JPS6251807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は平らに折り畳まれた未組立のボール箱
を組立てる装置、特に該組立装置に使用される平
らに折り畳まれたボール箱を部分的に開く装置に
関する。

（従来の技術） 組立前のボール箱は輸送効率および保管効率の
観点から一般に平らに折り畳まれた状態にされて
いる。この平らに折り畳まれた管状のボール箱を
組立てる時には、エルボーイング現象、すなわ
ち、平らに折り畳まれたボール箱の第１表面と第
２表面とが一緒に折られてボール箱が箱と成らず
にＬ字形に曲がつてしまう現象を防止する為にナ
イフ状部材を平らに折り畳まれたボール箱の開口
端部内に挿入してボール箱を部分的に開き、次に
ボール箱を完全に組立てるようにしている。この
ような装置では、ナイフ状部材をボール箱の中を
挿入させ、かつ箱から抜き出すために複雑な機構
を必要としている。さらに、その機構から、開き
装置が適用できるボール箱の大きさに制限が存在
する。言い換えるとナイフ状部材を挿入、抜き出
しする部分開き装置は汎用性を有していない。

（発明の目的） 本発明は上記した従来技術の問題を解消せんと
してなされたものであり、その目的はボール箱を
組立てる際にエルボーイングの発生がなく、ナイ
フ状部材をボール箱内に挿入、抜き出しする複雑
な機構を必要とせず、種々のボール箱に適用でき
る汎用性のある平らに折り畳まれたボール箱を部
分的に開く装置を提供することである。

（発明の構成） 本発明による平らに折り畳まれ、一方の側に第
１表面を有し、他方の側に第２表面を有した未組
立のボール箱を部分的に開く装置は、少なくとも
１つの吸引カツプと、該吸引カツプの両側に１つ
づつある支持体にして、各支持体が前記ボール箱
の第２表面に係合するエツジ面を有しており、該
エツジ面は同一面上にある支持体と、前記吸引カ
ツプと支持体とを前記平らに折り畳まれたボール
箱の第２表面に対して位置させ、前記支持体を前
記第２表面に係合状態に位置させる装置と、前記
吸引カツプに真空を加える装置とを有しており、
前記吸引カツプは、支持体によつて画定された前
記同一面上にほぼある唇状部で終端したベローズ
状に形成されている。

（作用） 吸引カツプに真空が付加された時には、吸引カ
ツプはボール箱の第２表面を吸引し、さらに支持
体内に収縮して、第２表面を支持体の間に引つ張
る。それにより、第２表面は湾曲され、第１表面
から分離され、平らに折り畳まれたボール箱が部
分的に開かれる。この状態でボール箱が完全に組
み立てられれば、エルボーイングの発生は防止さ
れる。

（実施例） 次に本発明の実施例を説明する。第１図に示さ
れているように、未組立のボール箱９は垂直方向
に向けられて、マガジン７０の中で平らに折り畳
まれた状態で詰め込まれている。各々のボール箱
９は頂板１０と、底板１１と、前方側板１２と、
後方側板１３とを有し、これらは総て折り目７１
によつて相互結合されている。この頂板、底板等
という表現は、ボール箱が垂直方向に向けられて
いる時でも使用することにする。これらの表現は
ボール箱が最終的に組立てられて移送コンベアの
移送ラグへ運ばれた時のボール箱を説明する為に
使用されている。ボール箱が平らに折り畳まれた
時には、底板１１と後方側板１３とが第１表面を
形成し、頂板１０と前方側板１２とが第２表面を
形成する。マガジン７０の前端部においては、未
組立のボール箱の上端は棒７３によつて拘束さ
れ、その下端は棒７４によつて拘束され、これら
の各各の棒は各ボール箱の末端あるいは末端から
約2.54cm（１インチ）の部分内においてボール箱
の第２表面に係合している。このボール箱の組立
を補助する為に、棒７４からは水平方向のブレー
カ板７５が前方へ突出している。７７において概
略的に示されたリンク機構には溝形支持体７６が
支持され、該支持体７６は概ね線７８によつて示
された軌道に沿つて移動される。リンク機構は具
体的には図示していないが、本実施例においては
線７８で示される軌道が得られるものであれば、
どのようなものでもよい。

支持体７６は２つの側壁８１，８２を支持して
いる壁８０を有していて、溝形状を有している。
支持体７６の壁８０上にはベローズ型の吸引カツ
プ８５が取り付けられている。吸引カツプ８５に
は図示しない真空付加装置が接続されている。第
１図には１つの吸引カツプ８５が図示されている
が、組立ようとしているボール箱の長さによつて
は複数個の吸引カツプを用いてもよい。さらに、
支持体は溝形状のものでなく、吸引カツプの両側
に配置された別々の支持体であつてもよい。

ベローズ型吸引カツプは唇状部８６を有し、こ
れは普通は支持体７６の側壁８１，８２のエツジ
面８７によつて画定される平面内にほぼ位置して
いる。

吸引カツプ８５に真空が加えられると、吸引カ
ツプ８５の唇状部８６はボール箱の第２表面を吸
引し、さらに吸引カツプがベローズ型に形成され
ていることで支持体７６の中に収縮する。この結
果、ボール箱の第２表面が側壁８１と８２との間
に引き込まれ、第２表面が湾曲され、未組立のボ
ール箱が部分的に開かれる。この部分的開放によ
つて、ボール箱の第１表面と第２表面とが分離さ
れるので、第１表面と第２表面とが一緒に曲がる
エルボーイングが防止される。従つて、引き続く
ボール箱の解放作業によつて、ボール箱は好適に
完全に開放される。

マガジン７０の下方には移送コンベア９０が設
けられ、該コンベアには前部移送ラグ９１と後部
移送ラグ９２とが装架されている。移送コンベア
９０は上流端においてスプロケツト９３の回りを
通るようにされている。また、前部移送ラグ９１
と後部移送ラグ９２とはボール箱の幅だけ隔置さ
れている。

支持体７６のリンク機構７７と移送コンベア９
０とは一緒に駆動され、またボール箱の開放と、
前部移送ラグ９１および後部移送ラグ９２がスプ
ロケツト９３の円弧上を通過して並んだ時にボー
ル箱を移送ラグの間に位置させることとがタイミ
ングよく実行されている。

支持体７６がマガジン７０から移送コンベア９
０までの行程を開始すると、ボール箱、特にその
前方側板１２はブレーカ板７５をこすりながら通
過させられ、これによつてボール箱は開放状態あ
るいは組立状態になる。

もし、吸引カツプ８５によつて、支持体７６の
側壁８１，８２に向けて第２表面を引き付けるこ
とによりボール箱の第２表面を最初に湾曲させる
ことが無かつたならば、ボール箱はブレーカ板７
５をこすりながら通過する時にエルボーイング現
象を引き起こすであろう。しかし上記したごと
く、第２表面の湾曲作用を導入することによつ
て、この傾向はなくなつている。

（発明の効果） 本発明によれば、平らに折り畳まれたボール箱
を組立てる際にエルボーイングの発生がなく、ナ
イフ状部材をボール箱内に挿入、抜き出しする複
雑な機構を必要とせず、種々のボール箱に適用で
きる汎用性のある平らに折り畳まれたボール箱を
部分的に開く装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による平らに折り畳まれたボー
ル箱を部分的に開く装置を有したボール箱組立装
置の概略図である。 ９…未組立のボール箱、１０…頂板、１１…底
板、１２…前方側板、１３…後方側板、７０…マ
ガジン、７５…ブレーカ板、７６…支持体、７７
…リンク機構、８１，８２…側壁、８５…吸引カ
ツプ、８６…唇状部、８７…エツジ面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 平らに折り畳まれ、一方の側に第１表面を有
   し、他方の側に第２表面を有した管状の未組立の
   ボール箱を組立てる装置に使用される平らに折り
   畳まれたボール箱を部分的に開く装置にして、該
   部分的に開く装置が 少なくとも１つの吸引カツプと、 該吸引カツプの両側に１つづつある支持体にし
   て、各支持体が前記ボール箱の第２表面に係合す
   るエツジ面を有しており、該エツジ面は同一面上
   にある支持体と、 前記吸引カツプと支持体とを前記平らに折り畳
   まれたボール箱の第２表面に対して位置させ、前
   記支持体を前記第２表面に係合状態に位置させる
   装置と、 前記吸引カツプに真空を加える装置とを有して
   おり、 前記吸引カツプは、支持体によつて画定された
   前記同一面上にほぼある唇状部で終端したベロー
   ズ状に形成されており、真空を付加された時に前
   記ボール箱の第２表面を吸引し、前記支持体内に
   収縮して前記第２表面を前記支持体の間に引つ張
   り、それにより前記第２表面は湾曲させられ、前
   記第１表面から分離され、前記平らに折り畳まれ
   たボール箱が部分的に開かれることを特徴とする
   平らに折り畳まれたボール箱を部分的に開く装
   置。