JPS6239553Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気機器のスイツチ等の取付構造に関
するもので、その目的とするところは確実な防水
機能を有し、機器部品の長寿命化を図ることので
きる構造の簡単な製品を安価に提供しようとする
ものである。

従来のスイツチ操作部は第４図、第５図に示す
ように断面Ｌ字形のパネルベース２５と前面側化
粧板２６とから成る操作パネル部２７の箱形空間
にスイツチ本体部１１を内蔵し、該スイツチ本体
部１１と外部操作ツマミ１２とを前面化粧板に設
けた穴２８を貫通する丸軸１３及び回り止め用ピ
ン２１によつて接続されている。スイツチ本体部
１１の丸軸貫通部にゴム等からなるシール部２３
が設けられている。丸軸１３及びピン２１を嵌着
自在にしたツマミのボス部２２と、このボス部を
嵌合した前面化粧板２６の凹部２９壁面とは隙間
を隔てている。

上記のような構成を有する従来のスイツチ操作
部は、前面化粧板の表面に設けた表示板２４の、
操作ツマミ１２のボス部２２が貫通する凹部の周
縁にフランジ起し３０を設けると共に、シール部
２３により水の浸入をできるだけ排除し、前面化
粧板の凹部２９に入つた水は水抜き穴３１より除
く手段がとられていた。しかしゴム等より成るシ
ール部は洗剤、仕上剤、漂白剤、油等で劣化する
おそれがあり、しかも洗濯機を一般家庭で使用す
る場合、使用者が洗剤液のついた手で、スイツチ
等の操作部に接触し、洗濯槽から脱水槽へ布を移
す場合にスイツチ等の操作部に洗剤液をかけ、洗
濯機が汚れたときには操作パネル部を水洗いする
こともあり、さらに高湿条件下で使用されるとス
イツチ部に水が入り易い。さらに丸軸に付着した
ほこり、異物等もシール部と丸軸との間に入り込
み易い等の難点がある。

本考案は上記のような従来品の難点を解消した
もので、以下一実施例として示した図面に従つて
その構成を説明する。

一般的な洗濯機の外観構造は第１図に示す通り
である。１は本体で、下部に底部台枠２を有し、
洗濯脱水槽を有するタンク３を内蔵している。４
は洗濯槽蓋、５は脱水槽蓋、６はタンク３の上部
後方に設けた箱状の操作パネル部で、洗濯タイマ
ー７、水流切換スイツチ８、排水開閉切換コツク
９、脱水タイマー１０等を内装している。

第２図は操作パネル部６に内蔵したスイツチの
１つを示したもので、１１は洗濯タイマー７のス
イツチ機構、１２はスイツチ機構１１と丸軸１３
により接続された外部操作用のツマミである。１
４は操作パネル部６の前面側化粧板１５に設けた
凹部で、ツマミ１２のボス部が嵌合し、一部に水
抜穴１６を有する。化粧板１５は熱可塑製合成樹
脂により成型されている。１７は化粧板１５の凹
部１４に設けた丸軸１３貫通用の大径孔部で、丸
軸１３の径ｄよりも十分大きい径を有する。１８
は大径孔部１７の内周縁に化粧板１５と一体形成
した薄肉部で、中心部に向けて次第に薄く、丸軸
の外周を覆いかつ丸軸１３貫通用の中央穴１９の
径d₁は丸軸１３の径ｄよりも若干小さく形成され
ている。２０は薄肉部１８の直径方向に設けた切
り込みで、薄肉部１８の最大径部から、中央穴１
９に向け金型上で隙間なく、単に切り込みが入つ
た形状としたものである。２１は丸軸１３を貫通
しツマミ１２のボス部２２内に装着された回り止
め用ピン、２３はスイツチ機構１１の丸軸１３貫
通部に設けたシール部である。２４は化粧板１５
の前面に設けた表示板で、ツマミ１２貫通部周縁
にフランジ起しが設けられている。薄肉部１８の
中央穴１９に丸軸１３を通してからピン２１を打
つと、薄肉部１８に切り込みを設ける必要がない
が、丸軸にピン２１を打つてから組立てる方が作
業性が良く、この場合、切り込み２０を設けたも
のを用いると、ピン２１がφ２mm程度であり、さ
らに形状等を考慮するとピン２１を切り込みに通
した後も、切り込み２０に隙間を生ずることもな
く、樹脂の可撓性を利用して十分復元出来、シー
ル効果を損なうこともない。

第３図では切り込み２０はピン２１の方向と平
行に設けてあるが、ピン方向に対し直角方向に設
けると切り込み２０がピン２１挿入後、若干隙間
ができたとしても機器に装着したとき丸軸１３の
中心線より上に切り込みがなく、より安全であ
る。

上記実施例では回転方式のツマミ機構の場合に
ついて説明したが、ツマミを上下動させる方式の
場合にも、同様に用いることができ、この場合丸
軸とする必要はない。又、薄肉部を別体で設けて
も同様の効果を得ることができる。

本考案は上記のように丸軸貫通穴の丸軸１３周
縁を薄肉部１８で完全にシールすることができ、
水等の浸入のおそれがなく、しかも化粧板と一体
に化粧板よりも薄肉としたことにより、丸軸より
も小径の穴１９に丸軸１３を圧入するため必要な
かなりの力、又丸軸１３を回転させる為の回転ト
ルクが大となつて生ずる摺動抵抗の増加を防ぐこ
とができ、スイツチ本体１１の内部構造で回転力
を与えるゼンマイ又はモーターのトルクの増加、
コスト高のおそれもない。

したがつて、本考案によれば操作部分の周囲を
シールする薄肉部が化粧板と一体形成されている
ため作業性がよく、また薄肉部は中心部に向けて
次第に薄くなつているので薄肉部の中心部を貫通
している操作部分周囲は最も薄く、密着しやすく
密着性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は脱水洗濯機の一例を示す外観斜視図、
第２図は本考案によるスイツチ取付構造の一実施
例を示す要部断面図、第３図は第２図において用
いた化粧板のスイツチ取付け部の平面図、第４図
は従来の洗濯機等のスイツチ取付構造の一例を示
した要部断面図、第５図は同斜視図で、一部を断
面したものである。 １１……スイツチ機構、１２……ツマミ、１３
……丸軸、１５……化粧板、１８……薄肉部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 箱状の操作パネル部内部に設けたスイツチ等
   の操作部分が、前記操作パネル部を覆う化粧板
   の貫通孔部を介して内部から外部へ貫通し、こ
   の化粧板の貫通孔部の内周に化粧板と可撓性を
   有する合成樹脂からなる薄肉部を一体に形成
   し、この薄肉部を中心に向けて次第に薄くして
   操作部分貫通部をシールするように構成したこ
   とを特徴とする電気機器のスイツチ等の取付構
   造。 (2) 貫通孔部内周の薄肉部シール部に直径方向に
   切り込みを入れたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の電気機器スイツチ等
   の取付構造。