JPS6238965B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、整髪用、特にヘアブラシに関する。

従来からあるヘアブラシは、ブラシ本体の外面
から突出する複数の剛毛状体を有しており、剛毛
状体の間の外面部分は滑らかに被覆されている。
この滑らかな被覆はブラシと使用者の毛髪との間
の摩擦を減らし、これによりブラシがけ中の移動
を容易ならしめるものであるが、これには若干の
欠点がある。特に、上層の毛髪は、その髪型が極
めて人目をひく場合が多いという部分であるが、
整髪中にこの上層の毛髪の外面がブラシ本体の滑
らかな外面に対して動かされるときに所望のこす
り作用が極めて小さくなる。このこすり作用は、
上層の毛髪に柔軟性を与え、これにより整髪を容
易化し、例えば管状具に毛髪を巻きつけてカール
をつけることを容易化するということのため、及
び、毛髪の外面に、健康的な魅力的な毛髪に通例
あるつやを与えるということのために必要なもの
である。

同様に、剛毛状体自体は、プラスチツクまたは
金属で作られており、滑らかな外面を有してい
る。ブラシがけの際に、この滑らかな剛毛状体の
横部分によつて髪の毛の長さに沿つて与えられる
摩擦接触がかなり弱いので、ブラシがけの運動回
数をかなり多くしないと、上記剛毛状体と接触す
る多数の髪の毛に所望の柔軟性またはつやを与え
ることができない。

従つて、本発明の目的は、ブラシがけの際のブ
ラシ本体の外面によるこすり作用を増強し、従来
のヘアブラシよりも少ないブラシがけ運動回数で
毛髪に柔軟性及びつやを与えることのできるよう
にしたヘアブラシを提供することにある。

本発明の他の目的は、ブラシがけの際に髪の毛
の長さに沿う接触及びこすり作用を改善するよう
に改良された面を有する外面を具備する剛毛状体
を有するヘアブラシを提供することにある。

概略説明すると、本発明にかかるヘアブラシ
は、取手部と、上記取手部から延びており且つ複
数の縦の剛毛状体を突出させている管状ブラシが
け部とを備えており、上記剛毛状体のうちの少な
くとも若干は多層の毛髪を貫通するように適当に
長く伸びており、上記ブラシがけ部は整髪中に外
層の毛髪と接触するように上記剛毛状体の間にフ
ロツク加工された部分を有している。他の実施例
においては、管状ブラシがけ部及び剛毛状体の両
方の表面がフロツク加工されている。

上記のフロツクは、上記管状ブラシがけ部の外
面に直接に植え付けられる。或いはまた、上記の
フロツクは、上記管状体の外面に接着的に貼着ま
たは機械的に取付けられる材料の条片またはリボ
ン上に植え付けられる。

本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は、
図面を参照して行なう以下の詳細な説明から明ら
かになる。

第１図及び第２図について説明すると、参照番
号10で示す本発明ヘアブラシは取手部１２及び回
転可能な管状のブラシがけ部１４を有す。この本
発明ヘアブラシは中空であり、そして、例えば米
国特許第4329567号に開示されているもののよう
な熱及び／又は水蒸気を発生する従来からある回
転形の内部機構を有している。外部電源に接続さ
れる電気コード１６が上記内部機構を駆動する。

ブラシがけ部１８は内管１８を有しており、該
内管は外管２０を回転可能に支持する役をしてい
る。ブラシ１０は、従来のブラシと同じように係
止機構２２を有す。例えば、取手部１２に取付け
られている制動パツド（図示せず）がばね装架さ
れ、外管２０のフランジ１３と係合してその回転
を妨げるようになつている。ボタン１５を動かす
と上記制動パツドが係合解除し、外管２０が内管
１８の周りで自由に回転できるようになる。従来
からある他の制動機構としては、ベルギー特許第
867075号並びに米国特許第4314137号及び第
4365140号に開示されているものがある。

外管２０は好ましくはアルミニウムで作られて
おり、そして前端部２３からフランジ１３の後端
部２４まで延びており、溝２６が該外管の長さに
沿つて縦に走つている。溝２６は好ましくはばち
形である。各溝２６には、好ましくは弾性プラス
チツクのような材料で作つた条片２８が滑動的に
はめ込まれており、該条片は、ブラシがけまた整
髪中にこれと接触する毛髪にアルミニウム外管２
０から熱を伝える。条片２８の各々は溝２６とか
み合うばち形基部２９を有しており、該基部によ
り、条片２８を溝２６に滑り込ませ、且つ外方へ
の移動を防止できるようになつている。各条片２
８の基部２９からは剛毛状体３０が突出してお
り、該剛毛状体は、外層の毛髪から多層の毛髪を
貫通して概ね頭皮まで届くのに足る長さを有して
いる。約6.5mmの長さが好ましいということがわ
かつた。ブラシがけ部１４の端部に取付けられて
いるキヤツプ３１が、条片２８の滑り出るのを防
止している。条片２８は、水蒸気または他の蒸気
を通過させて排出するための孔（図示せず）を有
している場合もある。

条片２８相互間に在る本体部３２はフロツク３
４で覆われている。これは業界に周知の方法で行
なわれる。例えば、米国特許第3888266号に記載
されているように、接着剤の薄い層を塗布した面
に短い繊維を静電的に植え付ける。この繊維を構
成するものとしては多数の合成プラスチツク材料
の繊維が適当する。本発明における好ましい繊維
はナイロン製のものであり、太さ約22デニールで
長さ約2.5mm以下のものである。他の長さ及び細
さであつてもよい。これらの繊維即ちフロツク３
４は、一端をブラシがけ部１４の面に接着剤で固
定させて上記面とほぼ直角方向に該面から外方へ
向いており、終端は自由外端部となつている。約
6.45cm²（約１平方インチ）の面当り数万本の繊維
がある。この密度は、多層の毛髪が上記フロツク
加工面に貫入することを妨げるのに適当するもの
である。上記材料は非吸湿性であるので、液剤で
整髪する際に用いるのに特に効果的である。即
ち、液剤は上記材料にはほとんど吸収されず、化
学的整髪に利用されるからである。

本発明においては、上記の代りに、フロツク加
工済みの条片またはリボンを用いることもでき
る。フロツク材料を、接着剤の被覆を有する例え
ばポリエステルのような耐熱性材料製の平らなリ
ボンに静電的に植え付ける。上記リボンの下面
を、上記ブラシがけ部上に機械的に取付けること
のできるように構成する。例えば、上記ボンに、
上記ブラシがけ部内のばち形溝とかみ合うばち基
部を設ける。しかし、更に好ましくは、上記リボ
ンの下面から保護条片を剥離して接着剤被覆を露
出させ、そして上記リボンを上記ブラシがけ部に
接触させて接着させるという方法で上記ブラシが
け部への取付けを行なう。適当な接着剤を用いれ
ば、上記リボンを上記ブラシがけ部から剥離して
交換することができる。接着剤の選定はまた、到
達温度、及び管状ブラシがけ面内の孔を通じて水
蒸気を排出させるか否かによつて定まる。

ブラシがけ中は、上記剛毛状体の間にあるフロ
ツク即ち毛が毛髪に対抗してこれを保持し、ブラ
シ本体に沿う毛髪の滑りを減らし、髪の毛のこす
り作用を改善する。これら全ては、上記ブラシが
け部が係止位置及び係止解除または回転可能位置
にあるときに望ましいものである。

係止位置にあるときに、毛髪を上記ブラシがけ
部でブラシがけするかまたはその周りに巻きつけ
る。ブラシがけ中は、上記剛毛状体は使用者の毛
髪の層を頭皮へ向かつて貫通し、一方、上記ブラ
シがけ部のフロツク外面は毛髪の外側層の外面と
接触し、これにより、上記フロツク加工面に対抗
して積み重なつてこれと接触する髪の毛に沿う改
善されたこすり効果が得られる。また、上記フロ
ツク即ち毛は毛髪を掴む作用をなし、ブラシがけ
中、上記フロツクに沿つて毛髪をすべらせまたは
こするときに、毛髪を該フロツクに対して保持す
る。この増強したこすり作用により、数回のブラ
シがけ運動で毛髪が柔軟になり且つつやが出る。
この柔軟になつた毛髪は扱いやすく、その後この
毛髪を上記ブラシがけ部の周りに巻きつけるとき
にカールを容易に形作ることができる。

カールをつけるために係止状態の上記ブラシが
け部の周りに毛髪を巻きつけるときには、上記フ
ロツク面が上記剛毛状体と協同して上記巻いた毛
髪に対して滑りなしに張りを与え、その結果、よ
り大きな堅さが得られ、より良好なカールが得ら
れる。上記係止機構を解除して上記ブラシがけ部
を回転可能にすると、毛髪を該ブラシがけ部から
取り外すのに必要な運動により、髪の毛は縦にこ
すられる。

第３図及び第４図は本発明の他の実施例を示す
ものであり、第１図及び第２図に示すものと類似
の構造は、プライム記号を付した同じ参照番号で
示す。参照番号１０′で示す回転式ヘアブラシは
取手１２′及びブラシがけ部１４′を有しており、
該ブラシがけ部は全面的にフロツク加工した外面
３２′及び全面的にフロツク加工した剛毛状体３
０′を有す。面３２′及び剛毛状体３０′は部分的
にフロツク加工したものであつてもよい。これ
は、好ましくは、一体成形したプラスチツク製マ
ンドレルを接着剤の層で被覆し、静電界中で植毛
を行なうことによつて作られる。この構造のブラ
シを用いると、ブラシがけの際に、外側層の下の
多層の毛髪が、横に長く伸びてフロツク加工され
ている剛毛状体３０′の面の各々によつて掴まれ
てこれに沿つてこすられ、毛髪が柔軟になり且つ
つやが出る。

剛毛状体だけにフロツク加工してもよいが、こ
れは、ブラシがけ部外面及び剛毛状体の両方にフ
ロツク加工した場合ほどの効果はない。

以上において本発明をその実施例について説明
したが、これら実施例は単に例として示したもの
であつて本発明を限定するものではなく、特許請
求の範囲に記載の如き本発明の精神及び範囲内で
種々の変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ヘアブラシの上面図、第２図は
第１図の２―２線に沿う断面図、第３図は本発明
ヘアブラシの他の実施例の上面図、第４図は第３
図の４―４線に沿う断面図である。 １２，１２′…取手部、１４，１４′…ブラシが
け部、３０，３０′…剛毛状体、３２，３２′…本
体部、３４…フロツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 取手部と、該取手部から延びており、且つ複
   数の縦の剛毛状体を突出させている管状のブラシ
   がけ部とを備えて成り、上記剛毛状体のうちの少
   なくとも若干は多層の毛髪を貫通するように適当
   に長く伸びており、上記ブラシがけ部は、上記剛
   毛状体が上記毛髪の層を貫通して動く際に外側の
   毛髪層と接触するように上記剛毛状体の間にフロ
   ツク加工された部分を有していることを特徴とす
   るヘアブラシ。 ２ 剛毛状体が、その外面に少なくとも若干のフ
   ロツク加工された部分を含んでいる特許請求の範
   囲第１項記載のヘアブラシ。 ３ 剛毛状体が、管状本体部に沿つて縦の列とな
   つて延びており、フロツク加工された部分が上記
   列の間で縦に延びている特許請求の範囲第１項記
   載のヘアブラシ。 ４ 剛毛状体及び管状本体部が全面的にフロツク
   加工されている特許請求の範囲第１項記載のヘア
   ブラシ。 ５ 管状部の外面に固定された条片上がフロツク
   加工されている特許請求の範囲第１項記載のヘア
   ブラシ。 ６ フロツク加工された条片が取外し可能である
   特許請求の範囲第５項記載のヘアブラシ。 ７ フロツクが、管状部に直接に接着的に値え付
   けられている特許請求の範囲第１項記載のヘアブ
   ラシ。 ８ 管状ブラシがけ部が、取手部に対して回転可
   能に係止可能である特許請求の範囲第１項記載の
   ヘアブラシ。