JPS6246575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行用駆動車輪が各々にプロペラシ
ヤフトによつてデフ装置に連結される構造を有す
る運搬車の車輪支持構造に関する。

従来のかかる運搬車の車輪支持構造としては、
駆動車輪やデフ装置を支持するフレームが、デフ
装置や又、デフ装置の出力を駆動車輪に伝達する
プロペラシヤフトの下方に配される構造となつて
いたために地面からこの車体の底部までの高さが
低くなり起状の激しい場所を走行する場合など車
体の低部が地面に接当し走行に支障を生ずるとい
う欠点があつた。

上記欠点を解消した従来の車輌には、例えば、
運搬車ではないが、特開昭54−13135号公報に開
示されたものが知られている。しかしながら、こ
れは、機体と車輪との連結を、伝動軸（プロペラ
シヤフト）を内装した傾斜姿勢の車軸ケースにて
行うものであるから、この車軸ケースの組付けに
おいて、この車軸ケースの寸法の寸法誤差と、前
記伝動軸の寸法誤差とを同時に解消して組付ける
のは、困難さがあり、また、車軸はユニバーサル
ジヨイントを用いた構造であつて、車軸ケースに
内装するものであるから組付けそのものも非常に
困難である欠点があつた。

本考案の目的は、従来のかかる欠点に鑑みて、
組付けが簡単で、伝動構造の簡単なプロペラシヤ
フト伝動構造を用いながら車体底の対地高さを高
くするものである。

本願考案の運搬車の車輪支持構造は、左右一対
の走行用駆動車輪用のデフ装置が前記駆動車輪の
車軸よりも対地的に高位に配設されると共に、前
記駆動車輪はそれぞれプロペラシヤフトを介して
前記デフ装置に連結され、さらに、前記左右一対
の駆動車輪の車軸は、前記左右のプロペラシヤフ
トよりも高い位置で車体に配設された山形フレー
ムの左右両側の下垂された端部で支持される構成
にしてある構成を特徴とするものである。

以下に、本願考案の作用効果を説明する。

すなわち、車体底部の地上高さを高くしたもの
であり乍ら、プロペラシヤフト等に多少寸法誤差
があつても、その誤差分を山形フレームに支持さ
れた車軸の移動などで調節してプロペラシヤフト
の組付けができるから、その寸法誤差の調節の困
難性が解消され、従来のように車軸筒内を通すプ
ロペラシヤフトをその車軸筒と共に組付ける寸法
誤差の調節の困難なものと比較して、山形フレー
ムの端部にて支持された車軸と、デフケースとを
連結するプロペラシヤフトの組付けは楽に行える
と共に、山形フレームとプロペラシヤフトとを
別々に分解並びに組付けすることが可能であるた
め、分解並びに組付けの必要箇所のみその作業を
行えば良くて、必要箇所以外の箇所も分解並びに
組付けしなければならないような余分な作業が解
消された構造となつているなどの効果を奏するも
のである。

以下、図面に基づいて実施例を説明する。

第１図及び第２図に示すように、ハンドル１及
び運転座席２を備えると共に、エンジン３、油圧
ユニツト４及びミツシヨンケース５を設け、か
つ、左右一対の駆動前車輪６を軸架して前部車体
７を構成し、他方、荷台８を油圧シリンダ９を介
して駆動ダンプ自在に設けると共に左右一対の駆
動後車輪１０を軸架して後部車体１１を構成し、
前部車体７と後部車体１１とを縦軸芯Ｐ周りで相
対回動自在に枢支連結すると共に、両車体７，１
１にわたり、ハンドル１の回転に伴いその操作量
に応じて伸縮作動されるステアリング用油圧シリ
ンダ１２を連動連結し、いわゆる胴折れ型のダン
プ式運搬車を構成してある。

左右一対の前輪６の取付部は第２図に示される
様に、前部車体７のシヤーシ１３に、ミツシヨン
ケース５及び前車輪用デフ装置１４を内装したギ
ヤケース１５が取り付けられ、デフ装置１４の左
右の一対の出力軸１６…が前車輪６…それぞれの
車軸６′，６′にプロペラシヤフト１７，１７を介
して連結されている。より詳しく述べるとこのプ
ロペラシヤフト１７はスプライン咬合した外嵌部
１７ａと内嵌部１７ｂからなり伸縮自在に構成さ
れると共に外嵌部１７ａはデフ出力軸１６に、他
方、内嵌部１７ｂは車軸６′，６′にユニバーサル
ジヨイント構造で連結している。

車軸６′，６′は山形のフレーム１８の両側の下
垂した部分の端部に設けられた軸受１９，１９で
軸支されると共に、このフレーム１８の中間部は
上方に高くなる様に構成されていて、この中間部
が前部車体のシヤーシ１３にサスペンシヨンバネ
２０…を介して取り付けられている。

このサスペンシヨンバネ２０…及び伸縮自在な
前記プロペラシヤフト１７，１７によつてそれぞ
れの前車輪６，６は前部車体のシヤーシ１３及び
それに取り付けられたギアケース１５に対して上
下動自在に弾性懸架され他面の凹凸のシヨツクを
和らげるものである。特に、それぞれの前車輪
６，６が一つのフレームの両端に固着の軸受１
９，１９によつて軸支されるという簡単な構成で
ありながら、上記構成によつてあたかも独立懸架
の車輪同様に、実質的に独立に上下動できるだの
である。

第４図は、後車輪１０，１０の取付構造を示す
もので前車輪６，６の構造と異なり、デフ装置２
１が山形フレーム２２に固着され、後車輪１０，
１０の上下動と一体として上下動する様に形成さ
れている。このデフ装置２１は後車輪１０，１０
と一体として上下動するため、このデフ装置２１
と後車輪１０，１０を連結するプロペラシヤフト
２３，２３は伸縮する必要はなく、単に一体のシ
ヤフトであつて両端が車軸及びデフ装置２１の出
力軸とユニバーサルジヨイント機構で連結してい
る。

山形フレームの形状、後部車体のシヤーシ２４
とこの山形フレームの結合の仕方、及び後車輪１
０，１０の軸支部の構造は前車輪６，６の場合と
同様に構成されている。

更に、前部車体７、後部車体１１の共通構造と
して、山形フレーム１８及び２２は軽量化の為に
パイプで形成され、車体シヤーシ１３，２４と山
形フレーム１８，２２の間には前記サスペンシヨ
ンバネ２０…他にシヨツクアブソーバーが設けら
れている。そしてこれらサスペンシヨンバネ２０
…としては積層板バネが用いられている。

尚、後車輪用デフ装置２１へ入力される動力は
前部車体７に設けられたミツシヨンケース５から
プロペラシヤフトによつて伝動されるもので、こ
のプロペラシヤフトは、前部車体７と後部車体１
１の連結部で折り曲り自在なようにユニバーサル
ジヨイントで連結された前部シヤフトと後部シヤ
フトから構成されている。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る運搬車の車輪支持構造の実
施例を示し、第１図は胴折型運搬車の側面図、第
２図は胴折型運搬車の平面図、第３図は前輪取付
構造を示す正面図、そして第４図は後輪取付構造
を示す背面図である。 ６……前車輪（駆動車輪）、１０……後車輪
（駆動車輪）、１４……前車輪用デフ装置、１７…
…前車輪用プロペラシヤフト、１８……前車輪用
山形フレーム、２１……後車輪用デフ装置、２２
……後車輪用山形フレーム、２３……後車輪用プ
ロペラシヤフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の走行用駆動車輪６，１０用のデフ装
   置１４，２１が前記駆動車輪６，１０の車軸より
   も対地的に高位に配設されると共に、前記駆動車
   輪６，１０はそれぞれプロペラシヤフト１７，２
   ３を介して前記デフ装置１４，２１に連結され、
   さらに、前記左右一対の駆動車輪６，１０の車軸
   は、前記左右のプロペラシヤフト１７，２３より
   も高い位置で車体に配設された山形フレーム１
   ８，２２の左右両側の下垂された端部で支持され
   る構成にしてある運搬車の車輪支持構造。