JPS5927784Y2 - ヘアブラシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は訓電性のすぐれた化粧用ヘアブラシに関するも
のである。

通常のヘアブラシを用いてブラシラングを行なう場合に
は、ヘアブラシの植毛部分およびその本体と頭髪との繰
り返し摩擦によって、いわゆる摩擦静電気が発生し、そ
れに起因した頭髪のみだれ、逆立ちなどが生ずるため、
目的とする十分な整髪ができない。

このような静電気に起因する障害を減少させるために、
ジャンプした後、リンス剤により頭髪表面に静電気防止
剤のコーティングを施こす方法が採用されているが、そ
の場合に得られる効果は永続的なものではないし、効果
の程度とて決して満足できるものではない。

一方整髪に使用するヘアブラシの植毛部分を訓電性の素
材で構威し、それにより摩擦静電気障害を減少させる方
法も知られているが、この場合にも十分満足できる効果
は得られない。

そこで本考案者らはヘアブラシ自体にすぐれた訓電性を
付与すべく検討した結果、ヘアブラシの植毛素材として
、特定の電気抵抗値を有する合成樹脂モノフィラメント
を使用すると共に、さらにヘアブラシの植え込み本体お
よびバンドル部をも特定の電気抵抗値を有する素材で構
成することにより、上記目的が効果的に達成できること
を見い出した。

すなわち本発明は植毛部の５０％以上の電気抵抗が７
Ｘ １０８，２ ｃｍ以下の合成樹脂モノフィラメント
からなる植毛素材で構威し、がっ植え込み本体およびバ
ンドル部を電気抵抗値が７ Ｘ １０８Ｊ７ ｃｍ以下
の材料で構成したことを特徴とするヘアブラシを提供す
るものである。

本考案のヘアブラシは植毛素材、植え込み本体およびバ
ンドル部の電気抵抗値が総じて低く、導電性であるため
、これを用いて整髪する際に、発生する静電気が常時バ
ンドル部から手を通じて人体に漏洩され、静電気による
不快な障害を全く起こさない。

本考案のヘアブラシの構成素材はいずれも電気抵抗値が
７ Ｘ １０８Ｊ７ ｃｍ以下であることが重要である
が、ここでいう電気抵抗値とは、２０℃、相対湿度４０
％ＲＨのふん囲気中で、通常の振動容量型電位計を用い
て測定した値である。

本考案のヘアブラシは第１図に示したように植え込み本
体（ボテ゛イ部）１、バンドル部２および植毛素材３か
ら構成される。

植毛素材３は合同樹脂モノフィラメントからなり、その
全植毛数の５０％以上は電気抵抗値が７×１０８Ωｃｎ
ｎ以下のものから構成されていることが重要である。

ただし全植毛数の５０％までは通常の電気抵抗値を有す
るモノフィラメントを使用でき、経済的有利には通常の
モノフィラメントと電気抵抗値の低いモノフィラメント
を併用するのが望ましい。

第１図にはこの併用型を示してあり、電気抵抗値が７×
１０Ωｃｍ以下の導電性モノフィラメント３と、電気抵
抗値が１０１２４８Ωｃｍ程度の通常のモノフィラメン
ト３′とを２：１の割合で使用したものである。

なお電気抵抗値が７×１０１０８Ｑ以下のモノフィラメ
ントが全植毛数の５０％以下では、望ましい訓電効果が
得られないため好ましくない。

本発明のヘアブラシの植毛素材に使用する合成樹脂モノ
フィラメントとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートに
代表されるポリエステル、ナイロン６、ナイロン６６、
ナイロン６１０などのポリアミドなどからなるモノフィ
ラメントが挙げられ、通常７０〜２００００デニールの
ものを所望の長さに切断して使用する。

これらのモノフィラメントの電気抵抗値を７×１０８Ｊ
７ｃｎｎ以下にする手段としては、通常公知の帯電防止
剤や導電性樹脂を含有せしめるのが一般的であるが、モ
ノフィラメントを中空にし、この中空部に銅や鉄などの
導電性金属線を挿入して用いることもできる。

しかしこのように植毛素材の電気抵抗だけを低くしても
、制電性を十分に改良することはできず、ヘアブラシの
植え込み本体およびハンドル部分も電気抵抗値７ Ｘ
１０’Ω・・以下の素材で構成するこ「とが重要である
。

植え込み本体とハンドル部の素材としてはポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリアミドなどの合成樹脂に通常の
帯電防止剤や導電性樹脂を混合してなる電気抵抗値７
Ｘ １０”Ｑ ｃｍ以下のものが好適である。

実施例 電気抵抗値が５〜８ Ｘ １０１０１２Ｑである通常の
ナイロン６（以下樹脂Ａと呼ぶ）および通常のナイロン
６に導電性樹脂を数％混合した電気抵抗値が２〜５ Ｘ
１０８Ωｃｍのナイロン６（以下樹脂Ｂと呼ぶ）を素
材とし、全長２０ｃｍ、植毛ボディ部１０ ｃｍ Ｘ
３ ｃｍ Ｘ１ｃｍ、ハンドル部長さ１０ｃｍの一体成
形物からなる本体に、直径１．５ｍｍ、長さ２ｃｍのモ
ノフィラメントを長さ方向に２１本、幅方向に６本、合
計１２６本植え込んでなる第１図に示した形態の合成樹
脂型ヘアブラシを作成した。

この際モノフィラメントとして上記樹脂ＡおよびＢを素
材とするものをそれぞれ第１表に示した割合でランダム
に植毛し、ボディ部およびハンドル部の素材も第１表に
示したように樹脂ＡおるびＢのそれぞれに変更してヘア
ブラシを構成した。

得られた各ヘアブラシを用い、室温（２０℃）、相対湿
度４０％ＲＨの環境下でブラッシングを繰り返し、整髪
時の訓電効果の評価を行った。

なお整髪は平均長さ３０ｃｍの長髪をジャンプし、風乾
したものを、上から下へ約３０回ブラッシングするもの
とし、効果の判定は次の基準にしたがった。

○〜フ゛ラッシング中に髪がフ゛ラシにからまることな
く、整髪仕上り状態が良好で、髪の逆立ちや乱れが全く
ない。

Δ〜フ゛ラッシング中にやや髪がブラシにからみつき、
静電気力でブラシ側にすいませられ、整髪仕上り状態も
やや悪い。

×〜ブラッシング中中篭電気力髪は逆立ち、乱れ、整髪
仕上り状態が極めて悪い。

第１表の結果から明らかなように、植毛素材の５０％以
上を導電性素材とし、かつボテ゛イ部及びハンドル部を
総じて電気抵抗の低い、導電性素材で構成することによ
り目的とするヘアブラシを得ることがで゛きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の頭髪用ヘアブラシの態様図である。 １・・・・・・植え込み本体（ボディ部）、２・・・・
・・ハンドル部、３・・・・・・植毛モノフィラメント
（導電性）、３′・・・・・・植毛モノフィラメント（
通常品）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 植毛部の５０％以上を電気抵抗値が７ Ｘ １０８．Ｑ
   ｃｍ以下の合成樹脂モノフィラメントからなる植毛素
   材から構成し、かつ植えこみ本体およびバンドル部を電
   気抵抗値が７ Ｘ １０８Ｊ７ ｃｍ以下の材料で構成
   したことを特徴とするヘアブラシ。