JPS6243029B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は永久磁石の吸着力を利用したハンド
バツグの蓋版等の係合に使用される係合具、就中
組立性の良好な係合具の提供を目的としたもので
ある。

而して、従前に於けるこの種の係合具に於いて
は概ね脚片を有する座金を活用したものである
が、斯かる座金構造に於いては取付け部品点数が
多くなることゝ共に取付け製作手間も多分に要請
され、相対的に製作コストを高めたものである。

又、かかる折曲げ脚片を主体とした座金に於い
ては取付面に飾り釦等の装飾物の取付けが困難と
され、装飾物の取付けに於いては更に多くの手間
並びに部材を要したものである。

次いで、従前の斯かる脚片構造に於いては折り
曲げ係止されるため比較的多くの面的な広がりを
必要とし、これが外観上必ずしも良好なものでは
なく、特に取付けた基版上に更に別の皮革等を添
着しないと外観が特に悪いものであつた。

本発明は斯かる従前の係合具に於ける不都合に
鑑み特に案出されたものであつて、従前の脚片構
造に対し先端部の圧潰膨成を予定される有底管状
の取付部材の圧入を予定される漏斗管状の取付板
を用意し、この取付板を予め強磁性板２に止着用
意した上で組付けるようになし、部品点数の削減
と取付手間の削減による製作コストの低減化と共
に取付け端面を比較的シンプルなものとして外観
体裁を著しく向上せしめ、必要に応じて装飾、殊
に飾り釦等の取付けをワンタツチで可能としたも
のである。

以下本発明の詳細を図面に示す実施例について
説明するに、先ず第１図に於いて、１は永久磁石
であつて、特に其の素材ないしは形状に限定を受
けることなく各種のものが予定されると共に単一
部品又は複数部品として係合用の孔１ａを一方の
磁極面より他方の磁極面に向けて開設されたもの
であり、且つ使用底面に相当する磁極面に強磁性
板２を配し、この強磁性板２を永久磁石１とを非
磁性素材よりなる真鍮板等のケース３をもつて一
体的に止着したものである。

而して、ケース３は一般的には強磁性板２の止
着面並びに孔１ａの開口部を除く周面を被覆する
如く被嵌し、孔１ａに向けて其のケース３の開口
縁端を折り曲げるようになすと共に強磁性板２に
於ける永久磁石１との非当接面に対し同様にケー
ス３の開口縁にある係止片３ａを折り曲げるよう
にしたものである。

かゝる永久磁石１と強磁性板２との構造に対し
て略中央部分を側方に向けて絞り加工等により膨
出して無底の漏斗状をなす管部４ａとした取付板
４を別途用意し、この取付板４の周端縁を折り曲
げ縁４ｂとして先の強磁性板２と永久磁石１との
接合面に折り曲げて取付板４と強磁性板２とを一
体的に固着し、次いでこの一体とされた取付板４
及び強磁性板２をケース３をもつて永久磁石１に
一体に組付けるようにしたものである。

次いで取付板４に於ける折り曲げ縁４ｂの介装
間隙を設けて、磁石１と強磁性板２との密着を期
すべく強磁性板２の外周縁に沿つて折り曲げ縁４
ｂの肉厚相当分の周凹段縁を設けたものである。

又、第１１図に示すような強磁性板５に立設し
た強磁性桿６を強磁性板２の板面からケース３の
開口部上面迄の長さとして、該強磁性桿６の端面
を強磁性板２面上に吸着させるようになつている
ものである。

第２図は永久磁石１の孔１ａの略中程にまで至
る長さ寸法の強磁性桿７をカシメ付けにより立設
し、第１２図に於ける強磁性桿６と該孔１ａの中
程に於いて密着せしめるようになつている実施例
である。

第３図の実施例は強磁性桿７をケース３を含め
た永久磁石１の強磁性板５との当接位置、即ち、
孔１ａ端に強磁性桿７が臨むように設け、これに
第１３図のような周縁係合鍔５ａを有する強磁性
板５を密着させて吸着するようになつているもの
である。第４図は永久磁石１における強磁性板２
の止着されていない面に強磁性板である磁気シー
ルド板５を添装して筒状のケース３で一体に抱持
させ、強磁性板５が当接する永久磁石１の磁極面
からの磁気漏洩を防止するようになつている実施
例である。

第５図は全くケース３の使用を無いものとして
永久磁石１と強磁性板２とが直接的に接着されて
いる実施例である。

第６図は強磁性桿７と強磁性板２がロウ付け又
は溶接により一体化されているものであり、第７
図は強磁性桿７の一端に細径の螺桿を設け強磁性
板２の中心に設けた雌ねじ孔に螺着されているも
のであり、第８図はピン状として挿着した場合で
あり、第９図は強磁性板２と強磁性桿７とが一体
に成形されているものであり、第９図は強磁性板
２と強磁性桿７とが一体に成形されているもので
あり、第１０図は永久磁石１の強磁性板２との接
合面の外周に沿つて周凹段縁が設けられている実
施例である。

かゝる構成よりなる永久磁石１を基本とした止
具を基版８に対し止着するに於いては、基版８に
於ける取付孔部に対し取付板４に於ける管部４ａ
を挿通して、この管部４ａに於ける基版８の他の
側面に露呈した部分を拡開してカシメるようにな
し、座金等を使用せずに止着する場合と、第１４
図のようにこのカシメ止着に際し座金９を介装し
て基版８に対する喰いつきを防止する場合があり
又、第１５図のように有底管状の取付管部１０ａ
を絞り加工等をもつて膨成した取付部材１０を基
版８に挿通した取付板４の管部４ａ内に圧入嵌着
し、この圧入端を圧入時の押圧をもつて膨成せし
めて、管４ａの内周壁面に圧着するとともに、管
４ａの端部を拡開カシメ付けする場合とが予定さ
れると共に、第１６図のようにこの取付部材１０
の周縁端に飾り釦１１の周縁を係着せしめ両者を
一体的に予め製作して置くことによつて係合具の
基版８に対する止着と同時に飾り釦１１自体をも
基版８に止着する場合等がある。

尚、叙上に於ける係合具の組立てに於いては、
前記の強磁性板２と、取付板４とが予め組付け用
意されるものとし、ケース３に対する嵌合組立て
に際して永久磁石１と、この組付け用意された取
付板４を嵌合して、ケース３の係止片３ａを折つ
けることのみによつて直ちに係合具の組立てがな
されたものである。

本発明は叙上に於ける特長ある構成よりして基
版８に対し一方の係合具の取付けを極めて容易
な、即ち、取付板４の管部４ａに対する取付部材
１０の取付管部１０ａの単なる圧入又は圧入圧潰
をもつて可能とし、これ等取付けの為の部品点数
を極力減ずるようになすと共に組立て時に於いて
も強磁性板２と取付板４とが一体とされておるこ
とにより取付け手間の割愛がなされ、しかも取付
け後に於ける外観も極めて良好としたものであ
る。

即ち、従前に於けるように取付け用の脚片を有
する取付け板と、この脚片の挿通係止される取付
け座金との係合による手法に対し永久磁石１を有
する一方の係合具に既に一体的に取付けられた取
付板４の管部４ａを基版８を介して圧潰カシメる
のみで足り、特に取付部材１０を使用した場合に
於いては、この取付部材１０に於ける管部１０ａ
の単純な約束されると共に、かゝる特長ある取付
板４が強磁性板２に一体とされており、この強磁
性板２の取付けのみにより即係合具としての完成
を見たものである。

特に斯かる単なる圧入止着手法に於いては圧入
端の事後的な操作、殊にカシメ、折り曲げ等を不
要としたものであり、飾り釦１１の使用が全面的
に可能とされたものである。

又、従前例に於けるように２以上の支点に於い
て保持していた構造を管部４ａ，１０ａの単一支
点としたことによつて永久磁石１を有する一方係
合具に一定の揺動幅を付与し、この揺動幅の介在
をもつて強磁性板５との、より安定した吸着状態
の継続が可能とされたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の典型的な一実施例を示す断面
図、第２図〜第９図は他の実施例を示す断面図、
第１０図は本願の発明以外の実施例を示す断面
図、第１１図〜第１３図は強磁性板５の実施例を
示した断面図、第１４図〜第１６図は係合相手方
の各種事例を示した断面図である。 尚、図中１……永久磁石、２……強磁性板、３
……ケース、４……取付板、５……磁気シールド
板、６〜７……強磁性桿、８……基版、９……座
金、１０……取付部材、１１……飾り釦を示した
ものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一方の磁極面より他方の磁極面に向けて孔１
   ａを有する永久磁石１の一方の磁極面に添設され
   る強磁性板２と、他方の磁極面に着脱自在に吸着
   される強磁性板５とが前記永久磁石１の孔１ａを
   介して吸着脱自在に当接された係合具に於いて、
   略中央部が絞り出された漏斗状管部４ａとされる
   取付板４が、前記永久磁石１に添設される強磁性
   板２面上に添装され、且つ該添装取付板４の周縁
   が前記強磁性板２に於ける永久磁石１との接触面
   側の周側に設けられる該取付板４の肉厚幅と同一
   の凹段幅を有する周凹段部に折曲げ一体とされて
   いると共に別途基版８に開設されている孔より挿
   通される前記管状部４ａが該基版８にカシメづけ
   られていることを特徴とする係合具。