JPS6254901B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、手編機の選針装置に関するものであ
る。

手編機の選針装置に於ては、選針板は複数枚重
ねられており、この内の１以上のものが選針時、
選ばれて横移動Ｌ、しかるのち、前進して編針を
押し出すようになつている。ところが、選ばれた
選針板は横移動の際に、となり合う選ばれなかつ
た選針板をひきずることがあり、選針不良を惹起
していた。

本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので
あつて、選針棒の水平部を操作板の溝および選針
板の穴に係合し、選針時には前記選針棒を前進さ
せて選択されなかつた選針棒の水平部を前記溝か
ら離脱せしめ、前記操作板を一方向に横移動させ
ることによつて前記選針板を一方向に横移動する
ようにしてなる手編機の選針装置に於て、前記操
作板に作動部材を作用的に連結して前記操作板の
移動方向と前記作動部材の移動方向とを相反する
ようにし、前記作動部材にはスプリングの上端部
を固定し、前記スプリングの下端部に形成された
フツク部にて前記選針棒の水平部を支持するよう
にしたものである。

かくして、本発明によれば、前述の不具合を解
消できることは固より、選針時の選針棒の前進が
スプリングによつて拘束されずスムーズに行なう
ことができ、選針信号の読み取りを確実に行なう
ことができる。

以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづい
て説明する。第１図ないし第５図に於て、１０は
選針棒で、その水平部１０ａは選針板１１と係合
している。選針棒１０の後部はコ字状に立ち上が
つてかり、立上り部１０ｂと上端屈曲部１０ｃを
形成している。しかして、選針棒１０の上端屈曲
部１０ｃは、台板１２を貫通して支持されると共
に、屈曲部１０ｃの先端１０ｄは、ドラム１３に
保持された選針カード１４の選針信号に対向して
いる。バネ１５は立ち上り部１０ｂの後側面を常
に押圧しており、クラツチ棒１６が第１図の鎖線
位置から移動した際には、選針信号に対応した選
針棒１０の先端１０ｄは、仮想線位置に突出する
ようになつている。

クラツチ棒１６はコ字状に形成されて両端下部
は、クラツチ受１７に枢着されており、立上り部
１６ｂがカム１８から外れるとバネ１５により選
針棒１０はＡ方向に前進し、立上り部１６ｂがカ
ム１８に係合するとＢ方向に後退する。カム１８
は、取付板１９に固定されており、取付板１９に
連結された手動操作杆２０を操作するとＣ方向又
はその反対方向に移動できるようになつている。

選針棒１０の水平部１０ａは操作板２１の溝２
１ａに前後に移動可能に係合しており、該操作板
２１はピン２２を介して手動操作杆２０と係合
し、該操作杆２０の操作により矢印Ｃ方向に移動
できる。この場合溝２１ａに水平部１０ａが係合
している選針棒１０は、上端屈曲部１０ｃを支点
にして水平部１０ａが矢印Ｃ方向に揺動し、この
揺動した水平部１０ａに孔１１ａを介して係合し
た選針板１１を矢印Ｂ方向に移動する。また選針
板１１は固定ピン２３に係合する傾斜長孔１１ｂ
を有するので、横移動した選針板１１は上昇し、
その選針用突起１１ｃが編針２４のシヤンク２４
ａと係合する高さとなる。

また、台板１２には、ピン２５，２６が殖設さ
れており、作動部材２７の長穴２８，２８が夫々
ピン２５，２６に係合している。しかして、台板
２７には作用板３４がピン２９が枢支されてお
り、作用板３４の両端部３４ａ，３４ｂは夫々ピ
ン３０および３１を介して作動部材２７および操
作板２１に連結されている。かくして、操作板２
１と作動部材２７とは、互に反対方向に移動する
ようになつている。

３２はスプリングで、その上端部３２ａは作動
部材２７に係止されており、下端部３２ｂはブツ
ク状となつて、選針棒１０の水平部１０ａを前後
方向に滑動可能に支持している。

尚、３３は、台板１２に枢支された手動選択部
材で、選針棒１０と同じ数だけある。しかして、
手動部材３３は、ドラム１３にカード１４がない
とき、実線位置から仮想位置へ回動変移させると
選針棒１０と選針信号とが係合したのと同じ状態
になるようになつている。

次に作用を説明すると、選針作動前にはカム１
８により後方に倒されたクラツチ棒１６の水平部
１６ａに押されて、選針棒１０はバネ１５に抗し
て第１図の仮想線の如く後方に移動していて、選
針カード１４と上端屈曲部１０ｃの先端１０ｄは
離間している。

この状態で選針作動を行なうには、手動操作杆
２０をピン２０ａを支点にして矢印Ｅ方向に回動
させると、取付板１９が矢印Ｃ方向に移動し、カ
ム１８も同方向に移動し、クラツチ棒１６の後方
への押圧を解除する。

このようにクラツチ棒１６の付勢力が除かれる
と、選針棒１０は全てバネ１５により上端屈曲部
１０ｃの先端１０ｄが選針カード１４に当接する
位置にクラツチ棒１６を第１図の実線位置に押し
ながら前進する。この時カードの選針信号に対応
した選針棒１０は先端１０ｄがカードの信号孔に
突入し、第３図で示す如く操作板２１の溝２１ａ
から外れて前進するが、信号孔の無い位置の選針
棒１０は第１３図で示す位置にとどまり、水平部
１０ａは操作板２１の溝２１ａに係合している。

この状態で手動操作杆２０を更に矢印Ｅ方向に
回動させると、ピン２２を介して操作板２１は矢
印Ｃ方向に移動し、選針棒１０は上端屈曲部１０
ｃが台板１２に支持されているため、該選針棒１
０は屈曲部１０ｃを支点にして揺動し、水平部１
０ａが編針方向と平行を保持しながら第２図の仮
想線に示す如く横方向に移動し、該選針板１１は
横方向に移動する。この選針板１１は横移動によ
り傾斜長孔１１ｂを介して固定ピン２３により第
４図図の仮想線の如く上昇し、選針用突起１１ｃ
が編針２４のシヤンク２４ａ位置の高さになる。

しかして、操作板２１のＣ方向への移動に伴
い、作動部材２７はＤ方向へ移動し、全ての選針
棒１０をスプリング３２を介してＤ方向に引つ張
る。操作板２１によりＣ方向に移動される選針棒
１０は、その引つ張りに打ち勝ち、Ｃ方向に移動
される選針棒１０に対応する選針板１１は、そう
でない選針棒１０に対応する選針板１１をひきず
らないで移動する。

次に第５図の矢印Ｄ方向に更に手動操作杆２０
を回動すると、リンク機構５０を介て受板５１，
５２が矢印Ｇ方向に前進するため、選針板１１も
矢印Ｇ方向に前進し、選針用突起１１ｃが編針の
シヤンク２４ａに係合して第３図の仮想線の位置
に前進させ、編針２４を選針位置に移動させる。
また選針されなかつた編針は現状にとどまり、次
のコースの編成に備える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る手編機の選針装置の一実
施例の側断面図、第２図は本発明の要部が作動前
は実線で作動時は一点鎖線で示された拡大正面
図、第３図は選針棒の取付状態を示す図、第４図
は選針板と編針との係合状態を示す図、そして第
５図は選針板の前進機構の斜視図である。 １０…選針棒、１０ａ…水平部、２１…操作
板、２１ａ…溝、２７…作動部材、３２…スプリ
ング、３２ｂ…フツク部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 選針棒の水平部を操作板の溝および選針板の
   穴に係合し、選針時には前記選針棒を前進させて
   選択されなかつた選針棒の水平部を前記溝から離
   脱せしめ、前記操作板を一方向に横移動させるこ
   とによつて前記選針板を一方向に横移動するよう
   にしてなる手編機の選針装置に於て、前記操作板
   に作動部材を作用的に連結して前記操作板の移動
   方向と前記作動部材の移動方向とを相反するよう
   にし、前記作動部材にはスプリングの上端部を固
   定し、前記スプリングの下端部に形成されたフツ
   ク部にて前記選針棒の水平部を支持するようにし
   てなる、手編機の選針装置。