JPS6245606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容器の底部の構造に関するものであ
つて、特に酒燗器、電気ポツト、電子ジヤー等の
電熱容器の底部の、水抜きの構造に関するもので
ある。

一般にこの種の電熱容器においては、容器の底
部に電熱部が設けられているが、水洗した際の水
が電熱部に侵入することがあり、漏電の危険を回
避するために、その水を排出することが必要であ
る。

而して従来のこの種の容器においては、容器の
底体の下面に底カバーが設けられ、該底カバーに
数箇所の水抜き用の透孔が穿設されていた。しか
しながらこの水抜き用の透孔は、水抜きの効果は
あるものの、該水抜き用透孔から油虫等が侵入す
る危険性があり、不衛生であるとともに危険であ
つた。

本考案はかかる事情に鑑がみなされたものであ
つて、底体の中央開口部に形成した段部に凹所を
形成すると共に、該段部に嵌合される底カバーに
は、前記凹所に対応する切欠きを設け、且つ底カ
バーを上方に彎曲させ、その凹所と切欠きとの隙
間から、完全に水抜きするようにすると共に、油
虫等の侵入を防止したものである。

第１図は本考案を適用した容器の一例としての
酒燗器を示す。１は容器本体であつて、その下部
が胴体２内に収納され、該胴体２に対してビス３
により固定されている。また胴体２の下部には底
体４が取付けられ、該底体４の下面には底カバー
５が設けられている。前記容器本体１の下面には
サーモスタツト６が固定され、該サーモスタツト
６の下端に前記底カバー５がビス８で固定され、
該底カバー５と前記胴体２との間に底体４が挟持
されている。９は前記胴体２に固定されたハンド
ルであり、１０は電源ターミナルである。１１は
容器本体１の下部に巻回されたバンドヒーターで
あつて、容器本体１内の酒を加湿して燗をするよ
うになつている。

而して本考案においては、第２図乃至第４図に
示すように、底体４の中央開口部１２の下面に段
部１３が形成されており、該段部１３の複数箇所
に、凹所１４が形成されている。一方底カバー５
の周縁には、前記凹所１４に対応する位置に切欠
き１５が設けられている。また、底カバー５はそ
の中央部において、ビス８によりサーモスタツト
６の下端に固定されているが、そのとき第５図に
示すように、僅かに上方に彎曲するようにビス８
で締め込まれている。

本考案によれば、電熱部内に侵入した水は、先
ず底カバー５上に流れ落ち、次いで該底カバー５
上の水は、底カバー５の彎曲により、その周縁部
に集まる。そしてその水は、段部１３と底カバー
５との間隙を毛細管現象により伝わつて、前記凹
所１４及び切欠き１５の位置に集中し、ここから
下方に流れ落ちて、排出されるのである。また凹
所１４及び切欠き１５は小さいものでよいので、
ここから油虫等が侵入することがなく、衛生的で
ある。

従つて本考案によれば、電源部内に侵入した水
は有効に排出されるので、漏電等の危険がなく極
めて安全であり、しかも油虫等の侵入を防止する
ことができるものである。

なお、本考案は前述の酒燗器に限つて適用され
るものではなく、他の電熱容器に適用することも
でき、さらに、電熱容器でない通常の液体容器等
の容器（例えばまほうびん、アイスジヤー等）に
適用しても、錆の防止等の効果があり、有効であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した酒燗器の中央縦断面
図である。第２図は前記酒燗器の底面図、第３図
及び第４図は、第２図における−部及び−
部の拡大断面図である。第５図は前記酒燗器に
おける、底カバーの彎曲状態を示す中央縦断面図
である。 ４……底体、５……底カバー、１２……底体の
中央開口部、１３……段部、１４……凹所、１５
……切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底体の下面に底カバーを取付けた容器におい
   て、底体の中央開口部に底カバー嵌合用の段部を
   形成すると共に該段部に凹所を設け、一方底カバ
   ーには前記凹所に対応する位置に切欠き部を形成
   し、底カバーの中央部において、該底カバーが僅
   かに上方に彎曲するように容器に対して固定した
   ことを特徴とする、容器の底部。