JPS624112Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、軒樋の中空部を備えた耳部の構造の
改良に関する。

背景技術 従来から中空部を有する耳部を備えた合成樹脂
製軒樋が知られている。この合成樹脂製軒樋をは
さみで切断する場合、耳部部分から切断していく
のであるが、従来にあつては耳部が断面円状をし
ていたため、はさみで切断する場合はさみの刃に
なじみにくく、耳部の切断に過度の切断力が必要
であり、このためはさみで切断する際耳部が波損
するという問題があつた。この場合耳部の内面側
が破損したら外から見えないので外観上の問題が
はないが、耳部の外側が破損することもあり、外
観が悪いという問題があつた。

考案の目的 本考案は、上述の点に鑑みて考案したものであ
つて、その目的とするところは、はさみで切断す
る際に軒樋の耳部がはさみになじみやすくて耳部
の切断に過度の切断力が必要でなく、耳部の外面
側の破損を防止できる軒樋の耳部構造を提供する
にある。

考案の開示 本考案の軒樋の耳部構造は、中空部１を有する
耳部２を備えた合成樹脂製軒樋４であつて、断面
半円状の耳部２の内面側を断面弧状に凹設して撓
み変形付与部５を形成し、この撓み変形付与部５
の上下方向の略中間部位を薄肉部６として成るも
のであつて、このような構成を採用することで、
上記した本考案の目的を達成したものである。す
なわち本考案にあつては、断面半円状の耳部２の
内面側を断面弧状に凹設して撓み変形付与部５を
形成し、この撓み変形付与部５の上下方向の略中
間部位を薄肉部６とすることで、はさみＡで耳部
２の上部から切断する際に撓み変形付与部５及び
薄肉部６の切断分離によつて耳部２を上方に伸長
させてはさみの刃になじませることができるよう
になつたものである。

以下本考案を実施例により詳述する。軒樋４は
合成樹脂製であつて、鋼材のような金属材３がイ
ンサートされてあり、金属材３の上端は断面半円
状の耳部２の中空部１の外側に回り込んでいる。
金属材３の厚みは例えば0.1〜0.3mmとしてある。
耳部２の内側面は断面略弧状に凹設されて撓み変
形付与部５が形成してある。この撓み変形付与部
５の上下方向の略中間部位は薄肉部６となつてい
る。そしてこの薄肉部６ははさみＡの切断力が加
わると割れて切断分離して撓み変形付与部５を上
分離部７と下分離部８とに分離することができる
ようになつている。しかして第３図に示すように
はさみＡで切断する際には薄肉部６が切断分離さ
れて撓み変形付与部５の上部を上方にたわませ、
はさみＡの刃に耳部２をなじませることができ、
したがつて耳部２に過度の切断力が加わることな
く切断できるのである。

考案の効果 叙述のように、本考案にあつては断面半円状の
耳部の内面側を断面弧状に凹設して撓み変形付与
部を形成し、この撓み変形付与部の上下方向の略
中間部位を薄肉部とすることで、はさみで耳部の
上部から切断する際に撓み変形付与部及び薄肉部
の切断分離によつて耳部を上方に伸長させてはさ
みの刃になじませることができ、したがつて耳部
に過度の切断力をかけることなく切断できて耳部
の外面側の破損を防ぐことができるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の軒樋の断面図、第２図は第１
図のＸ部分の拡大断面図、第３図は同上の作用説
明図あつて、１は中空部、２は耳部、４は軒樋、
５は撓み変形付与部、６は薄肉部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空部を有する耳部を備えた合成樹脂製軒樋で
   あつて、断面半円状の耳部の内面側を断面弧状に
   凹設して撓み変形付与部を形成し、この撓み変形
   付与部の上下方向の略中間部位を薄肉部として成
   る軒樋の耳部の構造。