JPS624658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は排気ブレーキ装置とアイドリングアツ
プ装置とを伴有したエンジンにおいて、排気ブレ
ーキ使用時にはアイドリングアツプ装置の作動を
解除するようにした制御装置に関する。

走行用エンジンに直結して駆動されるカークー
ラを備えた車両等では、エンジン回転低速時に、
冷房能力不足或いは消費電流の相対的増加に伴な
うオルタネータの起電力不足が発生することを防
止するためアイドリング回転速度を増大させるア
イドリングアツプ装置を備えたものがある。

一方、大型車両では一般に排気通路内にエキゾ
ーストシヤツタを設け、該シヤツタをエンジンブ
レーキ作動時に閉じ、エンジンをコンプレツサと
して作動させることにより制動力を高める排気ブ
レーキ装置を備えていることは周知の通りであ
る。

ところが、従来前記アイドリングアツプ装置
と、排気ブレーキ装置とを併有した車両にあつて
は、両装置は互いに無関係に独立して作動する構
成となつているため、両装置が同時に作動した場
合下記の如く問題を生じる。

即ち、燃料噴射用のアイドリング位置でONと
なる排気ブレーキ用ターンスイツチが確実にON
とならず、排気ブレーキ装置の作動が不良となつ
たり、一方、アイドリングアツプ位置（以下ハイ
アイドリング位置という）で燃料噴射量が増量さ
れた状態で排気ブレーキが作動されることによ
り、制動力が著しく低下して安全性低下を招き、
或いはエキゾーストシヤツタ上流側の排気圧力が
異常に増大して該シヤツタ及び排気管系の耐久性
低下、故障発生を招いたりすることがあつた。

本考案はかかる従来の欠点に鑑みまされたもの
で、排気ブレーキ操作時には自動的にアイドリン
グアツプ装置の作動が解除されるように構成し、
もつて、排気ブレーキ装置の作動不良、制動不足
の防止と排気系の耐久性低下、故障発生の防止を
図つた排気ブレーキ装置付エンジンのアイドリン
グアツプ制御装置を提供するものである。

このため本考案では排気ブレーキ作動回路のス
イツチのON操作に連動してアイドリングアツプ
作動回路のスイツチがOFFとなるようにしたス
イツチ機構を設けて構成する。

以下に本考案を図示した実施例に基づいて詳細
に説明する。一実施例を示す第１図において、排
気ブレーキ装置は次のように構成されている。即
ち、エンジン排気通路１内には常開のエキゾース
トシヤツタ２が介装され、該シヤツタ２は排気通
路１外部でレバー（図示せず）を介して連結され
たエアシリンダ３の伸長ストロークによつて閉じ
るように構成されている。

エアシリンダ３は常閉の電磁バルブ４を介装し
たエア配管５を介してエアリザーバ６に接続され
る。

前記電磁バルブ４は通電時に開弁しエアリザー
バ６内の高圧空気がエア配管５を介してエアシリ
ンダ３に供給され伸長ストロークされたエアシリ
ンダ３によりエキゾーストシヤツタ２が閉じられ
るようになつている。一方、電磁バルブ４への通
電が断たれると該バルブ４はエア配管５を閉じる
と共に、バルブ４からエアシリンダ３に至る部分
のエア配管５をリリーフポートに開通させ、エア
シリンダ３内の圧縮空気を大気に排出させること
によつてエアシリンダ３をこれに内蔵されたリタ
ーンスプリングによつて短縮ストロークさせ、エ
キゾーストシヤツタ２を開くようになつている。

前記電磁バルブ４の通電回路即ち、排気ブレー
キ作動回路は、次のように構成されている。即
ち、電磁バルブ４の電磁コイルと、クラツチ接続
時（クラツチペダルの解放時）にONとなるクラ
ツチスイツチ７と、燃料噴射ポンプに装着され、
コントロールレバー８のアイドリング位置（ロー
アイドリング位置）で該レバー８に取り付けられ
たプツシユロツド８ａに押圧されてONとなるタ
ーンスイツチ９と、切換スイツチ１０の排気ブレ
ーキ接点１０ａ（以下EB接点１０ａという）と
を直列に介してバツテリ１１に接続した回路で構
成されている。尚、EB接点１０ａとターンスイ
ツチ９との間にはパイロツトランプ１２が並列し
て接続されている。

一方、アイドリングアツプ装置が下記の如く構
成されている。

即ち、前記コントロールレバー８のアイドリン
グ位置を伸長ストローク時に通常のローアイドリ
ング位置からハイアイドリング位置（第２図で順
次L.I.，H.I.と示してある）に移動させるエアシ
リンダ３を設け、、該エアシリンダ１３を常閉の
電磁バルブ１４を介装したエア配管１５を介して
エアリザーバ６に接続してある。

エアシリンダ１３及び電磁バルブ１４は排気ブ
レーキ装置のものと同一形のものが使用され、通
電時開となつてエアシリンダ１３を伸長ストロー
クさせ、通電遮断時はエアシリンダ１３内の空気
を排出して該エアシリンダ１３を短縮ストローク
させるようになつている。

前記電磁バルブ１４の通電回路即ちアイドリン
グアツプ作動回路は、前記切換スイツチ１０のア
イドリングアツプ接点１０ｂ（以下IU接点とい
う）及びクーラ作動用スイツチ１６を介してバツ
テリ１１に接続した回路で構成されている。

ここで切換スイツチ１０のEB接点１０ａ及び
IU接点１０ｂは連係されており、選択的に切換
接続されるようになつている。

次にかかる構成の作用を説明する。

クーラ使用時即ちクーラ作動用スイツチ１６の
ON操作時に切換スイツチ１０をIU接点１０ｂ接
続側に操作すると電磁バルブ１４が通電されて開
弁し、第２図に示す如くエアシリンダ１３が伸長
ストロークしてコントロールレバー８がハイアイ
ドリング位置に移動される。このためアイドリン
グ回転速度が増大しクーラの冷房能力低下を防止
すると共に、クーラ使用による大電力消費に対応
してオルタネータに充分な起電力を発生させるこ
とができる。

一方、この状態から排気ブレーキを使用する場
合には切換スイツチ１０をEB接点１０ａ接続側
に切換操作しかつ、アクセルペダル及びクラツチ
ペダルを解放する。

このとき、まず切換スイツチ１０のIU接点１
０ｂがOFFとなるため電磁バルブ１４への通電
が断たれエアシリンダ１３が短縮ストロークす
る。従つて前記アクセルペダルの解放に伴なつて
コントロールレバー８はリターンスプリングの付
勢力によりローアイドリング位置まで戻され、燃
料噴射量が極く少量に減少される。

同時にコントロールレバー８に取り付けられた
ロツド８ａがレバー８のアイドリング位置への回
転移動によつてターンスイツチ９の接点を押圧
し、これをON接続する。

従つてEB接点１０ａ、ターンスイツチ９及び
クラツチスイツチ７が全てON接続されて電磁バ
ルブ４が開弁するため、エアシリンダ３に高圧空
気が供給されその伸長ストロークによつてエキゾ
ーストシヤツタ２が閉じられる。

こうして、燃料噴射量がローアイドリング位置
まで減少しかつエキゾーストシヤツタ２が閉じら
れることにより正常な排気ブレーキ機能が得られ
るのである。

尚、切換スイツチ１０は２つの接点が連係して
選択的に切り換わるように構成したものでもよい
が、第３図に示すように通常のスナツプスイツチ
を使用してもよい。このものではスナツプＳを図
で上下に切換操作することにより例えばE₁，E₂
に接続された排気ブレーキ作動回路と、I₁，I₂に
接続されたアイドリングアツプ作動回路とを選択
的に切り換えられる。

さらに、第４図に示すように両回路の切換接続
位置に加え、両回路を共にOFFするOFF位置を
別に設けた切換スイツチを設けてもよく、この場
合には一方の回路を他方の回路のON，OFFと無
関係にOFFとすることができる。

又、ターンスイツチ９の代りにアクセルペダル
解放時のみONとなるアクセルスイツチを設けて
も同様の機能が得られる。

以上説明したように、本考案によれば、排気ブ
レーキ装置とアイドリングアツプ装置とを備えた
エンジンにおいて、両装置の作動回路に、各装置
をいずれか一方のみ選択的に作動させる切換スイ
ツチを設けたから、排気ブレーキ作動時には常時
燃料噴射位置がローアイドリング位置に保持さ
れ、正常な排気ブレーキ作動が行なえ、両装置が
同時に作動されることによる排気ブレーキ作動不
良、制動力不足、排気系耐久性低下及び故障発生
等をことごとく防止できるものである。

又、両装置の作動用スイツチを切換スイツチと
するだけの極めて簡単な構成であるから低コスト
で実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す全体構成図、
第２図は同上実施例のアイドリングアツプ装置作
動時における一部拡大図、第３図及び第４図は
夫々前記実施例に使用される切換スイツチの相異
なる変形態様を示す斜視図及び回路図である。 １……排気通路、２……エキゾーストシヤツ
タ、３……エアシリンダ、４……電磁バルブ、５
……エア配管、６……エアリザーバ、７……クラ
ツチスイツチ、８……コントロールレバー、９…
…ターンスイツチ、１０……切換スイツチ、１０
ａ……排気ブレーキ接点、１０ｂ……アイドリン
グアツプ接点、１１……バツテリ、１２……パイ
ロツトランプ、１３……エアシリンダ、１４……
電磁バルブ、１５……エア配管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エンジンブレーキ操作時排気通路中に介装さ
   れたエキゾーストシヤツタを閉じるように構成
   された排気ブレーキ装置と、燃料噴射量制御部
   材の噴射量最少位置を強制的に増量位置に移動
   させるように構成されたアイドリングアツプ装
   置とを併有したエンジンにおいて、前記両装置
   の作動回路に、いずれか一方の装置のみを選択
   的に作動させる切換スイツチを設けたことを特
   徴とする排気ブレーキ装置付エンジンのアイド
   リングアツプ制御装置。 (2) 切換スイツチは、前記両装置を共に作動停止
   させるOFF位置を備えてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の排気ブレーキ装置付エン
   ジンのアイドリングアツプ制御装置。