JPS6246572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はピラーグリツプに関するものである。

自動車等においては、車内よりも車外が明かる
い場合に、運転席の脇のドアガラスに反対側の車
外の景色が映るが、このいわゆるゴースト像がバ
ツクミラーを見る際に邪魔となり後方の確認が困
難となるという問題がある。

特にヘツドランプ等で照らされた真つ暗な道路
を走行する際は、第１図に示す如く、ヘツドラン
プ１で照らされた路面又はガードレール２（一般
に白色）が運転席の脇のドアガラス３にはつきり
映り、バツクミラー４を見ることが非常に困難に
なる。

本考案はこのような問題に着目してなされたも
ので、ドアガラスへのゴースト像の投影を生じさ
せない手段を提供することを目的とする。

本考案は上記の目的を達成させるため、フロン
トピラーの車室内側における死角領域でかつヘツ
ドライトにより照射された路面又は路側物等がフ
ロントウインドガラスを透過して運転席側のドア
ガラスに映るゴースト像の投影を遮蔽可能とする
位置に設けられたピラーグリツプについて、上記
フロントピラーに対する上記ピラーグリツプの基
端部を支点として上下方向軸線回りに揺動自在に
遮光板を支持し、通常走行時は上記遮光板により
上記ゴースト像の投影を遮蔽するが少なくとも乗
車時には上記遮光板が揺動変位されて上記ピラー
グリツプを把持しうるよう構成したことを特徴と
したものである。

以下、本考案の一実施例に基づいて具体的に説
明する。

ドアガラスへのゴースト像の投影を生じさせな
いためには、端的にいえば、そのゴースト像の光
路を遮断すればよい。前記第１図の例で考えれ
ば、ゴースト像の光路５を何らかの手段で遮断す
ればよいのである。そこで上記遮断の位置の選定
が問題となるが、運転席の前方だと視界が制限さ
れることになり好ましくない。

ところで、第３図に示す如く、フロントピラー
６の部分は死角の領域７に入るので、該領域内な
らばゴースト像の光路を遮断する手段を設けても
何ら支障は生じない。そこで該死角の領域内とし
て定まる所定の位置を遮断位置として設定し、該
位置に遮光板８を設けることとする。

ところで、上記死角の領域には、キヤブオーバ
ー車にもみられる通り、乗車時に於ける乗員の手
掛りとして、ピラーグリツプが設けられている。
そこで、このピラーグリツプに上記遮光板８を組
合せて、該ピラーグリツプと遮光板８の全体で前
記ゴースト像の光路を遮断する手段としての機能
を持たせようとするのが本考案の狙いである。

例えば第２図乃至第４図に示すピラーグリツプ
９の場合、これに取付けられるべき遮光板８は、
該グリツプ９の内側空隙部９１にそう台形状の輪
郭を有する板で構成され、さらにその基端部には
上下方向に支持軸８１ａ，８１ｂが植設されてい
る。

一方、グリツプ９の基端部には上記支持軸８１
ａ，８１ｂを枢着する支持穴８１０ａ，８１０ｂ
が各々形成されている。グリツプ９に対する遮光
板８の取付けは、遮光板８を撓ませつつ、上記支
持軸８１ａ，８１ｂを支持穴８１０ａ，８１０ｂ
に挿入することにより、或いは支持穴８１０ａ，
８１０ｂよりビス等で止めることにより行なわれ
る。

なお、その際、上の支持軸８１ａにコイル状の
ばね１０をセツトする。つまり、このばね１０の
一端１０ａは遮光板８上であつて支持軸８１ａの
近傍に形成された係止穴１００ａに挿入され、
又、このばね１０の他端１０ｂはグリツプ９上で
あつて支持穴８１０ａの近傍に形成された係止穴
（図示されず）に挿入される。そして、このばね
１０が自由状態にあるときに、遮光板８が前記内
側空隙部９１を塞ぐ状態となるように設定され
る。

而して、通常時は遮光板８は上記の如く内側空
隙部９１を塞ぐ態位を維持し、第３図に示す如く
ゴースト像を遮断する機能を果す。又、ピラーグ
リツプとして用いる場合には、該グリツプを握る
と、遮光板８は枢着部分を支点として所要量回動
してくれるので、何ら支障はない。そして、この
際に、上記所要量の回動に伴なつて貯えられたば
ね１０のエネルギーが、手をグリツプから放すと
同時に放出されて遮光板８は原状態位に復帰し、
再び遮光機能を果す様になる。

他の実施例として、第５図に示す如く、遮光板
８０を空隙部９１より大きく形成し、その自由端
部８０ａが前記したばね１０の機能により常時グ
リツプ９に、フロントガラス１１側より圧接する
構成とすることもできる。この場合、前記例より
も遮光板が大きいのでその分、遮光領域が広が
る。従つて大きな遮光領域を必要とする車種に有
効である。ピラーグリツプとして用いる場合、こ
れを手掛かりとするのは乗車する時に使用するの
が殆んどであり、その際の掴み勝手は第５図に示
す如く、自由端部８０ａをフロントガラス１１側
に回動させる形となるので、問題はない。

他の実施例として、第６図，第７図に示す如
く、遮光板８００をグリツプ９０と一体的とする
構成もある。この場合、材料としては合成樹脂例
えばポリプロピレン等を用いる。遮光板８００の
基端部は第７図に符号８０１で示す如く局部的に
薄肉とし、グリツプの部分を手で掴んだ際に回動
が容易に行なわれるようにする。

このように本考案によれば、ピラーグリツプに
ゴースト像の光路遮断機能を兼用させることがで
き、バツクミラー附近の視界からゴースト像をな
くすことにより安全性を向上させるとともに乗降
性も良好となし得、好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図はドアガラスにゴースト像が投影される
状況を説明した図、第２図は本考案に係るピラー
グリツプの斜視図、第３図は同上図のＡ−Ａ断面
図、第４図は本考案に係るピラーグリツプの分解
斜視図、第５図は本考案の他の実施例に係るピラ
ーグリツプの、グリツプ時に於ける断面図、第６
図は本考案の他の実施例に係るピラーグリツプの
正面図、第７図は同上図のＢ−Ｂ断面図である。 ８，８０，８００……遮光板、９１……内側空
隙部、９，９０……ピラーグリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントピラーの車室内側における死角領域で
   かつヘツドライトにより照射された路面又は路側
   物等がフロントウインドガラスを透過して運転席
   側のドアガラスに映るゴースト像の投影を遮蔽可
   能とする位置に設けられたピラーグリツプであつ
   て、上記フロントピラーに対する上記ピラーグリ
   ツプの基端部を支点として上下方向軸線回りに揺
   動自在に支持され、通常走行時には上記ゴースト
   像の投影を遮蔽するが少なくとも乗車時には揺動
   変位されて上記ピラーグリツプの把持を可能とす
   る遮光板を具備したことを特徴とするピラーグリ
   ツプ。