JPS6241748B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、キルテイング機の布送り装置に関す
るものであり、特にクツシヨンシート等の表面に
凹型溝を形成し、この溝内を縫製するために、下
布地と上布地との間にパツデイング部材をはさん
で、パツデイング部材に形成した凹型溝内に沿つ
て縫目を形成する場合に、上、下布地、パツデイ
ング部材を所定方向に送り込む布送り装置に関す
る。

(ロ) 従来技術 従来より使用されているこの種の技術として
は、特公昭57―22598号に記載されているよう
に、上板にスリツトを設け、上布、パツデイング
部材、下布と重ねられた状態で、前記スリツトに
複数の円輪を回転自在に支持する複数の軸を、重
ねられた前記縫製用部材と直角に設け、前記円輪
が軸と共に前記スリツトに沿つて回転することに
より縫製用部材を移動せしめて所定方向に送り出
す構成が存在した。

然し乍らこの従来技術には次の様な欠点があつ
た。

(1) 軸に取付けた円輪がスリツト内に沿つて回転
する際にスリツプして所定方向に部材を送るこ
とができない。殊に使用する縫製部材の種類に
よりスリツプ状態が発生し易い場合もある。

(2) 長尺物を連続縫いするのに適するが、短い布
地の縫製には適しない。

(3) 機構的に複雑である。縫製部材を送り出し積
層する装置を別に設け前記円輪を含む移装部材
と共働的に作動させねばならない。

(ハ) 発明の概要 本発明は、以上の欠点等を除去することを目的
とし、その目的を達成するために、縫製部材の所
定方向への送り装置として上送りローラ装置と下
送りローラ装置を採用し、先づテーブルの下に配
設した下送りローラ装置のベルトをテーブル上面
を移動するようになし、更にテーブル上面に、前
記下送りローラ装置の上に、配設した上送りロー
ラ装置に設けたベルトが前記下送りローラ装置の
ベルト群に接触して同一方向に移動可能となし、
前記上、下、ローラ装置の間に縫製部材を挿入し
て所定方向に送り出す際に、上送りローラ装置に
設けられたバンドコードを巻きつけた複数のロー
ラが、縫製部材のパツデイング部材に設けた凹溝
内を走行して縫製部材を所定方向に送り出し凹溝
に沿つて縫い目を形成するようになした構成を提
供する。

(ニ) 実施例 以下本発明に係る一実施例を説明する。本実施
例はほぼ大別して上送りローラ装置ａ、下送りロ
ーラ装置ｂ、駆動装置ｃとよりなる。

上送りローラ装置ａは、中央に設けたコ字状枠
２内に配設された複数の中央送りローラ群とその
両側に配設したサイド送りローラとよりなる。中
央送りローラ群は主送りローラ４と、各々３個づ
つ枠２に回転自在に支承されたローラ６ａ，６
ｂ，６ｃ，８ａ，８ｂ，８ｃ，１０ａ，１０ｂ，
１０ｃ，１２ａ，１２ｂ，１２ｃ、とよりなる。
主送りローラ４は、第１サイド送りローラ１４、
第２サイド送りローラ１６のそれぞれの先端のロ
ーラ１４ａ，１６ａと並列に設けられ端部に駆動
ギア２２を具えた第１駆動軸１８に嵌挿固定され
る。次の送りローラ６ａ，６ｂ，６ｃ、は端部に
別の第２駆動用ローラ２４を有する駆動軸２０に
嵌挿固定される。前記第２駆動用ローラ２４を第
１駆動軸１８に設けた第１駆動ローラ２６にはシ
ンクロベルト２８が纒懸する。

送りローラ８ａ，８ｂ，８ｃ，１０ａ，１０
ｂ，１０ｃ，１２ａ，１２ｂ，１２ｃ、はそれぞ
れ枠２にほぼ等間隔をおいて回転自在に設けた第
１回転軸８、第２回転軸１０、第３回転軸１２に
固着される。

コ字状枠２の開放端部にはプリー腕部３２ａ，
３２ｂが固着され、これらの腕部は支持部３６に
設けた押え金３４をはさんで延び、その端部には
第１、第２サイド送りローラのローラ１４ｂ，１
６ｂが回転自在に支承される。尚第１、第２サイ
ド送りローラ１４，１６のローラ１４ｃ，１４
ｄ，１４ｅ，１４ｆ，１６ｃ，１６ｄ，１６ｅ，
１６ｆは端部ローラ１４ａ，１４ｂ，１６ａ，１
６ｂよりそれぞれ小さく形成される。

主送りローラ４、ローラ６ｂ，８ｂ，１０ｂ，
１２ｂの溝には中央バンドコード３８が、ローラ
６ａ，８ａ，１０ａ，１２ａ溝には第１バンドコ
ード４０が、又ローラ６ｃ，８ｃ，１０ｃ，１２
ｃの溝には第２バンドコード４２がそれぞれ纒懸
する。

次に下送りローラｂの構成について説明する。

上送りローラの中央ローラ群４，６ｂ，８ｂ，
１０ｂ，１２ｂに相対向するものとして端部に駆
動ギア５６を具えた駆動軸５８に固定したローラ
５０ａ，５０ｂ，５０ｃに纒懸する三本の主送り
ベルト４８ａ，１８ｂ，１８ｃと前記駆動軸に固
定したサイド送りローラ５２ａ，５２ｂに纒懸す
るサイド送りベルト５４ａ，５４ｂを設け、これ
らの主送りベルト７８ａ，４８ｂ，４８ｃ、第１
サイド送りベルト５４ａ、第２サイド送りベルト
５４ｂは駆動軸５８に相対的位置に設けた回転軸
６０の相対する位置に固定されたそれぞれのロー
ラに纒懸する。前記の下送りローラｂは、通常機
械設置用テーブルの下方に取付けられた前記ベル
ト群は、前記ローラに近接してテーブル７０に設
けた二つのスリツト孔７２を通過して、テーブル
７０上面に摺動自在に設けられる。

駆動装置ｃは第４図に図示のように、テーブル
に下面に装着された下送りローラ駆動軸５８の駆
動ギア６２と支持板６８に配設されたギア６４，
６６を介して連結してなる上送りローラ駆動ギア
２２とこれを固定支持する第１駆動軸１８とより
なる。従つて下送りローラ駆動軸５８がモータ駆
動により所定方向に回転すると、この運動はギア
６４，６６を介して上送りローラ駆動ギア２２に
伝達されて、下送りローラ駆動軸と反対方向に回
転する。

次に本実施例の作用について説明する。第３図
に図示のように、脚部７４ａ，７４ｂ，７４ｃ，
７４ｄ（７４ｄは図示せず）と支持部材７６，７
８，８０，８２を具えたテーブル７０の下面に下
送りローラ装置ｂを取付け、前述のようにテーブ
ル７０に設けた複数のスリツト孔７２を通過して
すべての下送りローラ装置のベルト群がテーブル
上面を摺動可能となし、主送りベルト４８ｂ上に
は上送りローラ装置の主送りローラ４、ローラ６
ｂ，８ｂ，１０ｂ，１２ｂに纒懸した中央バンド
コード３８が、ベルト４８ａには上送りローラ装
置のローラ６ａ，８ａ，１０ａ，１２ａに纒懸し
た第１バンドコード４０が更に送りベルト４８ｃ
の上面には上送りローラ装置のローラ６ｃ，８
ｃ，１０ｃ，１２ｃに纒懸した第２バンドコード
４２が、それぞれ接触するように配設する。

更に第１サイド送りベルト５４ａ第２サイド送
りベルト５４ｂのテーブル７０上面に表れた部分
には上送りローラ装置のサイド送りローラベルト
４４，４６が接触可能に配設する。上述のように
上送りローラａと下送りローラｂとがテーブル７
０を挾んで配設されてなる構成を図示する第３
図、第４図において、駆動モータ（図示せず）の
始動により矢印の方向に下送りローラ装置の駆動
軸５８を回転させるとギア６４，６６を介して上
送りローラ装置の駆動ギア２２に伝達され、上送
りローラ装置の第１駆動軸１８と下送りローラ装
置の駆動軸５８とは互に相反する方向に回転す
る。又第１駆動軸１８と第２駆動軸２０とはシン
クロベルト２８を介して回転し第２駆動軸２０に
装着したローラ６ｃ，８ｃ，１０ｃ，１２ｃ並に
６ａ，８ａ，１０ａ，１２ａの溝に纒懸した第２
バンドコード４２、第１バンドコード４０並に第
１駆動軸１８に固着した主送りローラ４、ローラ
６ｂ，８ｂ，１０ｂ，１２ｂに纒懸した中央バン
ドコード３８はそれぞれ矢印の方向に移動する。
サイド送りローラのベルト４４，４６も同様に第
１駆動軸１８の回転に応じ矢印方向に移動する。

縫製すべき部材は通常比較的薄い上布地、下布
地の間に、比較的厚いウイタン等よりなるパツデ
イング部材とで形成され、パツデイング部材に
は、バンドコード３８，４０，４２の間隔に等し
い凹部を形成し、バンドコードはそれぞれ縫製部
材の移動に伴つてこれらの凹部内で回転する。

従つて第３図のように縫製部材Ｗを、矢印方向
より上ローラ装置ａと下と下ローラ装置ｂのベル
ト群の上面駆動装置により回転する上、下ローラ
装置のバンドコード、ベルトの作用により、両装
置の間に送り込むと、両装置の間を移動して、押
え金３４で上下動する針に供給された上糸並に下
糸とにより前記縫製部材の凹部に沿つて縫い目を
形成された前後方に送り出される。この際ローラ
腕部３２ａ，３２ｂは縫製部材が押え金３４の下
に入りやすくする役目を果す。

(ホ) 効 果 本発明においては、縫製部材の送り装置とし
て、主送り用として複数のバンドコードとこれに
接触する移動自在のベルトを用い主送り作動を補
助としてサイド送りローラを採用するもので、縫
製部材の円滑な移動とこれに設けた凹部に沿つて
縫い目を形成することが容易にできる。又短尺物
の縫製部材も能率的に実施可能であり、縫製部材
の送り作業と縫い目形成作業とが、ベルトが纒懸
するローラとバンドコードを用いた簡単な構成に
より実施できるので、従来例のように別に送り装
置を必要としない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る一実施例の上送りローラ
装置の斜視図。第２図は下送りローラ装置の斜視
図。第３図はテーブルの下面に下送りローラ装置
をテーブル上面に上送りローラ装置を配設した斜
視図。第４図は第３図の駆動装置を示す拡大斜視
図。 ２……枠、４……主送りローラ、８……第１回
転軸、１０……第２回転軸、１２……第３回転
軸、１４……第１サイド送りローラ、１６……第
２サイド送りローラ、１８……第１駆動軸、２０
……第２駆動軸、２２……駆動ギア、２４……駆
動ローラ（第２）、２６……駆動ローラ（第１）、
２８……シンクロベルト、３８……中央バンドコ
ード、４０……第１バンドコード、４２……第２
バンドコード、４４……サイド送りローラベル
ト、４６……サイド送りローラベルト、４８ａ，
４８ｂ，４８ｃ……主送りベルト、５０ａ，５０
ｂ，５０ｃ……ローラ、５２ａ……第１サイド送
りローラ、５２ｂ……第２サイド送りローラ、５
４ａ……第１サイド送りベルト、５４ｂ……第２
サイド送りベルト、５８……駆動軸、６０……回
転軸、６２……駆動ギア、７０……テーブル、７
２……スリツト孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バンドコードを纒懸した複数列の回転自在の
   ローラを枠内に並列に収納し、この枠の両側に一
   対のサイド送りローラを設けた上送りローラ装置
   と、テーブルの下に配設され、スリツト孔を通過
   して上送りローラ装置のバンドコードとサイド送
   りローラのベルトがそれぞれ接触して互に同一方
   向に移動可能なベルト群を具えた下送りローラ装
   置と上、下送りローラ装置のローラを回転駆動す
   る駆動装置とよりなるキルテイング機の布送り装
   置。 ２ 主送りローラと、一端部に駆動ギアと、他端
   に第１サイド送りローラベルトを纒懸した第１サ
   イド送りローラと、又枠の外側と前記駆動ギアと
   の間に外側より順次第２サイド送りローラベルト
   が纒懸する第２サイド送りローラとシンクロベル
   トが纒懸する第１駆動ローラとがそれぞれ装着さ
   れた第１駆動軸をコ字状枠に軸架し、端部にシン
   クロベルトが纒懸する第２駆動ローラを具え、コ
   字状枠内に設けたバンドコードが纒懸する複数の
   ローラを並列に固着した第２駆動軸を主送りロー
   ラの後方の枠に軸架し、更にバンドコードが纒懸
   する複数の並列ローラ群を固定した第１回転軸、
   第２回転軸、第３回転軸を第２駆動軸の後方にお
   いて、前記枠に軸架し、前記枠の開口部両側に一
   対のサイドローラ用腕部を延設し、この腕部にサ
   イド送りローラベルトが纒懸する第１、第２サイ
   ドローラをそれぞれ設けてなる上送りローラ装置
   を、有する特許請求の範囲第１項に記載のキルテ
   イング機の布送り装置。 ３ 上送りローラ装置のバンドコードにそれぞれ
   相対するように接触してこれらと同一方向に移動
   可能な複数の主送りベルトと上送りローラ装置の
   第１、第２サイド送りローラのサイドベルトに相
   対するように接触してこれらと同一方向に移動可
   能な第１、第２サイド送りベルトとを張架する複
   数のローラを具えた駆動軸と回転軸とを有する下
   送りローラ装置と下送りローラ装置の駆動軸の回
   転がギアを介して上送りローラ装置の第１、第２
   駆動軸に伝達される駆動装置とを有する特許請求
   の範囲第１項に記載のキルテイング機の布送り装
   置。