)
加算によりキヤリイ信号CROが“0”に立下つ
てしまつたので、その次のBのノートタイミング
で遅延フリツプフロツプ471の出力471−Q
が“1”に立上つたときアンド回路461の条件
は成立しない。従つて、オクターブカウンタ46
3はカウントがなされないまま、リセツトされた
ままの値“00”を保持する。 第23図の例の場合、ブロツクタイミングBT
14の最初の1キー時間においてキーオン信号
KO1(n)のパルスをすべてカウントしても、
カウンタ427のカウント値427−Qは「3」
であり、パターンデータArpPTの値「4」より
も小さい。従つて、比較器428ではB>Aがま
だ成立しており、キヤリイ信号CROが出続けて
いる。次のBのノートタイミングにおいて、キー
オン信号KO1(n)の先頭のパルスがカウンタ
427でカウントされたとき、該カウンタ427
のカウント値427−Qは「4」となる。従つ
て、このときキヤリイ信号CROは“0”に立下
る。一方、遅延フリツプフロツプ471の出力4
71−Qは数ビツトタイム前に既に“1”に立上
つているので、キヤリイ信号CROが“0”に立
下るまでの短い間アンド回路461の条件が成立
する(第23図の461)。このとき、前述のよ
うにアンド回路466の出力がアンド回路461
の出力“1”に対応して“1”となり、オクター
ブカウンタ463のカウント入力(T)に与えら
れる。このアンド回路461の出力が“1”とな
るのは1キー時間の前半の数ビツトタイムの間で
あり、このときパルスφBが発生している(第3
図参照)ので、オクターブカウンタ463が1カ
ウントアツプされる。これによりカウンタ463
の出力Q2,Q1が“01”に変化する。 一方、カウンタ427では引き続いて発生され
たキーオン信号KO1(n)をカウントし、その
カウント値が「4」から「5」へ、そして「6」
へと変化する。次のA#のノートタイミングで
は、その直前のパルスφAの発生タイミング(1
キー時間の後半)で既にキヤリイ信号CROは
“0”となつているので、遅延フリツプフロツプ
462の出力462−Qが“0”に立下り、カウ
ンタ427におけるキーオン信号KO1(n)の
加算計数が停止される。 ブロツクタイミングBT14及びBT15におい
て上述のようなカウンタ427の加算計数あるい
はオクターブカウンタ463の計数が行われてい
る間に、第12図の下鍵域キーデータレジスタ3
5には和音構成音の各ノートタイミングに対応し
てキーデータが取込まれる。アルペジヨ演奏のた
めに和音構成音(下鍵域チヤンネルに割当てられ
ている音)のキーデータを取込む回路すなわち
ARPキーデータ記憶部34(第1図)に相当す
る部分は、第12図の詳細例においては下鍵域キ
ーデータレジスタ35とアンド回路423とオア
回路276及び277とから成る部分である。ア
ンド回路423にはブロツクタイミングBT14
及びBT15を示す信号BT14,15と下鍵域チ
ヤンネルに関する一致信号EQを記憶する遅延フ
リツプフロツプ193(第10図)の出力
LKOEXTが入力されており、ブロツクタイミン
グBT14,15のときにこの信号LKOEXTを選
択し、オア回路276及び277を介して下鍵域
キーデータレジスタ35に入力する。この間、信
号BT14,15を反転した信号BT14,15は
“0”であり、自己保持用アンド回路278が不
動作となる。従つて、ブロツクタイミングBT1
4以前に該レジスタ35に記憶したキーデータ
(フインガードコードモードの場合は和音検出の
ために記憶した下鍵域押圧鍵のキーデータであ
り、シングルフインガーモードの場合は和音種類
検出のために記憶した白鍵あるいは黒鍵に対応す
るキーデータ)は、アンド回路278で阻止さ
れ、レジスタ35にフイードバツクされない(ク
リアされる)。 ブロツクタイミングBT14及びBT15におい
て発生する12のノートタイミング(C〜C#)の
うち下鍵域チヤンネルに既に割当てられている音
(和音構成音)と同音名のノートタイミングが選
択され、そのノートタイミングに対応して下鍵域
キーデータレジスタ35に“1”が取込まれる。
各ノートタイミングに対応する音名はキー走査回
路11から走査キー表示ライン12に与えられる
ノートコードN1〜N4によつて示されている。
そこで、各和音構成音の音名に対応するノートタ
イミング選択のために比較回路25(第9図)が
利用される。ブロツクタイミングBT14及びBT
15において走査キー表示ライン12に与えられ
るオクターブコードB3,B2,B1の値は
“111”であるので、キーコードメモリ24(第9
図)から出力される各チヤンネルのキーコードN
1〜B3のうちオクターブコードB1〜B3の値
を“111”に変更して比較回路25に入力する必
要がある。何故なら、この場合比較回路25では
ノートコードN1〜N4のみを比較すればよいの
でオクターブコードB1〜B3の値を強制的に同
じ値に固定するのである。そのため第9図のオク
ターブコード変換回路27において、信号BT1
4,15をオア回路431を介してオア回路16
3〜165に入力し、ブロツクタイミングBT1
4及びBT15においてはオクターブコードB1
〜B3の値を強制的に“111”に変更している。
尚、このとき信号BT12,13は“0”である
ので、アンド回路430の出力は“0”、インバ
ータ433の出力は“1”で、オア回路163の
出力“1”はアンド回路432を通過する。 1キー時間の間同じ値を維持するライン12か
らのノートコードN1〜N4と各チヤンネルタイ
ミング毎に高速で変化するキーコードメモリ24
からのノートコードN1〜N4とが比較回路25
で比較され、両者が一致したチヤンネルタイミン
グで一致信号EQが発生される。下鍵域チヤンネ
ルタイミングにおいて一致信号EQが発生したこ
とは、現在のノートタイミング(その音名はライ
ン12のノートコードN1〜N4によつて示され
ている)と同音名の音が和音構成音(下鍵域チヤ
ンネル割当て音)の中に存在することを意味す
る。下鍵域チヤンネルタイミング(LchTが
“1”)において発生した一致信号EQはアンド回
路189(第10図)で選択されて遅延フリツプ
フロツプ193に記憶され、この遅延フリツプフ
ロツプ193の出力LKOEXTは次のキー時間が
始まるまで(S1の発生タイミングまで)“1”
となる。この信号LKOEXTが発生するまでの回
路動作は、第19図bに示した例と全く同一であ
る。第19図bはブロツクタイミングBT12に
ついて示しているがBT14においても同様であ
る。尚、押鍵中のチヤンネルであることを条件に
一致信号EQを選択するためのアンド回路183
(第10図)にはアンド回路215及びオア回路
185を介してキーオンメモリ178からのキー
オン信号KO1が加えられる。これはオア回路1
87に加えられる信号BT14,15が“1”と
なるからである。 上述から明らかなように、遅延フリツプフロツ
プ193の出力LKOEXTは、和音構成音のノー
トタイミングに対応して(少くともその1キー時
間の後半期間において)“1”となる。尚、異オ
クターブ同音名の音が下鍵域チヤンネルに別々に
割当てられているときは、当然にも、1つのノー
トタイミングに対応して1つの信号LKOEXTし
か発生されない(第19図b参照)。例えば、和
音構成音がC,E,Gの3音であるとすると、ブ
ロツクタイミングBT14及びBT15におけるC
及びG及びEのノートタイミングに対応して第2
4図に示すように信号LKOEXTが“1”とな
る。尚、信号LKOEXTの発生タイミングを詳細
に見ると第19図bに示すように1キー時間の前
半期間の途中から“1”に立上り、次の1キー時
間の始まりに“0”に立下る。しかし、第12図
のレジスタ35にこの信号LKOEXTを取込む場
合は、1キー時間の後半に発生するパルスφA
(第3図)によつて入力信号LKOEXTの状態を取
込みその次の1キー時間の前半に発生するパルス
φB(第3図)によつて該レジスタ35の記憶状
態設定(各ステージの出力状態設定)を行うの
で、信号LKOEXTは1キー時間の後半において
正しい状態となつていれば十分である。 ブロツクタイミングBT14及びBT15におい
てアンド回路423(第12図)を介して下鍵域
キーデータレジスタ35に取込まれた上記信号
LKOEXTは、該レジスタ35において12キー時
間遅延され、ブロツクタイミングBT0及びBT1
において第12ステージQ12から出力される。こ
のレジスタ35の第12ステージQ12の出力が和
音構成音キーデータAKDとして第18図のアン
ド回路429に供給される。第24図に示す信号
LKOEXTにもとづいてその12キー時間後にレジ
スタ35から出力されるキーデータAKDの状態
を同図に示す。ノートタイミングは高音順(C,
B……C#)になつているので、高音側のキーデ
ータAKDが先に発生する。第22図及び第23
図の例においても和音構成音をC,E,Gの3音
と仮定したので、第24図のキーデータAKDと
同様に発生するキーデータAKDが示されてい
る。 第18図において、アンド回路429の他の入
力にはアルペジヨタイミング信号AT(第21
図)とブロツクタイミングBT0及びBT1を示す
信号BT0,1(第8図)が加えられている。ア
ルペジヨ音を発生すべきときであつて(ATが
“1”)ブロツクタイミングBT0及びBT1(BT
0,1が“1”)において、和音構成音キーデー
タAKDが該アンド回路429で選択される。ア
ンド回路429で選択されたキーデータAKDは
アンド回路452及び481に加えられる。アン
ド回路481の他の入力には信号S1(第3図)
が遅延フリツプフロツプ482を介して与えられ
る。遅延フリツプフロツプ482はシステムクロ
ツクパルスφに従つて信号S1を1ビツトタイム
だけ遅延する。従つて、アンド回路481はキー
データAKDが“1”となつたとき信号S1の直
後のタイミング(1キー時間の前半のチヤンネル
「2」のタイミング)で1ビツトタイムの間だけ
パルス“1”を出力する。このアンド回路481
の出力パルスがオア回路440を介してカウンタ
427のカウント入力(T)に与えられる。ブロ
ツクタイミングBT0及びBT1においては信号
BT14,15は“0”であり、カウンタ427
はダウンカウントモードとなつている。従つて、
ブロツクタイミングBT0及びBT1においては、
カウンタ427は和音構成音キーデータAKDが
発生する毎に1カウントダウンされる。 第22図の例の場合、カウンタ427のカウン
ト値が「3」になつたとき加算計数が停止されて
いる427−Q。ブロツクタイミングBT0及び
BT1において最初に最高音CのキーデータAKD
が与えられるとカウンタ427のカウント値は
「2」にダウンされる。パターンデータArpPTは
「1」であるため比較器428ではA=Bが成立
しない。従つてCのキーデータAKDはアンド回
路452で阻止される。次に、Gのキーデータ
AKDが与えられるとカウンタ427は更に1カ
ウントダウンされそのカウント値が「1」とな
る。このとき、比較器428ではA=Bが成立
し、アンド回路459の出力が“1”となる(第
22図の459(A=B)参照)。しかし、この
とき遅延フリツプフロツプ460からはその1キ
ー時間前の(G#のノートタイミングの)アンド
回路459の出力“0”が遅延出力されている
(第22図のArpEQ参照)のでアンド回路452
の条件は成立せず、Gのノートタイミングで発生
したキーデータAKDもアンド回路452で阻止
される。その次のF#のノートタイミングで遅延
フリツプフロツプ460の出力信号ArpEQが
“1”に立上る。 従つて、Eのノートタイミングでキーデータ
AKDが発生したときアンド回路452の条件が
成立し、該アンド回路452の出力がEのノート
タイミングに対応して“1”となり、Eのノート
タイミングに対応するアルペジヨ音キーデータ
KAが得られる。尚、アンド回路452の他の入
力に加えられるフリツプフロツプ451の出力は
第21図の451−Qに示すように、カウンタ4
27で加減算計数が行なわれるときは“1”とな
つている。一方、EのキーデータAKDにもとづ
いてカウンタ427は更に1カウントダウンさ
れ、そのカウント値は「0」となる。これにより
比較器428におけるA=Bは成立しなくなり、
その次のD#のノートタイミングにおいて信号
ArpEQは“0”に立下る。従つて、それ以後に
たとえキーデータAKDが発生したとしても(第
22図の例では発生しないが)、それらはすべて
アンド回路452で阻止される。 以上のようにして、複数の和音構成音キーデー
タAKDのうち、アルペジヨパターンデータ
ArpPTによつて指定された順位に相当する唯一
つのキーデータKAが抽出される。第22図の例
では、パターンデータArpPTは「1」であるの
で、和音構成音(C,G,E)のうち低音側から
数えて1番目の音すなわち最低音に相当するEの
ノートタイミングでアルペジヨ音キーデータKA
が発生される。 アルペジヨ音キーデータKAはオクターブコー
ド形成回路426内のアンド回路483に加えら
れる。アンド回路483の他の入力にはアルペジ
ヨチヤンネルタイミング信号AchT(第6図)が
タイミング信号発生回路20(第2図)から与え
られ、その出力はアンド回路484〜486に加
えられる。アンド回路484〜486の他の入力
にはコード変換回路475からオクターブコード
B1〜B3が与えられる。従つて、アルペジヨ音
キーデータKAが発生されるとき(KAが
“1”)、アルペジヨチヤンネルタイミングで
(AchTが“1”)オクターブコードB1〜B3が
選択され、アルペジヨ音のオクターブコードB
1″〜B3″として出力される。第22図の場合、
オクターブカウンタ463の出力Q1,Q2は
“00”であるので、C#2〜C3の音域を示す値
“100”のオクターブコードB3″,B2″,B1″
が出力される。従つて、この場合のアルペジヨ音
はE2である。 第23図の例では、カウンタ427のカウント
値が「6」のとき加算計数が停止されている。従
つて、ブロツクタイミングBT0及びBT1におい
て、CとGの和音構成音キーデータAKDにもと
づいて夫々1カウントダウンしたときカウント値
が「4」となり、アンド回路459の出力(第2
3図の459(A=B))が“1”となる。その
1キー時間後に信号ArpEQが“1”となり、次
にEのノートタイミングでキーデータAKDが発
生したときアンド回路452から“1”が出力さ
れる。従つて、第22図の例と同様に、Eのノー
トタイミングでアルペジヨ音キーデータKAが発
生される。しかし、第23図の例ではオクターブ
カウンタ463の出力Q2,Q1が“01”である
ので、オクターブコードB3″,B2″,B1″の
値はC#3〜C4の音域を示す値“011”である。
従つて、この場合のアルペジヨ音はE3である。 アルペジヨ音キーデータKAは発音割当て制御
部19のアンド回路173(第10図)に供給さ
れる。該アンド回路173の他の入力にはアルペ
ジヨチヤンネルタイミング信号AchTと後半期間
信号H2が加えられる。前述のようにアルペジヨ
音として発生すべき音のノートタイミングにおい
てアルペジヨ音キーデータKAが“1”となる
と、その1キー時間の後半の(H2が“1”)単
一のアルペジヨチヤンネルタイミング(第6図の
AchT参照)においてアンド回路173の条件が
成立し、オア回路174を介して1発のロード信
号LDが発生される。キーコードメモリ24(第
9図)においてはこのロード信号LDにもとづい
て、ライン12からのノートコードN1〜N4
(これはキーデータKAが発生している現在のノ
ートタイミングの音名を示している)とオクター
ブコード変換回路26からのオクターブコードB
1″〜B3″とを、アルペジヨチヤンネルに対応し
て記憶する。このとき、オクターブコード変換回
路26のオア回路400〜402には第18図の
オクターブコード形成回路426から供給された
アルペジヨ音のオクターブコードB1″〜B3″が
夫々入力されている。また、下鍵域エニイキーオ
ン信号LKAKO及びアルペジヨチヤンネルタイミ
ング信号AchT及び第18図のアルペジヨ音キー
データ形成回路44から供給されるアルペジヨタ
イミング信号ATが入力されたアンド回路487
は、下鍵域で何らかの鍵が押圧されておりかつア
ルペジヨ音発音タイミングである限り(LKAKO
とATが“1”)、アルペジヨチヤンネルタイミン
グ(AchTが“1”)において“1”を出力し、
オア回路156を介してアンド回路403〜40
5を動作可能にする。従つてアンド回路403〜
405を介してアルペジヨ音のオクターブコード
B1″〜B3″が選択され、キーコードメモリ24
に供給される。 一方、アルペジヨチヤンネルタイミングにおい
て発生したロード信号LDにもとづいてキーオン
メモリ178においてアルペジヨチヤンネルに対
応してキーオン信号KO1が記憶される(KO1
が“1”になる)。また、カレントキーオンメモ
リ177にもアルペジヨチヤンネルに対応して
“1”が一旦記憶されるが、次に一致信号EQが発
生したときにアンド回路196の出力にもとづい
てクリアされる。従つて、カレントキーオンメモ
リ177はアルペジヨ音の発音割当て処理におい
ては全く利用されない。アルペジヨチヤンネルに
記憶したキーオン信号KO1を保持するのはアン
ド回路488の働きによる。アンド回路488に
は第9図のアンド回路487と同様に下鍵域エニ
イキーオン信号LKAKO及びアルペジヨタイミン
グ信号AT及びアルペジヨチヤンネルタイミング
信号AchTが入力されている。従つて、1つのア
ルペジヨ音の発音タイミングが終了するときに信
号ATが“0”になることにより、それまで保持
されていたアルペジヨチヤンネルのキーオン信号
KO1がクリアされる。また、信号ATが発生し
ている最中でも下鍵域の鍵がすべて離鍵されると
信号LKAKOが“0”となり、アルペジヨチヤン
ネルのキーオン信号KO1がクリアされる。 尚、アルペジヨ音キーデータKAの形成のため
の処理を行うブロツクタイミングBT14及びBT
15においては、前述のように、オクターブコー
ド変換回路27(第9図)で各チヤンネルのキー
コードN1〜B3のオクターブコードB1〜B3
を変更して比較回路25の出力EQをアルペジヨ
処理に利用するようにしている。そのため、キー
走査回路11から実際に出力されているキーデー
タKDとは無関係に一致信号EQが発生する。この
一致信号EQは、前述のように、カレントキーオ
ンメモリ177のクリア制御のためにアンド回路
196(第10図)でも利用されているものであ
る。従つて、ブロツクタイミングBT14及びBT
15において発生する一致信号EQによつてカレ
ントキーオンメモリ177がクリアされて上鍵域
及び下鍵域チヤンネルの割当てが解除されないよ
うにするために、ブロツクタイミングBT14及
びBT15(BT14,15が“1”)のときに、
第10図のオア回路201を介してオア回路19
8に常に“1”を与え、インバータ197からア
ンド回路196に与えられる信号を“0”にして
いる(すなわち偽似的にキーオン状態とする)。
また、フインガードコードモードにおいては上述
したことがブロツクタイミングBT12及びBT1
3においても生じるので(第9図のアンド回路4
30参照)、フインガードコードモード(FCが
“1”)のときには第10図のアンド回路203を
介してブロツクタイミングBT12及びBT13
(BT12,13が“1”)の期間もオア回路20
1に“1”を入力するようにしている。 多重化回路28の詳細 第9図に示す多重化回路28には、キーコード
メモリ24から各チヤンネルタイミング(第6図
参照)毎に時分割的に供給されるキーコード(ノ
ートコードN1〜N4とオクターブコードB1〜
B3)と、キーオンメモリ178(第10図)か
ら同じく各チヤンネルタイミング毎に時分割的に
出力されるキーオン信号KO1と、モード切換制
御回路15(第4図)から供給される自動ベース
コードモード信号ABC(第5図参照)と、下鍵
域キーオンメモリ39(第14図)から供給され
る下鍵域エニイキーオン信号LKAKOと、タイミ
ング信号発生回路20(第2図)から供給される
信号S1(第3図)及び下鍵域チヤンネルタイミ
ング信号LchTと、キー走査回路11(第7図)
から供給される走査サイクルパルス4.5Mと、オ
ートリズム装置45(第1図)から供給される和
音発音タイミングパターンパルスCT及びリズム
ストツプ信号RSTPとが入力される。下鍵域チヤ
ンネルタイミング信号LchTをインバータ495
で反転した信号がアンド回路489に加えられて
おり、下鍵域チヤンネル以外のチヤンネルのキー
オン信号KO1が該アンド回路489をそのまま
通過し、オア回路490を介してアンド回路49
4に与えられる。ノーマルモードの場合(自動ベ
ースコード演奏を行なわない場合)は、すべての
チヤンネルが上鍵域チヤンネルとなり、信号
LchTは発生されないので、すべてのチヤンネル
のキーオン信号KO1がアンド回路489をその
まま通過する。一方、下鍵域チヤンネルに関する
キーオン信号KO1は和音発音タイミングパター
ンパルスCTによつてゲートされ、該パターンパ
ルスCTが発生しているときだけ“1”となるキ
ーオン信号KO1′に変更される。また、自動ベ
ースコードモード(ABCが“1”)のときにオー
トリズムがストツプした場合は(RSTPが
“1”)、ノーマルゲート信号NGが発生されるよう
になつている。 多重化回路28では、各チヤンネルに割当てら
れた音のノートコードN1〜N4及びオクターブ
コードB1〜B3及びキーオン信号KO1,KO
1′、更に、上記ノーマルゲート信号NG及び自動
ベースコードモード信号ABC及び走査サイクル
パルス4.5Mを第25図に示すように4ビツトの
データKC1〜KC4に時分割多重化する。データ
KC1〜KC4は1サイクルが22タイムスロツトか
らなる時分割多重化データであり、第25図のタ
イムスロツトの欄には各タイムスロツトの発生順
に「1」〜「22」の番号が付けられている。1タ
イムスロツトの時間幅はシステムクロツクパルス
φの1ビツトタイムである。従つて、データKC
1〜KC4の1繰返しサイクルは1キー時間(22
ビツトタイム)である。第25図のチヤンネル欄
には第6図に示す時分割的なチヤンネル「1」〜
「11」(発音割当て回路18及びキーコードメモリ
24における各チヤンネルタイミング)を示し
た。例えばタイムスロツト「3」及び「4」のチ
ヤンネルは「3」であり、これはチヤンネル
「3」に割当てられた音のキーコードN1〜B3
及びキーオン信号KO1,KO1′がデータKC1
〜KC4として送出されることを示している。第
25図の鍵域の欄に示した符号U,L,P,A
は、自動ベースコードモードの場合において各チ
ヤンネル「1」〜「11」が上鍵域チヤンネル
(U)あるいは下鍵域チヤンネル(L)あるいはベー
ス音用チヤンネル(P)あるいはアルペジヨ音用
チヤンネル(A)のどれに相当するかを示している。
ノーマルモードの場合は全べてが「U」すなわち
上鍵域チヤンネルに切換るのは、既に述べたこと
から明らかである。 実際の発音チヤンネルに対応していないチヤン
ネル「1」のタイムスロツト「1」においてはデ
ータKC1〜KC4がすべて“1”となる。これは
データKC1〜KC4の基準タイミングすなわちタ
イムスロツト「1」を示すためである。タイムス
ロツト「2」には制御用の信号類NG,ABC,
4.5MがデータKC1,KC2,KC3として送出さ
れる。発音チヤンネルに対応するタイムスロツト
「3」〜「22」においては、1チヤンネルにつき
夫々2つのタイムスロツトが割当てられ、最初の
タイムスロツト「3」,「5」……「21」において
オクターブコードB1〜B3及びキーオン信号
KO1,KO1′をデータKC1〜KC4として送出
し、次のタイムスロツト「4」,「6」……「22」
においてノートコードN1〜N4をデータKC1
〜KC4として送出する。尚、第25図には10個
の発音チヤンネルすべてを利用する(10/7が
“0”のとき)ものとしてデータKC1〜KC4を
示しているが、7チヤンネルモード(10/7が
“1”)のときはデータN1〜B3,KO1が送出
されないタイムスロツトが存在することは勿論で
ある。 第9図の多重化回路28において、アンド回路
496には、和音発生タイミングパターンパルス
CTとリズムストツプ信号RSTPとを入力したオ
ア回路497の出力と、下鍵域エニイキーオン信
号LKAKO及び下鍵域チヤンネルタイミング信号
LchTが入力され、その出力がアンド回路498
に加わる。オートリズムが動いているときはパタ
ーンパルスCTが和音発音パターンに従つて断続
的に発生し、リズムストツプ信号RSTPは常に
“0”である。従つて、オートリズムが動いてい
るとき(パターンパルスCTを発生し得るとき)
は、アンド回路498の他の入力に加わるキーオ
ン信号KO1のうち下鍵域チヤンネルのもの
(LchTが“1”のとき発生するもの)は、パター
ンパルスCTが発生しているときだけすなわち所
定の和音発音タイミングにおいてのみ、該アンド
回路498で選択され、オア回路490を介して
下鍵域用(和音用)のキーオン信号KO1′とし
てアンド回路494に与えられる。従つて、この
キーオン信号KO1′にもとづいて下鍵域チヤン
ネルに割当てられた音(和音構成音)は和音発音
タイミングパターンに従つてすべて同時にかつ断
続的に発音される(すなわち自動的に和音がきざ
まれる)。オートリズムが止まると、パターンパ
ルスCTは発生されなくなる。その代わりにリズ
ムストツプ信号RSTPが持続して“1”となり、
下鍵域のキーオン信号KO1はきざまれることな
くそのままアンド回路498を通過する。 自動ベースコードモード(信号ABCが“1”)
のときにオートリズムが止まり(信号RSTPが
“1”)、かつ下鍵域で何らかの鍵が押圧されてい
る(信号LKAKOが“1”)と、アンド回路49
9の条件が成立し、オア回路500を介して遅延
フリツプフロツプ501に“1”が与えられ、ア
ンド回路502を介して自己保持される。この遅
延フリツプフロツプ501の出力“1”がノーマ
ルゲート信号NGとしてアンド回路503に入力
される。このノーマルゲート信号NGは、オート
リズムが止まつたときの自動演奏音(和音、ベー
ス音、アルペジヨ音)の発音制御に利用される。
下鍵域で鍵がすべて離鍵されたとき(LKAKOが
“0”)あるいはノーマルモードに切換つたとき
(ABCが“0”)、アンド回路502が不動作とな
り、ノーマルゲート信号NGが消去される。 1キー時間の最初に信号S1(第3図参照)が
発生されると、オア回路504〜506を介して
オア回路507〜510に“1”が与えられ、該
オア回路507〜510から出力されるデータ
KC1〜KC4がすべて“1”となる。このときが
基準タイミングすなわち第25図のタイムスロツ
ト「1」である。次のタイムスロツト「2」に
は、信号S1を1ビツトタイム遅延した遅延フリ
ツプフロツプ511の出力が“1”となり、アン
ド回路503,512,513を介してノーマル
ゲート信号NG及び自動ベースコードモード信号
ABC及び走査サイクルパルス4.5Mが選択され、
オア回路504〜506を介してオア回路507
〜509に与えられる。従つてデータKC1,KC
2,KC3として、第25図に示すように信号
NG,ABC,4.5Mが送出される。 また、信号S1はオア回路514を介して遅延
フリツプフロツプ515にも与えられる。遅延フ
リツプフロツプ515の出力はアンド回路517
〜520に加えられると共に、インバータ516
で反転されオア回路514に戻される。オア回路
514の出力はアンド回路491〜494に加え
られる。アンド回路491〜493にはキーコー
ドメモリ24から時分割的に出力される各チヤン
ネルのオクターブコードB1〜B3が入力され
る。アンド回路494にはオア回路490を経由
して時分割的に与えられる各チヤンネルのキーオ
ン信号KO1(下鍵域チヤンネルにあつてはKO
1′)が入力される。アンド回路517〜520
にはキーコードメモリ24から時分割的に出力さ
れる各チヤンネルのノートコードN1〜N4を遅
延フリツプフロツプ521〜524で1ビツトタ
イム遅延した信号が与えられる。アンド回路51
7〜520及び491〜494の出力はオア回路
525〜528を介してオア回路507〜510
に与えられ、データKC1〜KC4として出力され
る。 信号S1が発生したとき(タイムスロツト
「1」)、オア回路514の出力“1”によりアン
ド回路491〜494が動作可能となるが、この
ときは使用されないチヤンネル「1」のタイミン
グなので信号B1〜B3,KO1の値はすべて
“0”である。また、その1ビツトタイム後に
(タイムスロツト「2」)遅延フリツプフロツプ5
15の出力が“1”となり、アンド回路517〜
520が動作可能となるが、使用されないチヤン
ネル「1」に対応するノートコードN1〜N4
(すなわちすべて“0”のデータ)が1ビツトタ
イム遅延されて遅延フリツプフロツプ521〜5
24から出力される。従つて、タイムスロツト
「2」における信号NG,ABC,4.5Mの送出に悪
影響を与えない。また、このタイムスロツト
「2」においては遅延フリツプフロツプ515の
出力“1”をインバータ516で反転した信号
“0”がオア回路514に与えられており、アン
ド回路491〜494は動作不能である。従つ
て、このときアンド回路491〜494に与えら
れているチヤンネル「2」(第6図)のオクター
ブコードB1〜B3及びキーオン信号KO1は選
択されない。このオア回路514の出力“0”は
次のタイムスロツト「3」のとき遅延フリツプフ
ロツプ515から遅延出力される。 タイムスロツト「3」のとき、遅延フリツプフ
ロツプ515から出力された“0”がインバータ
516で反転され、オア回路514の出力が
“1”となる。従つてこのときアンド回路491
〜494に与えられているチヤンネル「3」(第
6図)のオクターブコードB1〜B3とキーオン
信号KO1,KO1′が、第25図に示すようにデ
ータKC1〜KC4として出力される。 次のタイムスロツト「4」において、遅延フリ
ツプフロツプ515の出力は“1”となり、オア
回路514の出力は“0”となる。従つて、遅延
フリツプフロツプ521〜524で1ビツトタイ
ム遅延されたチヤンネル「3」のノートコードN
1〜N4が、第25図に示すように、データKC
1〜KC4として出力される。このとき、アンド
回路491〜494は動作しないので、チヤンネ
ル「4」のオクターブコードB1〜B3とキーオ
ン信号KO1は阻止される。 こうして、オア回路514と遅延フリツプフロ
ツプ515の出力が交互に“1”となり、1チヤ
ンネル置きに、かつ同じチヤンネルのオクターブ
コードB1〜B3及びキーオン信号KO1,KO
1′とノートコードN1〜N4を順番に選択し、
データKC1〜KC4として出力する。1キー時間
の間に11(奇数)のチヤンネル時間が2循環する
ので、1キー時間の前半で「1」,「3」,「5」,
「7」,「9」,「11」の奇数のチヤンネルのオクタ
ーブコードB1〜B3、キーオン信号KO1,
KO1′、ノートコードN1〜N4が選択され、
後半で偶数のチヤンネル「2」,「4」,「6」,
「8」,「10」のオクターブコード等B1〜B3,
KO1,N1〜N4が選択される。従つて、第2
5図に示すように、各チヤンネルのキーコード類
N1〜N4,B1〜B3,KO1,KO1′がデー
タKC1〜KC4として多重化される。尚、第25
図ではキーコード類N1〜N4,B1〜B3,
KO1,KO1′の表示を一部省略してあるが、他
と同様に最初のタイムスロツドでB1〜B3,
KO1(あるいはKO1′)が送出され、次のタイ
ムスロツトでN1〜N4が送出される。 多重化データの復調及び楽音発生 第1図における復調回路50、タイミング信号
発生部52及び楽音制御回路53の詳細例は第2
6図に示されている。 第26図において第9図の多重化回路28から
供給されたデータKC1〜KC4は復調回路50の
ラツチ回路530に入力されると共に遅延フリツ
プフロツプ群531で1ビツトタイム遅延されて
同ラツチ回路530の別の入力に加えられる。ラ
ツチ回路530はノートコードN1〜N4及びオ
クターブコードB1〜B3及びキーオン信号KO
1,KO1′をラツチするためのもので、各々に
対応する8個のラツチ位置を有する。また、デー
タKC1,KC2,KC3はラツチ回路532にも
入力される。このラツチ回路532は信号NG,
ABC,4.5Mをラツチするためのものである。ま
た、復調回路50において、データKC1〜KC4
の全ビツトがアンド回路529に入力される。 第25図に示すタイムスロツト「1」において
データKC1〜KC4がすべて“1”となると、ア
ンド回路529の出力が“1”となる。このアン
ド回路529の出力“1”はタイムスロツト
「1」を示す基準パルスSYとしてタイミング信号
発生部52のオア回路534及び遅延フリツプフ
ロツプ533に供給される。オア回路534の出
力は遅延フリツプフロツプ535に加わり、該フ
リツプフロツプ535の出力がインバータ536
で反転されてオア回路534に戻される。従つ
て、前述の第9図の多重化回路28内のオア回路
514及び遅延フリツプフロツプ515と同様
に、オア回路534及び遅延フリツプフロツプ5
35からは1ビツトタイム毎に交互に“1”が出
力される。オア回路534の出力はアンド回路5
37に、遅延フリツプフロツプ535の出力はア
ンド回路538に、夫々入力される。アンド回路
537及び538の他の入力には、1ビツトタイ
ムの前半で立上るクロツクパルスφ(第3図に
示すように2相のシステムクロツクパルスφの一
方)が加えられる。従つて、アンド回路537及
び538から夫々出力されるクロツクパルスφ
A′,φB′は第27図に示すように発生する。第2
7図にはデータKC1〜KC4のタイムスロツト
「1」〜「22」(第25図参照)と基準パルスSY
も示されている。 遅延フリツプフロツプ533からは基準パルス
SYを1ビツトタイム遅延したパルスS2が得ら
れる。このパルスS2はデータKC1〜KC4のタ
イムスロツト「2」に対応している。このパルス
S2はアンド回路539に入力される。アンド回
路539の他の入力にはアンド回路538から出
力されたクロツクパルスφB′が入力される。従つ
て、アンド回路539の出力はタイムスロツト
「2」の前半で“1”となり、ラツチ回路532
の制御入力(L)に加えられる。これにより、タイム
スロツト「2」においてデータKC1〜KC3とし
て送出されるノーマルゲート信号NG、自動ベー
スコードモード信号ABC、走査サイクルパルス
4.5Mがラツチ回路532に夫々ラツチされる。 アンド回路538から出力されるクロツクパル
スφB′はラツチ回路530の制御入力(L)に供給さ
れる。従つて、ラツチ回路530は偶数のタイム
スロツト「2」,「4」,「6」……「22」毎に入力
データを取込み、ラツチする。尚、タイムスロツ
ト「2」のときにラツチするデータ(NG,
ABC,4.5M等)はラツチ回路530にとつて無
意味なデータであり、全く利用されないままに、
次のラツチタイミング(タイムスロツト「4」)
ときに消去される。偶数のタイムスロツト
「4」,「6」,……「22」毎にラツチすることによ
り、そのときにデータKC1〜KC4として送出さ
れているノートコードN1〜N4と、遅延フリツ
プフロツプ群531で遅延された1タイムスロツ
ト前の同じチヤンネルのオクターブコードB1〜
B3とキーオン信号KO1,KO1′が同時にラツ
チ回路530にラツチされる。2ビツトタイム毎
にラツチ回路530のラツチ内容が書替えられる
ので、該ラツチ回路530から出力される同じチ
ヤンネルのデータN1〜N4,B1〜B3,KO
1,KO1′の時間幅は2ビツトタイムである。
ラツチ回路530から出力されるデータN1〜N
4,B1〜B3,KO1(KO1′)のチヤンネル
を第27図の530に示す。 ラツチ回路530から出力されたノートコード
N1〜N4とオクターブコードB1〜B3は第2
8図の楽音発生回路51内の分周比ROM(リー
ドオンリイメモリの略)540とデコーダ541
に供給される。分周比ROM540は、所定の音
高周波数を得るための分周比データを12の各音名
C〜C#に対応して夫々予じめ記憶しており、ラ
ツチ回路530(第26図)から供給されたノー
トコードN1〜N4が示す音名に対応して所定の
分周比データ(ノート分周比データNFD)を出
力する。デコーダ541はラツチ回路530から
供給されたオクターブコードB1〜B3の値をデ
コードし、オクターブ単位の分周比すなわち2n
の分周比を示すオクターブ分周比データOFDを
得る。分周比ROM540及びデコーダ541か
ら出力されたノート分周比データNFD及びオク
ターブ分周比データOFDは夫々ラツチ回路54
2に入力される。ラツチ回路542の制御入力(L)
には第26図のアンド回路537から出力される
クロツクパルスφA′(第27図参照)が与えられ
る。従つて、ラツチ回路542から出力されるノ
ート分周比データ及びオクターブ分周比データの
チヤンネルは第27図に示すようになる。 第26図のタイミング信号発生部52におい
て、遅延フリツプフロツプ533からタイムスロ
ツト「2」のときに出力された信号“1”は、ラ
ツチ回路543に入力される。ラツチ回路543
のラツチ制御入力(L)にはクロツクパルスφB′が与
えられており、タイムスロツト「2」のとき取込
んだ“1”をタイムスロツト「4」の直前まです
なわちタイムスロツト「2」と「3」の2ビツト
タイムの間保持出力する。ラツチ回路543の出
力は遅延フリツプフロツプ544で2ビツトタイ
ム遅延される。該フリツプフロツプ544の出力
FB0は第27図に示すようにタイムスロツト
「4」及び「5」のとき“1”となる。この遅延
フリツプフロツプ544はアンド回路537及び
538から出力されるクロツクパルスφA′,φ
B′によつて駆動されるもので、クロツクパルスφ
A′のタイミングで取込んだ入力信号にもとづいて
クロツクパルスφB′のタイミングで出力状態を設
定する。従つて、クロツクパルスφA′,φB′の周
期に見合つた2ビツトタイムの遅延を行う。 遅延フリツプフロツプ544の出力FB0は、
10ステージ/1ビツトのシフトレジスタ545に
入力され、2相のクロツクパルスφA′,φB′に従
つて順次2ビツトタイムずつ遅延される。シフト
レジスタ545の各ステージからは第27図に示
すように2ビツトタイム幅のパルスFB1〜FB1
0が順送りに発生される。これらのパルスFB1
〜FB10は第28図に示す楽音発生回路51に
供給され、ラツチ回路542から第27図に示す
ように時分割的に供給される分周比データを各チ
ヤンネル別に振分けるために利用される。 第28図において、楽音発生回路51は、発音
割当て回路18で形成される時分割的な各チヤン
ネル「2」〜「11」に夫々対応する10個の楽音発
生系列ch1〜ch10を具えている。楽音発生系
列ch1,ch2,ch3,ch4,ch5,ch6は時分
割的に形成されたチヤンネル「3」,「5」,
「7」,「9」,「11」,「2」に夫々対応するもの
で、これらは自動ベースコードモード(ABCが
“1”)の場合は下鍵域チヤンネル(L)及びアルペジ
ヨチヤンネル(A)及びベースチヤンネル(P)(す
なわち第2の楽音発生態様のための発音チヤンネ
ルグループ)に夫々相当する(第6図、第25図
参照)。楽音発生系列ch7,ch8,ch9,ch10
は時分割的に形成されたチヤンネル「4」,
「6」,「8」,「10」に夫々対応するもので、これ
らは上鍵域チヤンネル(U)(すなわち第1の楽
音発生態様のための発音チヤンネルグループ)に
相当する(第6図、第25図参照)。勿論、ノー
マルモード(ABCが“0”)の場合はすべての楽
音発生系列ch1〜ch10が上鍵域チヤンネル
(U)すなわち第1の楽音発生態様のためのチヤ
ンネルグループに切換わる(第6図参照)。 楽音発生系列ch1及びch6及びch7のみ詳細
を示してあるが、下鍵域チヤンネル用のch2〜
ch4及びアルペジヨチヤンネル用のch5はch1
と同一構成であり、また上鍵域チヤンネル用の
ch8〜ch10はch7と同一構成である。ベース
チヤンネル用の楽音発生系列ch6は下鍵域チヤ
ンネル用の楽音発生系列ch1とほぼ同一である
が、ベース音源として取り出される信号のフイー
ト数が下鍵域音(和音)とは異なるようになつて
いる。 各楽音発生系列ch1乃至ch10は、ラツチ回
路546,547,548……、可変分周器54
9,550,551,……、3段の1/2分周期5
52,553,554,……を夫々具えている。
各系列ch1〜ch10のラツチ回路546,54
7,548,……にはラツチ回路542から時分
割的に出力される分周比データNFD,OFDが入
力される。各系列ch1〜ch10のアンド回路5
55,556,557,……には前記シフトレジ
スタ545(第26図)から出力されるパルス
FB1〜FB10が各別に供給され、更にクロツク
パルスφB′(第27図)が共通に入力される。各
アンド回路555,556,557……の出力が
ラツチ回路546,547,548……のラツチ
制御入力(L)に与えられる。 従つて、楽音発生系列ch1においては、パル
スFB1とクロツクパルスφB′が“1”になつた
ときアンド回路555の条件が成立し、そのとき
ラツチ回路542から出力されている時分割チヤ
ンネル「3」の分周比データがラツチ回路546
にラツチされる(第27図参照)。以下同様に、
系列ch2では時分割チヤンネル「5」の分周比
データがラツチされ、更に、ch3では「7」、ch
4では「9」、ch5では「11」(すなわちアルペ
ジヨチヤンネルA)、ch6では「2」(すなわち
ベースチヤンネルP)、ch7,ch8,ch9,ch1
0では「4」,「6」,「8」,「10」(すなわち上鍵
域チヤンネルU)の分周比データが夫々ラツチさ
れる。こうして、時分割的な各チヤンネルのキー
コードN1〜B3にもとづく時分割的な分周比デ
ータが、各時分割チヤンネルに対応する所定の楽
音発生系列ch1〜ch10に分配され直流化され
る。 可変分周器549,550,551,……はラ
ツチ回路546,547,548,……から供給
される分周比データに対応する分周比で音源クロ
ツクパルスφjkを分周し、当該チヤンネルに割当
てられている音の音高に対応する2フイート系
2′の音源信号を出力する。音源クロツクパルス
φjkは音源用マスタクロツク発振器558から発
生される。この音源クロツクパルスφjkの周波数
は、ビブラート信号発生器559からのビブラー
ト周波数に応じて周期的に変化させることができ
る。 可変分周器549,550,551,……から
出力された2フイート系の音源信号2′は3段の
1/2分周器552,553,554,……で夫々
順次1/2分周される。従つて、分周器552,5
53,554,……の各段からは4フイート系
4′及び8フイート系8′及び16フイート系16′
の音源信号が夫々得られる。上鍵域チヤンネル専
用(第1の楽音発生態様専用)の楽音発生系列
ch7〜ch10では各フイート系2′,4′,8′,
16′の音源信号は開閉回路560,……で開閉
制御された後、各フイート系別のメロデイ音源信
号ラインM2′,M4′,M8′,M16′に夫々供
給される。楽音発生態様が使い分けられる楽音発
生系列ch1〜ch6では、各フイート系2′,
4′,8′,16′の音源信号は、4個のアンド回
路から成るゲート部561,562,……を介し
て開閉回路563,564,……に入力され、開
閉制御された後、各フイート系別のメロデイ音源
信号ラインM2′,M4′,M8′,M16′に夫々
供給される。ゲート部561,562,……は、
楽音制御回路53(第26図)で後述のように自
動ベースコードモード信号ABC〓が“0”のと
きすなわちノーマルモードのとき導通し、各フイ
ート系2′〜16′の音源信号を開閉回路563,
564,……に導く。その場合は楽音発生系列
ch1〜ch6が上鍵域チヤンネル音すなわちメロ
デイ音の発生のために使用されているのであつ
て、メロデイ音源信号ラインM2′〜M16′に音
源信号が与えられる。 自動ベースコードモードのときは(ABC〓が
“1”)、信号ABC〓を反転した信号によりゲート
部561,562,……が不動作となり、各フイ
ート系の音源信号2′〜16′が阻止され、メロデ
イ音源信号ラインM2′〜M16′に系列ch1〜
ch6からの音源信号が与えられない。その代わ
りに、“1”となつている自動ベースコードモー
ド信号ABC〓により系列ch1〜ch6のアンド回
路565,566,……が動作可能となる。系列
ch1〜ch5(下鍵域チヤンネルLとアルペジヨ
チヤンネルA)のアンド回路565,……の他の
入力には2フイート系2′と4フイート系4′の分
周器出力信号をアンド回路567,……で合成し
た信号が加えられる。2フイート系と4フイート
系の合成により4フイート系の周波数の音源信号
(波形は分周器出力のものとは異なるが)が各系
列ch1〜ch5のアンド回路567,……から出
力され、アンド回路565……を介して開閉回路
563……に入力される。系列ch6(ベースチ
ヤンネルP)のアンド回路566の他の入力には
4フイート系4′と8フイート系8′の分周器出力
信号をアンド回路568で合成した信号が加えら
れる。これにより8フイート系の周波数の音源信
号(波形は分周器出力のものとは異なる)がアン
ド回路566から出力され、開閉回路564に入
力される。系列ch1〜ch4(下鍵域チヤンネル
L)において、アンド回路565……から開閉回
路563……を経由して出力された4フイート系
の音源信号は和音音源信号ラインC4′に供給さ
れる。系列ch5(アルペジヨチヤンネルA)に
おいて、自動ベースコードモード(ABC〓が
“1”)のときに出力される4フイート系の音源信
号はアルペジヨ音源信号ラインA4′に供給され
る。系列ch6(ベースチヤンネルP)におい
て、アンド回路566から開閉回路564を介し
て出力される8フイート系の音源信号はベース音
源信号ラインP8′に供給される。 第26図の楽音制御回路53においては、ラツ
チ回路532から与えられる自動ベースコードモ
ード信号ABC及び走査サイクルパルス4.5Mにも
とづいて自動ベースコードモード信号ABC〓及
びモード切換パルス△ABC〓を再生する回路を
含んでいる。ラツチ回路532から出力される走
査サイクルパルス4.5Mと自動ベースコードモー
ド信号ABCの一例を第29図に示す。ラツチ回
路532では、データKC1〜KC4のタイムスロ
ツト「2」(第27図)のタイミングでラツチ制
御を行うので、出力されるパルス4.5Mあるいは
ABCの立上り及び立下りはタイムスロツト
「2」すなわちパルスFB10(第27図)のタイ
ミングに同期している。走査サイクルパルス
4.5Mのパルス幅は1キー時間、周期は4.5msであ
ることは既に述べた通りである。パルスFB0〜
FB10の繰返し周期は22ビツトタイムすなわち
1キー時間である。従つて、ラツチ回路532か
ら出力されるパルス4.5MはパルスFB10のタイ
ミングで“1”に立上ると、1キー時間後の同じ
パルスFB10のタイミングで“0”に立下る。 ラツチ回路532から出力された信号ABCは
遅延フリツプフロツプ569及び排他オア回路5
70に入力される。遅延フリツプフロツプ569
は、パルスFB6(第27図)のタイミングで入
力信号を取込み、パルスFB0(第27図)のタ
イミングで先の入力信号に対応する出力を生じる
ものである。従つて、ラツチ回路532の出力信
号ABCがパルスFB10のタイミングで“1”に
立上ると、遅延フリツプフロツプ569の出力信
号ABC′は第29図に示すように約1キー時間
(正確には24ビツトタイム)遅れてパルスFB0の
タイミングで“1”に立上る。排他オア回路57
0の他の入力には遅延フリツプフロツプ569の
出力ABC′が加えられており、その出力△
ABC″は第29図に示すようにラツチ回路532
から出力される信号ABCの立上り直後及び立下
り直後の約1キー時間(正確にはパルスFB10
から次のFB0までの24ビツトタイム)の間
“1”となる。すなわち、この信号△ABC″が
“1”のとき、ノーマルモードから自動ベースコ
ードモードへ、あるいはその逆に、モードが変化
したことを意味する。このモード変化検出信号△
ABC″によりカウンタ571がリセツトされ、フ
リツプフロツプ572がセツトされる。フリツプ
フロツプ572のセツト出力Qはモード切換パル
ス△ABC〓として出力される。 カウンタ571のカウント入力Tにはラツチ回
路532から出力された走査サイクルパルス
4.5Mがアンド回路573を介して入力される。
カウンタ571はパルスFB0のタイミングでカ
ウント入力Tに加わる信号を取込み、FB6のタ
イミングで取込んだ信号(“1”または“0”)に
応じたカウント値を出力する。信号△ABC″によ
つてカウンタ571がリセツトされてから7個の
パルス4.5Mが発生すると、カウンタ571の出
力Q1〜Q3は“111”となりアンド回路574
の出力が“1”となる。このアンド回路574の
出力“1”によりフリツプフロツプ572がリセ
ツトされる。従つて、フリツプフロツプ572か
ら出力されるモード切換パルス△ABC〓はモー
ド切換時において第29図に示すように約
31.5ms(パルス4.5Mの7周期分)の間“1”と
なる。アンド回路574の出力が“1”となると
インバータ575の出力が“0”となり、パルス
4.5Mがアンド回路573で阻止され、以後のカ
ウントはなされない。 また、アンド回路574の出力はアンド回路5
76及び577に加わる。アンド回路577の他
の入力には遅延フリツプフロツプ569から信号
ABC′が与えられ、アンド回路576には該信号
ABC′を反転した信号が与えられる。また、アン
ド回路576,577の出力はフリツプフロツプ
を構成しているノア回路578及び579に夫々
入力される。従つて、ノア回路578から出力さ
れる自動ベースコードモード信号ABC〓は第2
9図に示すように信号ABCが立上つたときから
約31.5ms後に立上り、かつ該信号ABCが立下つ
たときから約31.5ms後に立下る。 復調回路50のラツチ回路530にラツチされ
たキーオン信号KO1,KO1′はラツチ回路58
0に入力される。ラツチ回路580のラツチ制御
入力LにはクロツクパルスφA′(第27図)が入
力される。このラツチ回路580は、キーオン信
号KO1のチヤンネルタイミングを、ラツチ回路
542(第28図)から出力される各チヤンネル
の分周比データのチヤンネルタイミング(第27
図における542の出力チヤンネル参照)に合わ
せるためのものである。 ラツチ回路542の出力チヤンネルタイミング
と同じタイミングでラツチ回路580から時分割
的に出力されるキーオン信号KO1は、キーオン
立上りパルス発生回路54のアンド回路581及
び582,583に入力されると共に、アンド回
路584に入力される。音色選択回路585で何
らかの音色が選択されていれば、アンド回路58
4の他の入力に加わるインバータ586の出力は
常に“1”であり、通常は、ラツチ回路580か
ら出力されたキーオン信号KO1はアンド回路5
84を通過する。 キーオン立上りパルス発生回路54において、
2ビツトの加算器587と2個の11ステージ/1
ビツトのシフトレジスタ588,589によつて
時分割的な計数動作が可能なカウンタが構成され
ている。シフトレジスタ588,589はアンド
回路538及び537から出力される2ビツトタ
イム周期の2相クロツクパルスφB′,φA′によつ
てシフト制御されるもので、パルスφB′のタイミ
ングで各ステージに入力信号を取込んでパルスφ
A′のタイミングで各ステージの出力状態を設定す
る。シフトレジスタ588及び589の出力は加
算器587に入力され、アンド回路590から該
加算器587に与えられる信号と加算される。加
算器587の出力はアンド回路582,583を
介してシフトレジスタ588,589に入力され
る。アンド回路590にはラツチ回路532から
与えられる走査サイクルパルス4.5Mとナンド回
路591の出力が与えられる。ナンド回路591
にはシフトレジスタ588,589の出力が入力
される。 鍵が押圧されていないチヤンネルのタイミング
ではラツチ回路580からアンド回路582,5
83に与えられるキーオン信号KO1は“0”で
あり、1キー時間後の(2ビツトタイム周期のパ
ルスφB′,φA′によつて11ステージ分遅延され
た)同じチヤンネルタイミングにおいてシフトレ
ジスタ588,589から出力される信号は
“00”でありナンド回路591の出力は“1”で
ある。シフトレジスタ588,589の出力のチ
ヤンネルタイミングは第27図に示すラツチ回路
542の出力チヤンネルタイミングと同じであ
る。ナンド回路591の出力“1”により、アン
ド回路590では走査サイクルパルス4.5Mを通
過させて加算器587に加えるが、キーオン信号
KO1が“0”である限り、加算器587の出力
はアンド回路582,583で阻止され、レジス
タ588,589には与えられない。 鍵が新たに押圧されて該鍵に関する発音が或る
チヤンネルに割当てられることにより、そのチヤ
ンネルのタイミングでキーオン信号KO1が
“1”となる。キーオン信号KO1が“1”とな
ると、当該チヤンネルタイミングではアンド回路
582,583が動作可能となり、走査サイクル
パルス4.5Mの計数が開始される。或るチヤンネ
ルのキーオン信号KO1が“1”に立上つたとき
から数えて3個の走査サイクルパルス4.5Mが発
生すると、そのチヤンネルのタイミングでシフト
レジスタ588及び589の出力が共に“1”と
なり、ナンド回路591の出力が“0”となる。
これにより、そのチヤンネルタイミングに関して
はパルス4.5Mの計数を停止し、以後、そのチヤ
ンネルのキーオン信号KO1が発生している限
り、計数値“11”をシフトレジスタ588,58
9で循環保持する。 ナンド回路591の出力はアンド回路581に
入力される。アンド回路581の他の入力に加わ
るノア回路592の出力は通常“1”である。従
つて、1つのチヤンネルだけを抽出してみると、
第29図に示すようにそのチヤンネルのキーオン
信号KO1が“1”に立上つた(鍵が押圧され
た)ときからナンド回路591の出力が“0”に
立下るまでの9ms(2×4.5ms)乃至13.5ms(3
×4.5ms)の間アンド回路581の出力が“1”
となる。このアンド回路581の出力は“1”は
キーオン立上りパルスKO2として、パーカツシ
ブ系のエンベロープ形成のために利用される。こ
のキーオン立上りパルスKO2は各チヤンネルの
キーオン信号KO1の立上りから約9ms〜13.5ms
の間各チヤンネル毎に時分割的に発生される。こ
のキーオン立上りパルスKO2のチヤンネルタイ
ミングはラツチ回路580から出力されるキーオ
ン信号KO1と同様に、ラツチ回路542(第2
8図)の出力のチヤンネルタイミングに対応して
いる。 タイミング信号発生部52の遅延フリツプフロ
ツプ544から出力されるパルスFB0がフリツ
プフロツプ593のセツト入力Sに加えられ、シ
フトレジスタ545から出力されるパルスFB6
がフリツプフロツプ593のリセツト入力Rに加
えられる。このフリツプフロツプ593はクロツ
クパルスφA′,φB′によつて制御される。パルス
FB0が発生しているときパルスφA′のタイミン
グでセツト入力Sに“1”が取込まれ、その次の
パルスφB′のタイミングで出力Qがセツト状態
(“1”)に設定される。またパルスFB6が発生し
ているときパルスφA′のタイミングでリセツト入
力Rに“1”が取込まれ、その次のパルスφB′の
タイミングで出力Qがリセツト状態(“0”)に設
定される。従つてフリツプフロツプ593の出力
信号LAPchは第27図に示すようにパルスFB1
からFB6までの間“1”となる。この信号
LAPchが“1”となつている期間は、楽音発生
系列ch1〜ch6すなわち第2の楽音発生態様
(下鍵域チヤンネルL、アルペジヨチヤンネル
A、ベースチヤンネルP)のために利用される系
列に時分割データをラツチするタイミング、換言
すれば、アンド回路584からのキーオン信号
KO1及びアンド回路581からのキーオン立上
りパルスKO2として上記チヤンネル(L,A,
P)に相当する時分割チヤンネル「3」,「5」,
「7」,「9」,「11」,「2」のデータが現われると
き(第27図における542の出力チヤンネル参
照)、である。 音色選択回路585においては、上鍵域(メロ
デイ)、下鍵域(和音)及びアルペジヨ、及びベ
ースに対応して、例えば下記のような音色を選択
することが可能である。 上鍵域(メロデイ)……ピアノ、ハープシコー
ド、オルガン、ストリング、ブラス。 下鍵域(和音)及びアルペジヨ……ピアノ、ギ
ター。 ベース……ストリングベース。 音色選択操作のために複数個のプリセツトボタ
ン(図示せず)が設けられており、所望のプリセ
ツトボタンを押すことにより上記音色のうち所定
の組合せで音色選択信号TCが発生される。例え
ば、或る1つのプリセツトボタンを押圧すると、
上鍵域メロデイ音色として「ピアノ」、下鍵域
(和音)及びアルペジヨ音色として「ピアノ」、ベ
ース音色として「ストリングベース」を夫々選択
する音色選択信号TCが発生される。 また、音色選択回路585では、上鍵域(メロ
デイ)音色としてパーカツシブエンベロープ系の
音色(例えばピアノ)が選択されている場合は、
上鍵域パーカツシブ信号U.PERCを発生する。ま
た、音色選択スイツチ(プリセツトボタン)が全
く操作されていない場合はトーンセレクトオフ信
号TSOFを発生する。トーンセレクトオフ信号
TSOFは、音色が全く選択されていないとき
“1”となり、インバータ586で反転されてア
ンド回路584を動作不能にすると共に、ノア回
路592で反転されて、アンド回路581を動作
不能にする。従つて、音色が全く選択されていな
い場合は、キーオン信号KO1及びキーオン立上
りパルスKO2の発生が禁止される。 楽音制御回路53では、アンド回路584から
出力されるキーオン信号KO1、アンド回路58
1から出力されるキーオン立上りパルスKO2、
フリツプフロツプ593から出力される信号
LAPch、ラツチ回路532から与えられるノー
マルゲート信号NG、及び上鍵域パーカツシブ信
号U.PERCにもとづいてアタツク信号AT及びデ
イケイ信号DCを発生するロジツクを含んでい
る。アタツク信号AT及びデイケイ信号DCとして
は、下記第10表に示すように、キーオン信号KO
1あるいはキーオン立上りパルスKO2あるいは
その反転信号1,2が選択される。
【表】 第10表において「U」は上鍵域チヤンネルを示
す。「U.PERC」は上鍵域パーカツシブ信号U.
PERCが発生したときを示す。「L,A,P」は
下鍵域チヤンネル、アルペジヨチヤンネル、ベー
スチヤンネルを示す。「NG」はノーマルゲート信
号NGが発生したときを示す。アタツク信号ATと
してキーオン立上りパルスKO2が使用されると
き、楽音の振幅エンベロープはパーカツシブ系の
ものとなる。 自動ベースコードモードの場合、ノア回路57
8からアンド回路594に与えられる自動ベース
コードモード信号ABC〓が“1”であり、下鍵
域チヤンネルL及びアルペジヨチヤンネルA及び
ベースチヤンネルPのタイミングに対応して信号
LAPchが“1”となるときアンド回路594の
出力が“1”となる。このアンド回路594の出
力“1”はオア回路595を介してアンド回路5
96に加えられる。アンド回路596の他の入力
にはオア回路597を介してキーオン立上りパル
スKO2が加えられる。従つて、下鍵域チヤンネ
ルL及びアルペジヨチヤンネルA及びベースチヤ
ンネルPのタイミングではキーオン立上りパルス
KO2がアンド回路596で選択され、オア回路
598を介してアタツク信号ATとして出力され
る。尚、このとき、オア回路595の出力“1”
をインバータ600で反転した信号“0”がアン
ド回路599に加わり、キーオン信号KO1が選
択されないようになつている。また、チヤンネル
L,A,Pのタイミングではアンド回路594の
出力“1”がインバータ601で反転され、ノア
回路602に“0”が加わる。従つて、ノア回路
602の出力は他の入力に加わるキーオン立上り
パルスKO2の状態によつて定まる。キーオン立
上りパルスKO2が“1”の間はノア回路602
の出力は“0”であるが、パルスKO2が“0”
となるとノア回路602の出力が“1”となり、
オア回路603を介してデイケイ信号DCが発生
される。 自動ベースコードモードのときにオートリズム
が止まり、ノーマルゲート信号NGが発生される
と、信号LAPchのタイミングでアンド回路60
4の条件が成立し、該アンド回路604からオア
回路597にキーオン信号KO1が与えられる。
オア回路597の出力はキーオン立上りパルス
KO2とキーオン信号KO1を重ねた状態とな
り、パルスKO2がKO1によつて事実上置換え
られる。従つて、アンド回路596とノア回路6
02はキーオン信号KO1にもとづいて動作し、
チヤンネルL,A,Pのタイミングでもキーオン
信号KO1に対応するアタツク信号ATと、その
反転信号KO1に対応するデイケイ信号DCが得ら
れる。 上鍵域チヤンネルのタイミング(すなわちノー
マルモードにおける全チヤンネルのタイミングあ
るいは自動ベースコードモードにおける所定の一
部のチヤンネルのタイミング)においてはアンド
回路594の出力が“0”である。これは信号
ABC〓もしくは信号LAPchが“0”となるため
である。従つて、インバータ600の出力が
“1”となり、アンド回路599が動作可能とな
る。これにより、キーオン信号KO1が該アンド
回路599で選択され、オア回路598を介して
アタツク信号ATとして出力される。このとき、
オア回路595の出力は“0”であるので、キー
オン立上りパルスKO2はアンド回路596で選
択されない。またアンド回路594の出力“0”
により、インバータ601の出力が“1”とな
り、ノア回路602の出力は“0”に固定され
る。従つてキーオン立上りパルスKO2の反転
2に対応するデイケイ信号DCは発生されな
い。キーオン信号KO1が“0”に立下るとイン
バータ605の出力が“1”となり、オア回路6
03を介して該キーオン信号KO1の反転1
に対応するデイケイ信号DCが発生される。 上鍵域パーカツシブ信号U.PERCが“1”のと
きはオア回路595の出力が常に“1”となり、
上鍵域チヤンネルのタイミングにおいてもアンド
回路596を介してキーオン立上りパルスKO2
がアタツク信号ATとして選択される。一方、上
鍵域チヤンネルタイミングではアンド回路594
の出力は常に“0”であるので、キーオン立上り
パルスKO2の反転信号2はノア回路602
から発生されない。従つてデイケイ信号DCとし
てはキーオン信号KO1の反転信号1が使用
される。 キーオン信号KO1及びキーオン立上りパルス
KO2と同じチヤンネルタイミングで、すなわち
ラツチ回路542(第28図)から出力される分
周比データと同じチヤンネルタイミングで、時分
割的に発生されるアタツク信号AT及びデイケイ
信号DCは各楽音発生系列ch1〜ch10(第28
図)のラツチ回路606,607,608,……
に供給される。各系列ch1〜ch10のラツチ回
路606,607,608,……のラツチ制御入
力Lにはラツチ回路546,547,548,…
…と同様に、各系列ch1〜ch10に対応するパ
ルスFB1〜FB10とクロツクパルスφB′を夫々
力したアンド回路の出力が与えられる。従つて、
ラツチ回路546,547,548,……と同様
に、各系列ch1〜ch10のラツチ回路606,
607,608,……には夫々に対応するチヤン
ネルタイミングで供給されたアタツク信号AT及
びデイケイ信号DCだけがラツチされる。こうし
て、各チヤンネルのアタツク信号AT及びデイケ
イ信号DCは所定の系列ch1〜ch10に分配さ
れ、ラツチ回路606,607,608……にお
いて直流化される。 ラツチ回路606,607,608……にラツ
チされた直流化されたアタツク信号AT′及びデイ
ケイ信号DC′はエンベロープ発生回路609,6
10,611……に供給される。系列ch1〜ch
6で使用されるエンベロープ発生回路609,6
10……の一例を第30図aに示し、系列ch7
〜ch10で使用されるエンベロープ発生回路6
11……の一例を第30図bに示す。第30図a
あるいはbにおいて、アタツク信号AT′が“1”
のときコンデンサCeまたはCe′がアタツク抵抗R
1またはR1′及びトランジスタTr1またはTr
1′を介して充電される。デイケイ信号DC′が
“1”になると、デイケイ抵抗R2またはR2′及
びトランジスタTr2またはTr2′を介してコンデ
ンサCeまたはCe′が放電される。このコンデンサ
CeまたはCe′の充放電波形がエンベロープ制御信
号として開閉回路563,564,560……に
供給される。尚、コンデンサCeまたはCe′に並列
に抵抗R3またはR3′による放電回路が設けら
れている。これは、アタツク信号AT′が“0”に
立下つた後、デイケイ信号DC′がすぐに“1”に
立上らない場合に、該抵抗R3またはR3′を介
して緩やかに放電させるための回路である。例え
ば上鍵域パーカツシブ信号U.PERCが発生したと
きがこれに該当する(前記第10表参照)。 尚、系列ch1〜ch6のエンベロープ発生回路
(第30図a)のデイケイ抵抗R2のすべての合
成値は、系列ch7〜ch10のデイケイ抵抗R
2′(第30図b)の値より大きい。第26図の
ノア回路578から出力される自動ベースコード
モード信号ABC〓が系列ch1〜ch6のエンベロ
ープ発生回路609,610,……に供給されて
おり、この信号ABC〓が“1”のときエンベロ
ープ発生回路609,610,……のトランジス
タTr3(第30図a)をオフにし、デイケイ抵
抗R2を最大値にしている。すなわち、自動ベー
スコードモードの場合は短いパルスKO2の反転
信号2がデイケイ信号DC′となるので発音開
始後速やかに放電状態となる。そのため、放電時
間を長くして、緩やかに減衰するパーカツシブ系
のエンベロープ波形を得るようにしているのであ
る。信号ABC〓が“0”のときはトランジスタ
Tr3がオンして、デイケイ抵抗R2の値が系列
ch7〜ch10のデイケイ抵抗R2′の値と同じに
なるようになつている。これは、信号ABC〓が
“0”すなわちノーマルモードのときは系列ch1
〜ch6はch7〜ch10と同様に上鍵域チヤンネ
ルとして利用されるためである。 第26図のフリツプフロツプ572から出力さ
れるモード切換パルス△ABC〓が系列ch1〜ch
6のエンベロープ発生回路609,610……に
供給される。このモード切換パルス△ABC〓が
発生したときエンベロープ発生回路609,61
0……(第30図a)のトランジスタTr4がオ
ンし、デイケイ抵抗R2の値は最も小さくなる。
このモード切換パルス△ABC〓は第26図のア
ンド回路612にも入力され、信号LAPchが
“1”のとき、すなわち上鍵域チヤンネルUから
下鍵域チヤンネルLあるいはアルペジヨチヤンネ
ルAあるいはベースチヤンネルPへと、またその
逆に、楽音発生態様が切換えられる系列ch1〜
ch6に対応するチヤンネル「3」,「5」,「7」,
「9」,「11」,「2」のタイミングにおいて、該ア
ンド回路612の出力が“1”となる。このアン
ド回路612の出力“1”はオア回路603を介
してデイケイ信号DCとして出力される。従つ
て、モード切換パルス△ABC〓が発生したとき
は、系列ch1〜ch6のエンベロープ発生回路6
09,610……のトランジスタTr4(第30
図a)がオンすると共に、該系列ch1〜ch6に
対して強制的にデイケイ信号DCが与えられ、デ
イケイ用のトランジスタTr2がオンする。これ
により、コンデンサCeは急速放電され、系列ch
1〜ch6でそれまで発音されていた楽音が急速
に消去される。 尚、発音割当て回路18(第1図)の側におい
ても、モード切換時にモード切換制御回路15
(第4図)から発生されるモード切換パルス△
ABCによりオフチヤンネルタイミング信号
OFchTをタイミング信号発生回路20(第20
図)から発生し、上記系列ch1〜ch6に対応す
るチヤンネルタイミング「3」,「5」,「7」,
「9」,「11」,「2」(第6図)に関するキーオンメ
モリ178(第10図)の記憶(キーオン信号
KO1)をクリアするようにしている。しかし、
キーオン信号KO1のクリアのみ(すなわちそれ
に連動するデイケイ信号DCの発生のみ)ではデ
イケイ抵抗R2の関係で必らずしも直ちに音が消
去されるとは限らない。そこで、モード切換パル
ス△ABC〓によつてデイケイ抵抗R2を小さく
して急速放電させることにより、モード切換時に
直ちに消音するようにしているのである。このよ
うな2段構えの(信号OFchTとエンベロープ急
速放電)処理によつて、モード切換時に楽音発生
態様が切換えられる発音チヤンネルの一時的な消
音制御を確実に行うことができるようになり、モ
ード切換時におかしな音が出るのを確実に防止す
る。 一方、第26図において、モード切換パルス△
ABC〓はキーオン立上りパルス発生回路54の
ノア回路592にも入力される。モード切換パル
ス△ABC〓の発生によりノア回路592の出力
は“0”となり、アンド回路581を動作不能に
する。これにより、モード切換パルス△ABC〓
が発生する約31.5msの間、キーオン立上りパル
スKO2の発生が禁止される。これは次のような
不都合が生じないようにするためである。 例えば、上鍵域(下鍵域に変更されることのな
い上鍵域)で押鍵しているときにノーマルモード
から自動ベースコードモードに切換えたとする。
この押鍵中の上鍵域音が下鍵域チヤンネルに変更
されるべきチヤンネル(例えばチヤンネル
「3」)にそれまで割当てられていたとすると、モ
ード切換えによつて発生するオフチヤンネルタイ
ミング信号OFchTによつてそれまでの割当てが
クリアされる(キーオン信号KO1のクリアによ
つて強制的に離鍵扱いとなる)。しかし実際は上
鍵域で鍵が押され続けているので、その押鍵音が
今度は上鍵域専用のチヤンネル「4」,「6」,
「8」,「10」のいずれかに新たに割当てし直され
る。この新たな割当てによつて、実際は押鍵が持
続していたにもかかわらず、新たな割当てチヤン
ネルでキーオン信号KO1が“1”に立上り、キ
ーオン立上りパルス発生回路54(第26図)か
らキーオン立上りパルスKO2が発生される。こ
の場合、上鍵域の音色としてパーカツシブ系の音
色(例えばピアノ)が選択されていたとすると、
音色選択回路585から発生される信号U.PERC
にもとづいて上鍵域チヤンネルのキーオン信号
KO2がアタツク信号ATとして選択される。従
つて、上記の場合、上鍵域で鍵が押され続けてい
るにもかかわらず、モード切換前(ノーマルモー
ドのとき)とモード切換直後においてキーオン立
上りパルスKO2に伴ないアタツク信号ATが2
度発生する。そのままにしておくと、鍵が1度し
か押されないのにパーカツシブ系エンベロープの
音が2度発生されてしまう(別チヤンネルで)と
いう不都合が生じる。そのため、モード切換パル
ス△ABC〓によつてモード切換直後に発生され
るキーオン立上りパルスKO2(特に上鍵域チヤ
ンネルのキーオン立上りパルスKO2、何故なら
下鍵域チヤンネル等はモード切換時に信号
OFchTによりクリアされキーオン信号KO1が発
生せず、従つてパルスKO2も発生しない)を禁
止し、2度目のキーオン立上りパルスKO2にも
とづいてアタツク信号ATが発生されることのな
いようにしているのである。 上記のような点も考慮して、モード切換パルス
△ABC〓(あるいは△ABC)の発生時間幅は、
再割当て処理に要する時間すなわちキー走査1サ
イクルに要する時間4.5msとキーオン立上りパル
スKO2の時間幅9ms乃至13.5msとを合計した時
間よりも長い時間、例えば31.5msに設定し、モ
ード切換時に発生される偽のキーオン立上りパル
スKO2を確実に除去できるようにしている。 各楽音発生系列ch1〜ch10から発生された
音源信号はラインM2′〜M16′,C4′,A
4′,P8′を介して音色形成回路613に供給さ
れる。音色形成回路613では音色選択回路58
5(第26図)から与えられる音色選択信号TC
にもとづいて、メロデイ音源信号ラインM2′〜
M16′の音源信号に対してはメロデイ音色を、
和音音源信号ラインC4′及びアルペジヨ音源信
号ラインA4′の音源信号に対しては和音音色
を、ベース音源信号ラインP8′の音源信号に対
してはベース音色を、夫々付与する。従つて、系
列ch1〜ch6が上鍵域(メロデイ)のために利
用されているとき(ノーマルモードのとき)は系
列ch1〜ch6の出力音源信号(M2′〜M16′
の信号)にメロデイ音色が付与されるが、伴奏音
のために利用されているとき(自動ベースコード
モードのとき)は該系列ch1〜ch6の出力音源
信号(C4′,A4′,P8′)に所定の伴奏音色
が付与される。 モード切換えに伴う処理の整理 鍵押圧中にノーマルモードから自動ベースコー
ドモード(フインガードコードモードあるいはシ
ングルフインガーモード)に切換えられた場合、
処理の形態は次の4つ(1−a乃至1−d)に分
類できる。 (1−a)…ノーマルモードのときに、C7〜
G3の鍵域の鍵が楽音発生系列ch7〜ch10(第
6図のチヤンネル「4」,「6」,「8」,「10」に対
応)に発音割当てされていた場合。 この場合は、モード切換えに伴う処理は全くな
されず、自動ベースコードモードに切換つた後も
発音割当て状態は変化しない。何故なら、これら
の鍵域C7〜G3及び系列ch7〜ch10(チヤンネ
ル)はノーマルモードのときも自動ベースコード
モードのときも上鍵域及び上鍵域チヤンネルであ
るからである。 (1−b)…ノーマルモードのときに、C7〜
G3の鍵域の鍵が楽音発生系列ch1〜ch6(第6
図のチヤンネル「3」,「5」,「7」,「9」,
「11」,「2」に対応)に発音割当てされていた場
合。 この場合は、モード切換時に発生される約
31.5ms幅のモード切換パルス△ABC(第5図)
にもとづいて、オフチヤンネルタイミング信号
OFchT(第2図)が上記系列ch1〜ch6のチヤ
ンネルタイミングに対応して発生される(第6
図)。この信号OFchTによつてカレントキーオン
メモリ177及びキーオンメモリ178(第10
図)におけるキーオン信号KON′,KO1がクリ
アされ、かつ同時に発生されるモード切換パルス
△ABC〓(第26図、第29図)によつて上記
系列ch1〜ch6は急速減衰状態となるので、上
記系列ch1〜ch6に割当てられていたC7〜G3の
鍵が離鍵されたものと見なされると共にその楽音
が急速に消去される。 しかし、実際にはC7〜G3の鍵は押圧され続け
ている。従つて、信号OFchTによつてはクリア
されない上鍵域チヤンネル「4」,「6」,「8」,
「10」(第6図)すなわち楽音発生系列ch7〜ch
10にこれらの鍵C7〜G3が再割当てされる。そ
れまで系列ch1〜ch6に割当てられていた鍵域
C7〜G3の音がパルス△ABC,△ABC〓によつて
クリアされたときからその同じ音が系列ch7〜
ch10に再割当てされるまでには少くとも1走
査サイクル(4.5ms)の遅れがある。 この場合、上鍵域音色として接続音系の音色が
選択されているとすると、モード切換え前に系列
ch1〜ch6で持続発生されていたのと同じ音が
モード切換え後も系列ch7〜ch10で持続発音
される。従つて、鍵域C7〜G3の鍵を押圧し続け
ている演奏者にとつては、モード切換えによつて
何の影響も受けることなく鍵押圧操作の通りに発
音が持続されているものと聴き取れる。但し、再
割当てまでの約4.5ms程度の時間遅れにより、実
際には持続音が一瞬途切れる。しかし、この程度
の短時間の途切れは、人間の耳には殆んど聴き取
られない。 他方、上鍵成音色としてパーカツシブ系の音色
が選択されている場合(U.PERCが“1”のと
き)は、上記再割当てによつて上鍵域用の楽音発
生系列ch7〜ch10に対応してキーオン信号KO
1が立上りこれに伴ないキーオン立上りパルス
KO2が発生されるが(第26図、第29図)、
前述のようにパルス△ABC〓によつてこのパル
スKO2が禁止される。従つて、モード切換後の
再割当てによつて、パーカツシブ系の楽音がもう
1度発生されることは起らない。すなわち、モー
ド切換前にすでにパーカツシブ系の音が発生され
ているので、鍵が持続押圧されている限りは再び
パーカツシブ音が発生し直されることはない。 (1−c)…ノーマルモードのときに、F#3
〜C2の鍵域の鍵が上鍵域用の楽音発生系列ch7
〜ch10に発音割当てされていた場合。 この場合は、モード切換時に発生されるモード
切換パルス△ABCにより下鍵域すなわちF#3
〜C2のキーデータKDが一時阻止される(第7図
のアンド回路142参照)。従つて、系列ch7〜
ch10に対応する上鍵域チヤンネル「4」,
「6」,「8」,「10」ではそれまで割当てられてい
たF#3〜C2の鍵が離鍵されたものとして処理
され、このF#3〜C2の鍵押圧に対応して系列
ch7〜ch10で発生されていたメロデイ音色の
音がクリアされる。 パルス△ABCが消滅すると、下鍵域F#3〜
C2のキーデータKDがキー走査回路11から出力
されるようになる。このとき既に記号ABCは
“1”に立上つており(第5図参照)、下鍵域F
#3〜C2の押鍵音(またはこの押鍵にもとづく
シングルフインガーモード和音構成音あるいは自
動ベース音あるいは自動アルペジヨ音)が下鍵域
チヤンネルあるいはベースチヤンネルあるいはア
ルペジヨチヤンネルに割当てられる。従つて、モ
ード切換え前から下鍵域F#3〜C2の鍵が持続
して押圧されていたとしても、ABCモードに切
換わつたときはこれらの下鍵域F#3〜C2の鍵
が新たに押圧されたのと同様に、下鍵域チヤンネ
ルあるいはアルペジヨチヤンネルあるいはベース
チヤンネルすなわち楽音発生系列ch1〜ch6に
新たに発音割当てされる。 (1−d)…ノーマルモードのときに、F#3
〜C2の鍵域の鍵が楽音発生系列ch1〜ch6に発
音割当てされていた場合。 この場合は、モード切換パルス△ABCにより
下鍵域F#3〜C2のキーデータKDが阻止される
と共に、パルス△ABCにもとづくオフチヤンネ
ル信号OFchT及びパルス△ABC〓の働きにより
系列ch1〜ch6の割当てがクリアされ、それま
で発生されていたメロデイ音色の音が消去され
る。 パルス△ABCが消滅すると、上記(1−c)
の場合と同様に下鍵域F#3〜C2の押鍵音にも
とづく和音構成音あるいはアルペジヨ音あるいは
ベース音が系列ch1〜ch6に発音割当てされ
る。 下鍵域押鍵中(メモリモードにより押鍵中と見
なされる場合も含む)に自動ベースコードモード
からノーマルモードに切換えられた場合、処理の
形態は次の2つ(2−a及び2−b)に分類でき
る。 (2−a)…下鍵域で実際に鍵が押圧されてい
る場合。 モード切換パルス△ABC,△ABC〓により自
動ベースコードモード用のチヤンネル(系列ch
1〜ch6)に割当てられていた自動伴奏音(和
音、ベース音、アルペジヨ音)がクリアされる。
また、パルス△ABCにより下鍵域F#3〜C2の
キーデータKDが一時阻止される。パルス△ABC
が消滅すると、鍵域F#3〜C2のキーデータKD
が発音割当て回路18に与えられるようになり、
既に上鍵域チヤンネルに切換わつている全チヤン
ネル(系列ch1〜ch10)のいずれかに該鍵域
F#3〜C2の押鍵音が再割当てされ、メロデイ
音として新たに発音される。 (2−b)…下鍵域で実際に押鍵されていず、
メモリモードによつて伴奏音が発生されていた場
合。 モード切換パルス△ABC,△ABC〓により自
動ベースコードモード用のチヤンネル(系列ch
1〜ch6)がクリアされ、和音、ベース音及び
アルペジヨ音が止まる。下鍵域では鍵が押圧され
ていないので、パルス△ABCの消滅後に再割当
てされることもない。 下鍵域押鍵中(メモリモードにより押鍵中と見
なされる場合も含む)にシングルフインガーモー
ドからフインガードコードモードへ、あるいはそ
の逆に、切換えられた場合、処理の形態は次の2
つ(3−a及び3−b)に分類できる。 (3−a)…下鍵域で実際に鍵が押圧されてい
る場合。 この場合は、モード切換時にキー走査の1サイ
クルの間(4.5ms)だけ信号△が“0”となる
(第4図、第5図)。この信号△に対応してキー
走査1サイクル分の短いパルス△ABCも発生さ
れる。この短いパルス△ABCが発生する1走査
サイクルの間に自動ベースコードモード用のチヤ
ンネル(系列ch1〜ch6)の割当てがクリアさ
れる。その次の走査サイクルでは、モード切換後
の新たなモード(フインガードコードモードある
いはシングルフインガーモード)のための和音構
成音、ベース音、アルペジヨ音のキーデータ形成
及び発音割当て処理が行なわれ、自動ベースコー
ドモード用のチヤンネル(系列ch1〜ch6)に
は新たな伴奏音(和音構成音、ベース音、アルペ
ジヨ音)が夫々割当てられる。シングルフインガ
ーモードとフインガードコードモードとでは、下
鍵域で押圧している鍵が同じであつても一般に和
音は異なるので、モード切換前と切換後とでは異
なる和音及びベース音及びアルペジヨ音が発音さ
れる。 尚、フインガードコードモードからシングルフ
インガーモードに切換わつた場合は、フインガー
ドコードモードのときに記憶した遅延フリツプフ
ロツプ289(第12図)における和音成立記憶
を信号△によりクリアすると共に、信号△の
反転信号△Fによりオア回路410、アンド回路
411を介して和音変更記憶用の遅延フリツプフ
ロツプ299(第12図)に“1”を記憶し、こ
れにより和音種類メモリ36,37(第12図)
をクリアする。これは、モード切換に伴う新たな
和音検出に備えるためである。 (3−b)…下鍵域で実際に押鍵されていず、
メモリモードにより発音が維持されていた場合。 この場合は、モード切換時に“0”となる信号
△により、モード切換制御回路15(第4図)
内の遅延フリツプフロツプ107におけるメモリ
モード信号Mの記憶がクリアされる。メモリモー
ド信号Mが“0”となることにより、下鍵域エニ
イキーオン信号LKAKO(第14図)が“0”と
なり、ベース音キーデータKPあるいはシングル
フインガー和音キーデータSFKL(第15図)が
発生されなくなる。従つて、自動ベースコードモ
ード用のチヤンネルがモード切換時に△に対応
する△ABCによつて一旦クリアされると、以後
は再割当てされない。 尚、モード切換パルス△ABCにもとづいて発
生されるオフチヤンネルタイミング信号OFchT
は第11図のトランケート回路22にも与えら
れ、シフトレジスタ217〜220と加算器21
6から成る離鍵数カウンタにおける当該チヤンネ
ルのカウント値を強制的に“0001”とする。この
オフチヤンネルタイミング信号OFchTによつて
キーオン信号KO1がクリアされるときはニユー
キーオフ信号NKOFが発生されないため、この信
号OFchTによつてニユーキーオフ信号NKOFが
発生したのと同様の処理(すなわちカウント値を
“0001”とする)を行なう。これにより、信号
OFchTによつてクリアされたチヤンネルがトラ
ンケート可能となる。 尚、モード切換パルス△ABCはオートリズム
装置45(第1図)のRUNメモリ47をリセツ
トするためにも使用される。これは次の理由によ
る。自動ベースコードモードのメモリモードのと
きに、シンクロスタートスイツチSYNC(第1
図)をオンして、オートリズムをシンクロスター
トモードとした場合、下鍵域エニイキーオン信号
LKAKOは一度下鍵域の鍵が押圧されると以後
“1”を持続する。(第14図に示すようにメモリ
モード信号Mにより)ので、RUNメモリ47が
セツトされたままになる。そのため、ノーマルモ
ードに切換わつたときに、パルス△ABCよつて
該RUNメモリ47をリセツトし、オートリズム
を待機状態に戻すようにしているのである。 尚、上記実施例では、一段鍵盤式の電子楽器に
この発明を適用した例が示されているが、複数鍵
盤を具える電子楽器にも適用することができる。
例えば、実施例における上鍵域を上鍵盤に置換
え、下鍵域を下鍵盤に置換えれば実施例とほぼ同
様に実施することができる。また、発音割当て回
路としては上記実施例のように時分割的に割当て
処理を行うものに限定されず、非時分割的に処理
を行うものであつてもよい。また、押鍵検出手段
も上記実施例のような時分割多重化されたキーデ
ータ(“1”または“0”によつて押鍵または離
鍵を示す多重化データ)を発生するキー走査回路
に限定されるものではなく、任意の構成のものを
採用してさしつかえない。 以上説明したようにこの発明によれば、割当て
消去手段を設けて、モード切換え時に少なくとも
モード切換えによつて楽音発生態様が変化する楽
音発生チヤンネルの発音割当てを消去する(楽音
の発生を禁止する)ようにしているので、モード
切換えによつて楽音発生態様が変化するチヤンネ
ルにおいて不都合な発音割当てが生じることがな
くなり、不要な音が出るのを防ぐことができる、
という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の電子楽器の一実施例を示す
全体構成ブロツク図。第2図は第1図における発
音割当て回路内のタイミング信号発生回路の詳細
例を示す回路図。第3図は第2図の回路における
制御用信号類の発生例を示すタイミングチヤー
ト。第4図は第1図におけるモード選択回路の詳
細例を示す回路図。第5図は第4図の動作例を示
すタイミングチヤート。第6図は第2図の回路か
ら発生されるチヤンネルタイミング信号の発生例
を示すタイミングチヤート。第7図は第1図にお
けるキー走査回路の詳細例を示す回路図。第8図
は第7図の回路から発生されるタイミング信号類
の一例及びこれらのタイミング信号類によつて時
間制御されて1走査サイクル内で実行される各種
処理の時間関係を示すタイミングチヤート。第9
図は第1図におけるキー情報変換部の詳細例を示
す回路図。第10図は第1図における発音割当て
制御部及びウインドウ回路の詳細例を示す回路
図。第11図は第1図におけるトランケート回路
の詳細例を示す回路図。第12図は第1図におけ
る和音検出制御回路の詳細例を示す回路図。第1
3図は第1図における下鍵域ニユーキーオン検出
回路の詳細例を示す回路図。第14図は第1図に
おける下鍵域キーオンメモリの詳細例を示す回路
図。第15図は第1図における自動ベースコード
処理回路の詳細例を示す回路図。第16図は第1
5図の回路動作例、特に根音シフトレジスタを中
心とする動作例を示すタイミングチヤート。第1
7図は第12図の回路におけるシングルフインガ
ーモードのときの処理動作例を示すタイミングチ
ヤート。第18図は第1図におけるアルペジヨ音
キーデータ形成回路の詳細例を示す回路図。第1
9図は第18図における同音名除去回路において
同音名数がカウントされるまでの動作例を示すタ
イミングチヤート。第20図は第18図における
同音名除去回路において同音名を除去したキーオ
ン信号を得るまでの動作例を示すタイミングチヤ
ート。第21図は第18図のキーデータ抽出回路
において加減算計数が可能な時間関係を示すタイ
ミングチヤート。第22図及び第23図は第18
図の回路においてアルペジヨ音キーデータが抽出
されるまでの動作例を夫々示すタイミングチヤー
ト。第24図は第12図の下鍵域キーデータレジ
スタからアルペジヨ用の和音構成音キーデータが
発生される一例を示すタイミングチヤート。第2
5図は第9図の多重化回路から出力される多重化
されたキーコード類の状態の一例を各時分割タイ
ムスロツト毎に示す図。第26図は第1図におけ
る復調回路及びタイミング信号発生部及び楽音制
御回路の詳細例を示す回路図。第27図は第26
図各部の出力信号の一例を示すタイミングチヤー
ト、第28図は第1図における楽音発生回路の一
例を示すブロツク図。第29図は第26図の回路
におけるモード切換パルス等の再発生例及びキー
オン立上りパルスの発生例を示すタイミングチヤ
ート。第30図a,bは第28図におけるエンベ
ロープ発生回路の詳細例を夫々示す回路図。 10……キースイツチマトリクス、11……キ
ー走査回路、13……モード選択回路、15……
モード切換制御回路、18……発音割当て回路、
19……発音割当て制御部、20……タイミング
信号発生回路、108……割当て態様設定回路、
109……割当て禁止回路、178……キーオン
メモリ、51……楽音発生回路、609,61
0,611……エンベロープ発生回路、△
ABC,△ABC〓……モード切換パルス、KO1…
…キーオン信号、OFchT……オフチヤンネルタ
イミング信号。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複数の鍵を具える鍵盤と、鍵の総数よりも少
    ない複数の楽音発生チヤンネルから成る楽音発生
    手段と、前記鍵盤で押圧されている鍵を検出する
    押鍵検出手段と、演奏モードを選択し、前記楽音
    発生チヤンネル及び前記鍵盤の鍵を該演奏モード
    に応じて異なる態様で夫々グループ化しかつグル
    ープ化された各チヤンネルグループにおける楽音
    発生態様を該演奏モードに応じて夫々異ならせる
    モード選択手段と、前記押鍵検出手段で検出され
    た押圧鍵にもとづく音の発音を、前記演奏モード
    に応じて該押圧鍵が属する鍵グループに対応して
    グループ化されたチヤンネルグループ内のいずれ
    かの楽音発生チヤンネルに割当てる発音割当て手
    段とを具える電子楽器において、 前記モード選択手段によつて選択される演奏モ
    ードが切換えられたことを検出し、モード切換え
    時に前記各楽音発生チヤンネルのうち少なくとも
    モード切換えによつて楽音発生態様が変化する楽
    音発生チヤンネルの発音割当てを消去することに
    より実質的に不要な音の発音を防止する割当て消
    去手段を更に具えたことを特徴とする電子楽器。 2 前記発音割当て手段は、発音割当てされた楽
    音発生チヤンネルに対応してキーオン信号を記憶
    するキーオンメモリを含む手段であり、前記割当
    て消去手段は、前記モード切換えによつて楽音発
    生態様が変化する楽音発生チヤンネルにおける前
    記キーオン信号の記憶を前記モード切換え時にク
    リアすることにより実質的に発音割当てを消去す
    る手段である特許請求の範囲第1項記載の電子楽
    器。 3 前記楽音発生手段内の各楽音発生チヤンネル
    はエンベロープ発生回路を夫々含み、前記割当て
    消去手段は、前記モード切換えによつて楽音発生
    態様が変化する楽音発生チヤンネルにおける前記
    エンベロープ発生回路の発生エンベロープ信号を
    前記モード切換え時に夫々クリアすることにより
    該チヤンネルにおける発生音を消去する手段であ
    る特許請求の範囲第1項記載の電子楽器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4176573A (en) * 1978-10-13 1979-12-04 Kawai Musical Instrument Mfg. Co. Ltd. Intrakeyboard coupling and transposition control for a keyboard musical instrument

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