JPS6241218B2 - - Google Patents

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JPS6241218B2
JPS6241218B2 JP53078609A JP7860978A JPS6241218B2 JP S6241218 B2 JPS6241218 B2 JP S6241218B2 JP 53078609 A JP53078609 A JP 53078609A JP 7860978 A JP7860978 A JP 7860978A JP S6241218 B2 JPS6241218 B2 JP S6241218B2
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JP
Japan
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isobutylene
butanol
heteropolyacid
butene
reaction
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Application number
JP53078609A
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English (en)
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JPS557213A (en
Inventor
Atsushi Aoshima
Toshiaki Murofushi
Ryoichi Mitsui
Nobuhiro Tamura
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP7860978A priority Critical patent/JPS557213A/ja
Publication of JPS557213A publication Critical patent/JPS557213A/ja
Publication of JPS6241218B2 publication Critical patent/JPS6241218B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヘテロポリ酸を含む水溶液を用い
て、イソブチレンとn−ブテンを含む炭化水素混
合物から、イソブチレンのみを高収率、高純度に
分離回収する方法に関するものである。 従来、イソブチレンとn−ブテンを含むオレフ
イン混合物からイソブチレンを分離回収する工業
的方法としては、50〜65%硫酸を用いる方法がよ
く知られている。しかし、これらの方法では硫酸
を抽出液とするため、イソブチレンの二量化、三
量化等の重合反応は避けがたく、イソブチレンの
みを選択的に抽出することが極めて困難である。
さらにイソブチレンの硫酸抽出液を加熱してイソ
ブチレンを回収する工程でも、抽出液中に含まれ
るt−ブタノールの脱水反応の他に硫酸の存在に
起因する複雑な反応が起り、炭化による汚れや、
副生物の生成があり、それらの分離に必要な繁雑
なプロセスが必要となるばかりでなく、激しい腐
食性のため、装置には特殊で高価な材質が要求さ
れるという不利を抱えている。 また、塩化亜鉛、塩化スズ等のハロゲン化物
と、塩酸を用いる方法も提案され、温和に条件で
イソブチレンと選択的に反応すると言われるが、
同時に塩化t−ブチル等の副生があり、さらにハ
ロゲン化物による著しい腐食性のため、たとえば
チタンのごとき高価な材質を用いなければならな
いという欠点を有する。 これらの欠陥を回避するため、強酸性イオン交
換樹脂や固体酸の使用も提案されているが、これ
らは水和活性が低く、工業的に充分な反応速度を
得るには120〜200℃の高温高圧が必要であり、こ
のためイオン交換樹脂の劣化が起り、また機械的
摩耗に起因する微粉末による装置の詰りが発生す
る欠点がある。 本発明の特徴は、(1)ヘテロポリ酸水溶液による
選択的水和、(2)残存炭化水素の除去、(3)t−ブタ
ノールからイソブチレンの再生、の3つの段階か
ら成つており、これらの工程が相互に関連して、
常用の材質を用いても高純度なイソブチレンが極
めて高選択率で得られ、触媒の寿命も長い工業的
プロセスを提供することである。 すなわち、本発明において、(1)の選択的水和に
際して、イソブチレンのみを極めて選択性良くタ
ーシヤリーブタノールとし、セカンダリーブタノ
ールやジイソブチレン等の副生を極度に抑制する
方法が採用されるため、(3)の工程では、(1)の水和
触媒と同一触媒がターシヤリーブタノールからイ
ソブチレンの脱水反応においても極めて高選択率
高活性に作用し、かつ長期の触媒の寿命が維持さ
れることが見い出されたのである。 本発明を構成する上記ターシヤリーブタノール
からイソブチレンの再生は一見容易に考えられる
ことにもかゝわらず、従来知られた水和触媒では
種々の問題を発生させ、簡単なプロセスとするこ
とができなかつた。たとえば硫酸法では、この工
程でターシヤリーブタノールの脱水反応以外にイ
ソブチレンの重合や炭化が発生する。これらを回
避するため水で希釈を行なう方法もあるが、この
場合は、硫酸水の濃縮を行なわなければならない
という煩雑な操作となる。 また、塩化スズや塩化亜鉛の塩酸々性触媒水を
用いた場合は、強度の腐食性があり、チタン材を
使用してもなおさらに防食効果を有する試薬を存
在させなくてはならず、また副生する塩化t−ブ
チルが存在するため、純粋なイソブチレンを得る
には複雑な精製工程が必要とされる欠点を有して
いる。 ところが本発明においては、工業的に常用のス
テンレス鋼も使用できるだけでなく、ヘテロポリ
酸を含む水溶液でのターシヤリーブタノールのイ
ソブチレンへの再生は、ジイソブチレン等の副生
物を伴なうこともなく、極めて高選択率であり、
(ほゞ定量的)、しかもヘテロポリ酸の安定性に悪
影響のあるセカンダリーブタノールは、(1)の選択
的水和反応によつて極めて低濃度に維持されるた
め、70℃以上、特に75〜110℃でもヘテロポリ酸
が長期に亘つて使用できるという特別の効果を発
揮する。 かくして本発明により、工業的に実施できるn
−ブテンとイソブチレンを含む混合物よりイソブ
チレンを分離する新たなプロセスを提供すること
が可能となつたのである。 以下、さらに本発明の内容を詳細に説明する。 (1)の混合ブチレンからイソブチレンのみを選択
的に水和する工程に関しては、化学平衡論上、高
温になるほどイソブチレンの転化率が低くなるた
め、高温度を要する触媒ではターシヤリーブタノ
ールの平衡到達時の濃度は低くなり、このことが
(3)の工程、すなわちイソブチレン再生の工程を不
利にすることになる。そこで、本発明者らは、混
合ブチレンにおけるイソブチレンを低温において
選択的に水和する触媒を種々探索の結果、種々の
ヘテロポリ酸を用い、比較的低温で、かつ反応圧
力がn−ブテン、イソブテンを含む炭化水素が液
状で存在するに必要な圧力以上にすると特に効果
的に、高活性、高選択的にイソブチレンを水和さ
せうることを発見した。その効率は、現在工業的
に使われている50%硫酸に匹敵し、さらにそれよ
りも遥かにすぐれた選択性を有していることは驚
くべきことである。 一般にオレフインの水和に、ケイタングステン
酸、リンモリブテン酸、リンタングステン酸等の
ヘテロポリ酸の水溶液が用いられることは知られ
ている。しかしながら、n−ブチレンとイソブチ
レンを含む混合オレフインの場合に限れば、極め
て高い反応速度を維持しながらイソブチレンのみ
を選択的にターシヤリーブタノールに変換せし
め、かつ、イソブチレンの二量体、三量体のごと
き重合損失を防ぎ、触媒活性の低下もなく、しか
も装置材料としてもステンレス鋼を長時間にわた
つて使用できる温和な触媒系および反応系は、い
まだ見い出されていなかつた。 たとえば、特公昭49−36203号、特公昭50−
35052号、特公昭50−35053号にもヘテロポリ酸イ
オン存在下でのブチレン混合物、すなわちイソブ
チレンとn−ブテン1:1の混合物を水和した例
があるが、材質の腐食や副反応の回避のため、ヘ
テロポリ酸濃度を低くし、PHを高く維持し、高温
高圧(200℃、250Kg/cm2)で数時間を要すほどの
低い活性しか示さず、また生成物はセカンダリー
ブタノールとターシヤリーブタノールの比率が対
応オレフインの比率と同じ1:1で、イソブチレ
ンの選択水和性は全く示されていない。 さらに特開昭51−13711号には、10〜70重量%
というヘテロポリ酸の高い濃度下で、かつ100〜
170℃という温度下で反応させると、材質の腐食
やオレフイン重合物発生等の副反応の抑制、触媒
の寿命、水和活性等に満足であるる旨の記載がな
されている。しかしながら、この特開は、混合ブ
テン類の選択的水和性に開しては何ら示唆するこ
となく、単一オレフインの低重合物化への回避と
水和反応性について記載されているが、本発明者
らは、n−ブテンとイソブチレンを含む混合物で
の水和反応によつて選択的にイソブチレンを水和
させ、次いで残存炭化水素と分離した後、脱水反
応を行なわせてイソブチレンを再生させる方法と
しては、不十分であることを見い出した。 この方法で特に重要な点は、n−ブテンが共存
する場合、100〜170℃の温度領域ではセカンダリ
ーブタノールが生成し、セカンダリーブタノール
は100℃以上ではケイタングステン酸、リンモリ
ブテン酸等のヘテロポリ酸を還元的に分解するた
め、著しい変色がおこり、場合によつては沈澱物
の生成をもたらし、装置の目詰りなどで長期安定
運転に懸念が残り、また、理由は不明であるが、
材質的にも、ステンレスがこの温度領域ではかな
りの腐食を受けることが判明した。また、この特
開の示すところでは、100℃未満では水和活性が
低く、実用的な反応速度が得られないとされてい
るが、本発明者らは、n−ブテンとイソブチレン
を含む混合物の場合には、この温度領域におい
て、極めて特異的な挙動を示すことを見い出し
た。 すなわち、本発明者らは、本発明の対象とする
系においては、100℃未満の反応温度で、かつ、
ヘテロポリ酸を含む水が液体として存在するに必
要な圧力以上という条件にとゝまらず、n−ブテ
ンとイソブチレンの炭化水素層も液相として存在
するに必要な圧力以上で反応させると、セカンダ
リーブタノールの生成を極めて抑制し、しかもジ
イソブチレン等の重合物を殆んど生成させずに、
イソブチレンをターシヤリーブタノールに非常な
高選択率で変換することを見い出した。 特に80℃以上の反応温度においては、ジイソブ
チレンのみならず、セカンダリーブタノールの生
成も殆んどなく、イソブチレンはn−ブテンより
600倍も速やかに反応することが見い出された。
100℃未満、好ましくは80℃以下の温度では、セ
カンダリーブタノールの含有率は少なく、ターシ
ヤリーブタノールはヘテロポリ酸に対する還元的
分解力が弱いため、触媒寿命を飛躍的に延ばす効
果がある。さらに予期しなかつたことには、n−
ブテンとイソブチレンを含む系でのイソブチレン
をターシヤリーブタノールにする反応速度は、ヘ
テロポリ酸触媒によつて80℃よりさらに低温、た
とえば60〜40℃程度でも極めて高く、セカンダリ
ーブタノールがジオレフインは全く生成されなく
なる。しかも現在実用化されている50%H2SO4
使う方法に対して、同一モル濃度で比較しても、
約10倍の反応速度を有することを発見した。この
詳細な理由は不明であるが、低温条件でのヘテロ
ポリ酸は、高温領域とは異なつた形態を示し、混
合オレフインからイソブチレンの選択的水和に極
めて秀れた効果を示したものと思われる。 本発明に用いられる混合オレフインは、イソブ
チレン、1−ブテン、cis−2−ブテン、trans−
2−ブテンを含むものが用いられるが、飽和の炭
化水素や芳香族炭化水素が共存してもよい。たと
えば、石油の流動接触反応装置の副生C4留分、
n−ブタンの接触脱水素留分等から供給される、
特にナフサ分解工程の炭素数4の留分より大部分
のブタジエンを除去した後に得られるイソブチレ
ンとn−ブテンを主成分とする、いわゆるスペン
トBBを原料とすることも可能である。 本発明において触媒として用いられるヘテロポ
リ酸は、縮合配位元素としてMo、W、およびV
から選ばれた少なくとも1種の元素を含むもので
あるが、さらにその他の元素、たとえばNb、Ta
などを縮合配位元素として含んでいてもよい。ま
た、このヘテロポリ酸の中心元素は、P、Si、
As、Ge、Ti、Ce、Th、Mn、Ni、Te、I、
Co、Cr、Fe、Ga、B、V、PtおよびBeの群から
選ばれた1種で、特に好ましくはP、Siおよび
Geの群から選ばれた1種であり、ヘテロポリ酸
中の縮合配位元素/中心元素(原子比)は2.5〜
12である。さらに、ヘテロポリ酸は単量体のみな
らず、二量体、三量体などの重合体も使用でき
る。これらヘテロポリ酸の具体例としては、リン
モリブテン酸、リンタングステン酸、リンモリブ
ドタングステン酸、リンモリブドバナザン酸、リ
ンモリブドタングストバナザン酸、リンタングス
トバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブ
デン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリ
ブドタングストバナジン酸、ホウタングステン
酸、コバルトモリブデン酸、コバルトタングステ
ン酸、砒素モリブデン酸、砒素タングステン酸な
どである。 触媒の量は、水溶液中の濃度が高いほどすみや
かに進行するので好ましいが、溶解度以上に加え
る必要はない。また極端な低濃度では反応速度が
低化するため、10重量%以上飽和溶解度までで行
なわれる。 本発明に用いられる触媒は、予めヘテロポリ酸
を作つて入れることが好ましいが、中心元素と縮
合配位元素を含む化合物を別々に入れ、ヘテロポ
リ酸を形成させながら反応に供することも可能で
ある。 以下、本発明を(1)、(2)、(3)の工程別に説明す
る。 本発明の(1)の工程において、温度条件は比較的
低温、すなわち100℃未満、好ましくは30〜80℃
の温度範囲で行なうことが必要である。100℃以
上では、n−ブテンの水和反応が急激におこり、
またイソブチレンの二量体、三量体などのオリゴ
マーまたは重合体が生成され、生成アルコール中
のターシヤリーブタノールの純度が低下する。80
℃以下では、n−ブテンの水和反応が殆んどおこ
らず、純度の高いt−ブタノールが得られる。ま
た、30℃より低くなると、反応速度が小さくな
り、経済的に不利である。 本発明の(1)の工程で用いられる圧力は、反応条
件下でn−ブテンおよびイソブチレンが液体とし
て存在する圧力以上とすることが必要である。ま
た、窒素ガス等の不活性ガスを導入して圧力をコ
ントロールすることもできる。 さらに本発明においては、ヘテロポリ酸に対し
て1/100重量%以下の硫酸、硝酸、塩酸、リン
酸、ケイ酸等の無機酸や、p−トルエンスルホン
酸のごとき芳香族スルホン酸、フルオロアルカン
スルホン酸、さらには強酸性イオン交換樹脂等が
共存する場合も、極めて優れた選択性と活性が維
持されると共に、ヘテロポリ酸の安定性を向上せ
しめて寿命の長期化に寄与することが明らかにな
つた。たゞし、これらの酸が多すぎる場合には、
それぞれの酸の有する欠点、たとえば硫酸の場合
には、オリゴマー、セカンダリーブタノールなど
の副生成物の増加、反応器の材質の腐食などの悪
影響がおこり好ましくない。 本発明の実施形態としては、撹拌器つき反応槽
や、外部循環式の反応器、泡鐘塔式反応器、充填
塔式反応器、濡壁塔式反応器、チユーブラー型反
応器等のいずれを採用してもよく、また回分式、
連続式、半回分式のいずれの操作も可能である。
混合ブチレンは液状で供給するのが好ましいが、
気化されたガス状で触媒を含む水溶液に供給する
ことも可能である。 本発明者らの対象とする混合オレフイン炭化水
素が液状を保つ圧力下で、温度100℃未満、好ま
しくは80℃以下でヘテロポリ酸を含む水溶液と反
応させると、ターシヤリーブタノールが選択的
に、かつ極めて高反応速度で製造されると共に、
セカンダリーブタノールによるヘテロポリ酸に対
する阻害が回避され、n−ブテン共存下でも長寿
命となり、勿論材質的にも常用の材料、すなわち
ステンレス等が使用されるようになつたことは公
知技術から予想できなかつたことである。 このようにn−ブテン−イソブチレン系におけ
る特異な効果に関して、その詳細な理由は不明で
あるが、ヘテロポリ酸は80〜100℃を境界にし
て、配位水の数が変化するとの報告もあり、この
温度前後で何らかの異なつた形態をとり、これが
特にイソブチレンからターシヤリーブタノールへ
の変換に有効に作用していると予測される。しか
も、混合オレフインは液状となるまで高圧に維持
されるため、溶解度が高くなることが反応速度に
有利になることは勿論であるが、詳細な検討によ
ると、本条件下では反応は触媒を含む水層と炭化
水素層の2液層となつているが、反応が進行する
のは炭化水素層中のイソブチレンが水層に溶解
し、水層中に存在する触媒でターシヤリーブタノ
ールに変換すると考えられ、この際、水層中のヘ
テロポリ酸は10重量%〜飽和溶解度まで存在し、
かつこの温度では、生成したターシヤリーブタノ
ールの一部は炭化水素層にも少量ではあるが移行
するため、水層中のターシヤリーブタノール濃度
は平衡値より少なくなり、したがつて、さらに水
和反応が進行し、有利になつているものと考えら
れる。 (2)の残存炭化水素の除去工程は、70℃以下、加
圧下で液状のまゝ水層から分離するか、または70
℃以下、好ましくは60℃以下で気化させることで
行なう。いずれの方法においても、触媒液になお
物理的に溶解したn−ブテンやその他の炭化水素
が残り、これが製品イソブチレンの純度からみて
不充分と考えられる場合は、さらに減圧したり、
不活性ガスを吸込むことによるストリツピング、
あるいは触媒液の温度を適度に上昇させてターシ
ヤリーブタノールの少量を脱水させ、発生するイ
ソブチレンによつて、その他の溶解炭化水素をス
トリツピングすることも可能である。この場合の
適度な温度は、触媒濃度によつても変わるが、通
常70〜80℃であり、こゝで生成したイソブチレン
を含む混合ガスは系外に除去するか、あるいは第
一の工程にリサイクルして再使用することもでき
る。 (3)は(2)の工程で得られたターシヤリーブタノー
ルを含む触媒液を70℃以上、好ましくは75〜110
℃に加熱し、生成したイソブチレンを系外に除去
しながら脱水反応を進行させ、イソブチレンを回
収する工程である。 この工程において、70℃以下では脱水反応が極
めて少なく、75℃以上が好ましい。高温下では脱
水反応が速やかになる長所はあるが、ヘテロポリ
酸の寿命や材質の腐食、さらにはイソブチレンの
二量体等の生成などの理由で、工業的には110℃
以下が好ましい。 圧力は操作の容易な常圧が用いられるが、触媒
液が70℃以上で沸点に達する圧力下で実施するこ
とも可能であり、あるいは若干の加圧状態にする
こともできる。またスチーム等のごとき凝縮性ガ
スを吹込んでイソブチレンを再生することもでき
る。この際、イソブチレンと共に気化した水や一
部のターシヤリーブタノールは、コンデンサーに
より凝縮して還流させ、再び触媒を含む液にもど
すことが通常の方法である。 (1)の工程で少量の酸が添加された場合、(3)の工
程でターシヤリーブタノールの脱水が加速される
のみでなく、脱水反応時でのヘテロポリ酸の安定
性がさらに改善されるという利点がある。 (3)の工程における具体的装置としては、撹拌機
を備えた加熱釜や濡壁塔、あるいは充填塔や段塔
を用いることができる。この場合、イソブチレン
と共に水や一部のt−ブタノールも同伴留出する
条件で操作する場合は、コンデンサーで水やt−
ブタノール等を凝縮させ、凝縮しないイソブチレ
ンと分離した後、凝縮液は通常は再び加熱釜や蒸
溜塔にリサイクルされるが、必要があれば一部を
系外に除去してもよい。この工程において、精溜
部を有する充填塔や段塔を用いて、原料の触媒と
t−ブタノールを含む水溶液を塔頂部付近に導入
し、イソブチレン以外の成分は全還流しつゝイソ
ブチレンの再生を行なうことは、再生速度が速
く、短時間で脱水反応を進行させるため、特に有
利である。 さらに(3)の工程において、触媒液中に不溶性の
酸性物質、たとえば強酸性イオン交換樹脂やジル
コンとタングステンの酸化物のような固体酸を共
存させることも、ターシヤリーブタノールの脱水
反応を加速する効果を生じる。 さらに好ましい(3)の工程の実施態様として、(2)
の工程で得られたヘテロポリ酸とt−ブタノール
を含む液を、70℃以上で還流下に加熱している蒸
溜塔の途中または塔底に導入し、塔底液の一部を
塔頂にリサイクルし、原料供給段より上部のt−
ブタノールの濃縮された領域でも、イソブチレン
の再生を行なうことができる。また、この際、原
料供給段より上部に不溶性の酸性物質、たとえば
強酸性イオン交換樹脂等を存在させて、さらに脱
水効率を向上させることもできる。 本工程(3)の塔頂部より得られるイソブチレン
は、気相のまゝ利用することも可能であるし、ま
た冷却により液化イソブチレンとして利用に供す
ることもできる。塔底液はヘテロポリ酸を含むの
で、(1)の選択的水和工程にその全部あるいは一部
を再循環して、水和触媒として使用することもで
きる。 塔底液の(1)の工程のリサイクルは、不溶性の酸
性物質を共存させて、t−ブタノールの脱水反応
を促進した場合においては、そのまゝ不溶性物を
含んだ状態でリサイクルしてもよいが、配管上の
閉塞トラブルを避ける意味で過あるいはデカン
テーシヨン等の手段で不溶性物を分離し、均一層
として(1)の選択的水和工程にリサイクルすること
が望ましい。 本発明においては、上述のごとくイソブチレン
再生後の液を再び水和反応用に使用できるため、
(3)の工程においてフイードされたt−ブタノール
の全部がイソブチレンに再生しなくとも、一部の
未反応t−ブタノールが残存して(1)の工程へリサ
イクルされることも可能である。 本発明は回分式でも、また連続式でもいずれに
も適用できる。 以下、実施例につき本発明を説明する。 なお生成物の分析は、内部標準物質としてジメ
トキシエタンを用い、メタノールで約5倍に稀釈
したのち、カセイソーダで中和し、次の条件下に
ガスクロマトグラフイーにより行つた。 機器 日立モデル163 充填剤 クロモソルブ101(和光純薬社製) カラム長 2m カラム温度 140℃ インジエクシヨン温度 160℃ キヤリヤー ヘリウム50c.c./min 実施例 1 イソブチレン46重量%、n−ブテン54重量%の
混合ブチレンを10.97g/hrで150mlのステンレス
製オートクレーブ反応器にフイードする。同時に
リンタングステン酸(原子比リン対タングステン
=1対12)32.9重量%、ターシヤリーブタノール
1.3重量%を含むリサイクル水溶液を89.03g/hr
で反応器にフイードする。60℃、8.5気圧、平均
反応時間2時間で反応し、デカンターにて抜き出
し、40℃に冷却し(5気圧となる)、こゝで有機
層を分離したところ、n−ブテン5.7g/hr、イ
ソブチレン1.30g/hr、ターシヤリーブタノール
0.21g/hrで分離された。この有機層中には、イ
ソブチレンの重合物はまつたく含まれていなかつ
た。 残つた水層を脱気塔に92.79g/hrでフイード
した。300mmHg40℃で溶解している炭化水素化合
物を除去したところ、n−ブテン0.20g/hr、イ
ソブチレン0.05g/hrで除去することができた。 残りの水溶液を92.54g/hrで分解塔の塔頂に
フイードした。分解塔はナニワパツクを1m詰た
充填塔であり、常圧90℃水とターシヤリーブタノ
ールを全還流させながらターシヤリーブタノール
を分解させ、純度100%のイソブチレンを塔頂よ
り3.51g/hrで得た。塔底液組成は、水65.8重量
%、リンタングステン酸32.9重量%、ターシヤリ
ーブタノール1.3重量%であり、sec−ブタノー
ル、イソブチレンの重合物等の副生成物は含まれ
ていなかつた。この塔底液をオートクレーブ反応
器にリサイクルした。 実施例 2 イソブチレン47.2重量%、n−ブテン52.8重量
%の混合ブチレンを10.61g/hrで150mlのステン
レス製オートクレーブにフイードした。またリサ
イクル液として後記塔底液を89.32g/hrで、イ
ソブチレン11.8重量%、l−ブテン88.2重量%を
含むリサイクルガスを0.34g/hrで同時にオート
クレーブにフイードした。60℃、8.5気圧にて平
均反応時間を3時間で反応させた後、抜き出し、
液を気化塔にフイードした。 気化塔で常圧50℃にて低沸点化合物を気化させ
たところ、n−ブテン5.60g/hr、イソブチレン
0.20g/hrで気化した。残液を脱気塔にフイード
し、300mmHg40℃にて溶解している低沸点化合物
を除去したところ、n−ブテン88.2重量%、イソ
ブチレン11.8重量%を含む溶解ガスを0.34g/hr
で回収し、オートクレーブにリサイクルした。 次に残液を分解塔にフイードした。分解塔に
は、ナニワパツクを2m詰め、ナニワパツクを詰
めた部分の下から1mのところへフイードした。
常圧100℃にて水とターシヤリーブタノールを全
還流させつゝ塔底液を10g/hrで塔頂に還流させ
たところ、純度100%のイソブチレンが4.81g/
hrで塔頂より得られた。また塔底液組成は水65.8
重量%、リンモリブデン酸(原子比リン対モリブ
デン=1対12)32.9重量%、ターシヤリーブタノ
ール1.3重量%であり、セカンダリーブタノー
ル、イソブチレンの重合物等の副生成物は含まれ
ていなかつた。この塔底液は水和オートクレーブ
にリサイクルした。 実施例 3 混合オレフイン(いわゆるスペントBB、表1
に組成を示す)10.74g/hrでステンレス製オー
トクレーブにフイードする。同時にケイタングス
テン酸(原子比ケイ素対タングステン=1対12)
およびターシヤリーブタノールを含む後記分解工
程の塔底液89.6g/hrをリサイクル液としてオー
トクレーブにフイードした。オートクレーブにて
60℃8.5気圧で平均反応時間を3時間として、反
応液を抜き出し気化塔にフイードした。 気化塔は300mmHg40℃で低沸点化合物を除去し
たところ、イソブチレン7.8重量%を含む炭化水
素混合物を6.4g/hrで得た。 残液をアンバーリスト15(ロームサハース社
製)30gを加えてある分解塔にフイードした。分
解塔にて常圧100℃、水とターシヤリーブタノー
ルを全還流させつゝ、平均滞留時間2時間でター
シヤリーブタノールを分解させたところ、塔頂よ
り4.34g/hrで純度100%のイソブチレンを得
た。この時の塔底液組成は、水65.6重量%、ケイ
タングステン酸32.8重量%、ターシヤリーブタノ
ール1.6重量%であり、セカンダリーブタノール
の重合物等の副生成物はまつたく得られなかつ
た。この塔底液をオートクレーブにリサイクルし
た。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 n−ブテンとイソブチレンを含むオレフイン
    混合物からイソブチレンを分離するに際し、
    Mo、WおよびVから選ばれた少なくとも1種の
    元素を縮合配位元素とするヘテロポリ酸を10重量
    %以上含む水溶液を用い、かつ100℃未満の温度
    で反応させてイソブチレンを選択的にターシヤリ
    ーブタノールに変換し、残存炭化水素を除去した
    後、ターシヤリーブタノールとヘテロポリ酸を含
    む水溶液を70℃以上に加熱し、生成したイソブチ
    レンを系外に除去しつゝ脱水反応を進行させ、イ
    ソブチレンを再生することを特徴とするイソブチ
    レンの分離方法。 2 イソブチレンを選択的にターシヤリーブタノ
    ールに変換する際の反応圧力が、n−ブテン、イ
    ソブチレンを含む炭化水素が共に液体として存在
    するに必要な圧力以上である特許請求の範囲第1
    項記載のイソブチレンの分離方法。 3 イソブチレンを選択的にターシヤリーブタノ
    ールに変換し、残存炭化水素を除去するに当り、
    通常の操作により除去した後、ターシヤリーブタ
    ノールとヘテロポリ酸を含む水溶液から、さらに
    溶存する少量の残存炭化水素を脱気処理して除去
    する特許請求の範囲第1項または第2項記載のイ
    ソブチレンの分離方法。 4 触媒液として、ヘテロポリ酸を含む水溶液中
    に不溶性の酸性物質を共存させる特許請求の範囲
    第1項ないし第3項のいずれかに記載のイソブチ
    レンの分離方法。
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