JPS6245047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車の排気管系統に使用する可
撓式排気管に関するものである。

従来、自動車の排気管系統に組み込むことによ
つて高温の排気ガスを通過させるとともに、振動
を効果的に吸収させる可撓式排気管は、第１図に
示すように前後インナーリング１，１間にベロー
ズ２およびインターロツク３を夫々シーム溶接、
すみ肉全周溶接して固定し、これらを複数の金属
線材をクロス状に編んで構成されたブレード４で
囲み遮熱と飛び石からのベローズ２の保護をさ
せ、このブレード４両端部にアウターリング５，
５を嵌合してスポツト溶接にて固定して構成され
ていた。

ところで、このようにして構成された可撓式排
気管はベローズにインターロツクを直接に溶接で
きないため、インナーリングにベローズ、インタ
ーロツクを夫々溶接して一体にしていたため部品
点数が多くなり、その上溶接工程もより多くな
り、作業性も低下する等の欠点があつた。

そこで、この考案はインナーリングを用いず、
しかも溶接工程をなくすることによつて簡単、か
つ、容易に製作できる可撓式排気管を提供し、前
記欠点に対処したものである。

以下、この考案の具体的な実施例を図面を参照
して説明する。

第２図は自動車の一般的な排気管系統を示す概
要図で、エンジン６からの排気ガスはフロントパ
イプ７によつて可撓式排気管８に導かれ、さらに
センターパイプ９を介してメインマフラー１０に
導入され、テールパイプ１１より排気されるよう
に構成されている。

ところで、この考案に係る可撓式排気管８の主
要部分は、振動を吸収するベローズ２、このベロ
ーズ２の外周を保護するように囲んでいるブレー
ド４、このブレード４両端部に嵌合されるラツパ
状のアウターリング５，５およびベローズ２内に
挿入されるインターロツク３から構成される。

ベローズ２は、振動を効果的に吸収するベロー
ズ状部２ａの前後両外端縁から夫々連続して前後
筒状部２ｂ，２b′を形成してなるものであり、ブ
レード４は例えば複数本の金属線材を帯状となる
ように並べたものをクロス状に編んで鼓形にした
もの等、柔軟性あるものが用いられ、ベローズ２
の保護と遮熱作用をし、その長さはベローズ２の
長さと略々等しくしておく。

また、アウターリング５は概略ラツパ状の金属
リングで、これをブレード４の前後端部に嵌合し
て前後筒状部２ｂ，２b′とで挾着しているもので
あり、インターロツク３は例えば薄肉帯状板を概
略断面形状Ｓ字状に形成して螺旋巻きし隣接し合
う部分を順次係合して柔軟性あるパイプ状にした
最大重合部分４層からなるもの（第４図参照）等
ベローズ２の共振防止と遮熱作用を有するものが
用いられ、その長さは前記ベローズ２の長さより
短かくしておく。そして、このインターロツク３
両端所要巾をベローズ２の前後筒状部２ｂ，２
b′内周面に対して押し拡げるようにつぶして両者
２と３を固定し、この拡張つぶし部３ａに位置す
る前後筒状部２ｂ，２b′、ブレード４、アウター
リング５，５の複層重合間の適当位置周上に連続
状もしくは散点状に膨出させ、この膨出部１１に
よりこれら相互間を固定して可撓式排気管が形成
される。なお、拡張つぶし部３ａ、膨出部１１を
形成した際インターロツク３の拡張つぶし部３ａ
両外端縁とベローズ２の両外端縁と間に自動車の
排気管系統へ嵌合して接続するための嵌合シロ巾
Ｌを残していることが必要である。また、ベロー
ズ２、ブレード４、アウターリング５，５の重合
外端縁１２，１２が同一面上にくるように形成す
ることが好ましい。

ところで、このような構成からなる可撓式排気
管８は、従来と同様に自動車の排気管系統に組み
付けられる。

すなわち、フロントパイプ７とセンターパイプ
９の各端部をこの排気管８のベローズ２の前後筒
状部２ｂ，２b′の嵌合シロ巾Ｌへ嵌合した後、前
記重合外端縁１２，１２と両パイプ７，９を全周
溶接１３することにより、この排気管８と両パイ
プ７，９間ばかりでなくこの排気管８のベローズ
２、ブレード４、アウターリング５，５が一体化
されることになる。

以上のように構成されたこの考案は、インター
ロツク３の拡張つぶし部３ａ，３ａの形成によ
り、まずインターロツク３がベローズ２の前後筒
状部２ｂ，２b′内周面へ押圧状態となり両者２と
３は固定され、次にこれら２，３とブレード４、
アウターリング５，５の複層重合間の周上に膨出
部１１が形成されることによりこれら相互間が固
定されることから、従来のようなインナーリング
１，１が不要となり部品点数は軽減され、しかも
溶接工程を完全になくすことができたので作業性
が著しく向上される。

また、前述のように各部材相互間が固定され、
さらに自動車への排気管系統へ溶接により組み付
けて一体化されることから、従来のものと同様な
機能を維持できる効果等実用上有益な諸効果が期
待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の可撓式排気管を示す断面図、第
２図はこの考案に係る可撓式排気管を自動車の排
気管系統に実施した概要図、第３図は同排気管を
示す断面図、第４図は要部拡大断面図である。 符号、２……ベローズ、２ａ……ベローズ状
部、２ｂ，２b′……前後筒状部、３……インター
ロツク、３ａ……拡張つぶし部、４……ブレー
ド、５……アウターリング、１１……膨出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 振動を吸収するベローズ状部の前後外端縁から
   夫々連続して前後筒状部が形成されているベロー
   ズの外周を柔軟性のあるブレードで囲み、このブ
   レード両端部に概略ラツパ状のアウターリングを
   夫々嵌合し、前記ベローズ内にこれより短かいイ
   ンターロツクを挿入してなるものにおいて、イン
   ターロツク両端所要巾をベローズの前後筒状部内
   周面に対して押し拡げるようにつぶして固定した
   拡張つぶし部を形成し、この拡張つぶし部に位置
   する前後筒状部、ブレード、アウターリングの複
   層重合間の適当位置の周上に連続状もしくは散点
   状に膨出部を形成して相互間を固定してなる可撓
   式排気管。