JPS6240792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライス角度を自由に設定できること
を特徴とするサーモン・肉等の自動スライサーに
関するものである。

従来、食パン・ハム等のスライスに関しては回
転刃を前後にスライドさせ、かかる１スライドご
とに食パン等を一定量右又は左に押し出してスラ
イスするスライサーがあつた。しかしかかるスラ
イサーは垂直にのみスライスできるものであり、
かつ台上を比較的定形を保つて滑らかに押し出し
得る上記食パン・ハム等の食品に限定されてい
た。従つて、上記以外の例えばサーモン・生肉等
は熟練した料理人が包丁によりスライスしている
のが現状である。しかし、かかるスライスには薄
く、一定の厚さにかつ斜めに切らなければならな
い場合もあり永年の熟練を要する一方において、
かかる熟練した料理人を確保することが年ごとに
困難になつてきている。

本考案は、かかる事情に鑑みなされたもので従
来のスライサーで不可能であつたサーモン・生肉
等の、また斜めのスライスが、サーモン等をテー
ブルの一定のエリアに載せスイツチを入れるだけ
で後は自動的にスライスできるスライサーを提供
することを目的とする。

以下本考案を実施例に沿つて説明する。

本考案は大別して、回転刃１を含む回転機構を
具備したカツターヘツドＡと、該カツターヘツド
Ａを軸方向に摺動自在にスライドアーム１４上に
載架するコラムＢと、サーモン等スライスする材
料を吸着固定しスライス厚さごとに長手方向に移
動する機構を有するフイードテーブルＣと、前記
コラムＢ及びフイードテーブルＣを載架固定する
架台Ｄ及びこれらの動作を制御する制御機器Ｅよ
り構成される。

カツターヘツドＡはさらに回転刃１と、該回転
刃１を駆動するエアーモーター２と、これらを懸
装する垂設金具３と、該垂設金具３を空気圧によ
り上下自在に釣支するエスケープ用エアーシリン
ダ４と、該垂設金具３の略両端に螺着され該上下
動をガイドする二本のガイド軸５と、かかるガイ
ド軸５に対応するガイド用の円孔６を一部に有す
るカツターヘツドフレーム７より構成されてい
る。そして、回転刃１は周囲に切刃を有する円板
状をなし、エアーモーター２の回転軸に挿着され
ている。エアーモーター２は外形略円筒をなし該
垂設金具３の下部に固設したナツトに螺着され
る。該垂設金具３は中央部に雌螺子が螺設され該
エスケープ用エアーシリンダー４のシリンダーロ
ツド下端の雄螺子部と螺着するように、また両端
部に円孔が穿設され該ガイド軸５と螺着できるよ
うになつている。カツターヘツドフレーム７は、
断面が正方形の３隅を切落した７角形をなし、該
７角柱形状の軸長手側面に略長方形で板状の張出
し部材８を固着し、上記７角柱を横倒させたよう
な形状を有する。前記カツターヘツドフレーム７
の７角柱状の柱軸中心には３本のスプラインが周
設された貫通円孔９が穿設されている。上記張り
出し部材８には長手方向に直列に３つの円孔が穿
設され、中央の円孔は螺設されて上記エスケープ
用エアーシリンダーのシリンダー本体を螺着し、
また両端の円孔には円筒が嵌着されてガイド用円
孔６を形成し、上記ガイド軸５が摺動自在に挿着
される。

コラムＢは、コラム主要部及び上記カツターヘ
ツドＡを支持固定するベース板１０と、該ベース
板１０上に垂直に固着される２本のポスト１１
と、該ポスト１１に沿つて昇降する昇降台１２
と、該昇降台１２上の横貫孔１３に回動自在に装
着されるスライドアーム１４と、該スライドアー
ム１４を軸方向に回動させるための角度設定ハン
ドル１５と、昇降台１２の昇降を調整する昇降ハ
ンドル１６と、前記スライドアーム１４に載架さ
れた上記カツターヘツドＡを水平移動させるため
のカツテイング用エアーシリンダー１７等により
構成されている。しかして、前記ポスト１１はベ
ース板１０上にテーブル送り方向に２本平行にか
つ垂直に固着され、該２本のポスト１１は上端に
おいて強固な結合部材１８で結合されている。昇
降台１２は、上記２本のポスト１１にガイドさ
れ、前記結合部材１８上の昇降ハンドル１６の雌
螺子部と昇降台１２上端に固着された昇降用ボル
ト１９との螺合により昇降するよう構成されてい
る。また昇降台１２両端の摺動筒２０には昇降を
拘束する固定レバー２１を有する。昇降台１２略
中程に横貫された横貫孔１３に回動自在に装着さ
れるスライドアーム１４は、カツターヘツドＡが
移動する範囲でスプライン軸状に加工されてカツ
ターヘツドＡのスライドアーム１４上の回動を拘
束するよう構成され、一方の端には角度設定ハン
ドル１５が挿着できるよう螺設部を有する段付軸
となつている。また他端には外板が装着できるよ
う雌螺子孔が設けられている。またスライドアー
ム１４に挿着された角度設定ハンドル１５上部に
は円孔２２が穿設され該円孔２２にカツテイング
用エアーシリンダー１７のシリンダー本体が装着
され、該シリンダー１７のシリンダーロツド先端
は前記円孔２２を貫通してカツターヘツドＡに取
着され、該カツターヘツドＡを空気圧により水平
に移動させるよう構成されている。さらに昇降台
１２のスライドアーム１４側下部には、スライス
された切身の飛散を防止するホルダー２３が付設
され、該ホルダー２３は２本のスライド杆２４と
両スライドを下端で結合する押えレバー２５等に
より構成され、該スライド杆２４は昇降台１２に
固着された各々一対の案内金具２６で遊嵌保持さ
れる。そして該ホルダー２３はカツターヘツドＡ
の上下動と連動して上下するよう構成されてい
る。

フイードテーブルＣは、架台Ｄ上に固定される
テーブルベツド２７と、該テーブルベツド２７長
手方向に移動する移動テーブル２８と、該移動テ
ーブル２８を移動させる送り用エアーシリンダー
２９及びグリツプ用エアーシリンダー３０と、該
移動テーブル２８を固定する固定用エアーシリン
ダー３１等により構成される。しかして、テーブ
ルベツド２７には、板状のベツド３２の上に移動
テーブルの移動を案内する移動ガイド杆３３が支
持金具３４により長手方向に固定され、また移動
テーブルを移動させる送り用エアーシリンダー２
９が上記板状のベツド３２に固着され、さらに該
送り用エアーシリンダー２９のシリンダーロツド
先端部にはグリツプ金具３５及び該グリツプ金具
３５を可動させるためのグリツプ用エアーシリン
ダー３０が装着されている。そして板状のベツド
３２上には上記送り用エアーシリンダー２９の可
動部の一部に接触するよう移動自在な固定台３６
上にリミツトスイツチ（図示せず）を設け移動の
送り量が調整できるよう構成され該固定台３６の
移動は板状のベツド３２上に回動自在に装着され
た送り調整螺子３７とベツド３２の一部に固着さ
れた雌螺子部３８とにより、送り調整螺子３７の
端部に固着された目盛を有する回転ツマミ３９を
回転させて行う。また板状のベツド３２の台上に
はスライスしている間移動テーブル２８を固定す
るためのシリンダーロツド先端に挾持板を有する
固定用エアーシリンダー３１が固着されている。
移動テーブル２８は型鋼の溝面を下にしたよう
な基礎部材４１の上面にプラスチツクス等ででき
た調理台４２を固着してなり、該基礎部材４１の
下面にはテーブルベツド２７の移動ガイド杆３３
に対応するガイド金具（図示せず）と移動テーブ
ル２８の移動に際し上記グリツプ金具３５に挾着
される被挾着板４３が固着されている。前記調理
台４２表面にはサーモン等のスライス材料を固定
させる吸引口４４が複数個所穿設され、図示され
ていないが該吸引口４４は上記基礎部材４１を貫
通して屈曲自在な配管材で吸引ポンプに接続され
ている。また移動テーブル２８とフイードテーブ
ルＣの長手方向両端には、移動テーブル２８が移
動した後、それらの隙間からフイードテーブルＣ
上に水・塵埃等が入るのを防止するため伸縮自在
の蛇腹４５が装着されている。

架台Ｄは上記各装置等の重量に耐え得るようＬ
型鋼等の十分剛性を有する部材と、表面を被装す
る鋼板等で構成され、該架台Ｄ上の所定の位置に
上記カツターヘツドＡを装着したコラムＢ及び移
動テーブル２８を装着したフイードテーブルＣが
固定される。

下述するプロセスの如き動作をする本装置の制
御機器は、図示されないが、所望の動作が得られ
る様電気回路が組み込まれた制御盤と、該制御盤
からの信号を受けて動作をコントロールするコン
トロールバルブと、各動作部位での動作の検出を
するリミツトスイツチ等と、これらの各機器間を
接続する配線で構成されている。しかして上記コ
ントロールバルブはエアーモーター２・吸引ポン
プ（図示せず）及び各エアーシリンダーの動作制
御のためこれらの各空気アクチユーエーター毎に
設けられ、前記リミツトスイツチはエアーシリン
ダーの動作状態を検出するため各動作の始点及び
終点等に設けられている。

かかる構成を有するスライサーは使用に際し以
下の如き動作するよう制御回路が組み込まれてお
り、また本装置は以下の如き使用される。

まず本装置の使用に先立ち、所望のスライスの
角度と厚さを各々角度設定ハンドル１５と厚さ調
整用の回転ツマミ３９とにより設定並びに固定す
る。そして切断スライスする場合には、回転刃１
がエスケープ用エアーシリンダー４により降下し
たとき調理台４２表面と一致するよう昇降ハンド
ル１６を用いてスライス深さを調整し固定する。
そして、サーモン等のスライス材料を調理台４２
上の所定位置に置き次に移動テーブル２８を所定
位置に移動させて後始動釦をONにする。かかる
電源投入により吸入ポンプが作動し、スライス材
料を固定すると同時にカツターヘツドＡのエアー
モーター２が回転を始めエスケープ用のエアーシ
リンダー４が作動し回転刃１が上昇を始める。ス
ライス材料の飛散を防止するためのホルダー２３
も同時に上昇する。次にグリツプ用のエアーシリ
ンダー３０が作動し移動テーブル２８下部の被挾
着板４３を挾みその後移動テーブル２８送り用シ
リンダー２９が作動し移動テーブル２８は１スラ
イス分だけ移動する。該移動が完了すると移動テ
ーブル２８の被挾着板４３が固定用のエアーシリ
ンダー３１の作用により挾着され該移動テーブル
２８が固定される。次に回転刃１が降下し続いて
ホルダー２３の降下が完了するとカツテイング用
エアーシリンダー１７の作用によりカツターヘツ
ドＡがスライドアーム１４上を水平移動しその結
果サーモン等はスライスされる。この間移動テー
ブルの下では、固定用エアーシリンダー３１によ
る移動テーブル２８の固定が完了するとグリツプ
用のエアーシリンダー３０がOFFになり移動テ
ーブルと送り用エアーシリンダー２９との結合が
解除され送り用エアーシリンダー２９はもとの位
置まで後退する。そしてしかる後スライスが完了
すると固定用シリンダー３１はOFFになり続い
てグリツプ用シリンダー３０が作動し、スライス
の１サイクルを終了する。この際カツターヘツド
Ａはもとの位置まで戻り、回転刃１及びホルダー
２３は上昇した位置まで戻つている。上記サイク
ルを繰り返し全スライスを完了すれば電源を
OFFにし、移動テーブル２８を移動せしめてサ
ーモン等のスライスを調理台４２より下げればよ
い。かかる電源をOFFにした状態ではグリツプ
用のエアーシリンダー３０及び固定用エアーシリ
ンダー３１もOFFになつているため移動テーブ
ルはフイードテーブル上を自在に移動できる。

本考案は、上述のとおり、一度所定のスライス
角度・厚さ及び深さに設定すればその後は調理材
料を置き換えるだけで全て自動的にスライスで
き、かつ電源をOFFにした状態では移動テーブ
ル２８を自在に移動できるためカツターヘツドＡ
の下方等狭い場所で調理材料の置き換えをしなく
ともよく、また調理台４２上に材料を置いた後は
直ちに回転刃１の付近まで移動でき、さらに調理
材料を吸引作用により固定するため、簡単に迅速
に固定できるため時間的にも作業効率は極めて良
い。またスライスされた厚さ及び深さの正確さの
ため、例えばサーモン等のスライスにおいて完全
にスライスせず一部裏皮を残した状態でのスライ
スが可能である等非常に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置全体の正面図、第２図は装置全体
の右側面図、第３図はコラム及びカツターヘツド
の一部切り欠き断面を有する拡大右側面図、第４
図はカツターヘツドの全体を示す拡大背面図、第
５図はコラムの背面図、第６図はフイードテーブ
ルの送り機構を示す斜視図、第７図は移動テーブ
ルの斜視図である。 Ａ……カツターヘツド、Ｂ……コラム、Ｃ……
フイードテーブル、Ｄ……架台、１……回転刃、
２……エアーモーター、３……垂設金具、４……
エスケープ用エアーシリンダー、５……ガイド
軸、６……ガイド用円孔、７……カツターヘツド
フレーム、８……張り出し部材、９……貫通円
孔、１０……ベース板、１１……ポスト、１２…
…昇降台、１３……横貫孔、１４……スライドア
ーム、１５……角度設定ハンドル、１６……昇降
ハンドル、１７……カツテイング用エアーシリン
ダー、１８……結合部材、１９……昇降用ボル
ト、２０……摺動筒、２１……固定レバー、２２
……円孔、２３……ホルダー、２４……スライド
杆、２５……押えバー、２６……案内金具、２７
……テーブルベツド、２８……移動テーブル、２
９……送り用エアーシリンダー、３０……グリツ
プ用エアーシリンダー、３１……固定用エアーシ
リンダー、３２……板状のベツド、３３……移動
ガイド杆、３４……支持金具、３５……グリツプ
金具、３６……リミツトスイツチ固定台、３７…
…送り調整螺子、３８……雌螺子、３９……回転
ツマミ、４０……金具、４１……基礎部材、４２
……調理台、４３……被挾着板、４４……吸引
口、４５……蛇腹、４６……角度固定用ツマミ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 モーターの回転軸端部に回転刃を具備したカツ
   ターヘツドと、このカツターヘツドをスライドア
   ームを介してその軸方向に摺動自在に載架するコ
   ラムと、上記カツターヘツドの下方位置にあつて
   その摺動方向に直交する方向に移動する移動テー
   ブルを具備したフイードテーブルと、上記コラム
   およびフイードテーブルを載架する架台と、本ス
   ライサーの作動を制御する制御装置とを有するス
   ライサーであつて、 上記カツターヘツドとコラム側との間に摺動用
   流体圧シリンダを、上記回転刃とカツターヘツド
   のフレームの間にエスケープ用流体圧シリンダ
   を、上記フイードテーブルと移動テーブルとの間
   に移動用流体圧シリンダを各々配設し、上記移動
   テーブルに長手方向に延びる被挟持板を設けると
   ともに、上記移動用流体圧シリンダの伸縮部分に
   移動用挟持手段を、上記テーブルベツドに固定用
   挟持手段を、上記被挟持板を各々挟持するよう設
   け、 非作動状態で、上記各挟持手段が解除されて移
   動テーブルがテーブルベツド上を自在に移動可能
   になり、 自動状態において、制御装置の制御により、上
   記モーターの回転とともにエスケープ用流体圧シ
   リンダが作動して回転刃が上昇し、次に上記移動
   用挟持手段が上記被挟持板を挟持するとともに、
   固定用挟持手段が挟持を解除して後、移動用流体
   圧シリンダが作動して移動用テーブルを一ピツチ
   移動させ、次に上記固定用挟持手段が被挟持板を
   挟持するとともに上記移動用挟持手段の挟持が解
   除され、次にエスケープ用流体圧シリンダが作動
   して回転刃が降下して後、摺動用流体圧シリンダ
   が回転刃をスライドアームに沿つて摺動させると
   ともに、上記移動用流体圧シリンダが元の状態に
   戻り、次にエスケープ用流体圧シリンダが作動し
   て回転刃を上昇させ、次に摺動用流体圧シリンダ
   が回転刃を元の位置に戻す一連の各動作を繰り返
   し自動的にスライスするよう構成されていること
   を特徴とするスライサー。