JPS6240182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は紙コーンの成形方法に係り、更に詳
述すればロール状に巻回した長尺の樹脂薄膜コー
ト紙を引出して一定の長さごとに切断し、切断さ
れた方形の紙葉を１対方向に同じ速度で回転する
円錐状の成形コーンと押圧コーンとの間に挾入し
て成形コーンの吸着作用により紙葉を成形コーン
面に円錐形に巻回すると共に所要部分に溶融樹脂
を吹付添加して紙葉の端縁同志を重合し、成形コ
ーンと押圧コーン間で加圧するとともに、切断後
の前記吹付添加部分を加熱溶融させて貼着し、そ
の成形中に紙葉の外周縁を円錐形の中心軸に直交
す方向に切断して切口を正円形に仕上げるように
紙コーンの成形方法に関するものである。

出願人はロール状に巻回した紙葉の一側縁に糊
付けすると共に、この紙葉を一定の長さ毎に切断
し、方形の紙葉とした後コーン状に成形し、その
成形中に前記方形の紙葉の外周縁を円錐形の中心
軸に直交する方向に切断し、切口を正円形にする
紙コーンの成形方法を発明したが、紙葉に糊付け
する工程を伴う前記方法では糊の固化時間が長く
掛るため成形速度に限界があり、また糊の補給と
糊の表面固化防止や酸化防止のため人手が必要と
なり、無人化できなかつた。

この発明は上述した欠点を除去することを目的
とするもので、その特徴とするところはロール状
に巻回した紙葉を一定の長さに切断し、方形の紙
葉としたものを円錐状に巻回し、この円錐状に巻
回した紙葉の外周縁を円錐形の中心軸に直交する
方向に切断して切口を正円形に仕上げ紙コーンを
成形するに当り、前記紙葉の切断前にこの紙葉の
長さ方向の１側上面に溶融樹脂を吹き付け添加し
て紙葉を切断し、前記紙葉に添加された溶融樹脂
が固化しないように加熱ノズルにより熱風を吹付
けながら前記切断された紙葉の切断端から巻込ん
で円錐形とし、前記溶融樹脂の添加部分を巻回に
より対接する紙面に加圧接着することにより紙コ
ーンを成形することを特徴とする紙コーンの成形
方法を提供するものである。以下この発明を図に
示す一実施例について詳述する。

この方法に用いる紙葉としては一定幅で長尺の
紙１ａの一面にポリオレフイン等の樹脂を薄くコ
ートした樹脂薄膜１ｂを形成してなる樹脂薄膜コ
ート紙１の紙面に送り出し、速度を計測（数）す
るためのマーク１ｃを定寸間隔に印刷したものを
ロール状に巻回し、これを引出し鎖線に添つて切
断し、第２図に示す方形の紙葉１０１とし、樹脂
薄膜１ｂをコートした面に後述する溶融樹脂吹付
手段で添加し、これが固化しないように熱風炉か
ら断熱ダクトを介して加熱ノズルにより熱風を吹
付け、第３図に示すように切断端１ｄから巻込ん
で円錐形とし、樹脂薄膜の接着部分を巻回により
対接する紙１ａ面に加圧することにより接合せし
めると共に、その外周縁を円錐の中心軸に対して
直角方向に切断して第４図および第５図に示す紙
コーン１Ａを形成する。前記した切断によつて切
離される外周の切屑３は第２図および第３図にお
いて鎖線で示したように方形の紙葉１０１の角隅
の弧状線１ｅより外方の略三角形の部分に相当す
るものである。以下このような構成の紙コーンを
製造する方法について述べる。

第６図および第７図に示すようにロール状に巻
回した樹脂薄膜コート紙１はその巻軸を機体４の
一側方に突出する支腕５の軸受６に軸支し、ロー
ル面に接触するばね片７により加圧されて適度の
テンシヨンを付加して引出される。前記樹脂薄膜
コート紙１は機体４に軸支したガイドロール８〜
１１およびテンシヨンロール１２を経て駆動ロー
ル１６と加圧ロール１７との間に引出され固定刃
１８と回転刃１９の協動による剪断作用を受けて
方形の紙葉となる。この剪断工程に前後する如く
固定刃１８と回転刃１９の前後で紙葉１０１の一
側で第１図、第２図、第９図乃至第１３図に示す
ように貼着部に第１４図に示すホツトメルト融着
機６０（アプリケータ）に断熱ホース６１を接続
し、自動ガン６２にホツトメルト接着剤６３を送
り、溶融樹脂を吹付添加するとともに帯状の枠２
部分に並行な側縁に図示していない熱風炉からダ
クト１３で導かれて送られて来た熱風（300〜400
℃）を吹出す加熱ノズル１５を配設し、溶融樹脂
の固化を防止する。

なお、第１４図において、６４はエアピスト
ン、６５はエアーシリンダ、６６はノズル、６７
はボールチツプ、６８はヒーテイングエレメン
ト、６９はエアー入口、７０はインシユレータ、
７１はソレノイドバルブ、７２はサーモスタツト
をそれぞれ示すものである。

また駆動ロール１６と回転刃１９とは第８図に
示す連動機構をもつて互に連動して回動する。回
転刃１９はその心軸２０に取付けた鎖車２１を機
底の電動機２２によつて回転し、駆動ロール１６
は心軸２０の他端の差動歯車群２３を経て回転す
る鎖車に懸架した鎖帝２５で回転される鎖車２６
を固着した心軸２７に取着けられている。

然して心軸２０にはウオーム輪２８を緩く軸通
し、ウオーム輪と噛合するウオーム２９を後記す
る所要時間にインダクシヨンモータ３０をもつて
回転し、ウオーム輪２８に軸着した遊星歯車３１
より差動歯車群２３を経て駆動ロール１６の心軸
２７の回転数と回転刃１９の心軸２０の回転数と
を相対的に微調整する。回転刃１９をもつて切断
された方形の紙葉１０１は第９図、第１２図およ
び第１３図に示すように傾斜状に設定した案内板
３２上を滑り落ちて円錐状の成形コーン３３に近
づき、成形コーン３３に穿設された複数個の気孔
３４の真空吸引作用によつて紙葉１０１の一端が
成形コーン３３に吸着される。

成形コーン３３は第１０図に示すように気孔３
４と連通する中心孔３５を有する管軸３６に取着
けた傘歯車３７と噛合する傘歯車３８を経て電動
機２２より連動回転するが、傘歯車３８の回転軸
３９に取着けた正歯車４０と噛合する正歯車４１
を経て押圧コーン４２を成形コーン３３と反対方
向に同速回転する。

然して押圧コーン４２は第１１図に示すように
カム４３をもつて揺動する腕材４４に取着けられ
て成形コーン３３に近接し、或は離開するように
なつている。

成形コーン３３の中心孔３５は気函４５内に突
入して開口し、気函４５に真空吸気管４６、圧縮
空気管４７を連結し、紙葉１０１が成形コーン３
３に近づいたとき吸気管４６を作動して紙葉１０
１を気孔３４によつて吸着し、これと共に押圧コ
ーン４２が成形コーン３３に近接して両コーンが
反対方向に同速回転することにより紙葉１０１を
成形コーン３３に巻回する。

成形コーン３３の管軸３６に取着けられた正歯
車４８と噛合する正歯車４９の回転軸５０に円刃
カツター５１を取着けて円刃カツター５１を常時
成形コーン３３の内端の切落し段面に接して回転
する。従つて回転刃１９で切断されて案内板３２
上を滑り落ちた紙葉１０１が第１２図に示すよう
に成形コーン３３と押圧コーン４２の間に送り込
まれて、その前方端縁１ｄが成形コーンの気孔３
４に吸着され、両コーン反対方向の同速回転によ
り紙葉１０１は第１３図に示すように成形コーン
３３に接しつゝ巻回される。この場合に四辺形の
紙葉１０１は第３図に示す角隅の弧状線１ｅより
外方の部分を円刃カツター５１によつて切取り、
その切屑３は円刃カツター５１に近く開口する排
出ダクト５２によつて機外に排出される。成形コ
ーン３３に巻回され、側縁で接着されて成形した
紙コーンは押圧コーン４２の離開と、成形コーン
３３の中心孔３５を吸気管４６の閉止圧縮空気管
４７の連通に切換えることにより、気孔３４より
強力に吹き出す空気をもつて成形コーン３３の前
方の受函５３内に放出し、次に成形されて放出さ
れた紙コーンが次第に嵌め込まれて一定個数とな
つたとき、受函５３より機外に投げ出される。機
体外に真空ポンプ５４、空気圧縮機５５を具え、
それぞれを成形コーン３３に対する吸気管４６、
圧縮空気管４７と連結して適正時期に電磁弁５６
が作動して切換えるようにする。排出ダクト５２
は圧搾空気の噴出による流速をもつて負圧として
切屑３を吸込み排出を行うものである。

成形コーン３３の下方の機台上に１対の光電管
検出器５７，５７を有し、成形コーン３３に正常
に巻回されずに下方に落下する紙葉１０１があつ
たとき、光電管検出器５７を通し電動機２２の回
転を停止し、正常に動作しない原因を点検して修
理するものとす。

また紙葉１０１には商標其他適宜の図形が印刷
されており、これを巻回して紙コーンに成形した
とき図形の位置がすべての紙コーンで一定してい
ることが望ましく、そのための紙葉１０１の表面
側の所定位置に一定間隔毎にマーク１ｃが表示し
てあり、このマーク１ｃを紙葉１０１がガイドロ
ール９，１０間を進行するときに検出器５９をも
つて送り出し速度を検出する。

然して紙葉１０１を回転刃１９をもつて切断す
る位置が正規の位置より前方又は後方に若干ずれ
ているとき、紙葉１０１を駆動ロール１６で送り
出す速度を遅速微調整するものであつて、そのた
めのインダクシヨンモータ３０の作動は検出器５
９と連動して適正に行われる。

本発明の紙コーン成形方法は以上のように構成
し、紙葉を予め扇形に切断することなく長尺のま
まロール状に巻回したものを使用して円錐形に成
形すると共に、その上端外周縁の不揃い部分を切
断することにより紙コーンを成形するものであつ
て、連続的の一工程をもつて多量生産することが
できる特長がある。

然して紙コーンが白紙のまゝのものであれば一
定の長さに切断した紙葉で一定形体のものを成形
することができるが、一般に紙コーンには菓子類
を製造するメーカーの名称商標或はアイドルの図
柄模様等が表現されているので各紙コーンの図柄
模様の位置が不揃いとならないようにすることが
必要である。

本発明は紙葉１０１を送り出す駆動ロール１６
と紙葉を切断する回転刃１９の各心軸２７，２０
の回転数を相対的に微調整できるようにしたこ
と、さらに紙葉１０１が成形コーン３３及び押圧
コーン４２の間に挾まれて円錐形に巻回されると
き何等かの原因で挾圧不良又は正規の巻回が行わ
れずに両コーン３３，４２の間から落下したとき
にこれを直ちに検知して連続して供給される紙葉
の巻回不良となることを防止し、さらにまた円錐
形に巻回された外周縁を正円に切断することによ
つて発生した切屑を散乱することなく、排出ダク
ト５２をもつて機外の１個所に集収するようにし
たことを等の特長を有し、連続的多量生産に適す
るものである。

以上述べたようにこの発明はロール状に巻回し
た紙葉を一定の長さに切断し、方形の紙葉とした
ものを円錐状に巻回し、この円錐状に巻回した紙
葉の外周縁を円錐形の中心軸に直交する方向に切
断して切口を正円形に仕上げて紙コーンを成形す
るに当り、前記紙葉の切断前にこの紙葉の長さ方
向の１側上面に溶融樹脂を吹き付け添加して紙葉
を切断し、前記紙葉に添加された溶融樹脂が固化
しないように加熱ノズルにより熱風を吹付けなが
ら前記切断された紙葉の切断端から巻込んで円錐
形とし、前記溶融樹脂の添加部分を巻回により対
接する紙面に加圧接着することにより、成形速度
のスピード化と成形の無人化を計り得るようにし
たものである。

さらに接着に当つてはホツトメルト融着機によ
り自動接着するため作業前の準備、表面固化の防
止作業や作業後の後片付け等が全て不要となるか
らコーン成形の自動化が容易で、無人運転化がで
きるためコーンを安価にかつ多量に加工できる等
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は紙コー
ンを形成するための長尺の紙葉の一部を示す正面
図、第２図は長尺の紙葉を１個の紙コーンを形成
するに必要な長さに切断した状態の正面図、第３
図は紙葉を一側端から内方に巻込んで円錐形に成
形する状態の斜視図、第４図は円錐形に成形した
ものゝ外周縁を切断して円形の切口の紙コーンと
したものゝ斜視図、第５図は第４図Ａ―Ａ横断面
図、第６図は紙コーン成形方法の正面図、第７図
は同じく側面図、第８図は駆動ロールと回転刃の
連動関係を示す要部の斜視図、第９図は回転刃で
切断した紙葉が案内板上を滑つて成形コーンと押
圧コーンとの間に落下する状態を示す要部の斜視
図、第１０図は第９図Ｂ―Ｂ線で切断した平面
図、第１１図は第９図Ｃ―Ｃ線で切断した側面
図、第１２図は成形コーンと押圧コーン及び円刃
カツターの回転方向を示す正面図、第１３図は円
刃カツターで切断した切屑が排出ダクトに吸込ま
れる状態を示す要部の正面図、第１４図はホツト
メルト融着機の１例を示す構成図である。 １０１……紙葉、１ｄ……切断端、１ｅ……弧
状線、２……枠、３……切屑、４……機体、５…
…支腕、６……軸受、７……ばね片、８，９，１
０，１１……ガイドロール、１２……テンシヨン
ロール、１３……ダクト、１５……加熱ノズル、
１６……駆動ロール、１７……加圧ロール、１８
……固定刃、１９……回転刃、２０……心軸、２
１……鎖車、２２……電動機、２３……差動歯車
群、２４……鎖車、２５……鎖体、２６……鎖
車、２７……心軸、２８……ウオーム輪、２９…
…ウオーム、３０……インダクシヨンモータ、３
１……遊星歯車、３２……案内板、３３……成形
コーン、３４……気孔、３５……中心孔、３６…
…管軸、３７，３８……傘歯車、３９……回転
軸、４０，４１……正歯車、４２……押圧コー
ン、４３……カム、４４……腕材、４５……気
函、４６……真空吸気管、４７……圧縮空気管、
４８，４９……正歯車、５０……回転軸、５１…
…円刃カツター、５２……排出ダクト、５３……
受函、５４……真空ポンプ、５５……空気圧縮
機、５６……電磁弁、５７……光電管検出器、５
８……マーク、５９……検知器、６０……ホツト
メルト融着機、６１……加熱ホース、６２……自
動ガン、６３……ホツトメルト接着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ロール状に巻回した紙葉を一定の長さに切断
   し、方形の紙葉としたものを円錐状に巻回し、こ
   の円錐状に巻回した紙葉の外周縁を円錐形の中心
   軸に直交する方向に切断して切口を正円形に仕上
   げて紙コーンを成形するに当り、前記紙葉の切断
   前にこの紙葉の長さ方向の１側上面に溶融樹脂を
   吹き付け添加して紙葉を切断し、前記紙葉に添加
   された溶融樹脂が固化しないように加熱ノズルに
   より熱風を吹付けながら前記切断された紙葉の切
   断端から巻込んで円錐形とし、前記溶融樹脂の添
   加部分を巻回により対接する紙面に加圧接着させ
   ることにより紙コーンを成形することを特徴とす
   る紙コーンの成形方法。