JPS6247838B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6247838B2
JPS6247838B2 JP1206184A JP1206184A JPS6247838B2 JP S6247838 B2 JPS6247838 B2 JP S6247838B2 JP 1206184 A JP1206184 A JP 1206184A JP 1206184 A JP1206184 A JP 1206184A JP S6247838 B2 JPS6247838 B2 JP S6247838B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
thin film
growth
partition plate
substrate holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1206184A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60161392A (ja
Inventor
Juichi Matsui
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP1206184A priority Critical patent/JPS60161392A/ja
Publication of JPS60161392A publication Critical patent/JPS60161392A/ja
Publication of JPS6247838B2 publication Critical patent/JPS6247838B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B23/00Single-crystal growth by condensing evaporated or sublimed materials
    • C30B23/02Epitaxial-layer growth

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は分子線エピタキシヤル成長装置に関す
る。更に詳しくは、本発明はマイクロ波素子ある
いは発光・受光素子として使用する単結晶薄膜を
形成するための分子線継ピタキシヤル成長装置に
係る。
従来技術 化合物半導体デバイス、特に光デバイスの製法
として、薄い一様な層の成長、成分元素組成比の
制御の容易さからエピタキシヤル成長方法が一般
的に利用されている。なかでも、最近特に注目さ
れている技術として、分子線エピタキシヤル成長
方法(以下簡単のために「MBE成長法」とい
う)が知られており、例えばW.T.Tsangにより
日経エレクトロニクスNo.308163(1983)におい
て、該MBE成長法並びに薄膜周期構造を利用し
たデバイスが詳細に説明されている。
このMBE成長法に従えば、発光部に厚さ数10
Å〜数100Å程度の種類の異なる超薄膜層をアロ
イ・クラスタの形成なしに交互に、周期的に積層
することにより、第1図に示すような多重量子井
戸型レーザを製造することが可能となる。
従来の―族化合物半導体薄膜周期構造形成
のためのMBE成長法においては、例えば第2図
に示すような構造を有する装置が使用されている
(特公昭57―47160号および特開昭57―11899号公
報参照)。第2図に示したMBE成長装置では、成
長室1内において基板2は基板ホルダー3上に保
持され、且つセル4および5の中心軸の交叉する
位置に設置されている。該セル4および5には
夫々原料A6およびB7が収納されていて、これ
らから蒸発した原料の分子線が基板2に照射され
る。各セル4または5は特開昭57―11899号に記
載されているようにセルシヤツター8または9を
有しており、これらを交互に所定の周期で開閉す
ることにより原料AおよびBの分子線を基板に照
射し、該基板上に種類の異なる化合物半導体薄膜
を交互に周期的に形成し得るようになつている。
このようなMBE成長装置では、一方のシヤツ
ターが開いている間他方のシヤツターは閉じられ
ていることになるが、一般に―族化合物半導
体をMBE成長させる場合、原料セルは通常700〜
1000℃の高温度に加熱されている。このため、セ
ルシヤツターは閉じられている間に加熱されて不
純ガスを発生する。このような不純ガスが成長し
ている薄膜内に取り込まれた場合には、薄膜の電
気特性が著しく劣化されることになる。
更に、上記のセルシヤツターからの不純ガス発
生の問題とは別に、シヤツターを閉じることによ
つてセル温度自体が影響を受け、結果として再度
シヤツターを開いた際に原料分子線強度のオーバ
ーシユートを引き起こす。このような現象は化合
物半導体薄膜の膜厚制御並びに混晶の場合には膜
組成の制御を困難にする。従つて、薄膜周期構造
を形成する際の周期性も低下することになる。
また、前記多重量子井戸型レーザー(第1図参
照)を作成する際には周期性のある薄膜層の上、
下に周期性を持たない多元組成の混晶単結晶薄膜
を形成する必要があるが、このような薄膜構造を
連続的に作成するために有効な装置は今のところ
知られていない。
発明の目的 本発明の目的は前記従来のMBE成長装置にお
けるセルシヤツターの開閉に伴つて生ずる―
族化合物半導体薄膜周期構造の電気特性の劣化並
びに周期性の劣化を防止すると共に、極薄膜の半
導体層を形成することができ、かつ、薄膜の周期
的成長から一層混晶の単結晶薄膜成長への切り換
えの容易なMBE成長装置を提供することにあ
る。
発明の構成 本発明者等は上記従来のMBE成長装置の有す
る諸欠点を克服すべく、また薄膜の周期的成長か
ら一層混晶の単結晶薄膜成長への切り換えを簡略
化かつ迅速化すべく種々検討した結果、成長室内
に仕切り板を設け、その端部に切り込みを形成
し、また基板ホルダを振動もしくは旋回し得るよ
うに構成することが上記目的のために有効である
ことを見出した。このような知見に基づき本発明
を完成した。
即ち、本発明のMBE成長装置は高真空下に維
持された成長室内でセル内に収納された原料を所
定方向に飛行させ、該成長室内に支持された基板
表面に上記原料を付着させ単結晶として成長させ
る分子線エピタキシヤル成長装置であつて、回転
軸と、該回転軸の回りで回転可能であり、該軸上
の一点を支点として振動または旋回でき、かつ前
記基板を支持する基板ホルダと、該回転軸の中心
から該基板ホルダと垂直に放射状に伸びて該成長
室を仕切り、単結晶薄膜構造を形成するのに必要
な原料収納セルを夫々収納する複数の隔室を画成
し、該基板側端において切り込みをもち凹凸状の
輪郭を有する仕切り板とを具備することを特徴と
する。
かくして、本発明のMBE成長装置によれば、
薄膜成長中にセルシヤツターの開閉を必要としな
いので、このシヤツターの開閉に伴う前記従来法
の欠点を克服し、しかも成長様式の切り換えも極
めて容易となる。
本発明のMBE成長装置においては、まず必要
個数の仕切り板を超高真空チヤンバ即ち成長室内
に設ける。これらの仕切板は基板ホルダの回転軸
の延長線上において交わり、該軸から放射状に伸
びた状態で基板ホルダと隔置されて該成長室に所
定数の隔室を形成する。隔室の個数は薄膜周期構
造の形成に必要とされるセルの数に対応する。
該隔室の各々には少なくとも1つあて半導体層
形成用原料収納セルが設けられており、該セルか
ら原料が蒸発されて分子線を発する。各セルから
の分子線相互間の混合は前記仕切り板によつて防
止される。
該仕切り板の基板側の端部には切り込みが設け
られており、その幅は少なくとも基板の径よりも
大きくなければならない。
更に、本発明のMBE成長装置においては基板
ホルダは回転軸の回りを回転(自転)できるばか
りでなく、該回転軸上の一点を支点として振動も
しくは旋回できるようになつている。この振動も
しくは旋回または回転はマニピユレータによつて
行うことができる。
従つて、まず半導体薄膜周期構造を形成する場
合には、基板ホルダを正規の位置(即ち、基板ホ
ルダの中心が仕切り板の交点と一致する位置)に
セツトし、仕切り板と基板との間隔が2mm以内と
なるようにする。
このような配置にあつては仕切り板が半導体原
料分子線相互の混合を防止するので、基板ホルダ
を一定周期で回転することにより均一かつ周期性
のよい単結晶薄膜周期構造を基板上に形成するこ
とができる。
半導体薄膜層の厚さの変更は基板ホルダの回転
速度をかえることにより簡単に変更することがで
きる。
同様に半導体薄膜層間の膜厚比の調整は予め各
セル温度を調整することによつて可能である。
一方、周期的な薄膜層の成長から一層混晶の単
結晶薄膜成長へ成長様式を切換えて、多元組成の
混晶単結晶薄膜を形成することができる。
このような薄膜成長様式の切換えはマニピユレ
ータを操作して基板ホルダをその回転軸上の一点
を支点として振動もしくは旋回して、仕切り板の
切り込み部(即ち凹部)に移動させることで実現
される。
この切り込み部分においては、該仕切り板は薄
膜原料分子線間の混合を防止しないので、この位
置で混合状態にある分子線が基板に照射、蒸着さ
れ多元組成の薄膜が形成されることになる。換言
すれば、以下に図面を参照して更に詳細に述べる
が、別々の隣接する隔室からの分子線束が少なく
とも前記仕切り板の切り込み端に達する前に重な
るように分子線が放射されており、このような条
件下では該切り込み部において分子線相互の混合
は十分になされている。従つて、マニピユレータ
により基板ホルダを操作して基板を仕切り板の切
り込み部分に移動させることにより多元組成の混
晶単結晶薄膜の形成が保証され、その操作は極め
て簡単でしかも迅速に行うことができる。
かくして、本発明のMBE成長装置によれば、
極めて簡単且つ迅速に周期的成長から一層混晶の
成長様式へと、もしくはその逆に成長様式を切り
換えることができ、薄膜形成における従来の
MBE成長装置とセルシヤツター開閉に伴う諸欠
点をも克服できる。
以下、添付図を参照して記載される従来法と本
発明との比較・実施例により本発明のMBE成長
装置を更に具体的に説明する。ただし、これらは
単に本発明を例示するものであつて本発明を何等
制限するものではない。
実施例 添付第3図は、本発明のMBE成長装置の実施
例を説明するための図で、成長室を上から見たも
のである。第3図においては、成長室内の族原
料分子線相互の混合を防ぐために仕切り板10を
設けている。
ここで該仕切り板10と基板2との間隔は、周
期的成長を行う場合には2mm以内であることが望
ましく、これによつて分子線相互の混合を防止
し、単一組成の単結晶薄膜の成長を保証すること
ができる。
第3図において、セル4,5にはそれぞれ族
原料A6、族原料B7が収納されている。この
状態で、基板ホルダ3は回転軸11を中心として
回転できるようになつており、これを回転するこ
とにより基板2上に族原料A6からなる―
族化合物半導体薄膜と、族原料B7からなる
―族化合物半導体薄膜とを交互に周期的に形成
することができる。ただし、この場合基板は第4
図の仕切り板のαの位置(即ち凸部)にある。
基板2が各隔室を通過する時間は中心からの距
離によらず一定であるので、一定周期の厚さの結
晶を成長させることができ、また、―族化合
物半導体単結晶薄膜周期構造の周期は、基板ホル
ダ3の回転速度を変えることによつて簡単に変更
することができる。更に、族原料Aからなる
―族化合物半導体薄膜と、族原料Bからなる
―族化合物半導体薄膜の膜厚の比は予め各セ
ルの温度を調整することによつて変えることがで
きる。
更に、本発明のMBE成長装置では仕切り板の
基板側端部に切り込みが設けられており、しかも
基板ホルダがマニピユレータの操作によつて基板
ホルダの回転軸上の点を支点として振動もしくは
旋回でき任意の位置に移動しうるように構成され
ているので、基板ホルダを仕切り板の切り込み部
に移動させることにより周期的薄膜構造から一層
混晶薄膜成長に迅速且つ容易に切換えることがで
きる。また、当然この逆も可能である。この様子
を第4図および第5図に示した。
まず、第4図は本発明のMBE成長装置の成長
室1を横から見た図であり、該図において仕切り
板10はその基板側端部に切り込みβが設けられ
全体として凹凸状の輪郭を有している。また基板
ホルダ3はその回転軸11の点Rを支点としてマ
ニピユレータの操作により振動、旋回できる。従
つて、基板ホルダ3、即ち基板2を仕切り板10
上のα(凸)部に配置し、回転軸11を中心とし
て回転させることにより第3図について説明した
と同様に、基板2上に族原料Aからなる―
族化合物半導体薄膜と、族原料Bからなる―
族化合物半導体薄膜とが交互に周期的に形成さ
れる。
一方、基板2を仕切り板10上のβ(凹)部に
配置すると、基板2と仕切り板10との間の間隔
が大きくなり、原料Aの分子線と原料Bの分子線
とが混合され一層混晶単結晶薄膜が形成される。
この状況は第5図を参照することにより更に明
白となろう。第5図は仕切り板のβの位置で垂直
に切つた断面図であり、この位置では族原料A
6の分子線束12と族原料B7の分子線束13
とが完全に重なり合つており混合状態にあること
が明白である。かくして、βの位置では前記原料
A,Bからなる――族混晶の単結晶薄膜が
成長する。
通常、第5図のαからβもしくはβからαの位
置に基板ホルダを移動させるのに必要とされる時
間は1秒以内であり、かつ単結晶薄膜のMBE成
長速度が約1Å/secであることから、基板ホル
ダの移動中に成長する層の厚さはせいぜい1Å未
満であるので、薄膜全体の電気的特性に及ぼす該
層の悪影響は殆ど無視し得る。
このような特徴を有する本発明のMBE成長装
置によれば基板ホルダの移動が迅速かつ簡単であ
るので、種々の構成の薄膜構造、例えば周期性の
ある薄膜構造と周期性のない薄膜構造との複雑な
組合せからなる薄膜構造を容易にかつ簡単に作製
できる。
以下比較実験データを基にして、本発明の
MBE成長装置の有用性を更に明確にする。
既に述べたように第2図に示すような従来の
MBE成長装置ではセルシヤツター8および9を
交互に一定の周期で開閉することにより半導体薄
膜周期構造を得ていた。しかしながら、セルシヤ
ツターを閉鎖状態に維持することに起因するいく
つかの大きな問題があつた。
まず、セルシヤツターはその閉鎖中に加熱され
て不純ガスを発生する。該不純ガスが成長中の薄
膜内に取り込まれると、薄膜の電気特性の劣化を
引き起こす。第6図,第7図は、上記の内容に関
する測定結果を示したものである。
まず、第6図は、四重極質量分析装置を用い
て、セルシヤツター8または9を閉じた後の不純
ガス量の変化を調べた結果である。これによれ
ば、セルシヤツターを閉じた直後にH2O+やCO+
の質量ピーク強度が瞬間的ではあるが増大してお
り、不純ガス量が増大していることが分かる。ま
た、第7図は、例えばInGaAs単結晶薄膜におい
て得られた結果であるが、薄膜内の残留不純物キ
ヤリア濃度が増大するほど電子移動度が減少して
おり、電気特性が劣化していることがわかる。
従来の装置では、以上のようなセルシヤツター
からの不純ガス発生といつた問題とは別に、セル
シヤツターを閉じたことによつて、セル温度その
ものが揺乱を受ける結果、再度セルシヤツター8
または9を開いたときに、族原料6または7の
分子線強度にオーバーシユートを引き起こす。こ
のことは、族原料6または7から成る―族
化合物半導体薄膜の膜厚制御性ならびに混晶の場
合には薄膜組成の制御性を悪くする。第8図,第
9図,第10図は上記の内容に関する測定結果を
族元素としてIN,Gaを有する混晶の場合につ
いて示したものである。
第8図は、真空ゲージを用いて、セルシヤツタ
ーを例えば約3分間閉じた後、再び開いたときの
Ga分子線強度(Torr、以下同じ)変化を測定し
た結果である。セルシヤツターを開いた直後に、
分子線強度がオーバーシユートし、その後本来の
分子線強度に安定するまで1〜2分を要すること
がわかる。オーバーシユートの大きさは異なる
が、同様の現象は、In分子線強度でも観察され
た。
また第9図は例えば、Inp基板上にInx
Ga1-xAs成長したときのInGaAsとInP基板の|△
a/aInP|(ただし、△a=aInGaAs―aInP,
aInGaAsはInGaAsの格子定数、aInPはInPの格子
定数)に対するInとGaのフラツクス強度比の影
響を示したものである。第8図のGa分子線強度
のオーバーシユートは、そのまま第9図のフラツ
クス強度比の制御性の低下につながり、|△a/
a|すなわちInxGa1-xAs単結晶薄膜の組成制御
性も低下する。現に第8図に示したようなオーバ
ーシユートの存在する状態でMBE成長した
InxGa1-xAs層の厚さ方向の組成分布をオージエ
電子分光(AES)分析した結果、第10図に示
すように、セルシヤツター開放直後、すなわち
InxGa1-xAs/InP基板界面近傍でInとGaの組成比
に勾配が見られ、組成制御性が悪いことがわか
る。
また、第10図は同じくInP基板上に
In0.53Ga0.47As成長したときの族原料4(Ga,
In)の分子線強度と成長速度(μm/hr.)との
相関性について得られた実験結果を示したもので
ある。第8図の場合では、オーバーシユートによ
り、Ga分子線強度は本来の強度の約1.2〜1.4倍に
まで上昇しており、また、In分子線強度において
もオーバーシユートが観測されていることから、
第11図のGa+Inビーム強度も1.2〜1.4倍以上の
値となり、成長速度も1.2〜1.4倍以上になる。即
ち、セルシヤツターを開いた直後においては、成
長速度が設計値よりも大きくなつており、このこ
とは、薄膜々厚の制御性を低下させる。
このように第2図に示すような従来の―族
化合物半導体薄膜周期構造形成のためのMBE成
長装置においては、セルシヤツターの開閉によつ
て族分子線の切り換えを行なうことにより、不
純ガスの発生、分子線強度の揺乱を引き起こすこ
とになり、このため薄膜の電気的特性を劣化さ
せ、また膜厚制御性あるいは混晶の場合には薄膜
組成制御性に悪影響を及ぼし、薄膜周期構造を形
成する際の周期性劣化を引き起こすという欠点を
有する。
一方、第3図に示すような本発明による薄膜周
期構造の成長装置では、セルシヤツターは常に開
放状態にあり、成長を終了するときのみ、セルシ
ヤツターを閉じれば良い。この結果、セルシヤツ
ターの開閉を周期的に行う従来のMBE成長装置
で問題となる結晶の成長途中における不純ガスの
発生や分子線強度の揺乱が全くおこらなくなり、
含有不純物量の少ない、かつ周期性のよい、―
族化合物半導体薄膜周期構造を形成することが
できる。
次に、本発明の第3図に示すMBE成長装置を
用いて作製した―族化合物半導体単結晶薄膜
周期構造に関する成長実験条件の詳細を示す。
第3図と同様の装置において、仕切り板10で
隔てられた両側で、それぞれ2本(InとGa)づ
つセルを設け、組成の異なるInxGa1-xAs
(In0.50Ga0.50AsとIn0.56Ga0.44As)が交互に形成
できるように、各セル温度を調整した。そして、
基板としてInP基板を用い、回転運動の周期は、
3.5rpmとした。この条件で、60分の成長を行
い、成長後、InP基板上に形成された
In0.50Ga0.50AsとIn0.56Ga0.44Asによる単結晶薄膜
周期構造全体の厚さを精密測定した結果、1.90μ
mであつた。このことから、基板の回転運動の1
回転(1周期)に対応する厚さは、約90Åである
ことが算出される。
一方、第12図は、このようにして作製した周
期構造について、X線回折測定した時のスペクト
ルを示したものである。2θ=62.85ならびに2
θ=62.95付近に見られる各ピークは、InP基板の
Cukα,Cukαピークとその上に形成した
In0.50Ga0.50As,In0.56Ga0.44Asによる単結晶薄膜
周期構造の0次ピークのCukα,Cukαピー
クがそれぞれ重なつたものである。さらに、2θ
=61.7ならびに2θ=64.1付近に見られるそれぞ
れ2本のピークは、周期構造が規則正しく形成さ
れている場合にのみ現れるサイドバンドピーク
(±1次)の、それぞれCukα,Cukαピー
クに対応する。このサイドバンドピークと、0次
ピークの角度差から、周期構造の実際の周期が測
定でき、第12図の場合、約87Åである。この値
は、先に算出した回転周期に対応する値90Åと、
測定誤差範囲内で良く一致している。
以上のことから、1周期90Åという極めて微細
な周期構造が、極めて規則正しく形成されている
ことが分かる。第3図の成長装置においては、基
板の回転速度をさらに大きくすることは極めて容
易なことであり、このことは、さらに微細な単結
晶薄膜周期構造を形成することが容易であること
を意味する。
また、上記の成長条件において、仕切り板10
で隔てられた片側のみのセルを用いて、あえて
InxGa1-xAsの一層成長を行なつた試料について
厚さ方向の組成分布をAES分析した結果、第1
3図に示すように、InxGa1-xAs/InP基板界面近
傍での組成比の勾配が第10図に比べて著しく改
善され、組成分布が均一になつている。このこと
から、本発明のMBE成長装置を用いると、セル
シヤツターの開閉に伴う分子線強度の揺乱を解消
でき、組成制御性を著しく向上できることが分か
る。
発明の効果 本発明のMBE成長装置によれば、分子線相互
間に仕切り板を設けて分子線相互の混合を防止
し、また各セルシヤツターを常に開放した状態で
基板を回転することにより、セルシヤツターの開
閉に基づく不純ガスの発生並びに分子線強度の揺
乱を解消することができ、その結果著しく周期性
が良く、かつ微細な単結晶薄膜周期構造を簡単に
形成することが可能となる。更に、回転運動する
基板ホルダを迅速かつ容易に旋回もしくは振動さ
せて移動し得るように構成したことに基き、仕切
り板と基板との間隔を変えることが可能となり、
その結果単結晶薄膜周期構造の成長と一層混晶の
単結晶薄膜成長との間で成長様式を容易に切換え
でき、周期性のある薄膜構造と周期性のない混晶
薄膜構造との複雑な組合せから構成される、種々
の薄膜構造例えば第1図に示すような薄膜構造を
効率良く連続操作で形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は多重量子井戸型レーザーの概略図、第
2図は―族化合物半導体単結晶薄膜周期構造
を形成するための従来のMBE成長装置を説明す
るための図、第3図,第4図および第5図は本発
明のMBE成長装置を説明するための図、第6図
はセルシヤツターからの不純ガス発生に関する測
定結果、第7図はIn0.53Ga0.47As単結晶薄膜の残
留不純物キヤリア濃度と電子移動度との関係につ
いての測定結果、第8図はセルシヤツター開放直
後における分子線強度のオーバーシユートに関す
る測定結果、第9図はInxGa1-xAs組成と、族
(InとGa)分子線強度比との関係についての測定
結果、第10図は、InxGa1-xAs層の厚さ方向に
おけるAES分析結果、第11図はIn0.53Ga0.47As
単結晶薄膜の成長速度と、族(Ga+In)分子
線強度との関係についての測定結果、第12図は
本発明のMBE成長装置によつて作製した単結晶
薄膜周期構造に関するX線回折測定結果、第13
図はInxGa1-xAs層の厚さ方向におけるAES分析
結果、をそれぞれ説明する図である。 主な参照番号、A…P型GaAs、B…P型
GaxAl1-xAs、C…ノンドープGaAsウエル、D…
ノンドープGaxAl1-xAsバリヤ、E…n型
GaxAl1-xAs、F…n型GaAs、1…成長室、2…
基板、3…基板ホルダ、4,5…セル、6…原料
A、7…原料B、8,9…セルシヤツター、10
…仕切り板、11…回転軸、12,13…分子線
束。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高真空下に維持された成長室内で、セル内に
    収納された原料を所定の方向に飛行させ、該成長
    室内に支持された基板表面に上記原料を付着させ
    単結晶として成長させる分子線エピタキシヤル成
    長装置であつて、 回転軸と、該回転軸の回りで回転可能であり、
    該軸上の一点を支点として振動もしくは旋回で
    き、かつ前記基板を支持する基板ホルダと、該回
    転軸の中心から該基板ホルダに対し垂直に放射状
    に伸びて該成長室を仕切り、単結晶薄膜構造を形
    成するのに必要な原料収納セルを夫々収納する複
    数の隔室を画成し、該基板側の端部において切り
    込みをもち凹凸状の輪郭を有する仕切り板とを具
    備することを特徴とする上記分子線エピタキシヤ
    ル成長装置。 2 前記基板ホルダの振動、回転もしくは旋回を
    マニピユレータで行うことを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の装置。 3 前記基板ホルダが前記仕切り板の凸部上に位
    置し、該基板と該仕切り板凸部との間の間隔が2
    mm以内であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1または2項記載の装置。 4 前記基板ホルダが前記仕切り板の凹部上に位
    置し、相隣接する隔室内の原料セルからの分子線
    束が少なくとも該凹部端部よりもセル側の位置で
    重なるように調整されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第1または2項記載の装置。
JP1206184A 1984-01-27 1984-01-27 単結晶薄膜を形成するための分子線エピタキシヤル成長装置 Granted JPS60161392A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1206184A JPS60161392A (ja) 1984-01-27 1984-01-27 単結晶薄膜を形成するための分子線エピタキシヤル成長装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1206184A JPS60161392A (ja) 1984-01-27 1984-01-27 単結晶薄膜を形成するための分子線エピタキシヤル成長装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60161392A JPS60161392A (ja) 1985-08-23
JPS6247838B2 true JPS6247838B2 (ja) 1987-10-09

Family

ID=11795081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1206184A Granted JPS60161392A (ja) 1984-01-27 1984-01-27 単結晶薄膜を形成するための分子線エピタキシヤル成長装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60161392A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60161392A (ja) 1985-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fisher et al. Stoichiometric, nonstoichiometric, and locally nonstoichiometric SrTiO3 films grown by molecular beam epitaxy
Petkov et al. Photo-induced changes in the optical properties of amorphous As-Ge-S thin films
JPS6247838B2 (ja)
JPS6247840B2 (ja)
JPS6247839B2 (ja)
JPS61270813A (ja) 分子線エピタキシヤル成長装置
JPS63137415A (ja) 単結晶薄膜の形成方法
JPH0144680B2 (ja)
JPS60152022A (ja) 分子線エピタキシヤル成長装置
JPH01235233A (ja) 分子線エピタキシャル成長方法
JP2001168034A (ja) 化合物半導体結晶成長装置及び化合物半導体層の成膜方法
US7683457B2 (en) Group I-VII semiconductor single crystal thin film and process for producing same
JP2612467B2 (ja) 異種構造薄膜同時成長装置
JPH0264093A (ja) 分子線エピタキシャル成長方法
JPS61288414A (ja) 分子線エピタキシヤル成長装置
JPH01235234A (ja) 分子線エピタキシャル成長装置
Aruta et al. Thin films and superlattice synthesis
JPH02208287A (ja) 結晶成長法およびその装置
JPH01294336A (ja) 電子放出素子の製造方法
JPS60100422A (ja) 単結晶薄膜周期構造を形成するためのmbe成長方法
JP2556271B2 (ja) 分子線エピタキシャル成長法
Muirhead et al. Interference filters from molecular beam deposition
JPH0446363B2 (ja)
JPS61190920A (ja) 分子線結晶成長装置
JPS63120412A (ja) 化合物半導体結晶製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term