JPS6243422B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、外扇付電動機に係り、特に、コンデ
ンサ付外扇電動機において、その外扇フアンの有
効利用とコンデンサ取着との組合わせで、大きな
冷却効果、騒音の低下を志向した外扇付電動機に
関するものである。

従来の外扇付電動機は、第１，２図に示す構成
ならびに手法によるものであつた。

ここで、第１図は、従来の外扇付電動機の一部
開披断面側面図、第２図は、その右側からの側面
図である。

図で、１は電動機本体、２は外扇フアン、３ａ
は外扇フアンカバー、４ａは空気穴、５ａはコン
デンサ、９は、外扇フアン２のフアンブレードで
あり、Ａは全体の横巾寸法、Ｂ１は、外扇フアン
カバー３ａの縦寸法、Ｂ２は、コンデンサ５ａを
含めた縦寸法であつて、ｇは、空気穴４ａのギヤ
ツプである。

すなわち、外扇フアンカバー３ａの端側面に、
ギヤツプｇの複数個の空気穴４ａを設けたもので
あると同時に、コンデンサ５ａを電動機本体１の
周方向に突出して付設したものであり、また空気
穴４ａの位置は、その大部分が、後述の第４図に
示すごときフアンブレード９の内径ｄ２より大き
な位置に、第１図々示のごとく設けられているも
のである。

しかしながら、従来のこのような構成による
と、まず、冷却を目的とした外扇フアン２の風量
が有効に利用できないことと、外扇フアン２の音
が風の乱流により異音が発生するという欠点を有
するものである。

すなわち、第６図に示す外扇フアンのフアンブ
レードの各位置における、その位置と空気の流速
との関係は、第７図に示すとおりであつて、ハ、
ニ点の位置になると、イ点にたいして数倍の流速
に蔵速される。

したがつて、第１図に示すように、その空気の
吸込口に係る空気穴４ａが、第６図のハ、ニ点近
辺に設けてあると、吸込口部で、イ点から増速さ
れた空気と、ハ、ニ点の吸込空気が衝突して乱流
を発生するものである。

このため、１有効な空気の流れを妨害し、風量
が少ない、２空気の衝突と乱流とにより異音を発
し、またその音が大きくなるものである。

次に、電動機本体１に付設したコンデンサ５ａ
の表面温度が、電動機本体１のフレームから熱伝
導を受けて上昇するため、耐熱コンデンサを取付
けるようにしているが、これは、その寸法が大き
く、高価格のものであつた。

また、通常、機器組込時には、電動機外枠寸法
が規定されるが、第２図のように、その電動機外
枠寸法がＡ×B2と規定されて、コンデンサ５ａ
の部分により大きくなり、かつ上記のように大形
のコンデンサ５ａであるから、より大きくなる。

本発明は、上記のような従来のものの欠点を解
消するもので、外扇フアンカバーの中心部にフア
ンブレードの内径より小径の冷却孔を設け、この
外扇フアンカバーの外側に前記冷却孔を跨ぐよう
にコンデンサを取付けることにより、大きな冷却
効果、騒音の低下を所期しうるようにした外扇付
電動機の提供を、その目的とするものである。

本発明に係る外扇付電動機の構成は、外扇フア
ンカバーの中心部に、当該フアンブレードの内径
より小径の通気孔を設け、その外扇フアンカバー
の外側に、所定の間隙を存して、前記通気孔を跨
ぎ覆い橋架するコンデンサ取付部を軸方向へ突設
し、このコンデンサ取付部にコンデンサを配置支
持せしめ、電動機本体の外扇フアンにより、前記
コンデンサを冷却するとともに電動機本体を冷却
するように構成したものである。

なお詳しくは、外扇フアンカバーの通気穴を、
部分的に、コンデンサによりカバーしたうえ、空
気流通ギヤツプを確保した取付位置関係を有し、
この外扇フアンカバーにコンデンサ取付部を設
け、これにコンデンサを取付けてなる外扇付電動
機であつて、外扇フアンカバーの通気穴位置を外
扇フアンのフアンブレードの内側に設け、遠心フ
アンの理想的な空気流れができるように関連寸法
を設定したものであり、さらに、コンデンサをそ
の通気穴から、ある一定距離を設けて取付け、空
気の流れを妨害することなく、同時に、外部から
の試験指が入らないような寸法を確保するように
したものである。

次に、本発明に係る一実施例を、さきの第２図
をも参照して、第３図ないし第８図に基づいて説
明する。

ここで、第３図は、本発明の一実施例に係る外
扇付電動機の外扇フアンカバー部からの側面図、
第４図は、第３図のＸ−Ｘ方向の一部開披断面側
面図、第５図は、第３図のＹ−Ｙ方向の要部断面
図、第６図は、そのフアンブレードの部分図、第
７図は、フアンブレードの流速特性図、第８図
は、従来のものと本発明による改良品との主要特
性比較図である。

図において、第１図と同一符号の部分は同等部
分を示し、３は外扇フアンカバー、４は、冷却孔
に係る通気孔、５はコンデンサ、６はコンデンサ
取付部、７は補助板、８は、ねじである。

また、d₁は通気孔４の径、d₂は、外扇フアンブ
レード９の内径、g₁は空気流通用ギヤツプ、g₂は
試験指ギヤツプである。

しかして、外扇フアン２は、遠心フアンを採用
しているものであり、この外扇フアン２を外扇フ
アンカバー３で保護しているものである。

外扇フアンカバー３の通気孔４は、d₁の径を有
し、外扇フアン２のフアンブレード９の内径d₂に
たいして、d₁＜d₂の関係を維持するものであり、
外扇フアンカバー３の中心部に設けられたもので
ある。

コンデンサ５は、外扇フアンカバー３のコンデ
ンサ取付部６と補助板７との間に、ねじ８により
固定されており、このコンデンサ取付部６は、通
気孔４を打抜きによつて形成する際の不要部材を
有効に利用しているものである。

そして、このコンデンサ５の取付けにより、所
要の空気流通用ギヤツプg₁と、試験指ギヤツプg₂
とを確保した関係寸法を維持させたものである。

しかして、上記構成に係るものは、外扇フアン
カバー３の中心部に、フアンブレード９の内径よ
り小径の通気孔４を設け、その外扇フアンカバー
３の外側に、所定の間隙を存して、前記通気孔４
を跨ぎ覆い橋架するコンデンサ取付部６を軸方向
へ突設し、このコンデンサ取付部６にコンデンサ
５を配置支持せしめ、電動機本体１の外扇フアン
２により、前記コンデンサ５を冷却するとともに
電動機本体１を冷却するようにしたものである。

すなわち、従来のものとは異なり、通気孔４を
側設した外扇フアンカバー３の外側にコンデンサ
５を支持するようにしたので、外扇フアン２によ
り通気孔４に吸い込まれる空気により、コンデン
サ５ならびに電動機主体１がともに冷却されて冷
却空気を有効に利用できるものであり、また、第
２図に示す寸法で、Ａ×B1の電動機外枠寸法と
なり、さらに、電動機本体１のフレームからの熱
伝導を受けることがないようにすることができる
から、小形で安価なコンデンサ５を使用できるも
のである。

しかして、また、さきのd₁＜d₂の関係により、
第３，４図に示すように、フアンブレード９の内
周部にしか通気孔がないので、第６，７図により
さきに詳述したごとく、従来のものとは異なつ
て、ほぼ整流の空気流れとなること、および衝突
音の異音が出ないものである。

なお、コンデンサ５による空気流れの妨害は、
第６，７図のごとくイ点の流速が小さいために、
この流速に影響が出ないようなギヤツプg₁を設け
ることにより解決できるものであり、また、外部
からの試験指にたいしては、コンデンサ５の取付
けにより、ギヤツプg₂を確保することによつて問
題は無いものである。

第８図は、上記によるものと従来品との主要特
性比較図で、本実施例によるものが従来品に比較
し、高風量で低騒音のものが得られることを実験
により確認することができたものである。

以上に述べたところをも総合し、上記実施例に
係るものは、要約して、次のような効果を所期し
うるものである。

(イ) その中心部に通気孔を側設した外扇フアンカ
バーの外側にコンデンサを支持するようにした
ので、外扇フアンにより通気孔に吸い込まれる
空気により、コンデンサならびに電動機主体が
ともに冷却されて冷却空気を有効に利用できて
冷却効果がよい。

(ロ) 前記の通気孔は当該フアンブレードの内径よ
り小径のものとしたので、フアンブレードの内
周部にしか通気孔がないから、ほぼ整流の空気
流れとなること、および空気の衝突音の異音が
出ないようになつて、騒音が低下するものであ
る（これは、特に、２極電動機で効果が大であ
る。） (ハ) 従来は、コンデンサの表面温度が、電動機本
体のフレーム、電動機外枠などから熱伝導を受
けていたため、耐熱コンデンサを取付け、その
寸法が大きく、高価格となつたり、また冷却風
の送入口およびその排出口を有する蓄電器収容
室に収容するようにしたりするので全体の寸法
が大きくなつたが、上記(イ)のような構成にして
冷却効果を上げたことにともない、電動機本体
のフレーム、電動機外枠の影響が無くなり、小
形、低価格のコンデンサの使用を可能とし、ま
た、全体を小形化しうるものである。

さらに、上記(イ)の冷却効果により、固定子を小
さくする、または積厚を減らすことができて、こ
の点からも小形化に寄与することができるもので
ある。

以上に述べたところにより、本発明によるとき
は、１その中心部に通気孔を側設した外扇フアン
カバーの外側にコンデンサを支持するようにした
ので、外扇フアンにより通気孔に吸い込まれる空
気により、コンデンサならびに電動機主体がとも
に冷却されて冷却空気を有効に利用できて冷却効
果がよく、２通気孔はフアンブレードの内径より
小径のものとしたので、フアンブレードの内周部
にしか通気孔がないから、ほぼ整流の空気流れと
なること、および空気の衝突音の異音が出ないよ
うになつて、騒音が低下するものであり、これら
によつて、大きな冷却効果、騒音の低下を所期し
うる外扇付電動機の提供を可能とするものであ
り、実用的効果にすぐれた発明ということができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の外扇付電動機の一部開披断面
側面図、第２図は、その右側からの側面図、第３
図は、本発明の一実施例に係る外扇付電動機の外
扇フアンカバー部からの側面図、第４図は、第３
図のＸ−Ｘ方向の一部開披断面側面図、第５図
は、第３図のＹ−Ｙ方向の要部断面図、第６図
は、そのフアンブレードの部分図、第７図は、フ
アンブレードの流速特性図、第８図は、従来のも
のと本発明による改良品との主要特性比較図であ
る。 １…電動機本体、２…外扇フアン、３…外扇フ
アンカバー、４…通気孔、５…コンデンサ、６…
コンデンサ取付部、９…フアンブレード、g₁…空
気流通用ギヤツプ、g₂…試験指ギヤツプ、d₁…通
気孔径、d₂…フアンブレード内径。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外扇フアンカバーの中心部に、当該フアンブ
   レードの内径より小径の通気孔を設け、この外扇
   フアンカバーの外側に、所定の間隙を存して、前
   記通気孔を跨ぎ覆い橋架するコンデンサ取付部を
   軸方向へ突設し、このコンデンサ取付部にコンデ
   ンサを配置支持せしめ、電動機本体の外扇フアン
   により、前記コンデンサを冷却するとともに電動
   機本体を冷却するように構成したことを特徴とす
   る外扇付電動機。