JPS6242556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプリント配線基板の保持構造に関し、
特に差し替え可能な電子部品を備えたプリント配
線基板の保持構造に関する。

最近の電子回路は、半導体集積回路など各種の
電子部品をプリント配線基板にとう載し、該プリ
ント配線基板上のプリント配線にて各電子部品間
を配線している。又、半導体記憶素子など半導体
集積回路の中には、プリント配線基板にソケツト
を取付けた上、このソケツトに差し込んで使用す
る場合もある。第１図及び第２図はこの種ソケツ
トを設けたプリント配線基板とその取付構造を示
す側断面図及び上面図であり、同図中１はプリン
ト配線基板であり、各種電子部品がとう載されて
いるが、これらは省略されている。２は金属製の
ケースであり、四隅にはプリント配線基板１を取
付けるボール３が立設されている。ボール３の先
端は係止片３ａとなつており、この係止片３ａは
プリント配線基板１に設けられたスリツト１ａに
差し込まれた後折曲され、プリント配線基板１は
この係止片３ａの折曲によつてケース２の中に取
付けられる。４は半導体集積回路を取付けるソケ
ツトであり、その端子はプリント配線基板１のプ
リント回路に半田付けされている。ソケツト４に
取付ける半導体集積回路は通常ソケツトから取外
したり交換するようなことはあまりないが、中に
は頻繁に差し替えるようなものもある。たとえば
ケーブルテレビジヨンシステムにおいては、ペイ
テレビ契約者の個別コードを記憶させた半導体集
積回路（Ｐ−ROM）が使われる。そして新規契
約者があつたとき、サービスマンがシステム本体
のソケツトに新規契約者のコードを記憶させたＰ
−ROMを差し込んだ後新規契約者宅に該システ
ム本体を設置するかあるいは中古の該システム本
体に使われている古い契約者用のＰ−ROMを抜
き去つた後、新規契約者のコードを記憶させた新
しいＰ−ROMを差し込み、該システム本体を設
置している。サービスマンがＰ−ROMを抜差す
る作業は必ずしも慎重とは云えず、とくに差し込
み動作の場合、Ｐ−ROMをソケツトに差し込ん
だ後さらに強い力でこれを押圧する場合が多く、
このためプリント配線基板１が強い力を受けて弓
なりにたわみ、取付部分すなわちスリツト１ａ部
分にクラツクが入つてプリント配線基板１を破損
させる場合がある。

したがつて、本考案の目的は、プリント配線基
板にソケツトを取付け、これに抜差し可能な電子
部品を取付けた構造において、電子部品の抜き差
し時にプリント配線基板が破損しないような新規
な構造を提供することにある。

次に本考案の一実施例を図面を参照しつつ詳細
に説明する。なお、従来装置と同一部分には同一
符号を付しその詳細な説明は省略する。

第３図及び第４図は側断面図及び上面図であ
る。同図にも示すように、ケース２の底面２ａに
は取付穴２ｂがあけられている。この取付穴２ｂ
はケース２をプレスにて打ち抜く際、同時に設け
られる。取付穴２ｂの周囲の対向する２つの辺に
はケース２の内側に向つて断面“ハ”字状に凹ま
されて、内側に向つて係合切起片２ｃが形成され
ている。５はたとえばポリアミド合成樹脂のよう
に金属との接触時に摩擦抵抗の少ない熱可塑性合
成樹脂からなるサポータである。サポータ５は第
５図に示すように、床部５ａを有し、該床部５ａ
の上面にはプリント配線基板１の裏面と接触する
突起５ｂが複数個突設されている。又床部５ａの
下面には２個のレグ５ｃが突設され、該レグ５ｃ
の先端には鉤部５ｄが形成されている。レグ５ｃ
の高さは、第３図から明らかなように、取付穴２
ｂの縁に形成された係合切起片２ｃの先端からケ
ース２底面２ａまでの高さよりも低く形成されて
いる。

該サポータ５はケース２にプリント配線基板１
が取付けられる前に取付けられる。その方法とし
て、まずサポータ５の鉤部５ｄを取付穴２ｂ上端
に当接したのち、床部５ａを手指により取付穴２
ａ方向に強く押圧する。この押圧によりレグ５ｃ
はたわみ、鉤部５ｄは取付穴２ｂの周辺をすべつ
て取付穴２ａを貫通してこの周辺に形成された係
合切起片２ｃ内側と係合する。この係合によりサ
ポータ５はケース２から外れるようなことはなく
なる。なお、サポータ５がケース２に取付けられ
た状態において、突起５ｂ先端の位置はプリント
配線基板１裏側面の位置に設定されている。さら
に、レグ５ｃの先端はケース２の底面２ａより外
方に突出することがなく、ケース２を平担なテー
ブル上に載置した状態においてもレグ２の先端が
何等テーブルと接触することはない。

ケース２にサポータ５が取付けられた後、従来
と同様にしてプリント配線基板１がケース２に取
り付けられ、プリント配線基板１と外部回路との
配線がなされる。なお、このサポータ５の取付位
置は、第３，４図からもあきらかなように、ソケ
ツト４の真下に位置する。したがつて、サポータ
５の突起５ｂはソケツト４の下面のプリント配線
基板１と当接している。

次に、ソケツト４にＰ−ROMなどの半導体集
積回路が差し込まれ、これが完全に取付けられた
後さらに押圧されると、プリント配線基板１が大
きな押圧力を受けるが下からサポータ５に支えら
れているため、たわむことができない。このた
め、プリント配線基板１のスリツト１ａには何ら
力が作用せず、これを破損することもない。な
お、該サポータ５はその鉤部５ｄを治具にて押圧
して取付穴２ｂとの係合を外せば簡単にケースか
ら取外すことができる。

以上詳細に説明したように、本考案によれば、
ソケツトを取付けたプリント配線基板において、
ソケツト取付部分とケースとの間にサポータを介
在せしめているため、ソケツトがケース方向に強
く押圧されてもプリント配線基板のたわみが極め
て少なく、したがつて、プリント配線基板の取付
部分に殆んど力が掛らないため、これが割れたり
クラツクが入るような不都合は一切生じなくなつ
た。さらにレグ５ｃの高さは取付穴２ｂの縁に形
成された係合切起片２ｃの先端からケース２底面
２ａまでの高さよりも低く形成されているので、
ケースに保持されたプリント配線基板を試験・検
査などの為に平担なテーブル上に載置した状態に
おいてもレグの先端が何等テーブルと接触するこ
とはない。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は従来装置を示す側断面図及び上面
図、第３，４図は本考案の一実施例を示す側断面
図及び上面図、第５図はサポータの斜視図であ
る。 １……プリント配線基板、１ａ……スリツト、
２……ケース、２ａ……底面、２ｂ……取付穴、
４……ソケツト、５……サポータ、５ａ……床
部、５ｂ……突起、５ｃ……レグ、５ｄ……鉤
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電子部品差し込み用のソケツトを取付けたプリ
   ント配線基板の保持構造において、 前記ソケツトと対応する位置に取付穴が設けら
   れ、その取付穴周縁に断面“ハ”字状の係合切起
   片が形成されたプリント配線基板保持用のケース
   と、 上面に突起を有する床部の下面には先端に鉤部
   を形成した２個のレグを設け、前記レグが前記取
   付穴に係合したとき鉤部が係合切起片と係合し、
   かつ該鉤部の高さがケースの底面から係合切起片
   先端までの高さよりも低い高さを有し、かつケー
   スから取り外し自在なサポータと、 プリント配線基板のソケツト取付部底面がサポ
   ータの突起と対面した状態で前記ケースに保持さ
   れたプリント配線基板、 とからなるプリント配線基板の保持構造。