JPS6239231B2 - - Google Patents

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JPS6239231B2
JPS6239231B2 JP4394983A JP4394983A JPS6239231B2 JP S6239231 B2 JPS6239231 B2 JP S6239231B2 JP 4394983 A JP4394983 A JP 4394983A JP 4394983 A JP4394983 A JP 4394983A JP S6239231 B2 JPS6239231 B2 JP S6239231B2
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JP
Japan
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steel
ferrite
less
rolling
temperature
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JP4394983A
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Hiroshi Yada
Giichi Matsumura
Hiroe Nakajima
Toshio Kikuma
Toshiki Yabuta
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、加工としては熱延加工のみで表面部
に極微細なフエライト結晶組織を有し、延性及び
強度に優れた高張力鋼板を製造する製造方法及び
その製造方法で製造した高張力鋼に関するもので
ある。 鋼の高張力化の方法には種々あるが、自動車等
の構造物に用いられる低炭素構造用鋼においては
次の3つの方法が実用的な方法である。 (イ) フエライトの細粒化。 (ロ) ベイナイト、マルテンサイト組織による強
化。 (ハ) 析出強化。 このうち(イ)は延性靭性のからも最も望ましい方
法であるが、通常細粒化には限界があり、またそ
の強化効果はそれほど大きくない。即ちフエライ
トの結晶粒度は、Nb鋼で5μ程度、普通鋼で10
μ程度が限界であつて、これにより得られる強度
は引張強さで40〜50Kg/mm2程度に過ぎない。 一方(ロ)のベイナイトやマルテンサイトによる強
化効果は大きく、焼入性が十分であれば、80Kg/
mm2から100Kg/mm2以上の強度が容易に得られる
が、延性や加工性の点から構造物等に用いて安全
な鋼材ではない。このためフエライトの延性とマ
ルテンサイトの強度とを組み合せた二相組織の高
張力鋼が開発されたが、このような鋼を従来の圧
延冷却処理で得るのには多量の合金元素が必要
で、高価な鋼となるのは避けられない。 また(ハ)のNb、V等による析出強化の利用は広
く行われているが、その成分自身が高価であるば
かりではなく、その溶体化に高温の加熱が必要で
あるなどにより生産コストが高くなり、また強度
を高めると靭性、延性が劣化するのでその強化に
は限界がある。 本発明は、従つて低コストの成分系で、加工と
しては熱間圧延(とくにホツトストリツプ圧延)
を行うのみで得られ、自動車等の構造物に用いる
に適した強度と延性の両方をもつ画期的な高張力
鋼板と、その製造方法の提供を目的とする。 本発明者は変態域で1パスまたは累積の大圧下
を行えば、普通の炭素鋼で粒径3〜5μ以下の極
細粒フエライト粒が大部分を占める組織を有する
延性のすぐれた高強度鋼材を製造しうることを知
見し、特願昭56−19985号(特開昭58−123823
号)等で出願した。 しかし前述のように、フエライトの極細粒化で
得られる強度上昇には限界がある。また実際の圧
延において、最も細粒が得られる最適な温度域は
せまいこと、かつ又、実際の鋼板の温度はロール
との接触やロール冷却水などのため厚み方向に温
度分布を持つことが知られている。 このような圧延中の温度分布を直接測定するこ
とは不可能であるが、最近は電子計算機による温
度のシミユレーシヨンモデルが研究され、発表さ
れており、これによる計算は種々の実験や測定に
より現実の鋼板の温度分布状態をよく表現してい
る。そして5mm厚の鋼板のホツトストリツプ圧延
時の表面部と中心部の温度の時間経過を計算した
ところ表面部と中心部との温度差が30℃以上もあ
ることが判明し、前記のせまい最適温度域で全板
厚を通じて同一組織にするのは、むづかしいこと
が知られた。 本発明は、上記の板厚方向に温度差を生じるこ
とを逆に利用して本質的に同一組成で表面部と中
心部とで所望の異つた組織状態をつくり出し、こ
れにより強度、延性がすぐれている高張力鋼を得
ようとするもので、具体的には表面部が延性のす
ぐれた微細粒フエライト組織で中心部は一般によ
り高強度の組織であり、そして板厚方向に重層し
た組織を有する鋼とその製造方法に関する。従来
はこのような組織の鋼とその製造方法は存在しな
かつた。 而して、本発明の要旨とする処は、 重量%でC:0.3%以下、Si:1.5%以下、Mn:
2%以下と残部Feおよび不可避的不純物からな
り、表面から少くとも0.3mm厚さの部分は平均5
μ以下の粒径の加工誘起等軸フエライト結晶粒が
70%以上を占め、該表面附近部を除く鋼材内部が
主としてベイナイトおよびマルテンサイトの1種
または2種からなる金属組織を有することを特徴
とする靭性に優れた表面微細粒フエライト鋼、及
び 重量%でC:0.3%以下、Si:1.5%以下、Mn:
2%以下と残部Feおよび不可避的不純物からな
る鋼片から熱間圧延、次いで冷却によつて鋼材を
製造するに際し、上記圧延の終段で、表面部が
Ar3±50℃以内の温度域にあり且つ中心部が表面
部より平均20℃以上高い温度を有するときに、1
パスで、または2パス以上の合計で50%以上の実
質減面率の加工を5秒以内に加え、表面部から少
くとも0.3mmの厚さの部分で微細フエライト粒を
生成せしめることを特徴とする表面微細粒フエラ
イト鋼の製造法、 にある。 かゝる本発明鋼の組成範囲を決定した主なる理
由は次のとおりである。 即ち、炭素量は0.3%以下に規定したが、一般
に炭素量が大なると、フエライト量が必然的に減
少し、パーライト量が増加する。本発明鋼では通
常の状態図からの予想以上にフエライトが生成す
るが、炭素が0.3%鋼になると、パーライト等の
他の組織の量が増加し、フエライト量70%以上を
得ることが困難になるので、上記成分範囲とし
た。 Siは鋼に通常脱酸等の目的で添加され多少は含
有されており、また本発明においてはフエライト
量を増加させる効果があるので故意に添加する場
合もある。しかし1.5%を超えて添加するとフエ
ライト結晶粒が粗大化しやすくなるので1.5%以
下とした。 またMnは変態点を調節し加工誘起変態を起り
やすくし、また加工誘起フエライトの急速な粒成
長を防止することにより細粒化に寄与し、また鋼
の焼入性を増すことにより表面微細粒部を除く鋼
材内部にベイナイトとマルテンサイトの一種また
は二種からなる焼入組織を形成せしめるに効果が
ある。しかし2%を超えて添加すると変態温度が
下り表面の微細粒フエライトが生成しにくくなる
ので2%以下と定めた。 P及びSは通常鋼中に多少は含有される元素で
あつて多量に含有されれば鋼の延靭性を損う。然
し通常の鋼に含まれている量P0.03%以下、S0.02
%以下程度では本発明の本質に大きな影響を与え
ないので特にその量の限定を行わない。 Nも不純物元素として鋼中に多少は含有するが
その量は通常0.002〜0.01%程度であり、この範
囲内では本発明鋼の特性にそれほど影響を与えな
い。なおN量が0.002%より少ない場合は加工誘
起変態が本発明におけるより容易に起るようにな
り、また0.01%を超えるととくにAl、Ti等の元素
を含む場合ではやゝ起りにくくなる。 Alは通常脱酸のため鋼中に多少は含まれてい
るが、通常含有される程度0.1%以下ならば、一
般に本発明鋼の特性に大きい影響を与えることは
ない。 以上の鋼の成分組成によつて、従来の製法によ
り製造した鋼に見られるような、凝固時の偏析な
どにもとづく鋼材中での組成の不均一性は、当然
本発明の製法により製造した鋼にも存在を許容さ
れる。 本発明の鋼は加工としては熱間圧延加工のみで
製造されるが、本発明の鋼が製造される特定の圧
延条件範囲は次の通りである。本発明の鋼を製造
するための制限条件は、仕上圧延に至るまでの過
程にはなく、仕上圧延の終段にある。即ち、本発
明の鋼の表面部を極細粒フエライトになすため
に、鋼をAr3変態点附近で強圧下することであ
る。 こゝでAr3変態点とは加工を受けない鋼が徐冷
されたとき変態を開始する点と定義する。 上記の条件は、Ar3変態点附近の温度(鋼の成
分組成によつて異るが、例えばAr3−50℃から
Ar3+100℃の間)の鋼は、加工を行わなければ
かなり長時間放置しても変態は起らないが、この
領域で合計70%以上の加工を5秒以内の短時間で
1パスで、または2パス以上の累積で加えると圧
下中にあるいは圧下直後にまでわたつて微細粒の
フエライトが多量に生成するという新らしい事実
を知得したことに基づく。 上記の加工による仕上温度(℃)とフエライト
変態率(%)とを関係を0.11C―1Mn鋼について
表示したものが第1図で、該図のA点では850℃
の仕上温度で等軸細粒フエライトが25%生成し
(残部未変態オーステナイト)、B点では800℃
(Ar3変態点近傍)で、該フエライトが95%に生
成し、C点では740℃で伸長フエライトが98%に
生成し、D点では930℃でマルテンサイトが生成
していることを示している。 また、第1図のA、B、C点の各組織の圧延直
後、及び冷却条件を変えて冷却したあとの夫々の
状態を第2図に示す。 前記のように、フエライトの量(変態の比率)
はAr3変態点附近(B点近傍)で最大となり(こ
のときの組織を第2図Bに模式的に示す)、それ
より高温では熱力学的に生成しにくくなり、フエ
ライト量は減少する(第2図A)。またAr3変態
点以下の温度では前以つて初析フエライトが生成
し残りのオーステナイト量が減少する結果フエラ
イト変態率も減少する。なお第2図は多パス圧延
の場合であつて、このときのパススケジユールは
第1表に示したものと同一である。 第2図Bの場合には、はじめ生成したフエライ
トが後のパスで加工を受けて伸長するが、Ar3
附近では加工中または加工直後に再結晶が起り、
加工されたフエライトも等軸となるので非常に等
軸フエライト量が多くなる。一方、より温度が下
ると加工されたフエライトが再結晶しにくくなり
第2図Cのように加工フエライトとしてそのまゝ
残る。 以上は加工直後の状態を最急冷した場合の組織
A1〜C1(第2図)から推定したものであるが、
同図中に示すように冷却中に残りのオーステナイ
トの変態などが進行し、冷却速度により異つた組
織が生ずる。まず、Aの組織からはごく緩冷のと
きは微細フエライトからフエライトがさらに成長
し、比較的粗粒のフエライトと残部Ar1点以下で
変態したパーライトとからなる通常の軟鋼とさほ
ど変らない組織(A3)となる。しかし例えば60
℃/secのような急冷を行うとベイナイトが細粒
フエライトを起点にして生成し、比較的細かいベ
イナイトが一見殆んど全面を占める組織(A2)と
なる。これに対してBの組織から出発した場合は
すでにフエライト変態が殆んど完了しているの
で、緩冷の場合のみにフエライトの加工歪がやゝ
回復して炭化物が析出し(B3)、残りのごく少量
のオーステナイトが冷却速度により、パーライト
(B2)、ベイナイト(B2)もしくはマルテンサイト
(B1)になるのみであり、冷却速度を変えても全
体としてはそれほど大きく変化しない。 また組織Cの場合も、おおむね組織Bと同様に
変化は小さいが、緩冷の場合は冷却中に静的に再
結晶が進行し、Bの場合よりもやゝ粗粒となる。 ところで一般に鋼板は、圧延中にロールとの接
触あるいはロール冷却水等のために鋼板表面の冷
却が早く圧延ロールをはなれた時点で表面部と中
心部との間にかなりの温度差が生じている。この
温度差は時間経過とともに表面の復熱のために小
さくなるが、ホツトストリツプミルのように短い
パス間時間で連続熱延される場合はかなりの温度
差が圧延中を通じて維持される。 第3図はその1例で第2表に示した成分組成の
鋼の、中心部が表面部より30〜70℃程度高い温度
で圧延される。 こゝで表面部が第1図B点に相当し中心部が同
A点に相当するような温度で圧延したとすると、
表面部は圧延直後に第2図の組織Bのようにほぼ
全面が細粒フエライト組織となり、その後の冷却
でそれほど変らないが、中心部は加工直後に同組
織Aのように一部微細フエライトになり残部が未
変態のオーステナイトであるので冷却速度によつ
てA1〜A3のような種々の組織が得られ、従つて
表面部よりも高硬度のものから低硬度のものまで
任意の硬度のものが選択製造できる。 本発明は以上の原理にもとづくものであり、本
発明方法においては、有効な仕上圧延パスに入る
前の鋼材の表面部温度がAr3附近、すなわち鋼成
分にもよるがAr3±50℃以内であつて、しかも中
心部の温度が表面部温度より20℃以上高くなつて
おればよい。上記の温度条件は多パス圧延の2パ
ス以降、とくに連続熱延の後段において実現され
やすく、1パス圧延の場合には圧延後の冷却で上
記の温度状態を生じさせることもできる。 こゝで中心部の温度や圧延直後の表面の温度は
一般には実測が困難であるが、前記のように近年
計算機によつて圧延工程での各断面位置の温度経
過をかなりの精度で計算予測可能である。上述の
温度は公知の計算機プログラムで計算されたもの
で代用できる。 また圧下歪の量は、前述のように板全体を超細
粒フエライトとするためには、1パスでまたは2
パス以上の累積歪が70%以上という大圧下が必要
であるが、よく知られているように圧延加工によ
つて鋼材表面部では圧下歪に剪断歪が附加されて
実質歪が大きくなるので、剪断歪を考慮して圧下
による全体の減面率は50%以上あればよい。この
ように後段に大圧下することにより鋼材表面部と
中心部との温度差が大きくなり、本発明の趣旨で
ある表面部と中心部との組織差を生じせしめるの
に有利である。 尚、加工される熱延鋼材はある程度以上の仕上
断面大きさがなければ各段の圧延直後の復熱が早
いなどの理由で終段の圧延時に有効な温度差が生
じない。 圧延後の冷却については上述のように種々の冷
却方法、速度によつて内部の組織を変化させるこ
とができる。中心部を主としてベイナイトもしく
はマルテンサイトのような組織とした高張力鋼材
を得る場合には、主組織が変態する温度域(たと
えば750℃℃から500℃)を急冷(例えば30℃/
sec以上)すればよく、圧延後該急冷温度になる
までの間は放冷をしてもよくまたそれが望ましい
場合も多い。また急冷後についても同様である。 一方徐冷して内部もフエライト・パーライト組
織にする場合は、フエライトの粗大化が起らぬよ
う放冷または弱水冷などにより5〜30℃/secの
冷却速度域が望ましい。 このようにして製造した鋼の表面部は極めて延
性があり、加工性にすぐれた超細粒フエライト組
織になるため、中心部が高靭性のベイナイトまた
はマルテンサイト等で延性、加工性の多少劣る組
織であつても鋼全体としてかなりすぐれた延性加
工性を有すると共に高強度である。 なお表面部が第1図B点の温度で中心部が同A
点の温度のような場合は、前述のように中心部は
当初の細粒フエライトが多少生成しているので、
残りの大部分がベイナイトまたはマルテンサイト
となつても中心部の組織は比較的細くなるか、あ
るいは生成していたフエライト部の延性が附加さ
れ、中心部が同図D点のような状態から生成した
場合に比べて特性がすぐれている。 上記表面部があまり薄ければ、それによる特性
改善はあまり期待できず、少くとも0.3mmの微細
粒フエライト層が必要である。 以上の説明は主として鋼板について行つたが、
円形その他種々の断面のものにも適用可能であ
り、鋼板の場合は少くとも仕上板厚は2mm以上、
円形断面であれば仕上径が4mm以上あればよい。 以下本発明の実施例について説明する。 実施例 第2表に示す化学成分組成の鋼を転炉溶製し連
続鋳造して250mm厚のスラブとし、1100℃に加熱
しホツトストリツプミルで圧延した。粗圧延で40
mmのバーとした後、温度を調節して第1表に示す
ような温度で仕上タンデム圧延機にかみ込ませ
た。パススケジユールは第1表に示したものと同
じで、圧延後の板厚は4.9〜5.2mmであつた。圧延
直後の実測表面温度(仕上温度)は第1表中に示
す通りで、これは復熱後の計測であるのでほぼ終
段圧延時の中心部温度に当る。このときの計算平
均表面温度も併せて示した。 この計算は公知の計算機プログラムを用いて行
つた。この圧延時にF3からF5までの圧下所要時
間は5秒以内であり合計圧下率は74%である。そ
してF3入口での鋼材表面部と中心部の温度差は
45℃となつている。熱延後の冷却条件の尺度とし
て捲取温度も併せて示した。 第3表は第1表の本発明の実施例の試番、
の鋼板と比較例の試番〜の鋼板の組織および
機械的性質を示したものである。 第4図に実施例の板厚方向の組織変化を、第
5図にその粒度aおよび硬度b変化を示す。表面
微細粒部と中心部高硬度ベイナイト部とのサンド
イツチ型の組織、硬度分布になつている。尚第4
図aは板厚方向の金属組織の250倍顕微鏡写真を
示し、第4図bは第4図aのA部(表面層)の金
属組織の500倍顕微鏡写真を示し、第4図cは第
4図aのB部(表面から約1mm)の金属組織の
500倍顕微鏡写真を示す。 第6図はこれら各試番の機械的性質のうちとく
に実用上重要な強度―延性の関係を、従来鋼のレ
ベルと比較して示す。この図から本発明で得られ
た表面微細粒鋼は比較例と比べると同一強度であ
つて、最低延性値が良好な値であることがわか
る。 実施例については硬度差が表面部と中心部と
でそれほどなく、むしろ中心に向つてやゝ硬度が
減少する通常の鋼の様相を示すが、表面が微細粒
になつていることと、内部が比較的細粒のため、
通常のフエライト―パーライト鋼(試番)に比
べ、延性が良い。 実施例は比較例中心部ほゞ同一強度のベイ
ナイト鋼であるが、表面部が等方的な細粒方向の
ためと、ベイナイト自身が前述のように等軸フエ
ライトを核として生成するため延性が等方的で綜
合して延性が良好である。試番と同じ仕上温度
である比較例の試番は加工率が小さいためやは
り延性の異方性が大きいベイナイト組織で、さら
に表面も加工組織であるため試番よりさらに延
性が不良となる。 以上のように本発明方法によれば、同一強度で
従来の製造法により製造された鋼と同一強度であ
つて延性が良好な鋼が得られ、従来のラインに直
ちに適用でき、自動車等に用いられる高張力鋼板
などの製造法として実用的なすぐれた方法であ
る。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、0.11C―1Mn鋼の仕上加工温度と加
工によるフエライト変態率を示す図表、第2図は
冷却による組織変化の模式図、第3図は第1表の
実施例1の温度経過計算結果を示す図表、第4図
は実施例の板厚方向の組織を示す金属組織の顕微
鏡写真、第5図は表面部微細粒鋼の板厚方向の組
織aと同じく硬度分布bを示す図表、第6図は第
1表の実施例、、比較例、、のそれぞ
れの引張り強さと伸びとの関係を示す図表であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で、C:0.3%以下、Si:1.5%以下、
    Mn:2%以下と残部Feおよび不可避的不純物か
    らなり、表面から少くとも0.3mm厚さの部分は平
    均5μ以下の粒径の加工誘起等軸フエライト結晶
    粒が70%以上を占め、該表面附近部を除く鋼材内
    部が主としてベイナイトおよびマルテンサイトの
    1種または2種からなる金属組織を有することを
    特徴とする靭性に優れた表面微細粒フエライト
    鋼。 2 重量%でC:0.3%以下、Si:1.5%以下、
    Mn:2%以下と残部Feおよび不可避的不純物か
    らなる鋼片から熱間圧延、次いで冷却によつて鋼
    材を製造するに際し、上記圧延の終段で、表面部
    がAr3±50℃以内の温度域にあり且つ中心部が表
    面部より平均20℃以上高い温度を有するときに、
    1パスで、または2パス以上の合計で50%以上の
    実質減面率の加工を5秒以内に加え、表面部から
    少くとも0.3mmの厚さの部分で微細フエライト粒
    を生成せしめることを特徴とする表面微細粒フエ
    ライト鋼の製造法。 3 熱間圧延後の冷却において、30℃/S以上の
    冷却速度で500℃以下まで冷却する特許請求の範
    囲第2項記載の方法。
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