JPS6245457Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ケーブル及び引綱を管路内に布設す
る際にケーブル及び引綱が管路の出入口で過度に
曲げられたり引綱により管路口が傷付けられたり
することを防止するためのケーブル布設用自己支
持型ベルマウスに関するものである。

従来この種の工具として第１図、第２図に示す
ものが知られている。これらに示す工具Ａは、ら
つぱ状の部材をその軸線方向に２つ割りして得た
部材の形状を有するもので、これを２つ組み合わ
せて管路内にさし込み、その内面でケーブル及び
引綱を案内するものである。ところで、この従来
の工具においては、ケーブル及び引綱を管路内に
布設する場合、ケーブル及び引綱と工具との摩擦
及びケーブル及び引綱の先端が工具に衝突するこ
とにより、管路口から工具が脱落するためこれを
人手で管路口に保持しておく必要があるという欠
点があつた。

本考案は上記の事情に鑑み、管路口に脱落する
ことのないように装着することができ、使用時に
人手により保持する必要のないケーブル布設用自
己支持型ベルマウスを提供するもので、一対のベ
ルマウス構成体のうち一方のものの中間部に支点
金具を設け、ベルマウス構成体を管路口に装着す
るに際し、管路外の一対のベルマウス構成体をボ
ルトにより緊締して上記支点金具を中心として上
記ベルマウス構成体の端部に取付けた摩擦部材を
管路内面に圧接させ得るようにしたものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第３図ないし第５図は本考案によるベルマウス
を組立てた状態を示す図であつて、これらの図に
おいて符号１，１はベルマウス構成体である。ベ
ルマウス構成体１は、半割円筒部２ａの一端に半
割ホーン部２ｂを形成してなる本体２と、この本
体２の外面の上記半割円筒部２ａと半割ホーン部
２ｂとの境界部付近に形成された翼部８と、同本
体２の半割ホーン部２ｂの両側縁に形成された連
結板部４，４とからなるものであり、これを図に
示すように本体２の内面が対向するように２つ重
ね合わせた場合には、各半割円筒部２ａ，２ａ間
に内径が一定の筒状部５Ａが形成されると共に各
半割ホーン部２ｂ，２ｂ間に開口端に向けて漸次
内径が増大するベルマウス状の開口部５Ｂが形成
されるものである。上記の構成において、半割円
筒部２ａは管路内にさし込む部分であり、翼部３
はベルマウス構成体が管路内に押し込まれるのを
防止するためのものである。また半割ホーン部２
ｂは、ケーブルを円滑にかつ過度に曲げないよう
にするため、その内面がホーン状になめらかな曲
面になつている。またベルマウス構成体１の連結
板部４，４には、それぞれ翼部８の近傍に孔６が
形成され、半割ホーン部２ｂの開口端寄り部分に
孔７が形成されている。そして２つのベルマウス
構成体１，１のうち一方のものの連結板部４，４
には、それぞれ孔６部分支点金具８が取付けられ
ている。この場合支点金具８は、孔６に挿通した
ボルト９に装着されており、ベルマウス構成体
１，１を上述したように重ね合わせたときに各ベ
ルマウス構成体１，１の連結板部４，４間に位置
している。またベルマウス構成体１，１は、上述
したように重ね合わされた状態において、各連結
板部４，４の孔７，７部分でそれぞれボルト１
０、ナツト１１により互いに接近する方向へ緊締
できるようになつている。またベルマウス構成体
１，１には、それぞれ半割円筒部２ａの他端寄り
部分の外面に摩擦係数の大なる弾性物質からなる
テープ状の摩擦部材１３が接着されている。

上記の構成からなる工具においては、ベルマウ
ス構成体１，１がボルト１０、ナツト１１により
連結される構成であるため、これらベルマウス構
成体１，１を容易に組立て、分割することがで
き、これにより、ケーブルを容易に工具から取り
はずしたり、工具の中にケーブルを入れたりする
ことができる。

この工具を管路に取付けるには、第６図に示す
ように重ね合わせたベルマウス構成体１，１の半
割円筒部２ａ，２ａを管路に挿入し、翼部３，３
を管路端面に係止させる。そして各ベルマウス構
成体１，１の連結板部４，４をボルト１０、ナツ
ト１１により孔７，７部分において緊締し、各ベ
ルマウス構成体１，１の半割円筒部２ａ，２ａの
端部を支点金具８を中心として管路の壁面方向へ
移動させ、半割円筒部２ａ，２ａに取付けた摩擦
部材１３，１３を管路の壁面に圧接させる。この
ように工具を取付けることにより、摩擦部材１
３，１３と管路の壁面との間の摩擦力によつて工
具が管路から脱落するのを防止できるのである。
この場合摩擦部材１３は弾性物質であるから、管
路を傷つけることがない。

かくして、この状態においてケーブル及び引綱
を管路口のいずれの方向にけん引しても管路口か
ら工具が脱落することがないため、工具を人手で
保持する必要がなく、作業の省力化及び安全性の
向上を図ることができる。

以上説明したように、本考案の工具はケーブル
を管路に引入れる場合のみならず、ケーブル引出
しの際にも工具が管路口から脱落することがない
ために、工具を人手で保持しておく作業が不要と
なり、省力化が図れるばかりでなく作業の安全性
にも極めて有効である。

また、本工具は、従来からの通信用メタリツク
ケーブルの他、電力ケーブル等の管路内布設にも
適用可能であり、近年実用化の著しい光フアイバ
ーケーブルにも十分適用が可能である等適用範囲
が広く、有効な工具である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーブル布設用工具（ベルマウ
ス構成体）の正断面図、第２図は同側面図、第３
図ないし第５図は本考案の一実施例を示す図であ
つて、第３図は平面図、第４図は側面図、第５図
は一部断面視した正面図、第６図は第３図ないし
第５図に示す工具の使用状態を示す説明図であ
る。 １……ベルマウス構成体、２……本体、２ａ…
…半割円筒部、２ｂ……半割ホーン部、３……翼
部、４……連結板部、６，７……孔、８……支点
金具、１０……ボルト、１１……ナツト、１８…
…摩擦部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ半割円筒部の一端に半割ホーン部を形
   成してなる本体と、この本体の外面の上記半割円
   筒部と半割ホーン部との境界部付近に形成された
   翼部と、この本体の上記半割ホーン部の両側縁に
   形成された連結板部とを有してなり、上記本体の
   内面が互いに対向するように重ね合わせたときに
   各半割円筒部間に内径が一定の筒状部が形成され
   ると共に各半割ホーン部間に内径が漸次開口端に
   向けて増大するベルマウス状の開口部が形成され
   る一対のベルマウス構成体と、これらベルマウス
   構成体のいずれか一方の上記両連結部材の上記翼
   部近傍に設けられた支点金具と、上記一対のベル
   マウス構成体の各連結板部を緊締する少くとも一
   対のボルトと、上記一対のベルマウス構成体の各
   半割円筒部の他端寄り部分の外面に取付けられた
   摩擦部材とを具備してなるケーブル布設用自己支
   持型ベルマウス。