JP2870237B2 - 電解コンデンサの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

電解コンデンサの製造方法およびその製造装置

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JP2870237B2
JP2870237B2 JP3193861A JP19386191A JP2870237B2 JP 2870237 B2 JP2870237 B2 JP 2870237B2 JP 3193861 A JP3193861 A JP 3193861A JP 19386191 A JP19386191 A JP 19386191A JP 2870237 B2 JP2870237 B2 JP 2870237B2
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孝行 岡松
明 箕輪
優 福田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子機器に使用され
る電解コンデンサの製造方法およびその製造装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電解コンデンサの製造方法および
その製造装置について図面を用いて説明する。図3
(a),(b)は従来の電解コンデンサの構造を示す断
面図,図4は同電解コンデンサの製造方法を一部切欠断
面で示す要部概念図,図5は同電解コンデンサの製造装
置を示す断面図である。
【0003】図3において(a)は封口後,(b)は封
口前の電解コンデンサを示し、上面を開放した断面円形
の有底状のケース23にリード線21を挿通した封口材
22をはめ込んだコンデンサ素子25を上記リード線2
1が外部に突出するようにして電解液26と共に挿入し
ている。
【0004】この電解コンデンサは同図(a)に示すよ
うにケース23の開口部を内側へ圧接すると共に封口材
22をケース23と共に外周部から内側へ絞り加工を行
って密閉し、さらにケース23の外周に熱収縮性の外装
チューブ24を被せて製品化されたものであった。
【0005】図4は上記従来の電解コンデンサの製造方
法を示し、コンデンサ素子25を収納したケース23の
開口部は外周方向から中心部へ揺動すると共に上下動を
行うカール絞りローラ3で内周部へ圧接されて密閉さ
れ、また外周方向から中心部へ揺動する胴絞りローラ2
により封口材22をケース23と共に外周部から絞り加
工していた。
【0006】図5は上記従来の電解コンデンサの製造装
置を示し、電解コンデンサ1をケース受け33の上に載
せて上部から中ピン39で電解コンデンサ1の上面を押
えつけることによって電解コンデンサ1を保持すると共
に回り止めを兼ねている。
【0007】この状態で駆動輪38の回転により従動輪
29が回転し、これに伴って回転体35が回転を行い、
この回転体35にレバー34を介して連結された胴絞り
ローラ2ならびにカール絞りローラ3が上記電解コンデ
ンサ1の回りを回転するように構成されている。
【0008】また、上記胴絞りローラ2とカール絞りロ
ーラ3は固定カム36によりレバー37を介して円錐カ
ム27を上下することによって外周方向から中心部へ揺
動するように構成され、さらに固定カム30によりレバ
ー31を介してカール絞りローラ取付け軸28を上下動
することによってカール絞りローラ3を上下動するよう
に構成されたものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、電解コンデンサ1を製造装置で保持する際
に中ピン39が電解コンデンサ1の上面を押え付けるよ
うに構成されているために、この電解コンデンサ1のケ
ース23内に挿入したコンデンサ素子25を押え付けて
特性に悪影響を及ぼしたり、電解液26が飛散したりす
るという課題を有したものであった。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決し、電解コ
ンデンサの特性に影響を与えることなくケースの封口を
行うことが可能な電解コンデンサの製造方法およびその
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明による電解コンデンサの製造方法およびその製
造装置は、上面を開放した断面円形の有底状のケースに
リード線を挿通するように封口材をはめ込んだコンデン
サ素子を上記リード線が外部に突出するようにして電解
液と共に挿入し、このケースの下部を保持して回転しな
がらケースの上面開口部を胴絞りローラによりケース内
側へ折曲げて予備カールを行い、この折曲げ部をカール
絞りローラで圧接してケースを封口すると共にケースに
収納した封口材を上記胴絞りローラにより外周部からケ
ースと共に内側へ絞り加工を行うようにしたものであ
る。
【0012】
【作用】この製造方法により、電解コンデンサの下部を
保持してケースの封口を行うことが可能になり、電解コ
ンデンサの特性に悪影響を与えることなく製造すること
ができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を用い
て説明する。なお、電解コンデンサの構造は従来例で図
3(a),(b)を用いて説明したものと同じであり、
その説明は省略する。
【0014】図1は本発明による電解コンデンサの製造
方法を示す要部の概念図であり、同図(a)はリード線
21を挿通した封口材をはめ込んだコンデンサ素子を電
解液と共にケースに挿入した電解コンデンサ1のケース
下部を保持して回転させると共に、このケースの開口部
である上端に胴絞りローラ2を圧接し、この胴絞りロー
ラ2を外周から中心方向(図中矢印F1方向)へ移動さ
せることによってケースの開口部を内側へ折込む折曲げ
加工を行う予備カールを示している。
【0015】また、同図(b)は上記予備カールを行っ
た電解コンデンサ1をカール絞りローラ3を図中矢印方
向F2方向に圧接することによってケースを封口すると
同時に、胴絞りローラ2をケースの外周部から図中矢印
方向F1方向に押し付けて絞り加工を行う方法を示して
いる。
【0016】図2は本発明による電解コンデンサの製造
装置を示す断面図であり、フレーム20の中央部にコレ
ットホルダー6を結合し、このコレットホルダー6の内
周部上下端にそれぞれ装着したベアリング7を介して外
周部にタイミングプーリ12を結合したコレット回転ホ
ルダー5とこの内部にコレットチャック4が回転可能な
ように取付けられている。このコレットチャック4は、
下部に設けたレバー8を上下することによってコレット
開閉治具11を介して開閉し、先端部で電解コンデンサ
1の下部を保持するようにしている。なお、ピン9は上
記コレットチャック4に保持される電解コンデンサ1の
落下防止のためにフタ10によってコレットチャック4
内に挿入されている。
【0017】このように構成されたコレットチャック4
は、先端部で電解コンデンサ1の下部を保持した状態で
フレーム20の一端に結合されたサーボモータ15の回
転をタイミングプーリ14からベルト13を介して上記
タイミングプーリ12に伝達することによって回転を行
うようになり、このように電解コンデンサ1を回転させ
た状態で外周部から中心部への水平方向と上下方向に可
動なように取付けられた胴絞りローラ2を用いて前述の
図1(a)で説明したように予備カールを行う。
【0018】なお、この胴絞りローラ2は電解コンデン
サ1のケースとすべりを起こさずに転がり、かつ良好な
面粗度を得て予備カールが行えるようにベアリング16
を介してローラホルダー17に取付けられている。ま
た、この予備カールの際には従来の製造装置で説明した
中ピンによりコンデンサ素子を押圧した状態でないため
に、コンデンサ素子がケース内で空転しないように電解
コンデンサ1を保持したコレットチャック4の回転速度
は低速回転(本実施例では600rpm)にしている。
【0019】予備カールを終えた電解コンデンサ1は上
下方向に可動なように取付けられたカール絞りローラ3
ならびに上記胴絞りローラ2を用いて既に説明したよう
に図1(b)のような封口ならびに絞り成形を行う。
【0020】なお、上記カール絞りローラ3も胴絞りロ
ーラ2と同様にベアリング18を介してローラホルダー
19に取付けられている。また、上記カール絞り,胴絞
りの際はコンデンサ1を保持したコレットチャック4の
回転速度は高速回転(本実施例では2,000rpm)で
行い、さらに上記サーボモータ15により電解コンデン
サ1の回転数を整数回転になるように制御している。こ
れは、電解コンデンサ1のリード線21には正負の極性
があり、この極性がコレットチャック4に電解コンデン
サ1を装着した状態と取出す状態とで必ず同じになるよ
うにするためである。
【0021】
【発明の効果】このように本発明による電解コンデンサ
の製造方法およびその製造装置は、電解コンデンサの下
部を保持して製造を行うようにするために、電解コンデ
ンサに余分な力やストレスをかけることがなくなり特性
に悪影響を与えることが解消できる。
【0022】また、ケース開口部の封口や胴絞りの際に
それぞれのローラにベアリングを設けた構成とすること
により、ケースとすべりを起こすことなく転がり、かつ
良好な面粗度を得ることができると共にそれぞれのロー
ラに与える負荷を最小限にして長寿命化と信頼性の向上
を両立させることができるなど、貢献度の大なるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)本発明の一実施例による電解コ
ンデンサの製造方法を示す要部の概念図
【図2】同実施例による電解コンデンサの製造装置を示
す断面図
【図3】(a)封口後の電解コンデンサの構造を示す断
面図 (b)封口前の電解コンデンサの構造を示す断面図
【図4】従来の電解コンデンサの製造方法を一部切欠断
面図で示す要部の概念図
【図5】従来の電解コンデンサの製造装置を示す断面図
【符号の説明】
1 電解コンデンサ 2 胴絞りローラ 3 カール絞りローラ 21 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−15410(JP,A) 実開 平1−129822(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 13/00 H01G 9/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面を開放した断面円形の有底状のケース
    にリード線を挿通するように封口材をはめ込んだコンデ
    ンサ素子を上記リード線が外部に突出するようにして電
    解液と共に挿入し、このケースの下部を保持して回転し
    ながらケースの上面開口部を胴絞りローラによりケース
    内側へ折曲げて予備カールを行い、この折曲げ部をカー
    ル絞りローラで圧接してケースを封口すると共にケース
    に収納した封口材を上記胴絞りローラにより外周部から
    ケースと共に内側へ絞り加工を行う電解コンデンサの製
    造方法。
  2. 【請求項2】電解コンデンサのケース下部を保持して回
    転を行う保持部と、上記ケース開口部を圧接して封口す
    るカール絞りローラと、上記カール絞りローラがケース
    開口部を封口する前に予備カールとしてケース開口部を
    内側へ折込む折曲げ加工ならびにこのケースに収納され
    た封口材をケースと共に外周部から内側へ絞り加工を行
    う胴絞りローラからなる電解コンデンサの製造装置。
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