JPS6239216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は屋根に積つた雪が自然に滑り落るの
を防止する装置に関する。

従来、雪国の屋根には、積つた雪が滑り落るこ
とを防止するために、あるいは屋根の雪を降ろす
ための作業用足場として雪持ちと称する横桟が設
けられている。しかし、このような横桟程度のも
のでは、屋根にある程度以上雪が積ると少くとも
横桟よりも軒先側の雪は容易に落下する。屋根か
らの塊状の雪の落下は、下方が通路である場合は
非常に危険であり、下方に庭木などがある場合は
それを傷つけ、また隣地境界に近接して建つ家屋
では隣家に迷惑をかけ、下方に庇がある場合には
それを破損し、軒先からつららが垂下しいるとき
は雪の下方への滑りと共につららの下端が窓の側
へ指向するようになり雪の落下時に窓を破損する
などの問題がある。

この考案は上記の問題を解決できる落雪防止装
置を提供することを目的とする。

以下この考案を図示の実施例に基いて説明す
る。第１図に示す落雪防止壁つき雨樋１は雨樋本
体部２と落雪防止壁３とで構成されている。本体
部２は、従来の雨樋形状と同じ断面が半円弧状の
ものである。落雪防止壁３は、雨樋が軒先に取付
けられる状態における外側縁を、上方へ12cm程度
立上るように、本体部２の全長にわたつて延長部
４を形成して、その上端縁に沿つて補強体５を設
けたものであり、その上端縁は、屋根の延長勾配
面より十分上方に突出している。本体部２と延長
部４は厚さ0.4mmの亜鉛鉄板を屈曲成形したもの
である。補強体５は直径６mmの悪鉛めつきした鋼
棒であり、これを延長部４の上端部で巻き込むよ
うにして固定してある。

この落雪防止壁つき雨樋１は、本体部２を従来
の雨樋を取付ける要領で、比較的強力な受金具１
０を用いて第１図に示すように取付ける。図中、
１１はたる木、１２は野地板、１３は瓦である。
１４は落雪防止用の横桟であり、特別に設けても
よいが、雪降ろし用の足場として設けてある横桟
を利用してもよい。この落雪防止用の横桟１４と
補強体５との間を針金１５で結ぶ。

上述の装置において、屋根上の落雪防止用横桟
１４よりも上方の雪は、この横桟１４によつて滑
落を阻止される。そして、横桟１４よりも下方の
雪は、落雪防止壁３が屋根の延長勾配面より十分
高く突出しているために、これによつて支えられ
て、同様に滑落を阻止される。この場合、落雪防
止壁３に加わる力は、かなり強大なもので、しば
しば通常の雨樋を破損する程であるが、落雪防止
壁３の補強体５を針金１５によつて雪持ち用横桟
に連結したため、実用試験の結果、１ｍ程度の積
雪でも破損が起こらず、効果的に雪の滑落を防止
できることが確認された。従つて、上述の装置
は、勾配が緩やかな屋根だけでなく、急勾配の屋
根においても破損せずに雪の滑落を防止すること
ができる。

よつて、この考案を実施することにより、人身
事故、庭木や庇の損傷、隣家への迷惑などを防止
することができる。また、軒先からの雪が滑落し
ないので、軒先から垂下したつららが窓を破損す
ることも防止できる。

上記実施例において、補強体５として鋼棒を用
いたものを示したが、場合によつては第２図に示
すように、悪鉛めつきしたＬ形鋼を用いてねじ１
６により固定してもよい。同図において第１図と
同等部分は同一符号で示してある。

以上のようにこの考案によるときは、従来の屋
根から雪が塊状となつて落下することによる問題
を解決できる落雪防止装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例の設置状態を示す
縦断面図、第２図は他の実施例の主要部断面図で
ある。 １……落雪防止壁つき雨樋、２……本体部、３
……落雪防止壁、５……補強体、１４……落雪防
止用横桟、１５……針金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒先に設けられる雨樋の外側縁をその全長にわ
   たり屋根の表面の延長勾配面より十分上方に延長
   すると共にその上端縁に沿つて補強体を設けるこ
   とによつて落雪防止壁を形成し、屋根の中途には
   落雪防止用の横桟を設け、この横桟と上記落雪防
   止壁上端縁の補強体とを針金で連結してなる落雪
   防止装置。