JPS6246676Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一般にプリンタ複写機等の用紙処理機
構に係り、特にその排出用紙案内機構に関するも
のである。

従来この種の機器においては通常そのケーシン
グ上部に用紙排出口を設け、後下方に排出用紙を
案内しているが、いずれも用紙送りに数個のロー
ラーを用いた機構である。例えば、プリンタの場
合は、これらのローラーで印字用紙に強制的に逐
次改行送り、繰出し送り等を与えており、用紙に
は常に張力が加えられて摩擦によりかなりの静電
気を生ずる。この静電気の発生量は、用紙の種類
送り速度、ローラーの材質等によつて異なるが、
通常ローラー１個当り冬期に約5kVに達し、人体
への影響が少ないばかりでなく、帯電した用紙が
用紙排出口に続く用紙案内板の板面に付着しがち
である。静電気の発生量がはなはだしい場合は排
出用紙の進行がとまつて連続する折畳式用紙であ
れば、案内面上に折重なつて堆積するなど、一般
に用紙の帯電によつてその円滑な排出や再折畳み
が妨げられている。また、その対策としては用紙
案内板の下端縁に排出用ローラーを付加して排出
用紙に張力を加える方式がある。しかし、この方
式では案内面と用紙の間の摩擦が増大し、最終的
に用紙の帯電量を高めることになり、静電気除去
を困難にし、装置構成が複雑化するばかりでなく
張力の印加により用紙の折畳み特性が多少とも損
われることになる。

本考案の目的は上述のような従来の難点を解消
するとともに冷却用空気を用紙案内板の上面に流
出させ、その空気圧によつて用紙を板面から浮上
させることを提供するものである。

本考案によれば、用紙を排出する側に設けられ
た用紙案内板を有するラインプリンタにおいて、
前記用紙案内に冷却用空気の噴出口を設け、且つ
用紙案内板の内側に前記噴出口を覆うダクト設け
てなり、プリンタ内に設置されたメカニズム冷却
用フアンの吸入圧力により前記用紙案内板の噴出
口を通して案内板上面に冷却用空気を供給し印字
用紙を浮上せしめるようにしたプリンタ等の排出
用案内機構が得られる。

次に本考案の一実施例について図面を参照して
詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例であるプリンタの要
部断面を示す。第１図において、ケーシングは上
部にラインプリンタ本体１が設けられている。ラ
インプリンタ本体１はスチール活字ベルト機構２
ハンマアクチユエータ等により構成され更に発熱
体であるハンマアクチユエータ３等のメカニズム
を冷却する冷却用クロスフローフアン４が設けら
れている。このラインプリンタ１は冷却用クロス
フローフアン４の上部から装置後方部にかけて傾
斜している用紙案内板５が設けられ更に上側にラ
インプリンタカバー６が設けられていて、後方部
に用紙排出口７が設けられている。印字用紙はフ
レーム上の床面から、ラインプリンタ本体の中央
下部より入り、スチール活字ベルト機構２とハン
マアクチユエータ３との間を通り、冷却用フアン
４の上にある用紙案内板５の上面を通つて用紙排
出口７より送出される。

第２図は本考案にかかるラインプリンタの要部
を示す。第２図において、用紙案内板５は多数の
第一の空気取入口８および第二の空気取入口９を
有している。用紙案内板５は第一の空気取入口８
を有する部分の背面側にダクト１０が設けられて
いる。なお用紙案内板５の上面には印字用紙１１
が案内板５の面と接触しないように多数の突起部
を有している。冷却用のクロスフローフアン４は
発熱体であるアクチユエータ３を冷却するように
流路Ａが作られるが、吸気側は流路Ｂのごとき冷
却用空気が流れる。この空気の流れにしたがつて
用紙案内板５においてはダクト１０により流路Ｆ
から流路Ｅ，E′へ流れたケーシング内の空気が
案内板５の第一の空気取入口８から流路Ｄのごと
く噴出し、案内板５の上面と印字用紙との間に入
り、第二の空気取入口９を通して冷却フアン４に
向うので、案内板５と用紙との間に入つた空気が
印字用紙の進行方向に対して対向流となるように
なり、且つ渦と乱流となつて印字用紙を用紙案内
板５から浮上させる。このように印字用紙は摩擦
等により生ずる静電気を少なく、静電気が帯電し
た場合でもスムーズに紙送りされる。

本考案は用紙に静電気が帯電しやすい冬期にお
いても用紙の排出や再折畳みが円滑に行なわれ、
又メカニズム冷却フアンを具えたラインプリンタ
等の場合吸入空気のため特別の装置を必要とせず
簡潔安価な構成をもつて、容易に所期の目的を達
成することができ、用紙の折畳み特性すなわち折
り目部分の復元性保持が改善され、用紙の帯電除
去も容易となるほど、実用上多大の効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は本考案の一実施例の要部における空気流れを
示す概念図である。 １……ラインプリンタ本体、２……スチール活
字ベルト機構、３……ハンマアクチユエータ、４
……冷却用フアン（クロスフローフアン）、５…
…用紙案内板、６……ラインプリンタカバー、７
……用紙排出口、８……第一の空気取入口、９…
…第二の空気取入口、１０……ダクト、１１……
印字用紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリンタ等の用紙を排出する側に設けられ一方
   の面で排出用紙を案内する用紙案内板と、前記用
   紙案内板に設けられた第一および第二の空気取入
   口と、前記用紙案内板の他方の面側に設けられ前
   記第一の空気取入口と外部とを流体的に連通する
   ダクトと、前記用紙案内板の前記他方の面側で、
   かつ前記第二の空気取入口近傍に設置され前記ダ
   クト、前記第一および第二の空気取入口を介して
   外部空気を吸入し前記プリンタ等の内部を冷却す
   る冷却用フアンとを有し、前記冷却用フアンの吸
   入圧力により前記用紙案内板の前記一方の面側に
   空気流を供給し、前記排出用紙を前記用紙案内板
   から浮上せしめるようにしたプリンタ等の排出用
   紙案内機構。