JPS6241067B2 - - Google Patents

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JPS6241067B2
JPS6241067B2 JP56173714A JP17371481A JPS6241067B2 JP S6241067 B2 JPS6241067 B2 JP S6241067B2 JP 56173714 A JP56173714 A JP 56173714A JP 17371481 A JP17371481 A JP 17371481A JP S6241067 B2 JPS6241067 B2 JP S6241067B2
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JP
Japan
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group
membrane
dialkylamine
cation exchange
monomer
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JP56173714A
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JPS5876144A (ja
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Takahisa Yamamoto
Yasuhiro Kagyama
Toshikatsu Sada
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPS6241067B2 publication Critical patent/JPS6241067B2/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な改質陽イオン交換体およびその
製造方法に関し、特に表層部に高い固定イオン濃
度の層を有し、海水から高濃度のカン水を得るに
適した電気透析用陽イオン交換膜を提供するもの
である。 今日、イオン交換体は電気透析による海水濃縮
製塩、塩水の脱塩、イオン性物質と非イオン性物
質の分離・拡散、アルカリ金属塩水溶液の電解、
有機合成電解反応、触媒等として数多くの分野で
利用されている。即ち、粒状物、膜状物、管状物
など各種の形態のイオン交換体が提案され、工業
的に広く利用され、更により高い性能のもの或い
は特殊な機能をもつたものが研究されている。例
えば、海水濃縮による製塩においては、エネルギ
ーコストの低減を図るために、低電気抵抗でより
高濃度のカン水を得るに適した電気透析用イオン
交換膜の開発が要望される。 従来、改質陽イオン交換体として、陽イオン間
に選択透過性を有する陽イオン交換膜が多く提案
されている。例えば、本出願人も既に特公昭46―
42082、50―4638号公報などにおいて、陽イオン
交換膜の表面にアミン類を結合させた改質陽イオ
ン交換膜を提供している。本発明者らは前記した
如き高濃度のカン水を得るに適した陽イオン交換
膜の開発を主たる目的に、更に改質陽イオン交換
膜について詳細な検討を進めた結果本発明に至つ
た。即ち本発明はハロゲン置換アルキル基と重合
可能なビニル基を有する芳香族化合物を一成分と
した単量体を重合させて得た重合体を母体とする
カルボン酸系又はスルホン酸系陽イオン交換樹脂
であつて、その表面に薄層状にジアルキルアミン
が化学結合により固定されていることを特徴とす
る改質陽イオン交換体である。 また本発明は陽イオン交換基の導入に適した官
能基を有する単量体と、ハロゲン置換アルキル基
および不飽和結合を有する芳香族化合物とを主成
分とする単量体混合物を重合して得られる高分子
体に、常法により酸ハライド基を導入した後、ス
ルホン酸基又はカルボン酸基の導入及び該高分子
体の表面へのジアルキルアミンの固定化処理を行
うことを特徴とする改質陽イオン交換体の製造方
法である。 本発明における改質陽イオン交換膜においては
従来の膜透過する多価陽イオンの減少よりも、む
しろ膜透過する水量(浸透水量および電気浸透
水)の著しい低減を招く。したがつて、かかる改
質陽イオン交換膜を海水濃縮に用いることによつ
て、高濃度のカン水を得ることが出来る。また、
粒状などの改質陽イオン交換体においては、有機
化合物の選択吸着性の機能を発揮する。 上記の如き改質陽イオン交換体における意外な
現象は、ハロゲン置換アルキル基と重合可能なビ
ニル基を併せ有する芳香族化合物を一成分とする
高分子体とジアルキルアミンとを用いたことによ
る相乗作用に基づくものと推測される。 本発明によれば、その陽イオン交換樹脂の母体
を構成する重合体はハロゲン置換アルキル基と重
合可能なビニル基(即ちエチレン性二重結合)と
を併せ有する芳香族化合物を一成分とする単量
体、一般には、上記芳香族化合物とイオン交換基
導入に適した単量体に更に好ましくは架橋剤及
び/又は酸無水物基と重合可能なビニル基(即ち
エチレン性二重結合)とを有する単量体を主成分
とする単量体混合物の重合によつて得られる。か
くして得られる重合体は、その後常法によつてカ
ルボン酸基の導入又はスルホン酸基の導入によつ
て陽イオン交換樹脂とすることができる。特に本
発明の主たる目的である高濃度のカン水を得るに
適した改質陽イオン交換膜の場合には、陽イオン
交換基または陽イオン交換基の導入に適した官能
基を有するモノマー、ハロゲン置換アルキル基と
重合可能なビニル基とを併せ有する芳香族化合物
とともに、さらに架橋剤を加えたモノマー混合物
を重合して得られる樹脂基体を用いることが有効
である。 陽イオン交換基または陽イオン交換基の導入に
適した官能基を有するモノマーとしてはスチレ
ン、ビニルトルエン、スチレンスルホン酸誘導
体、ビニルスルホン酸誘導体、アクリル酸エステ
ル、無水マレイン酸などが用いられる。架橋剤と
しては一般にジビニルベンゼンなどのジビニル化
合物が用いられる。また、ハロゲン置換アルキル
基と重合可能なビニル基とを併せ有する芳香族化
合物としては、例えばクロロメチルスチレン、ク
ロロメチルビニルナフタレン、ブロモメチルスチ
レン、ブロモメチルビニルナフタレンなどが用い
られる。 ハロゲン置換アルキル基と重合可能なビニル基
とを併せ有する芳香族化合物のみを単量体として
用い、その重合体に存在する芳香族環にイオン交
換基を導入することもできるが、一般には、スチ
レン、ビニルトルエンの如き陽イオン交換基の導
入に適した官能基を有する単量体を併せ用いる。
更に架橋剤をも用いるのが好ましい。これら各単
量体の好ましい割合の一例は、陽イオン交換基ま
たは陽イオン交換基の導入に適した官能基を有す
るモノマー100重量部に対して、ハロゲン置換ア
ルキル基と重合可能なビニル基とを併せ有する芳
香族化合物は一般に1〜50重量部が用いられる。 また、陽イオン交換基または陽イオン交換基の
導入に適した官能基を有するモノマー100重量部
に対して、架橋剤を一般に1〜30重量部ととも
に、ハロゲン置換アルキル基を有する芳香族化合
物1〜80重量部、好ましくは2〜40重量部を用い
ることが、特に高濃度のカン水を得るに適した改
質陽イオン交換膜の製造には有効である。 本発明の陽イオン交換体またはその前駆体は上
記したモノマー混合物を用いて、公知の粒状イオ
ン交換樹脂、イオン交換膜などの製法に準じて得
られる。したがつて、目的とする陽イオン交換体
に応じて、重合触媒、そのほか上記モノマーと共
重合可能な他のモノマー、可塑剤、あるいは必要
に応じて補強材としての微粉末熱可塑性高分子物
質、基材などが適宜に用いられる。重合触媒とし
ては、例えばベンゾイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド
などである。共重合可能な他のモノマーとして
は、例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、
アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類
などが用いられる。微粉末の熱可塑性高分子物質
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル―塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニル―塩化ビニリデン共重
合体、NBR,SBR、ポリブタジエンなど公知の
高分子化合物で可溶性・分散性のものである。ま
た、基材としてはイオン交換膜用に無機質、有機
質を問わず、例えば硝子繊維、ビニロン、カネカ
ロン、テビロン、テトロン、サラン、ナイロン、
ボンネツト(以上、商品名)、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどの公知の布状物あるいは網状
物、編物が用いられる。 陽イオン交換体の製造は、前記した如く調製さ
れたモノマー混合物を重合した後、ハロアルキル
基を介した架橋処理および必要に応じて陽イオン
交換基の導入を行う。ハロアルキル基による架橋
処理は、一般に公知の硫酸、塩化アルミニウム、
四塩化スズ、四塩化チタンなどのフリーデル・ク
ラフト触媒を用いて行うことができる。なお、陽
イオン交換基としてスルホン基を導入する場合に
は濃硫酸、クロルスルホン酸またはこれらの混合
物を用いることによつて架橋が同時に達成され
る。また、陽イオン交換基としてはスルホン基の
ほかカルボキシル基が公知の方法によつて導入さ
れる。 次に、本発明において陽イオン交換体の表面に
ジアルキルアミンの薄層を形成させる方法は特に
制限されないが、一般に酸アミド化(結合)によ
つて該ジアルキルアミンを結合させることが推奨
される。即ち、陽イオン交換体またはその前駆体
に存在するアミド化受容基として、例えばスルホ
ニルクロライド、スルホニルブロマイド、スルホ
ニルマイオダイドの様なスルホン酸ハライド基、
同じくカルボン酸ハライド基、リン酸ハライド基
等の酸ハライド基または無水スルホン酸基、無水
カルボン酸基、無水リン酸基等の酸無水物基の一
種以上に直接ジアルキルアミンを反応させるか或
いは、それらのアミド化受容基を導入した後、そ
の表面または表面近傍をジアルキルアミンで処理
することによつて酸アミド化反応を行わせる。 ジアルキルアミンとしては、上記の酸ハライド
基などとの反応速度の点から飽和の直鎖状脂肪族
アミンが好ましいが、不飽和あるいは分岐状の脂
肪族アミンであつても有効である。鎖状脂肪族ア
ミンの鎖長は炭素数2〜30、特に4〜18が好まし
く、鎖長が4より短かいアミンを用いた場合には
得られるイオン交換体内に疎水性雰囲気の高分子
内シセルを形成する能力に乏しく本発明の効果が
十分に発揮されず、また鎖長が18以上のアミンを
用いた場合には不均一系で反応させるとイオン交
換体の極めて限られた表層部のみに反応してその
効果が弱くなるばかりでなく余りに疎水性雰囲気
が強くなり、用途面で好ましくない。かかる鎖状
脂肪族のジアルキルアミンとして、例えばジオク
チルアミン、ジアミルアミン、ジ―(2エチルヘ
キシル)アミン、ジステアリルアミン、Nメチル
ヘキシルアミン、N―メチルプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジプロピルアミン、ジアリルアミ
ン、ジオレイルアミン、ジヘキシルアミン、ジデ
シルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロピ
ルアミンなどが好適に用いられる。また芳香族の
ジアルキルアミンとして例えばジベンジルアミ
ン、1,3ジ―4―ピペリジルプロパン、ジシク
ロヘキシルアミン、4ピペコリンなどが用いられ
る。 本発明において陽イオン交換体またはその前駆
体の表面に、ジアルキルアミンを反応させる条件
は、減圧、常圧あるいは加圧下で温度は−20℃か
ら高分子化合物の分解劣化が生起しない温度以下
であれば特に制限ないが、層状に表層部のみ反応
せしめる場合には反応が該アミンの反応律速によ
つて進行する様に比較的短時間で反応させるのが
好ましい。反応後はジアルキルアミンを溶解する
様な溶媒によつて未反応の過剰のジアルキルアミ
ンを洗滌除去して後、未反応の残余の酸ハライド
基あるいは酸無水物基を陽イオン交換基に変換す
ればよい。イオン交換基への変換手段は、従来公
知の加水分解反応が何ら制限なく用いられる。例
えばアルカリ金属アルカリ土類金属、水酸イオン
型有機アミン類の水溶液、水―有機溶媒混合系な
どの中に常温、加温下に高分子化合物を浸漬して
加水分解させればよい。最も一般的には水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の水溶液、アルコー
ル溶液、アルコール性水溶液等が用いられるが、
高分子化合物の種類によつて高分子鎖を膨潤させ
うる溶媒を適宜選択すればよい。 さらに具体的にスルホン酸アミド型について例
示すると、例えばスチレン、クロロメチルスチレ
ン、ジビニル基ベンゼンなどのモノマー混合物を
重合して得た三次元構造の樹脂基体を、クロロス
ルホン酸または四塩化炭素、テトラクロルエタン
などの溶媒で稀釈したクロルスルホン酸液中に常
温または常温より低い温度で浸漬するか、あるい
はSO2およびCl2のガス中で紫外線照射して光化
学的にクロルスルホン化した後ジアルキルアミン
或いはそれの溶液を塗布するか、該溶液に浸漬す
ることによつて基体表面のクロルスルホン基とア
ミノ基とを反応させる。かくして得られるスルホ
ン酸アミドを表面に有する樹脂基体は、次いでア
ルカリ溶液中に浸漬し、残余のクロルスルホン基
をスルホン酸塩に変換することによつて、本発明
の改質陽イオン交換体とすることが出来る。また
同様にカルボン酸アミド型については、例えば無
水マレイン酸、スチレン、ジビニルベンゼン、ハ
ロアルキルスチレンの共重合体からなる樹脂基体
の表面を、ジアルキルアミン溶液で処理すること
によつて酸アミド結合を形成させた後、残余のカ
ルボン酸無水物を加水分解して本発明の改質陽イ
オン交換体を得ることが出来る。 本発明において陽イオン交換体の表面に形成す
るジアルキルアミンの層厚みは、樹脂基体の構
造、イオン交換容量、架橋度、使用目的などによ
つて異なり一般に決めることはできない。 即ち、ジアルキルアミンが数分子の厚みで陽イ
オン交換体に結合して充分に目的を達成する場合
から必要によつてはイオン交換体の全体に均一に
結合していた方がより高い性能を発揮する場合も
ある。一般に樹脂基体とジアルキルアミンとの反
応量が多くなれば、イオン交換体の交換容量は減
少し且つ含水量は著しく低減し、イオン交換速度
は遅くなる。特にイオン交換体が膜状物の場合に
は、反応量が多いと膜の電気抵抗は上昇し同時に
膜の固定イオン濃度は高くなる。したがつて、陽
イオン交換膜の使用目的によつても異なるが、本
発明のジアルキルアミンを結合した改質陽イオン
交換膜は、ジアルキルアミンが結合していない陽
イオン交換膜に比して、0.5NNaCl中で測定した
電気抵抗が30倍を越えない範囲であることが望ま
しい。 なお、陽イオン交換膜の場合には、該膜の両面
または片面のみのいずれにジアルキルアミンの薄
層を形成させてもよいが、一般に性能的な面から
膜の片面にのみ200Å以上、膜の厚みの1/2以下の
範囲で反応させることによつて、膜の電気抵抗の
上昇も少なく且つ異符号イオン間選択性も高く保
つことも出き、かかるジアルキルアミンで処理し
た膜面を、例えば電気透析に用いる場合にはより
濃厚な溶液に接触するようにして用いることが有
効である。 本発明で得られる改質陽イオン交換体は従来公
知の固型状のイオン交換体を用いる系に於いて何
ら制限なく用いられる。例えば粒状物ならば従来
公知の脱塩、非イオン性物質とイオン性物質の分
離触媒、酵素担持触媒、液体クロマトグラフイー
カラム充填剤、ガスクロマトグラフイーカラム充
填剤、洗剤などの有機イオン性物質水溶性有機物
の吸着剤としても有効である。また膜状物の場合
は陽イオン交換基があり且つ疎水基の存在により
高い固定イオン濃度をもつ陽イオン交換膜とな
り、塩の拡散、酸塩基の拡散浸透水量等の極めて
少ない陽イオン交換膜とすることが出来る。特に
本発明の改質陽イオン交換膜は該イオン交換膜の
細孔が小さく且つ表面にジアルキルアミンの薄層
を有することと合せて、イオン性物質と非イオン
性物質の分離において非イオン性物質の漏洩が少
なく(浸透水量が少なく)効率よく電気透析を行
なうことが出来、ひいては海水を濃縮して高濃度
のカン水を得ることが出来る。 このような特殊な機能を本発明の改質陽イオン
交換体が保持する理由は必ずしも明らかでない
が、従来のスチレン、ジビニルベンゼン系の架橋
重合体をクロルスルホン化、次いでジアルキルア
ミンによつて処理した場合に比較して極めて顕著
な特性が出ている理由は、前記したようにハロア
ルキル基とビニル結合を併せ有する芳香族化合物
をイオン交換体成分の一つとして添加したことに
基因していると推測される。即ちハロアルキル基
と隣接するスチレンの芳香環の間に架橋結合が形
成され、従来のジビニルベンゼンで架橋したよう
な重合体と異なり重合体網目構造の均一なものと
なり、従つてジアルキルアミンとの反応が膜表層
部に於いて極めて均一に進行し、不必要な反応が
重合体内部にまで及ばないこと、未反応のハロア
ルキル基とジアルキルアミンとの反応が生起し、
酸ハライド基とジアルキルアミンとの酸アミド結
合と共に、結合反応における相剰効果、酸アミド
結合の安定性の向上、均一化などが生起している
と思われる。事実、本発明のイオン交換体の一つ
である改質陽イオン交換膜に一価陽イオン選択透
過性を賦与するために陽イオン性高分子電解質で
処理すると、一価陽イオン選択透過能は著しく向
上し、且つ、その性能の持続も従来の陽イオン交
換膜に比較して著しく長いことからも上記の推測
は確認される。 以下、実施例において本発明の内容を具体的に
説明するが、これらの実施例によつて本発明は何
ら拘束されるものではない。なお、実施例中にお
いてイオン交換容量は常法により酸型にして食塩
水を加えて滴定または一定量のアルカリを加えて
逆滴定することによつて求めた。膜状物の電気抵
抗は0.5規定の食塩水に膜を平衡して後、0.5規定
の食塩中で25℃、1000サイクル交流で測定した。
また固定イオン濃度は0.5規定の食塩水に膜を平
衡にして後、湿潤重量を測定し、次いで70℃の空
気乾燥中で2時間膜を乾燥した後、塩化カルシウ
ムを入れたデシケーター中に一時間放置して秤量
した乾燥重量から、湿潤重量と乾燥重量の差を乾
燥重量で除した値を含水率とした。交換容量を含
水量で除した値が固定イオン濃度である。 また、本発明の実施例でイオン交換膜を用いて
海水濃縮する場合は、本発明の陽イオン交換膜を
Na型としたのち100ppmのポリエチレンイミン
(分子量約5000)水溶液中に室温で4時間浸漬
し、膜面にポリエチレンイミンを吸着させたのち
に実施した。 実施例 1 スチレン10重量部、クロロメチルスチレン2重
量部、アクリロニトリル2重量部、ジオクチルフ
タレート1重量部および微粉末ポリ塩化ビニル1
重量部を加熱混合したモノマー混合液に、ベンゾ
イルパーオキサイド0.2重量部を添加し、ポリ塩
化ビニル布に塗布した後、加熱重合して高分子膜
母体(原膜)を得た。得られた原膜を硫酸―クロ
ルスルホン酸(1:1)の液において、40℃で1
時間処理した。次いで、上記膜をジオクチルアミ
ンの5%(イソプロピルエーテル)溶液に4時間
浸漬した後、2規定の苛性ソーダ水溶液に2時間
浸漬することによつて、本発明の改質陽イオン交
換膜を得た。 他方、比較のために上記のクロルスルホン化処
理した膜をジオクチルアミンで処理することな
く、2規定の苛性ソーダ水溶液に2時間浸漬する
ことによつて、陽イオン交換膜とした。 上記で得られた本発明の改質陽イオン交換膜お
よび比較の陽イオン交換膜について、それぞれの
諸性質を第1表に示す。また、各陽イオン交換膜
と陰イオン交換膜(徳山曹達社製、ネオセプタ
ACS)とを組合せた電気透析槽を用いて、温度
30℃、電流密度3A/dm3の条件下で海水を濃縮
し、得られるカン水中の塩素イオン濃度(Cl)
と 純塩率(%)=〔Na〕+〔K〕/〔Cl〕×100を
求めた結 果、第1表に示す。
【表】 比較例 1 スチレン10重量部、ジビニルベンゼン1.5重量
部、ジオクチルフタレート3重量部、微粉末ポリ
塩化ビニル3重量部およびベンゾイルパーオキサ
イド0.2重量部のペースト状混合物をポリ酸化ビ
ニル製の布に塗布した後、加熱重合して高分子膜
母体(原膜)とした。次いで、原膜を硫酸―クロ
ルスルホン酸(1:1)の液において、40℃で1
時間処理した。さらに原膜をジオクチルアミンの
5%(イソプロピルエーテル)溶液に4時間処理
した後、2規定の苛性ソーダ水溶液に2時間浸漬
することによつて、改質陽イオン交換膜を得た。 他方、上記のクロルスルホン化処理した原膜を
ジオクチルアミンで処理することなく、そのまま
2規定の苛性ソーダ水溶液に1時間浸漬すること
によつて、陽イオン交換膜とした。 上記で得た改質陽イオン交換膜と陽イオン交換
膜について、それぞれの諸性質と実施例1と同様
にカン水濃度と純塩率を求めた。それらの結果を
第2表に示す。
【表】
【表】 実施例 2 スチレン100重量部、純度約55%のジビニルベ
ンゼン10重量部、ジオクチルフタレート10重量
部、クロロメチルスチレン20重量部、ポリ塩化ビ
ニル微粉末50重量部にベンゾイルパーオキサイド
2重量部を混合して得たペースト状混合物をポリ
塩化ビニル製の布に塗布し、脱気し両面をポリエ
ステルフイルムでおおい、70℃で3時間80℃で4
時間加熱重合し厚みが約0.11mmの高分子膜状物を
得た。これを98%濃硫酸と純度90%以上のクロル
スルホン酸の1:1の混合物中に40℃、45分間で
浸漬してスルホニルクロライド基とスルホン酸基
を導入した。クロルスルホン酸基のスルホン酸に
対する比は60:40であつた。次いでこの膜の表面
の水分をふき取つて後に風乾し、これをジオクチ
ルアミン5%イソプロピルエーテル溶液の中にそ
のまま室温で4時間浸漬した後、2規定の苛性ソ
ーダ水溶液中に2時間浸漬し、更に1規定の塩酸
に浸漬して本発明の改質イオン交換膜を得た。 他方、比較のためにクロルスルホン化処理まで
は同一にし、次いでそのまま2規定の苛性ソーダ
溶液に浸漬した後、1NHClに浸漬し陽イオン交
換膜を得た。 上記で得た本発明の改質陽イオン交換膜と比較
のための陽イオン交換膜について、実施例1と同
様に諸性質と性能を求めた結果を第3表に示す。
【表】
【表】 実施例 3 実施例2と同様にして得た高分子膜状物を98%
濃硫酸と純度90%以上のクロルスルホン酸の1:
1の混合物中に40℃で浸漬時間を変化させる方法
と後で温水(40〜60℃)に浸漬する方法によつ
て、クロルスルホン酸基とスルホン酸基とを第4
表に示す割合に調整した。次いで、各膜をジアミ
ルアミン溶液に浸漬して、所定の温度と時間を変
化させて処理した。さらに、2規定の苛性ソーダ
水溶液に2時間浸漬した後、1規定の塩酸に浸漬
することによつて、本発明の改質陽イオン交換膜
を製造した。 他方、比較のためにクロルスルホン化処理した
膜をジアミルアミンで処理することなく、苛性ソ
ーダ水溶液および塩酸に浸漬して陽イオン交換膜
とした。 上記で得た本発明の改質陽イオン交換膜と比較
のために陽イオン交換膜について、前実施例と同
様に諸性質と性能を測定した。それらの結果を第
4表に示す。
【表】 実施例 4 スチレン100重量部、純度約55%のジビニルベ
ンゼン15重量部、ジオクチルフタレート10重量
部、ブロモメチルスチレン20重量部、ポリ塩化ビ
ニル微粉末50重量部にベンゾイルパーオキサイド
2重量部を混合して得たペースト状混合物をポリ
塩化ビニル製の布に塗布し、脱気した後、両面を
ポリエステルフイルムでおおい、60℃で3時間70
℃で5時間加熱重合して高分子膜状物を得た。こ
れを98%濃硫酸と純度90%以上のクロルスルホン
酸の1:1の混合物中に60分間、40℃で浸漬して
スルホニルクロライド基とスルホン酸基を導入し
た。クロルスルホン基のスルホン酸基に対する比
は72:28であつた。次いで、この膜の一方の面に
2規定の苛性ソーダ水溶液を5分間接触させた。
即ち、膜の片面だけに反応を行うことのできる装
置に膜をはさみ、一方に0.5規定の塩酸を入れ他
室に2規定の苛性ソーダ溶液を入れた。さらに、
直ちに1規定の塩酸で洗滌し、表面の水分をふき
とつて後、風乾してこれをジステアリルアミン
(5%)とイソプロピルエーテルの中にそのまま
浸漬して、45℃で8時間浸漬したのち、イソプロ
ピルエーテルで充分に洗滌し、次いで2規定の苛
性ソーダ水溶液中に4時間浸漬し、更に1規定の
塩酸に浸漬して本発明の改質陽イオン交換膜を得
た。 他方、比較のためにクロルスルホン化した膜を
ジステアリルアミンで処理することなく、苛性ソ
ーダ水溶液および塩酸に浸漬することによつて陽
イオン交換膜とした。 上記で得られた本発明の改質陽イオン交換膜と
比較のための陽イオン交換膜について、前実施例
と同様に諸性質と性能を測定した。それらの結果
を第5表に示す。
【表】 実施例 5 無水マレイン酸40重量部、ブロモメチルスチレ
ン30重量部、純度55%のジビニルベンゼン50重量
部、スチレン100重量部にジオキサン70重量部を
加えて、更にアゾイソブチロニトリル2重量部を
加えて均一に混合し、これを2枚の平行なガラス
板の間にポリプロピレンの布をはさんだものへ流
し込んだ。60℃4時間70℃7時間オートクレーブ
中で加圧下に加熱し、放 後ガラス板を除き布に
補強された高分子膜状物を取り出した。次いで、
これをNメチルヘキシルアミンの中に25℃で2時
間浸漬した。更に、これを2規定苛性ソーダのメ
タノール―水の1:1混合溶液中に浸漬して酸無
水物基を加水分解しカルボン酸塩をNa塩に変換
することによつて、本発明の改質陽イオン交換膜
を得た。 他方、比較のために上記合成した高分子膜状物
をN―メチルヘキシルアミンと反応させないで、
直接加水分解処理のみすることによつて、陽イオ
ン交換膜を得た。 これらの膜を用いて苛性ソーダの濃縮を実施し
た。即ち、陽極と陰極に白金板を備えたアクリル
製の二室セルの中央に膜をはさみ、陽極液として
0.5規定の苛性ソーダを入れ、陰極液として4規
定の苛性ソーダを満たして2時間、2A/dm2
電流密度で電気透析し、両室の濃度変化から電流
効率を求めた。その他、交換容量含水率、0.5規
定の苛性ソーダ中での電気抵抗を測定した。結果
を表6に示す。
【表】 実施例 6 スチレン10重量部、クロルメチルスチレン2重
量部、純度約55%のジビニルベンゼン0.5重量部
にジオクチルフタレート1重量部を加え、これに
ベンゾイルパーオキサイド0.2重量部を加えた均
一なモノマー混合液を水100重量部にポリビニル
アルコール、食塩を加えたものの中に分散し、撹
拌し、水中に油滴と充分に分散したところで90℃
に加温し、6時間撹拌した。球状の重合体が得ら
れた。 これを硫酸―クロルスルホン酸(1:1)の液
で40℃で1時間処理したのち、ジオクチルアミン
の5%(ジプロピルエーテル)溶液中に浸漬して
4時間放置後、2規定の苛性ソーダ水溶液に2時
間浸漬することによつて、本発明の改質イオン交
換樹脂とした。 他方、比較のために、上記のクロルスルホン化
処理した膜をジオクチルアミンで処理することな
く、2規定の苛性ソーダ水溶液に2時間浸漬する
ことによつて陽イオン交換樹脂とした。 ここで得られた2種の陽イオン交換樹脂をラウ
リルピリジニウムフロライド200ppm含む水溶液
中に等量づつ加えて撹拌し、2時間後、液中のラ
ウリルピリジニウムクロライドの残量を求めたと
ころ、本発明の陽イオン交換樹脂を用いたときは
紫外吸収スペクトルから、液中には誤差範囲内で
しか認められなかつた。しかしジオクチルアミン
で処理していない陽イオン交換樹脂の場合、液中
の残量は125ppmであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ハロゲン置換アルキル基と重合可能なビニル
    基を有する芳香族化合物を一成分とした単量体を
    重合させて得た重合体よりなるカルボン酸系又は
    スルホン酸系陽イオン交換樹脂であつてその表面
    に、薄層状にジアルキルアミンが化学結合により
    固定されていることを特徴とする改質陽イオン交
    換体。 2 ハロゲン置換アルキル基と重合可能なビニル
    基を有する芳香族化合物が、クロロメチルスチレ
    ンまたはブロモメチルスチレンである特許請求の
    範囲第1項記載の改質陽イオン交換体。 3 ジアルキルアミンが炭素数2〜30の鎖状脂肪
    族アミンである特許請求の範囲第1項記載の改質
    陽イオン交換体。 4 ジアルキルアミンがジオクチルアミン、ジア
    ミルアミン、ジ―(2―エチルヘキシル)アミ
    ン、ジステアリルアミン、N―メチルヘキシルア
    ミンから選ばれた少くとも1種である特許請求の
    範囲第1項記載の改質陽イオン交換体。 5 単量体として、ハロゲン置換アルキル基と重
    合可能なビニル基を有する芳香族化合物及び酸無
    水物基と重合可能なビニル基を有する化合物を含
    む混合物を重合させて得た重合体よりなる陽イオ
    ン交換樹脂である特許請求の範囲第1項記載の改
    質陽イオン交換体。 6 陽イオン交換樹脂が膜状物である特許請求の
    範囲第1項記載の改質陽イオン交換体。 7 陽イオン交換基の導入に適した官能基を有す
    る単量体と、ハロゲン置換アルキル基および不飽
    和結合を有する芳香族化合物とを主成分とする単
    量体混合物を重合して得られる高分子体に、酸ハ
    ライド基を導入した後、スルホン酸基又はカルボ
    ン酸基の導入及び該高分子体の表層へのジアルキ
    ルアミンの固定化処理を行なうことを特徴とする
    改質陽イオン交換体の製造方法。 8 陽イオン交換基の導入に適した官能基を有す
    るモノマーがスチレンまたは無水マレイン酸であ
    る特許請求の範囲第7項記載の製造方法。 9 酸ハライド基がスルホン酸ハライド基である
    特許請求の範囲第7項記載の製造方法。 10 スルホン酸ハライド基がスルホニルクロラ
    イド基である特許請求の範囲第9項記載の製造方
    法。 11 イオン交換体が膜状物である特許請求の範
    囲第7項記載の製造方法。 12 膜状物の少くとも片面をジアルキルアミン
    で処理する特許請求の範囲第11項記載の製造方
    法。
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