JPS6249195B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシリアルプリンタの紙送り機構のプラ
テンの位相を微小に調整するプラテン微小調整機
構に関する。

一般にシリアルプリンタのプラテンはステツプ
モータで駆動され、一定角度ずつ回転し、印字用
紙を一定量ずつ移動させる。従つて印字用紙をこ
の一定量より少い微小量だけ移動させる微小調整
を行うためにプラテン微小調整機構を必要として
いる。

従来、この種のプラテン微小調整機構は駆動源
であるステツプモータとプラテンの中間伝達系に
微小ピツチの外歯ギヤと内歯ギヤ（セレイシヨン
ギヤ）からなるクラツチ機構を設けたものであ
る。これら外歯ギヤと内歯ギヤの噛み合いを外し
て、ステツプモータからプラテンへの回転の伝達
を切り離し、ステツプモータの位相に拘束される
ことなく、プラテンに取り付けられたプラテンノ
ブを手動で回すことにより、プラテンの位相を微
小調整し、こののち前記外歯ギヤと内歯ギヤを噛
み合わせてステツプモータの回転をプラテンに伝
達するようにしていた。

従つて、ステツプモータとプラテンの中間伝達
系にこれらの回転の伝達を接続したり切り離した
りするクラツチ機構が必要で、しかもこのクラツ
チ機構は微小ピツチの特殊ギヤ等高精度で高価な
ものが必要であり、また、このクラツチの特性と
して、噛合い不十分によるクラツチスベリや、ト
ルク伝達部のガタによる紙送り精度不良を誘因す
るという欠点があつた。

本発明はシリアルプリンタの駆動源からプラテ
ンに動力を伝達する伝達系においてクラツチ機構
を不要にし、低廉かつ紙送り精度の高いプラテン
微小調整機構を提供するものである。

本発明によれば、軸方向に固定されたハスバ歯
車と、軸方向に固定された平歯車と、前記ハスバ
歯車と噛み合い軸方向に移動可能なアイドルハス
バ歯車と、前記平歯車と噛み合い前記アイドルハ
スバ歯車と同軸で一体なアイドル平歯車と、前記
アイドルハスバ歯車および前記アイドル平歯車を
軸方向に移動させる手段とを含み、前記ハスバ歯
車と前記平歯車の一方にプラテンを取り付けたこ
とを特徴とするプラテン微小調整機構が得られ
る。

次に本発明の実施例について図面を参照して説
明する。

第１図を参照すると、本発明の一実施例は紙送
りの駆動源であり、プラテン２の回転を制御する
ステツプモータ１から、被駆動側で直接紙送りを
行ない、印字時に印字用紙のバツクアツプとなる
プラテン２への動力伝達系としてギヤ伝達機構を
有している。ギヤ伝達機構はステツプモータ１の
軸に固定の平歯車３と、その平歯車３と噛合うア
イドル平歯車４、およびアイドル平歯車４に同軸
に固定のアイドルハスバ歯車５、このアイドルハ
スバ歯車５と噛合うプラテン２に固定のプラテン
ハスバ歯車６で構成されている。

アイドル平歯車４とアイドルハスバ歯車５は一
体となつてスリーブ７上を回転し、矢印ａで示す
軸方向の自由度がスリーブ７に取り付けられたス
トツパ８にて規制され、矢印ａの方向にスリーブ
７と共に移動する。スリーブ７は固定されたシヤ
フト９上を矢印ａで示す軸方向に移動可能で、そ
の移動はレバー１０にて制御される。レバー１０
はフレーム１１に固定されたスタツド１３を中心
として回転し、レバー１０のデテント１４をフレ
ーム１１に設けた複数のデテント穴１５の１つに
係合させることにより固定される。従つてレバー
１０を回転させたのち固定することにより、スリ
ーブ７が軸方向に移動し、その位置で固定され、
同時に一体となつたアイドル平歯車４とアイドル
ハスバ歯車５がスリーブ７と同様に軸方向に移動
し軸方向の位置が固定される。その時アイドル平
歯車４は平歯車３と歯面ですべり、またアイドル
ハスバ歯車５はプラテンハスバ歯車６と歯面です
べる。しかしながらこれらは互いの噛合いが外れ
ることがないように十分の歯幅を有している。ま
た、プラテン２には紙位置を手動で操作すべくプ
ラテンノブ１２が設けられている。

次にこの一実施例の作用を説明する。

本実施例において、ステツプモータ１はステツ
プ角7.5゜で４相であり、平歯車３とプラテンハ
スバ歯車６はアイドルギヤを介してギヤ比が１：
4.5である。従つて、ステツプモータ１にホール
ド電流を流した状態では、ステツプモータ１の軸
では7.5゜×４＝30゜毎に、またプラテン２の軸
上では30゜×1/4.5≒6.67゜毎に固定される。こ
の角度はプラテン２の円周が4.5インチなので用
紙の移動量で1/12インチに相当し、この1/12イン
チより小さい移動量を印字用紙に与える微調は次
のように行う。

ステツプモータ１にホールド電流を流した状態
すなわち平歯車３が回転しない状態で、レバー１
０を回転させてスリーブ７とアイドル平歯車４と
アイドルハスバ歯車５を矢印ａの方向に移動さ
せ、アイドルハスバ歯車５及びプラテンハスバ歯
車６の歯面のねじれ角により生ずる回転をプラテ
ンハスバ歯車６およびプラテン２に与える。

次に第２図を参照してこの原理を説明する。

アイドルハスバ歯車５とプラテンハスバ歯車６
それぞれのネジレ角をβ゜、アイドルハスバ歯車
５の軸方向移動量をＳ、プラテンハスバ歯車６の
ピツチ円半径をＲとする。

回転しない平歯車３と噛み合つているアイドル
平歯車４と一体のアイドルハスバ歯車５は回転せ
ずに矢印ａの方向に移動し、矢印ａの方向に対し
位置が変わらないプラテン平歯車６と噛み合つて
いる部分において、歯がStanβだけピツチ円周
方向に移動することとなる。従つてプラテンハス
バ歯車６の歯もピツチ円周方向にStanβだけ移
動させられ、従つて回転角θ＝Stanβ／Ｒだけ
回転する。

なお第３図に示すように、ステツプモータ１の
軸にバスバ歯車３′を固定し、プラテン２にプラ
テン平歯車６′を固定し、ハスバ歯車３′に噛み合
うアイドルバスバ歯車５′と、プラテン平歯車
６′に噛み合うアイドル平歯車４′とを一体にして
もよい。

本発明は以上説明したように、バスバ歯形を持
つたアイドルギヤを軸方向に移動可能にすること
により、クラツチ機構を不要とし、安価でかつ紙
送り精度が高いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の斜視図、第２図は
本発明の原理説明図、第３図は本発明の他の実施
例の正面図である。 １……ステツプモータ、２……プラテン、３…
…平歯車、３′……ハスバ歯車、４，４′……アイ
ドル平歯車、５，５′……アイドルハスバ歯車、
６……プラテンハスバ歯車、６′……プラテン平
歯車、７……スリーブ、８……ストツパ、９……
シヤフト、１０……レバー、１１……フレーム、
１２……プラテンノブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軸方向に固定されたハスバ歯車と、軸方向に
   固定された平歯車と、前記ハスバ歯車と噛み合い
   軸方向に移動可能なアイドルハスバ歯車と、前記
   平歯車と噛み合い前記アイドルハスバ歯車と同軸
   で一体なアイドル平歯車と、前記アイドルハスバ
   歯車および前記アイドル平歯車を軸方向に移動さ
   せる手段とを含み、前記ハスバ歯車と前記平歯車
   の一方にプラテンを取り付けたことを特徴とする
   プラテン微小調整機構。