JPS6252045B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は釦取付け装置における釦又は取付部材
の保持装置に関する。

従来から衣服や布地へ釦を取付けるための装置
が種々提案されている。そのうち、釦やそのため
の取付部材を上型及び下型の一方または両方へ機
械的に送給し、型内の正しい位置へ釦や取付部材
を保持させる送給装置が用いられるものがある。
すなわち、第１図のように取付け装置は枠体１に
よつて可動プランジヤー２が上下動自在に支持さ
れてその下端に上型３が設けられており、この上
型に整列した柱状台４の上端に下型５が設けられ
ている（下型が可動の場合、及び上下型が可動の
場合もある）。これらの型に水平に整列するガイ
ド溝６，７を有するガイド部材８，９が枠体１に
固定支持されており、これらの溝には釦シユート
１０、取付部材シユート１１のガイド溝がそれぞ
れ開口している。これらのシユートには周知の自
動釦送給回転ホツパーなどが連結されている。枠
体１には水平に離間して一対のブラケツト１２
（他方は図示せず）が固定されており、それらの
間にガイドロツド１３，１４が支持されている。
ガイドロツド１３，１４には滑動ブロツク１５が
移動自在に支持されている。このブロツクは図示
しない動力源によつて駆動されるようになつてい
る。ブロツク１５から一対の平行なプツシヤー棒
１６，１７が突出してガイド溝６，７の中を滑動
するようになつている。動作においてプランジヤ
ー２が後退したときブロツク１５は右方へ駆動さ
れてプツシヤー棒１６，１７を右方へ押し、これ
によりシユート１０，１１から落下してガイド溝
６，７へ入つている釦Ａ及び取付部材Ｂをそれぞ
れ上型３及び下型５の中へ押し入れる。プランジ
ヤー２の下降より前または同時に、プツシヤー棒
１６，１７は後退し、釦Ａと取付部材Ｂは衣服地
を通して互にかしめ付けられる。

第２図及び第３図は従来の下型の典型例の詳細
図である（例えば特開昭56−85407号参照）。下型
は、枠体１に固定的または緩衝的に支持された基
部１８から柱状台４を起立させた上部に設けられ
ており、第３図に詳しく示したように柱状台４の
上端面２０は平面状または凹入していて釦や取付
部材のフランジの受面となつており、また柱状台
４の円筒外面には保持具本体２１の中心孔が嵌合
し、圧縮ばね１９によつて常時は保持具２２が上
昇位置（この位置は柱状台４のストツパーピン等
で規定する）にあるように構成されている。保持
具本体２１は直立した側板２３，２４を有し、一
方の側板２にはプツシヤー棒１７のガイド溝７
（第１図）に連絡するガイド孔２５が形成されて
おり、またピン２６，２６により揺れ押え２８，
２８が側板２３，２４のピン孔へ枢着されてピン
２６，２６上のばね２７，２７で中央へ向けて偏
倚されている。従つてプツシヤー棒１７が取付部
材Ｂ（第１〜２図）をガイド孔２５から受面２０
へ押入れたときに押え２８，２８はばね２７，２
７に抗して開いて取付部材Ｂを受入れ、その場に
弾性的に保持する。プランシヤーが上型３を下型
５へ打つけるとき、保持具２２は上型に押されて
ばね１９に抗して下降し、揺れ押え２８，２８は
柱状台の頂部により横へ押拡げられる。上下型の
打つけで取付部材Ｂは衣服地（図示せず）を突刺
し、釦Ａへかしめ付けられる。

ところが、取付部材のフランジは衣服の表側に
取付けられて化粧面または意直面を構成するから
種々の寸法のものを用いるのが一般的である。従
つて、下型は取付部材の種類に応じて交換しなけ
ればならないが、上記のように下型の構造は非常
に複雑であるから多数の下型を用意しておくには
費用がかさむ。また上型でも釦の設計に応じて型
の交換が必要な場合が多い。

従つて、本発明は簡単な構造で十分な機能を有
する釦又は取付部材のための保持装置を提供する
ことを目的とする。

本発明は自由端が釦又は取付部の受面である柱
状台と、その周りに配置されたリングと、該リン
グにより支持され釦又は取付部材を挾持又は単に
受入れうるように配置されしかも前記柱状台の側
面に滑合した一対の保持具と、前記リングを前記
柱状台先端方向へ押して保持具を前記柱状台の先
端及び中心方向へ偏倚させるばねとから構成する
ことを特徴とする。これにより、唯一のばねによ
り保持具の上下動及び開閉作用が可能になり、ま
た最小点数の部品で所期の作用効果が達成でき、
また組立てが非常に容易である。

以下本発明を特に下型に関連して説明するが、
本発明は上型にも適用できること、また下型を固
定型として説明するが、可動型でも良いことは明
らかであろう。

第４図ないし第７図は本発明を下型へ適用した
実施例を示す。下型はねじ等で枠体１へ固定でき
る基部３０、ばねの支えとなるフランジ３１、ば
ねの心合せをし又保持具３６，３７のストツパー
となる部分３２及びそこから上に延びて取付部材
のための受面３３を有する小径の円柱状台３４よ
り成る金属製型部を有する。円柱状台３４の中程
にはガイドピン３５が設けられ、台３４の円筒外
面に突出している。円柱状台３４の上側部分及び
受面３３の上方を取囲むようにして内面が円柱状
台３４の外径にほぼ等しい一対の対称形の保持具
３６，３７が配置されていて第４〜６図の上昇位
置で取付部材のための凹所３８を画成すると共
に、円柱状台３４の外面に沿つて上下に滑動しう
るようになつている。保持具３６，３７は第６図
のように縦スロツト３９，４０をそれぞれ有し、
これらがピン３５と嵌合することにより保持具の
上下動を案内すると共に保持具の回転を防止して
いる。保持具の内面は受面３３の上方へ部分的に
突出して釦等を挾持するようになつていても良
い。保持具３６，３７の下側外面はテーパ面４
１，４２となつていて後述のように保持具の支持
及び揺動を可能にする。保持具のテーパ面４１，
４２はそれらと相補形状の内面テーパ面４３を有
するリング４４により支持されている。また保持
具３６，３７には取付部材及びプツシヤー棒先端
の挿入を許す逆Ｔ字形の切除部４７が設けられ
る。リング４４の下側はばね４５を受けるための
段部４６となつている。またリング４４の内径は
保持具下端周面の径よりもかなり大きく定められ
ており、第８図のように保持具３６，３７の揺動
時の逃げを与える。

以上の構成の下型の組立ては極めて容易であ
る。先ずばね４５を円柱状台３４の周りに嵌めて
フランジ３１に支持させ、その上に段部４６によ
りリング４４をばね４５の頂部へ嵌め、その上に
保持具３６，３７を載せる。その際にリング４４
をばね４５に抗して押し下げて保持具のスロツト
３９をピン３５に嵌合させる。保持具３６，３７
を自由にすると、第４〜６図の姿勢が保たれる。

使用において、溝４７から取付部材をプツシヤ
ー棒により押入れる（第１図）。このとき取付部
材のフランジに多小の寸法変化があつても第８図
のように保持具３６，３７はリング４４を押して
ピン３５を支点として側方へ揺動でき、また取付
部材が下型の中へ入ると、リング４４からテーパ
面４１に働く力で保持具は元の垂直位置に戻り、
リング４４の内面テーパ面４３で上方及び内方へ
押されて取付部材を正しい中心位置へ位置づけ、
またスロツト３９，４０の下端はピン３５と係合
して保持具を上限位置に静止させる。

衣服を保持具の上に位置づけて上型を下降させ
ると、衣服地は先ず保持具３６，３７の上面と上
型の同様な面に挾持されてばね４５（及び上型の
同様なばね）によりその後正しい水平位置に保た
れる。上型がさらに下降すると保持具３６，３７
は上型に押されて下降してストツパー部分３２へ
係合する。取付部材は衣服地を刺通して釦（上型
が保持しているもの）にかしめつけられて釦を衣
服地へしつかりと取付ける。上型が後退すると、
保持具３６，３７は第４〜６図の位置に戻る。

以上のように、本発明の下型は構造が簡単で、
部品数が少なく、組立てが容易であり、安価に製
造できると共に、すぐれた作用を有する。本発明
の範囲内で多くの変形例が可能なことは明らかで
あろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の釦取付け装置の一部断面で示し
た側面図、第２図は従来の下型の正面図、第３図
は同分解斜視図、第４図は本発明の下型の正面
図、第５図は同平面図、第６図は第５図のＡ−Ａ
断面図、第７図は同分解斜視図、及び第８図は使
用時の或る状態を示す第６図と同様な部分断面図
である。図中主な部分は次の通り。 ３４：柱状台、３５：ガイドピン、３６，３
７：保持具、３９，４０：案内スロツト、４１，
４２：保持具テーパ面、４３：リングテーパ面、
４４：リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 釦を取付部材により衣服等に取付けるための
   釦取付け装置における上型又は下型用釦又は取付
   部材保持装置において、先端が釦または取付部材
   の受面となつている柱状台と、前記柱状台の側面
   より突出する一対のガイドピンと、前記柱状台の
   軸線方向に滑動しうるように柱状台の側面に滑合
   し、前記ガイドピンに対応する縦スロツトにより
   案内され且つ前記受面を取囲む部分を有する一対
   の可動保持具であつて釦又は取付部材を前記受面
   へ案内する溝を対向面に有する保持具と、前記保
   持具の後端を支える単一の圧縮ばねとより成り、
   前記保持具の後端は先細のテーパを有し、前記圧
   縮ばねの作用が前記テーパ面にほぼ直角に加わる
   ようにされ、以つて前記圧縮ばね単独の働きで、
   前記保持具を前記先端方向及び内方へ弾性偏倚し
   た、釦または取付部材保持装置。 ２ 圧縮ばねの作用端は保持具のテーパ面に衝接
   するテーパ面を有するリングである前記第１項記
   載の釦又は取付部材保持装置。