JPS624630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鋼管等の地中推進工事における被
推進管と地山との間に減摩材等を注入するために
使用する滑材および裏込材の注入バルブに関す
る。

地中に鋼管、ヒユーム管等を埋設する作業にお
いては、立坑による発進ピツトおよび到達ピツト
を所定の間隔をおいて配設し、前記発進ピツトに
おいて単管を接合しつつ土中に推進させる作業を
繰り返して到達ピツトまで貫通させる工法が採用
されているが、その推進作業時の問題点に、推進
中における推進力を順次に増強させる必要がある
上に、地盤の沈下のおそれがまた増大するという
ことがある。この推進力増強の必要に対しては、
被推進管と地山との間に減摩材等を注入して推進
抵抗を減少させる方法が用いられており、前記減
摩材等にはベントナイト懸濁液、界面活性剤、油
脂等が使用されている。しかして、被推進管が大
径管の場合には、作業員が管内からグラウトホー
ル等を利用して前記減摩材等を管と地山との間隙
に注入し、また小径管については、予め発進ピツ
ト内で管外面に該減摩材等を塗布することが行な
われている。地盤沈下対策としては、大径管の場
合には、管内のグラウトホールからモルタル、セ
メントミルク等の地山硬化材を注入して沈下防止
を施しているが、小径管については前述の銭よう
な硬化材注入手段がないので、何等の防止法も実
施していない状況である。しかるに、現在は、推
進作業中の地盤沈下が大きな問題になつていて、
推進完了後に裏込材を注入するのでなく、推進作
業と同時に注入しなければならないといわれてお
り、そのために例えば特公昭54−7375号公報に示
されるように推進力低減および地盤沈下の両方に
効果がある薬材を用いる方法が開発されている
が、該薬材は、二液を混合した後に約３分で塑性
化するので、注入終了後に注入ホース内を洗浄す
る必要がある。従つて大径管に前記薬材を適用し
たときには、作業が管内で行なわれるから問題が
ないけれども、小径管については、管内に作業員
が入れないので、注入および洗浄両作業の切り換
えを遠隔的に操作しなければならない。

この考案は、このような現状からなされたもの
で、二個のシリンダの作動によつて薬材注入およ
び注入ホース洗浄の動作を遠隔操作できる滑材お
よび裏込材の注入バルブを提供して業界の要望に
答えることを目的としている。

つぎに、この考案を図面によつて詳細に説明す
ると、第１，２，３，４および５図において、こ
の考案の注入バルブ２６は、バルブ本体３０、被
推進管体１９の一部を構成する取付けプレート
９、該取付けプレートに前記バルブ本体を装着す
る止め治具８および前記取付けプレートとバルブ
本体間に介設した弁座ゴムパツキン７を主要部品
とするものであつて、バルブ本体３０のバルブケ
ーシング６のケーシング内部空間１４は、薬材、
洗浄材注入室３１と同じく排出室３２の二室から
形成され、前記両室は連通孔３３によつて連通し
ており、該注入室３１の側部には薬材合流注入ホ
ース２５（後述）に接続される薬材等圧送口３４
を、上部には前記取付プレートに穿設されて管体
１９および地山２９間に生じる管体地山間々隙３
５に開口された薬材等注入口１５に前記弁座ゴム
パツキンの中心孔３６を経て連通する薬材等送流
口３７を配設するとともに、底部には薬材等注入
用流体圧シリンダ装着口３８を配設して薬材等注
入用流体圧シリンダ１のロツド側を該装着口に緊
着させ、さらに該注入用流体圧シリンダのピスト
ンロツド１６を注入室３１内を上下に伸縮自在に
配置してその端部には先端を円錐状に成形してあ
る注入用ピストンヘツド弁体４を固設し、該ピス
トンヘツド弁体がピストンロツドの伸長とともに
上方に移動し、送流口３７を通過して弁座ゴムパ
ツキン７に当圧してその中心孔３６を閉塞させる
ようにしてある。したがつて、前述の閉塞状態で
は注入室３１内の薬材等は前記管体地山間々隙３
５に送流されないことになる。なお、３は前記ケ
ーシングの流体圧シリンダ装着口と流体圧シリン
ダのロツド側間に配設した止水用Ｏリングで注入
室３１を外部から封密してあり、１０および１１
は注入用流体圧シリンダ１に圧縮空気等圧力流体
を送排する管路である。また、薬材、洗浄材排出
室３２の底部には薬材排出ホース２７（後述）に
接続される薬材等排出口３９を配設するととも
に、前記連通孔に対向する側部には薬材等排出用
流体圧シリンダ装着口４０を配設して薬材等排出
用流体圧シリンダ２のロツド側を該装着口に緊着
させ、さらに該排出用流体圧シリンダのピストン
ロツド１６′を排出室３２内で第１図において左
右に伸縮自在に配置して、その端部には、先端を
円錐状に成形し、かつ該円錐の基部にゴムリング
１７を嵌設してある排出用ピストンヘツド弁体５
を固設し、該ピストンヘツド弁体がピストンロツ
ドの伸長とともに右方に移動し、連通孔３３の排
出室３２側に形成してある前記ピストンヘツド弁
体の先端の円錐形に整合する弁座円錐穴１８に当
圧して前記連通孔を閉塞させるようにしてある。
したがつて、前述の閉塞状態では注入室３１内の
薬材等は排出室３２内に送流されないことにな
る。なお、流体圧シリンダ装着口と流体圧シリン
ダのロツド側間に止水用Ｏリング３′を配設して
排出室３２を封密し、また排出用流体圧シリンダ
２に圧縮空気等の圧力流体を送排する管路１２お
よび１３を装着するのは、前述た注入用流体圧シ
リンダ１と同様である。ついで、前記バルブ本体
と取付けプレート９との組付けについで述べる
と、該バルブ本体の薬材等送流口３７の周囲に止
め治具８を構成する複数の植込ボルト４１を立設
し、該ボルトを前記取付けプレートの薬材等注入
口１５の周辺に穿設した貫通孔２０に下方から挿
入して上部のねじ部分にナツト４２を螺入するこ
とによつて行なうもので、この際に前記バルブ本
体と取付けプレート間に弁座ゴムパツキン７を介
在させているので、前記ナツトの緊締によつて該
弁座ゴムパツキンが圧縮して封密効果が生じ、注
入室３１内の薬材等は外部に漏出することがな
い。

したがつて、この考案に係る注入バルブ２６の
バルブ本体３０の注入用ピストンヘツド弁体４が
第１図に示す状態Ｉにあつて送流口３７を閉塞せ
ず、また排出用ピストンヘツド弁体５が同じく第
１図に示す状態Ｉにあつて連通孔３３を閉塞して
いる場合には、圧送薬材等Ｄは圧送口３４を経て
注入口１５から管体地山間々隙３５に注入される
が、排出室３２の排出口３９には到達せず、また
注入用ピストンヘツド弁体４が第２図に示す状態
にあつて送流口３７を閉塞し、また排出用ピス
トンヘツド弁体５が同じく第２図に示す状態に
あつて連通孔３３を開放している場合には、圧送
薬材等Ｄは排出室３２の排出口３９から排出され
ることになるので、前記状態Ｉに両ピストンヘツ
ド弁体位置があるように圧縮空気等圧力流体供給
装置を制御して遠隔操作すると管体地山間々隙３
５に薬材を充填でき、また前記状態になるよう
に遠隔操作して薬材の廃棄、または洗浄材送流が
可能である。

いま、この考案に係る注入バルブ２６を推進工
事に適用した場合について説明すると、第６図に
おいて、先端に推進刃口４３を装着した被推進管
体１９の所要部位に前記注入バルブを装着し、該
バルブの圧送口３４に薬材合流注入ホース２５を
接続し、該ホースには、薬材等圧送ポンプユニツ
ト２１から各薬材を圧送する夫々の注入ホース２
３を集結する合流管２４を結合し、また前記注入
バルブの排出口３９に薬材等排出ホース２７を接
続して排出タンク２２に導設するものであつて、
遠隔操作された状態Ｉにある注入バルブにおい
て、圧送された各薬材は夫々注入ホース２３を経
て合流管２４に送られ、ついで合流注入ホース２
５内で混合されて注入バルブ２６に入つて管体地
山間々隙３５に圧送され、該間隙を薬材２８で充
填する。ついで、薬材廃棄、またはホース等の洗
浄の際には、注入バルブ状態に遠隔操作して該
バルブ内に洗浄材等を圧送てその排出ホース２７
から排出タンク２２に抜き取る。なお、前記注入
バルブ内の両ピストンヘツド弁体の状態の切換え
には、薬材等の圧送に定吐出注入ポンプ、等量弁
等を使用し、必要注入量の圧送時間からタイマー
を作動させて圧力流体供給装置を制御させること
によつて行なえば、極めて至便である。

上述したように、この考案によれば、そのバル
ブ機構が簡単であつてスラリー状態の薬材等にも
充分に耐えられ、ピストンヘツド弁体の先端を円
錐状に形成させているので止水効果が良く、また
バルブ形態を小形化できるとともに、バルブ操作
を遠隔操作できるから、作業員が管内に入ること
のできない小径管に適用して良好な結果が得ら
れ、さらにタイマー使用による自動処理ができる
上に、塑性、固化する薬材の充填注入後における
バルブおよびホース内の洗浄が容易に実現できる
など、この考案は多くの実益をもつている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す薬材等の注入
状態をあらわす縦断側面図、第２図は同じく薬材
等の排出状態をあらわす縦断側面図、第３図は第
１図の−切断面図、第４図は注入用ピストン
ヘツド弁体の閉塞状態を示す要部拡大縦断側面
図、第５図は排出用ピストンヘツド弁体の閉塞状
態を示す要部拡大縦断側面図、第６図はこの考案
に係る注入バルブを推進工事に適用た状況を示す
説明図である。 １……薬材等注入用流体圧シリンダ、２……薬
材等排出用流体圧シリンダ、４……注入用ピスト
ンヘツド弁体、５……排出用ピストンヘツド弁
体、６……バルブケーシング、７……弁座ゴムパ
ツキン、８……止め治具、９……取付けプレー
ト、１０，１１……注入用流体圧シリンダ送排用
圧力流体管路、１２，１３……排出用流体圧シリ
ンダ送排用圧力流体管路、１４……ケーシング内
部空間、１５……薬材等注入口、１６，１６′…
…ピストンロツド、１７……ゴムリング、１８…
…弁座円錐穴、１９……被推進管体、２０……貫
通孔、２１……薬材等圧送ポンプユニツト、２２
……排出タンク、２３……注入ホース、２４……
合流管、２５……薬材合流注入ホース、２６……
この考案に係る注入バルブ、２７……薬材等排出
ホース、２８……薬材、２９……地山、３０……
バルブ本体、３１……薬材、洗浄材注入室、３２
……同排出室、３３……連通孔、３４……薬材等
圧送口、３５……管体地山間々隙、３６……ゴム
パツキン中心孔、３７……薬材等送流口、３８…
…注入用流体圧シリンダ装着口、３９……薬材等
排出口、４０……排出用流体圧シリンダ装着口、
４１……植込ボルト、４２……ナツト、４３……
推進刃口、Ｄ……圧送薬材等。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブ本体のケーシング内部を連通孔によつて
   連通させた薬材等注入室および同排出室の二室に
   形成し、注入室には薬材合流注入ホースに接続さ
   れる圧送口および被推進管外部に連通される送流
   口を配設するとともに、前記送流口に対向する部
   位に注入用流体圧シリンダを装着して注入用流体
   圧シリンダのロツドの端部に前記送流口を閉塞自
   在にする注入用ピストンヘツド弁体を取付け、ま
   た排出室には薬材等排出ホースに接続される排出
   口を配設するとともに、前記連通孔に対向する部
   位に排出用流体圧シリンダを装着して排出用流体
   圧シリンダのロツドの端部に該連通孔を閉塞自在
   にする排出用ピストンヘツド弁体を設けてなるこ
   とを特徴とする滑材および裏込材の注入バルブ。