JPS6242593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は方向指示取消装置に係り、特にステア
リングハンドルの軸方向への移動に影響されるこ
となくハンドルの回転に伴つて永久磁石片を回動
させ磁電変換出力を得て方向指示信号を確実に取
消せるようにした方向指示信号取消装置に関す
る。

自動車の方向指示器は自動車が旋回する方向を
他車または通行者に合図するための装置であつ
て、車体前後の左右端に取付けられている。この
種の方向指示器の点滅信号は、通常旋回する側の
方向指示器が点滅し、旋回の終了直前にハンドル
を戻すときにハンドルの回動に連動して点滅信号
が取消されるようになつている。このようにいず
れかの方向に出された方向指示器の点滅信号をハ
ンドルの反対方向への回転に同期して取消するた
めに従来はステアリングハンドルの側に永久磁石
片を取付けておき、この永久磁石片によつて例え
ばホール素子等の磁電変換素子の出力を変化させ
て点滅回路を解消していた。しかしながら、この
ように永久磁石片をステアリングハンドルの側に
設けた従来の装置によれば、ステアリングハンド
ルが軸方向にがたついたりして移動すると作動が
不確実となつて点滅信号が解消されないという問
題があつた。

そこで、本考案の目的はステアリングハンドル
の軸方向への移動による影響を受けることなく方
向指示信号を確実に解消できるようにした方向指
示取消装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本考案による装置
は、ステアリングシヤフト上に被嵌され環状凹所
を備えた固定のセンサーベースと、上記環状凹所
内に回転可能に収容され周上の対向位置に永久磁
石片を保持した回転リングと、この回転リングよ
り突設された係合ピンと、上記ステアリングシヤ
フト上に装着され、上記係合ピンの先端を受孔内
に受入れたステアリングハンドルと、上記センサ
ーベース上に固定され、上記永久磁石片の磁気作
用を受けて出力信号を発する磁電変換素子とを備
えたことを特徴としている。

以下本考案による方向指示取消装置の一実施例
を図面を参照して説明する。

第１図において、符号１は、固定のセンサーベ
ースを示し、このセンサーベース１は、短円筒状
の外枠環２を有し、この外枠環２の外周上には４
個の脚３，３，３，３が突設され、それぞれの脚
３の取付孔３ａにビス４差し込むことにより図示
を省略した機枠に対して固定される。上記外枠環
１の内方には、それと同心的な内枠筒５が配置さ
れており、外枠環２と内枠筒５とは、環状フラン
ジ６によつて一体的に結合されている。上記外枠
環２の内周面と内枠筒５の外周面とフランジ６の
側面とによつて環状凹所７が形成されることにな
る。

上記フランジ６上には、３個の検出孔８Ａ，８
Ｂ，８Ｃが穿孔されており、これらの検出孔８
Ａ，８Ｂ，８Ｃを閉塞するようにしてセンサ９が
上記フランジ６の背面に装着されている。上記セ
ンサ９は、例えばホール素子が望ましく、セクタ
状のセンサ基板１０の上に半導体ホール素子１１
ａ，１１ｂ，１１ｃが装着されたものである。

しかして、上記センサーベース１の内枠筒５の
内孔内には、ステアリングシヤフト１２の段部１
２ａが挿入されるようになつている。

一方、上記環状凹所７内には、回転リング１３
が組込まれ、この回転リング１３の周上の対向位
置には永久磁石片１４ａ，１４ｂが埋設されてい
る。この永久磁石片１４ａ，１４ｂを設ける位置
の回転リング１３の中心からの半径は、前記検出
孔８Ａ，８Ｂ，８Ｃと合致できるような寸法に定
められるのが望ましい。また、上記回転リング１
３には、その永久磁石片１４ａ，１４ｂの内方位
置より係合ピン１５ａ，１５ｂが軸方向へ突出し
て設けられている。なお、符号１６はステアリン
グハンドルを示し、このハンドル１６には、上記
係合ピン１５ａ，１５ｂを受入れるための受孔１
７が形成されている。

本考案はこのように構成されているから、組立
に際しては、センサーベース１をステアリングシ
ヤフト１２の段部１２ａに嵌着したのち、ビス４
を使つてセンサーベース１を機枠に対して固定す
る。次いで、上記センサーベース１の環状凹所７
内に回転リング１３を嵌め込み、しかるのち、ス
テアリングハンドル１６をステアリングシヤフト
１２の段部１２ｂに装着する。このときに、係合
ピン１５ａ，１５ｂをステアリングハンドル１６
の受孔１７，１７に嵌め込み、ステアリングハン
ドル１６が回転リング１３に対して相対移動でき
るようにしておくことが重要である。その結果、
ステアリングハンドル１６の回転と同期して回転
リング１３がセンサーベース１の環状凹所７内で
回動することになる。しかも、回転リング１３の
係合ピン１５ａ，１５ｂとステアリングハンドル
１６の受孔１７，１７とは相対的に移動可能に組
立てるようにしたから、ステアリングハンドル１
６の軸方向への移動に影響されることなく、回転
リング１３の永久磁石片１４ａ，１４ｂとホール
素子１１ａ，１１ｂ，１１ｃとの間隔を常に一定
に保持することができる。したがつて、ステアリ
ングハンドル１６の回転に運動して回転リング１
３が回転するとき、永久磁石片１４ａ，１４ｂが
検出孔８Ａ，８Ｂ，８Ｃを円周方向に通過し、ホ
ール素子１１ａ，１１ｂ，１１ｃに対して回転方
向に応じた出力信号を生成することになり、旋回
時に出された方向指示の点滅信号をハンドルの戻
しに連動して取消せることができる。

以上述べたように、本考案によれば、センサー
ベースの環状凹所内に回転リングを回動可能に組
み込み、この回転リングより係合ピンを突出さ
せ、この係合ピンをステアリングハンドルに対し
て軸方向へ相対移動可能に係合させたから、ステ
アリングハンドルの回転を回転リングに伝達する
と共に、ステアリングハンドルの軸方向への移動
とは無関係に回転リング上の永久磁石片とセンサ
との間隔を常に一定に保持できる。したがつて、
回転リングの回転によつて方向指示の点滅信号の
維持および取消しを確実に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による方向指示取消装置を分解
して示した斜視図、第２図は同装置の縦断面図で
ある。 １……センサーベース、２……外枠環、５……
内枠筒、６……環状フランジ、７……環状凹所、
８Ａ，８Ｂ，８Ｃ……検出孔、９……センサ、１
２……ステアリングシヤフト、１３……回転リン
グ、１４ａ，１４ｂ……永久磁石片、１５ａ，１
５ｂ……係合ピン、１６……ステアリングハンド
ル、１７……孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングシヤフト上に被嵌され、環状凹所
   を備えた固定のセンサーベースと、上記環状凹所
   内に回転可能に収容され周上の対向位置に永久磁
   石片を保持した回転リングと、この回転リングよ
   り突設された係合ピンと、上記ステアリングシヤ
   フトに装着され、上記係合ピンの先端を受孔内に
   受入れたステアリングハンドルと、上記センサー
   ベース上に固定され、上記永久磁石片の磁気作用
   を受けて出力信号を発する磁電変換素子とを備え
   てなる方向指示取消し装置。