JPS625185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防火ダクトの改良に係り、ダクト内を
貫通するケーブルを火災により延焼するのを防止
せんとするものである。

近時ケーブルの需要が増大するに伴い該ケーブ
ルをダクト内に収納する方法がとられている。然
しながら該ケーブル類が何らかの原因によつて発
火又は着火するとその燃焼エネルギーは莫大なも
のとなり、大きな二次災害を引きおこす可能性が
ある。特にケーブル類を垂直状（縦型）に配置し
た場合ダクトは丁度煙突のような作用をなし、そ
の危険性は益々増大し、これに対する延焼防止の
方法がとられているものである。

而して従来の延焼防止の対策としては次の如き
方法が実施されているものである。

(1) ケーブルの外周に延焼防止塗料を塗布する。

(2) ダクトの途中に隔壁を設ける。

然しながら前記(1)の方法においてはケーブルの
延焼を充分に防止することが出来難く、又煙は容
易にダクト内を通過する。又ケーブル類に塗料を
塗布するため配線類は一体化し、後日該配線類を
徹去又は増設する場合、その作業性を極めて困難
にするという欠点がある。又上記(2)の方法による
場合には煙、火炎を該隔壁にて十分に防止するこ
とが出来るが、常時隔壁にてダクト内を閉口して
いるためダクト内の通気は停止されダクト内のケ
ーブル温度が上昇するという問題があると共に、
後日ケーブルの増設又は徹去に際し、その作業性
が煩雑になるという欠点があつた。

なお上記はケーブルダクトについて述べたが、
温調用ダクト、空調用ダクトについても同様の問
題を提起しているものであつた。

本考案はかかる現状に鑑み鋭意研究を行つた結
果、ダクト内において火災等が発生した場合直ち
に消火しうる防火ダクトを見出したものである。
即ち本考案は耐火性材料にて構成されたダクト内
部の所望位置に所定温度以上で気密性を失なう容
器に消火性の液体又は気体を収納したことを特徴
とするものである。

本考案の１例を図面にもとづき詳細に説明す
る。第１図及び第２図に示す如く鉄板製又は耐火
材等からなる横型ダクト１内にケーブル類２を配
設し、該ダクトの側壁に鉤型状棚３を取付け該棚
３に消火剤として四塩化炭素を入れたガラス容器
４を載置し、該ダクト１に上蓋５をかぶせて密閉
し本考案防火ダクトをうるものである。

又第３図は前記の棚３の代りとしてダクト１の
側壁に凹部６設け、この凹部に前記のガラス容器
４を載置したものである。

又第４図は前記棚３の代りとして上蓋５の下面
に切欠部を有するバネ状円板体７を取付け該板体
７内に前記のガラス容器４を装着したものであ
る。

斯くして得た本考案防火ダクトにおいて、ケー
ブル類２が発火し該ダクト１内が高温に達すると
該ガラス容器４が破損し、内部の四塩化炭素が流
れ出すと同時に気化しガス状となつてダクト１内
を充満し、これによつてケーブル類２を消火する
ものである。

なお、上記では所定温度以上で作動し消火性の
液体又は気体を発生する器機として四塩化炭素を
充填したガラス容器を使用したものであるが、こ
れに限るものではなく、昇温によつて容易に消火
性の液体又は気体を発生するものであれば如何な
るものでもよい。又その設置場所はケーブル類の
近傍が望ましく、その設置数も１個に限らず複数
個設けてもよい。

以上詳述した如く本考案防火ダクトによればケ
ーブル類の発火により迅速に消火し延焼を防止し
うる等顕著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案防火ダクトの１例を
示すものであり、第１図は斜視図、第２図は第１
図の−線による断面図、第３図及び第４図は
他の例の断面図を示すものである。 １……ダクト、２……ケーブル類、３……棚、
４……消火剤入りガラス容器、５……上蓋、６…
…凹部、７……円板体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐火性材料にて構成されたダクト内部の所望位
   置に所定温度以上で気密性を失なう容器に消火性
   の液体又は気体を収納したことを特徴とする防火
   ダクト。