JPS6242530Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電解コンデンサの製造工程において、
コンデンサ素子の装入されたアルミニユームケー
スの開口部を加締る装置に関する。

従来、コンデンサの組立工程中において、コン
デンサのアルミケース内に入れられたリング状の
封入ゴムは、アルミケース内への挿入を容易にす
るようにアルミケースの内径より比較的小さくな
つていて遊びがあるため、コンデンサのアルミケ
ースの胴体部を加締める際の振動、加締めローラ
からの外力の付加により、封入ゴムが振動して矢
印Ｘの方向に動いてアルミケースと封入ゴムの相
対位置がずれ、その結果封入ゴムに挿入されてい
る素子のリード線の向きもずれる事になり（コン
デンサ素子から伸びる一対のリード線を封入ゴム
の孔に通すようにしてコンデンサ素子に封入ゴム
を嵌めた状態でコンデンサケース内に入れられて
いるため、封入ゴムと共にリード線の配列方向も
動く）、このままの状態で加締工程終了後にリー
ド線をチヤツクで把持して加締め装置のホルダか
らコンデンサを取り出そうとすると、リード線が
強制的に曲げられる（取出し過程中コンデンサケ
ースとリード線とを同時に把持するときがあるた
め）ことになり好ましくない。

また、このままの状態で熱収縮性のチユーブを
アルミケース外筒にかけて被服するとチユーブに
印刷してあるの極性とリード線の位置がずれ
る事になり、使用の際に不都合も生じる。

すなわち第１図に示されるようにコンデンサケ
ースＣに一対の加締めローラａを圧着させながら
ケースＣの回りで矢印Ｘの方向に旋回させるとケ
ースＣには加締めローラの振動が伝わるとともに
同方向のねじりモーメントが加わることになる
が、コンデンサケースの下部はホルダによりかた
く保持されていて動けないのに対して封入ゴムは
振動により同図の矢印方向に動き出すとともにコ
ンデンサケースに作用する捩りモーメントにより
コンデンサケースの下部と上部加締め部分との間
に位置ずれが生じ、これにともなつてゴム栓ｂも
同方向に位置ずれを生じ、それによつてリード線
ｌの位置ずれが生じるのである。

本考案は、コンデンサケースの加締め加工に際
してコンデンサケース内に挿入された素子のリー
ド線を保持することによりコンデンサケース内の
封入ゴムの動きを抑制しそれによつてケースに対
するリード線の向きのずれを防止し得る加締め装
置を得ることである。

本考案は、回転自在に支持された中空軸の下端
に対の加締めレバーを枢着し、該対の加締めレバ
ーの端部に加締めローラを回転自在に取り付け、
該加締めローラの下方にはコンデンサケースを該
加締めローラの旋回軸線とほぼ同軸に保持するホ
ルダを配置し、該加締めローラを該ホルダにより
下部が保持されたコンデンサケースの上部の回り
で旋回させそれによつて該コンデンサケースを加
締めるコンデンサケースの加締め装置において、
該中空軸内に中空の固定軸を設けて該固定軸の下
端には該コンデンサケース内に入れられた素子か
ら伸びる一対のリード線を挾持するリード線チヤ
ツクを取り付け、該リード線チヤツクの開閉動作
を該固定軸内に挿通された操作ロツドにより行な
うように構成されている。

以下、図面を参照して本考案の一実施例につい
て説明する。

第２図において、本実施例による加締め装置１
は本体２に軸受３を介して回転自在に取り付けら
れた中空軸４を備え、その中空軸４の下端の直径
方向に伸びる溝５内には一対の加締めレバー６，
６ａ，６ｂが支軸７，７ａ，７ｂにより回転自在
に取付けられている。各加締めレバー６，６ａ，
６ｂの上端にはローラ８，８ａ，８ｂが回転自在
に取り付けられ、下端には加締めローラ９，９
ａ，９ｂが回転自在に取り付けられている。二つ
の加締めローラのうち一方９ａはコンデンサケー
スの上縁を加締めるためのローラで他方９ｂはゴ
ム栓のほぼ中央の位置でケースに加締め溝を形成
するローラである。

中空軸４の中には中空軸４と共に回転するがそ
の中空軸に関して軸方向に相対移動可能に中空の
加締めローラ開閉軸１０が設けられている。加締
めローラ開閉軸１０の下端にはローラ８，８ａ，
８ｂと係合可能なテーパ面１１が形成され上端に
は外周に環状溝１３が形成されたつば１２が固定
されている。このつばの環状溝１３内には本体の
ブラケツト１５に回動可能に取り付けられたレバ
ー１６の先端に取り付けられたローラ１７が入つ
ていて、レバー１６を往復回動することにより加
締めローラ開閉軸１０を上下動させることにより
下端部で加締めレバーを回動させるようになつて
いる。

開閉軸１０の上端にはベルトプーリ１８が取り
付けられ、そのベルトプーリ１８とモータ１９に
取り付けたプーリ２０との間にベルト２１が掛け
られている。

加締めローラ開閉軸１０内には中空の固定軸２
３が挿入され、その固定軸２３は上端がブラケツ
ト１５により支持されている。固定軸２３の下端
には溝２４が形成されその溝内には対のリード線
チヤツク２５の爪２６ａ，２６ｂがピン２７によ
り枢着されている。

固定軸２３内にはチヤツク操作ロツド２８が上
下動可能に挿入されていて、その操作ロツドの下
端はリンク２９，２９ａ，２９ｂにより爪２６と
連結されている。そして操作ロツド２８を上下動
することによりリード線チヤツクの爪２６，２６
ａ，２６ｂを開閉動作させてリード線ｌを挾持す
るようになつている。

操作ロツド２８の上部はブラケツト１５にピン
３１により枢着されたタバー３０と連結されてい
て、レバー３０をピン３１の回りで回動させるこ
とにより操作ロツドを上下動させる。

上記構成の加締め装置において、加締めローラ
開閉軸１０は図示の状態より上方に引き上げられ
かつ操作ロツド２８は図示の状態より下げられて
いて、加締めローラ９はコンデンサケースから離
れていて加締めローラ間にコンデンサケースが移
送できるようにまたリード線チヤツク２５も開い
ていて爪の間にリード線が移送できるようになつ
ている。そして中空軸、加締めローラ等はモータ
１９によりその軸線を中心に回転されている。そ
してホルダ４０により保持されたコンデンサケー
スＣが、例えばホルダが取り付けられたターンテ
ーブル４１の回転により、所定の加締め装置に来
ると、レバー３０が時計回り方向に回動して操作
ロツド２８が引き上げられ、リード線ｌがリード
線チヤツク２５の対の爪２６，２６ａ，２６ｂに
より挾持される。

次に加締めローラ開閉軸１０がレバー１６によ
り下げられると下端の傾斜面でローラ加締めロー
ラ９，９ａ，９ｂをコンデンサケースに押圧し、
加締め加工する。

本考案によればコンデンサケースのホルダ上に
リード線保持用のチヤツクを設けてそのチヤツク
により一対のリード線を保持しているためコンデ
ンサケース内での封入ゴムの動きを防止できて加
締加工時のコンデンサケースに対するリード線の
相対的位置ずれの発生を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は加締めローラによるコンデンサケース
の加締め状態を説明する図、第２図は本考案によ
るコンデンサケースの加締め装置の断面図であ
る。 ４：中空軸、６：加締めレバー、９：加締めロ
ーラ、１０：加締めローラ開閉軸、２３：固定
軸、２５：リード線チヤツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在に支持された中空軸の下端に対の加締
   めレバーを枢着し、該対の加締めレバーの端部に
   加締めローラを回転自在に取り付け、該加締めロ
   ーラの下方にはコンデンサケースを該加締めロー
   ラの旋回軸線とほぼ同軸に保持するホルダを配置
   し、該加締めローラを該ホルダにより下部が保持
   されたコンデンサケースの上部の回りで旋回させ
   それによつて該コンデンサケースを加締めるコン
   デンサケースの加締め装置において、該中空軸内
   に中空の固定軸を設けて該固定軸の下端には該コ
   ンデンサケース内に入れられた素子から伸びる一
   対のリード線を挾持するリード線チヤツクを取り
   付け、該リード線チヤツクの開閉動作を該固定軸
   内に挿通された操作ロツドにより行なうように構
   成したことを特徴としたコンデンサケースの加締
   め装置。