JPS625528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガスバーナ、さらに詳しくは、主とし
てガスレンジに用いられる点火源を内部に備えた
ガスバーナに関するものである。

一般に点火源を内部に備えたこの種のガスバー
ナでは点火源をバーナ本体内に小部屋である点火
室内に収め、この点火室内にガスと空気との混合
気を取り込れて混合気への点火を行なつている。
この点火室への混合気の取り入れをスムーズにす
るには、点火室を通る混合気の流路抵抗を小さく
する必要がある。また炎孔に炎が安定して形成さ
れるには混合管から炎孔に至る混合気の流路抵抗
を小さくする必要がある。

本考案は上述の点に鑑みて為されたものであつ
て、混合気の流路抵抗を小さくし炎を形成する混
合気の流れに乱れが起きないようにすることを主
な目的としている。

本考案の実施例を以下、図面に基づいて説明す
る。本考案に係るガスバーナは、扁平円筒状に形
成され下底面に混合管１が結合されるバーナ本体
２の側周面に縦長状の炎孔３が複数形成され、バ
ーナ本体２上底面の内側にはバーナ本体２上底面
の中心から外側に向かつて昇り傾斜する母線を備
えた逆円錐状の整流板１２が配置され、整流板１
２の上端縁と炎孔３の上縁とが略一致するもので
ある。本実施例では、第１図に示すように、混合
管１がバーナ本体２の下底面に連結されて垂下す
る直管状である例を示す。混合管１は上下に走る
直管状であつて、下端にガスを噴出するノズル８
が挿入され、上端にバーナ本体２が連結される。
混合管１下端部側面には一次空気吸入孔９が開口
し、ノズル８から混合管１内にガスが噴出すると
ベンチユリ効果により一次空気吸入孔９から空気
が混合管１内に取り入れられる。このとき、混合
管１が直管状であるからノズル８からのガスの流
出に対する抵抗が少なく、そのため取り入れる空
気量も多くなる。ガスと空気とは混合管１内を上
昇しながら混合されて混合管１上端に連結された
バーナ本体２内に送られる。バーナ本体２は、第
１図および第２図に示すように、バーナボデイ１
０、バーナキヤツプ１１、整流板１２などを具備
する。バーナボデイ１０は、下部から上部に向か
つて次第に径を広げる略円錐状に形成される。バ
ーナボデイ１０の下底面には混合気通孔１３が開
口し、その開口周縁から混合管１に連結される連
結筒部１４が下方に突出する。バーナボデイ１０
上端部には周方向の略全周にわたつて外側縁に段
差部１５が設けられ、段差部１５の縦壁には上下
方向に走る多数の通気溝１６がバーナボデイ１０
の周方向の略全周にわたつて形成される。また段
差部１５の縦壁上端面の適宜位置からは、スペー
サリブ１７が突出してスペーサリブ１７先端がバ
ーナキヤツプ１１裏面に当接する。段差部１５の
縦壁の一部は切欠かれ、この切欠１８に対応して
段差部１５の内側に略円形の嵌合リブ１９が設け
られる。バーナキヤツプ１１は、下面開口する平
扁な円筒状であつて、下面中央にボス２０が突設
される。バーナキヤツプ１１の側壁には上下に長
い多数の炎孔３がバーナキヤツプ１１の全周にわ
たつて多数設けられる。炎孔３の開口周縁は薄肉
に形成されて炎孔３からの混合気の流出に対する
抵抗を小さくしている。このため、炎孔３を巾狭
にして、逆火や煽火が生じるのを防止している。
バーナキヤツプ１１の側壁の一部は切欠かれて主
炎孔６が形成される。バーナキヤツプ１１の側壁
下面の適宜位置からは支持リブ２１が突出する。
バーナキヤツプ１１中央のボス２０にはビス２２
が螺合し、そのビス２２により整流板１２が取着
される。整流板１２は、母線が中心から周縁に向
かつて上り傾斜する略逆円錐形に形成されてお
り、外周部の一部が円弧状に切欠かれて嵌め受け
部が設けられている。整流板１２は嵌め受け部が
主炎孔６に対応するようにしてバーナキヤツプ１
１に取着される。嵌め受け部には点火室５が装着
されるようになつている。点火室５は、下面開口
する円筒状であつて、その側壁の一部に種火吐出
口２４が開口し、種火吐出口２４に対向する側壁
に周方向に沿つて長い流入孔７が形成される。点
火室５の下面中央部には先端の尖つた尖頭２５が
突設される。この点火室５の下端部はバーナボデ
イ１０の嵌合リブ１９の内側に嵌着され、その上
から整流板１２が取着されたバーナキヤツプ１１
が被嵌される。このとき、バーナキヤツプ１１の
主炎孔６と点火室５の種火吐出口２４とが合致す
るように配置される。また流入孔７は種火吐出口
２４とは反対側に位置しており、流入孔９は種火
吐出口２４と混合管１とを結ぶ混合気の略最短の
流路上に位置するようになつている。すなわち、
炎孔３から吐出する混合気と点火室５を通つて主
炎孔６から吐出する混合気とが同じような経路を
通つて吐出されるのである。したがつて、点火室
５へ流入する混合気の量は炎孔３から吐出する混
合気の量に比例するようになる。しかるに、上述
のように、混合管１が直管状であり、かつ炎孔３
の開口周縁を薄肉としているので、混合気の炎孔
３からの流出速度が大きくなり、その結果、点火
室５へも混合気が十分に送られることになる。ま
た、それに加えて整流板１２の上端縁が炎孔３の
上端縁と略一致するように構成されるとともに、
点火室５の流入口７の上縁に整流板１２の下面が
略一致するように構成されており、かつ整流板１
２とバーナ本体２の下底面内壁とが略平行に配置
されて両者間に混合気の流路を形成しているもの
であるから、混合気の流路抵抗が少なく、混合気
の流れがスムーズになる。その結果、点火室へす
ばやく十分な量の混合気を送り込むことができる
とともに、炎孔３に形成される炎が安定する。バ
ーナキヤツプ１１の下端部はバーナボデイ１０の
段差部１５に合致する。バーナボデイ１０の点火
室５に対応する位置には点火プラグ２９が挿入す
るための挿入孔２６が開口する。この点火プラグ
２９の先端と上記尖頭２５とは対向するように配
置され、両者で点火源４が構成される。点火プラ
グ２９と尖頭２５との間で放電火花が形成され、
それによつて点火室５内の混合気に点火される。
点火プラグ２９はその下端部を混合管１上端部に
固定した取付台２７に取着される。点火室５で点
火された炎は主炎孔６から吐出して炎孔３から吐
出する混合気に炎を移し、炎孔３に火炎を形成す
る。ところで、上述したように、バーナボデイ１
０にはスペーサリブ１７が突設され、バーナキヤ
ツプ１１には支持リブ２１が突設されているもの
であるからこれらのリブ１７，２１によりバーナ
ボデイ１０の段差部１５とバーナキヤツプ１１の
下端部との間に補炎孔２８が形成される。すなわ
ちガスと空気との混合気の一部は通気溝１６を通
つてこの補炎孔２８から吐出されることになる。
補炎孔２８はバーナ本体２の周方向の全周に亘つ
て形成されており、主炎孔６および炎孔３の下端
は補炎孔２８に連通している。その結果、主炎孔
６に形成された炎が炎孔３より吐出する混合気に
転移する際、炎が補炎孔２８から吐出する混合気
に転移してバーナ本体２の全周にすばやく回り、
それから炎孔３から吐出する混合気に炎が転移す
る。主炎孔６および補炎孔２８に形成された炎は
着火後も燃え続けるのであり、たとえ炎孔３に形
成された炎が風などで消えたとしても、主炎孔６
および補炎孔２８に形成された炎には煽火が生じ
ることが少なく、消えることがないものである。
これらの炎によつて炎孔３に炎がすぐ復帰して安
全である。

本考案は上述のように、バーナ本体上底面の内
側にバーナ本体上底面の中心から外側に向かつて
昇り傾斜する母線を備えた逆円錐状の整流板が配
置され、整流板の上端縁と炎孔の上縁とが略一致
するので、混合管より流入した混合気の炎孔に至
る流路内での抵抗が少なく、混合気の流れがスム
ーズになり、その結果、炎孔に混合気が安定して
供給され、炎孔に形成される炎が安定するという
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は同上に使用するバーナ本体の分解斜視図、第
３図は同上に使用するバーナ本体を示す下面側か
らの斜視図、第４図は同上に使用するバーナ本体
を示す上面側からの斜視図であり、１は混合管、
２はバーナ本体、３は炎孔、１２は整流板であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扁平円筒状に形成され下底面に混合管が結合さ
   れるバーナ本体の側周面に縦長状の炎孔が複数形
   成され、バーナ本体上底面の内側にはバーナ本体
   上底面の中心から外側に向かつて昇り傾斜する母
   線を備えた逆円錐状の整流板が配置され、整流板
   の上端縁と炎孔の上縁とが略一致するガスバー
   ナ。