JPS6241870Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、同じ大きさに作られた多数隻の競艇
用ボートを貨物自動車に積載して輸送する際に用
いる競艇用ボート輸送架台に関するもので、特に
積込み、積卸しの作業能率及び安全性の向上を図
つたものである。

〔従来技術〕

従来の積載方式とその問題点を第１図及び第２
図により説明する。第１図は積載終了状態の貨物
自動車を後方から見た図、第２図は積込みまたは
積卸し時の作業状態を説明する側面図である。第
１図及び第２図において、１は貨物自動車の荷
台、２はこの荷台１に積載されたボート、２′は
積込みまたは積卸し途中のボートを示す。輸送す
るボートの隻数をできるだけ多くするために、第
１図に示すように、全体の積載高さＨが道路交通
法で許される高さ以下の範囲内で複数段（この図
示例では３段）にボートを積み重ねる。全てのボ
ートの長手方向が自動車荷台の長手方向に一致す
る向きに積載するようにし、荷台長手方向に３列
に、各列には、最下段に６隻のボートを横向きに
並列状に並べ、その上の中段に、柔軟性のある布
製クツシヨン材３を介して１隻のボートを仰向き
に、さらにその上の最上段に、再び柔軟性のある
布製クツシヨン材３を介して１隻のボートを仰向
きに配置することにより、各列内に８隻ずつ、合
計８隻×３列＝24隻のボートが積載される。積載
が終つてから、ロープ４によつて荷台１に締め固
められる。そして、中段及び最上段のボートの積
込みあるいは積卸し作業は、従来、第２図に示す
ように最下段に積載されたボートの上に１人の作
業員５が乗り、荷台上の２人あるいは３人の作業
員６，６′と協力することで行なわれていた。

このように、従来の積載方式は、自動車荷台１
の床面上に最下段となる複数隻のボートを並べ、
その上に作業員が乗つて中段、最上段のボートを
積み重ねたり、積卸したりする方式であり、作業
能率が悪い上に危険を伴う作業になるという問題
があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、従来方式での上記した問題点
を解決し、ボート固定用の架台を用いることでフ
オークリフトによる自動車荷台上への積込み、積
卸しを可能にし、作業能率と安全性を向上させる
ことのできる競艇用ボート輸送架台を提供するこ
とにある。

〔考案の概要〕

本考案の概要は、上記目的を達成するために、
長手方向にかつ横向きに並列状に並べた複数隻の
下段積載ボートの長手方向の前後２個所の下部位
置に並列状に配置されて上記下段積載ボートの各
下端部に夫々係合する複数個の溝が上面に設けら
れ下面側は自動車荷台への締結用となる溝形鋼に
固定されている下段架台と、この下段積載ボート
の各上端部に夫々係合する複数個の溝が下面に設
けられており上面には上段積載ボートの各下端部
に夫々係合する複数個の溝が設けられている中段
架台と、上記上段積載ボートの各上端部に夫々係
合する複数個の溝が下面に設けられており上面は
平坦状の上段架台とを有し、かつ、上段積載ボー
ト隻数を下段積載ボート隻数より少なくして中段
架台の上面に作業員用の足場板を渡した構成の架
台とすることにある。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例を第３図、第４図により説明
する。第３図ａは下段架台、中段架台、上段架台
の構成と配置状態を示す側面図、ｂはそのうちの
中段架台の斜視図、第４図は一列分の架台の組立
て状態を示す斜視図である。本実施例は、全ての
ボートの長手方向が自動車荷台の長手方向に一致
する向きに積載するものとし、荷台長手方向に３
列に、各列ごとに、下段に６隻のボートを横向き
に並列状に並べ、さらにその上の上段に、中段架
台を介して４隻のボートを横向きに並列状に並べ
ることで、合計10隻×３列＝30隻のボートを積載
する場合である。第３図及び第４図において、１
１は下段架台であり、堅木で作られる台板１１−
１の上面に、横向きに並列状に並べられるボート
の各下端部に係合する溝１２が、堅木製の上面用
コマ１１−２を台板１１−１の上面に取付けるこ
とで、６個所に形成され、各溝１２の端面部には
緩衝材１３が張られており、そして、台板１１−
１の下面側には、自動車荷台への架台締結用とな
ると共にフオークリフト使用時のフオーク挿入用
ともなる溝形鋼１０が固定状に取付けられてい
る。１４は中間架台であり、堅木製の台板１４−
１を中間に挟んで下面には、下面用のコマ１４−
２を取付けることで、下段積載用の６隻のボート
の各上端部に夫々係合する溝１２′が形成され、
各溝１２′には緩衝材１３′が張られ、台板１４−
１の上面には、上面用のコマ１４−３を着脱可能
に取付けることで、上段積載用の４隻のボートの
各下端部に夫々係合する溝１２″が形成され、各
溝１２″には緩衝材１３″が張られる。この台板１
４−１の上面には、さらに、作業員用の足場板１
５が取付けられる。１６は上段架台であり、堅木
で作られる台板１６−１の上面はそのままとし、
下面には、上段積載用の４隻のボートの各上端部
に夫々係合する溝12が下面用のコマ１６−２を
取付けることで形成され、各溝１２には緩衝材
１３が張られる。第３図ｂは中段架台１４の上
面用のコマ（駒）１４−３を台板１４−１に着脱
自在に取付ける実施例の説明図である。即ち、各
コマ１４−３の底面には２個の突出棒１４−４が
予め固着してあり、台板１４−１側にはこれらの
突出棒１４−４に係合する穴１４−５が設けてあ
り、そしてコマ１４−３と台板１４−１の夫々の
側面に夫々締め具１４−６、１４−７が設けてあ
る構造である。

この架台にボートを積載するには、溝形鋼１
０，１０′が夫々取付けられた下段架台１１，１
１′の２個を１組として地面上に並べ、その上面
に設けた溝１２に夫々ボートの下端部を係合させ
て６隻のボートを横向きに並列させ、次に中段架
台１４，１４′を上記６隻のボートの上に、中段
架台下面の溝１２′を各ボートの上端部に夫々係
合させることで、載置し、次に中段架台１４，１
４′に渡した足場板１５上に作業員が乗つて、中
段架台１４，１４′上に４隻のボートを係合させ
て載せ、次に上段架台１６，１６′をこの４隻の
ボート上に配置する。この10隻のボートを載せ終
つてから、上段架台１６、中段架台１４、下段架
台１１の側面、及び上段架台１６′、中段架台１
４′、下段架台１１′の側面を夫々布ベルト１７，
１７′及びラチエツトバツクル１８，１８′により
締め固める。これで１列分、10隻のボートの架台
への積載が終り、これを自動車荷台上に乗せるに
は、フオークリフトのフオークを下段架台１１，
１１′の下面に取付けられている溝形鋼１０，１
０′の溝部分に挿し込むことによつて行なわれ
る。これで１列分、10隻のボートの自動車荷台へ
の積載が終る。30隻のボート積載には、第４図に
示した架台を３組用意して、同様の手順を繰り返
すことになる。

このように、本実施例の輸送架台を採用するこ
とにより、従来のような、自動車荷台上に直接、
下段積載用ボートを並べ、この積載された下段ボ
ートの上に作業員が乗つて中段及び最上段のボー
トを積載する作業と異なり、フオークリフトの使
用が可能となり、しかも上段への積載は、中段架
台に設けられる足場板に乗つた作業員による作業
で可能であることから、作業能率及び安全性が従
来方式に比べて大幅に向上する。一例を挙げる
と、従来方式で24隻のボートを自動車荷台上に積
載して側面を荷台に締結するまでに３名の作業員
で約2.5時間要したのに対し、実施例方式で30隻
のボートを荷台上に積載し終るまでの所要時間は
約1.5時間で、所要作業員数を２人とすることが
できる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、積載に
要する時間及び作業員数を従来より減縮すること
ができ、さらに、作業の安全性を向上させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方式説明用の後面図、第２図は従
来の積込みまたは積卸し作業説明用の側面図、第
３図ａは本考案の一実施例を示す側面図、ｂは第
３図ａ中の中段架台の斜視図、第４図は同じく実
施例架台の斜視図である。 符号の説明、１……貨物自動車の荷台、２，
２′……ボート、３……クツシヨン材、４……ロ
ープ、５，６，６′……作業員、１０，１０′……
溝形鋼、１１，１１′……下段架台、１２，１
２′，１２″，１２……溝、１３，１３′，１
３″，１３……緩衝材、１４，１４′……中段架
台、１５……足場板、１６，１６′……上段架
台、１７，１７′………布ベルト、１８，１８′…
…ラチエツトバツクル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同じ大きさに作られた多数隻の競艇用ボートを
   貨物自動車に積載して輸送する際に用いる架台で
   あり、架台にボートを積込み、積卸し可能に積載
   して架台底部を自動車荷台に締結させる構造の競
   艇用ボート輸送架台において、長手方向にかつ横
   向きに並列状に並べた複数隻の下段積載ボートの
   長手方向の前後２個所の下部位置に並列状に配置
   されて上記下段積載ボートの各下端部に夫々係合
   する複数個の溝が上面に設けられ下面側は自動車
   荷台への締結用となる溝形鋼に固定されている下
   段架台と、この下段積載ボートの各上端部に夫々
   係合する複数個の溝が下面に設けられており上面
   には上段積載ボートの各下端部に夫々係合する複
   数個の溝が設けられている中段架台と、上記上段
   積載ボートの各上端部に夫々係合する複数個の溝
   が下面に設けられており上面は平坦状の上段架台
   とを有し、かつ、上段積載ボート隻数を下段積載
   ボート隻数より少なくして中段架台の上面に作業
   員用の足場板を渡したことを特徴とする競艇用ボ
   ート輸送架台。