JP7141374B2 - ヘアブラシ - Google Patents
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Description
ブラシ面13は、ブラシ面13の長手方向Xの長さが幅方向Yの長さ以上であり、通常、図2に示すように、長手方向Xの長さが幅方向Yの長さより長いことが好ましい。
球状体15aを設ける場合、頭皮への感触をより向上させる観点から、球状体15aは、その最大径部分の断面積が、突起の断面積の110%以上400%以下が好ましく、より好ましくは120%以上250%以下である。
このような湿潤状態の毛髪に対し、ヘアブラシ10は、ブラッシング時において該毛髪に過度の力が加わり難く、ブラッシング時の毛髪へのダメージを低減するので、毛髪を円滑にブラッシングすることができる。具体的には、幅方向Yにおいて第2突起列J3に挟まれた第1突起領域Aを有していることにより、第1突起15,17よりも剛性が高い第2突起16によって毛髪どうしの絡まりが効果的に解かれる一方、第2突起16は、第1突起15,17よりも長さが短いため、該第2突起16と毛髪とが接触することによる抵抗を低減することができる。第2突起16は、ブラシ面13の幅方向Yの外方において長手方向Xに沿って複数形成されているので、ブラッシングの際に、第1突起15,17よりも先に毛髪どうしの絡まりと当接する。この第2突起16によって、毛髪の絡まりは容易に解かれ、スムーズに毛髪を梳くことができる。しかも、毛髪と最も広く接触する第1突起領域Aでは、第1突起15,17の断面積が第2突起よりも小さく、剛性が低いため、毛髪に加わる荷重を低減することができる。このようにしてヘアブラシ10は、湿潤状態の毛髪に対するブラッシング時のダメージを低減することができるので、該ヘアブラシ10は、特に、細くてウェーブ状の毛髪を有する傾向のあるコーカソイドの毛髪のブラッシングに有効である。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、第2突起16の曲げ剛性は、第1突起15,17の曲げ剛性に対して好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、また好ましくは450%以下、より好ましくは350%以下であり、また好ましくは200%以上450%以下、より好ましくは250%以上350%以下である。本実施形態のヘアブラシのように、曲げ剛性の異なる第1突起を複数種類有する場合、曲げ剛性が最も大きい第1突起の該曲げ剛性に対して、第2突起16の曲げ剛性が前記の範囲であることが好ましい。
第2突起16の曲げ剛性は、好ましくは0.1N以上、より好ましくは0.12N以上であり、また好ましくは0.3N以下、より好ましくは0.25N以下であり、また好ましくは0.1N以上0.3N以下、より好ましくは0.12N以上0.25N以下である。
ブラッシング時の前記抵抗力をより低減すると共に、ブラッシング性能を向上させる観点から、第1大突起17の曲げ剛性は、第1小突起15の曲げ剛性に対して好ましくは130%以上、より好ましくは150%以上であり、また好ましくは230%以下、より好ましくは200%以下であり、また好ましくは130%以上230%以下、より好ましくは150%以上200%以下である。
突起の曲げ剛性(N)は、フォースゲージ(日本電産シンポ社製)用い、下記の方法で測定することができる。
フォースゲージ(日本電産シンポ社製、品番FGP-5)を用いて、1本の突起Prの先端に6mmφの端子を当接させ、測定環境20℃、65%RH、速度30mm/minで、突起Prがその突出方向に対して曲がるように、荷重を水平方向に負荷させて、該突起Prを撓ませる(図5参照)。この際、突起Prの先端の移動距離が水平方向に10mmとなるまで、突起Prに荷重を負荷したときの最大強度を測定する。前記最大強度は3本の突起Prについて測定し、その平均値を曲げ剛性とする。
第2突起16の剛性を高める観点から、第2突起16の長さL5(図4参照)は、第1突起15,17の長さL3,L7(図4参照)の好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下であり、また好ましくは40%以上80%以下、より好ましくは50%以上75%以下である。
また、ブラッシングを効率的に行う観点から、第2突起の長さL5を第1大突起17の長さL7より短くすることが好ましい。即ち、第1大突起17の長さL7を第2突起の長さL5より長くすることが好ましい。斯かる構成により、毛髪に各突起を挿入して、ヘアブラシ10で毛髪を梳くと、毛髪どうしの強い絡まりを第2突起で解くことができ、さらに第1小突起15より剛性が高い第1大突起17によって、該突起の先端側で、毛髪どうしの弱い絡まりを効率的に解くと共に、毛髪の流れを効果的に整えることができる。第1大突起17の長さL7(図4参照)は、第1小突起15の長さL3(図4参照)の好ましくは85%以上、より好ましくは95%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは100%以下であり、また好ましくは85%以上100%以下、より好ましくは95%以上100%以下である。
〔ショアD硬度の測定方法〕
平らな面に置いた試料の平面に、両手で保持したゴム硬度計の加圧面を真上から一定速度で垂直に押し付け、密着後、1秒以内の値を「硬さ」とする。試料の測定位置は試料の端から12mm以上内側、測定箇所の間隔は6mm以上とする。測定に使用する試料は、長さ及び幅をそれぞれ25mm以上、厚みを6mm以上の板状とし、試験環境は温度23±2度、湿度50±5%とする。5ヶ所の中央値あるいは平均値を測定値に採用し、ゴム硬度計(テクロック社製GS709N 形式D)で50を示した場合、ショアD硬度は50(「D50」)である。
ブラシ基部13aのブラシ面13には、第1突起15,17が立設される植毛穴18が長手方向X及び幅方向Yに分散した状態に複数形成されており、該植毛穴18から突起15が突出している。ブラシ面13に形成される植毛穴18は、図7(a)に示すように、有底の凹陥部であってもよく、図7(b)及び(c)に示すようにブラシ基部13aをその厚み方向に貫通する貫通孔であってもよい。植毛穴18が前記凹陥部である場合、図7(a)に示すように、該凹陥部に棒状体を平線19で2つ折りにして形成された突起が立設されていてもよい。この場合、毛髪の引っ掛かりをより抑制する観点から、突起は、平線を用いて、折り部の片側のみが植毛穴18から突出するように固定された棒状体から形成されていることが好ましい。平線19としては、真鍮等の金属で形成されたものが挙げられる。また、植毛穴18が前記貫通孔である場合、該貫通孔に棒状体を挿入することにより、突起が立設されていてもよい。この場合、突起は、図7(b)に示すように、該突起のブラシ面13とは反対側の端部に形成された留め部21によって固定されていてもよく、図7(c)に示すように、突起のブラシ面13とは反対側の端部が固定部23によって固定されていてもよい。留め部21及び固定部23としては、突起の形成材料と同じ材料からなるものを用いることが好ましい。
軟質樹脂としては、例えば、オレフィン系エラストマー樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ウレタン系エラストマー樹脂、アクリル系エラストマー樹脂、低密度ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
また、ブラッシング時に毛髪に加えられる荷重をより低減する観点から、第1突起領域Aは、ブラシ面13の幅方向Yの全長Wを二等分する二等分線CLから両側それぞれに好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下の範囲に亘って配されていることが好ましい。
先ず、ブラシ面13の複数の第1突起15,17が形成された領域において、長手方向X及び幅方向Yの最も外方側に位置する第1突起15,17の中心どうしを結んで形成される領域Aを設定する。この領域Aが第1突起領域である。次いで、10mm四方の正方形領域aを、その頂点の1つが、第1突起領域A内の任意の第1突起と対応するように設定する。この正方形領域a内に含まれる第1突起15,17の本数をカウントする。ただし、平面視における前記正方形領域aの外縁と第1突起15,17とが重なっている場合、該正方形領域aの外縁と重なる第1突起15,17は、正方形領域a内に含まれる第1突起15,17としてカウントしない。この測定を第1突起領域A内の任意の3箇所で行い、これらの平均値を第1突起15,17の存在密度とする。
上記と同様の観点から、ブラシ面13における第1突起領域Aの面積は、好ましくは1000mm2以上、より好ましくは1300mm2以上であり、さらに好ましくは1500mm2以上であり、また好ましくは3500mm2以下、より好ましくは3000mm2以下、さらに好ましくは2500mm2以下であり、また好ましくは1000mm2以上3500mm2以下、より好ましくは1300mm2以上3000mm2以下、さらに好ましくは1500mm2以上2500mm2以下である。
上記の効果をより向上させる観点から、第1突起領域Aは、長手方向Xの長さL1(図3参照)が、ブラシ面13の長手方向Xの全長L(図2参照)に対して好ましくは70以上、より好ましくは80%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下であり、また好ましくは70%以上95%以下、より好ましくは80%以上93%以下である。第1突起領域Aの長手方向Xの長さL1は、第1突起15,17が設けられている領域であって、長手方向X及び幅方向Yの最も外方側に位置する第1突起15,17の中心どうしを結んで形成される領域の長手方向Xの長さである。
上記と同様の観点から、ブラシ面13における細突起領域A1の面積は、第1突起領域Aの面積に対して好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下であり、また好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは30%以上90%以下、さらに好ましくは35%以上80%以下である。細突起領域A1の面積が、第1突起領域Aの面積に対して100%とは、第1突起領域Aの全域に細突起領域A1が形成されていることを意味する。
〔細突起領域の特定方法〕
第1突起領域Aとして、ブラシ面13の複数の第1突起が形成された領域において、長手方向X及び幅方向Yの最も外方側に位置する第1突起の中心どうしを結んで形成される領域Aを設定する。次いで、10mm四方の正方形領域aを、その頂点の1つが、第1突起領域A内の個々の第1突起と対応するように設定する。この正方形領域a内に含まれる第1突起15,17の本数が5本以上10本以下である場合、該正方形領域aを細突起領域A1又は細突起領域A1の一部と判定する。平面視における前記正方形領域aの外縁と第1突起15,17とが重なっている場合、該正方形領域aの外縁と重なる第1突起15,17は、正方形領域a内に含まれる第1突起15,17としてカウントしない。前記正方形領域aに、第1突起15,17より断面積が大きい突起が含まれている場合、該正方形領域aは細突起領域A1ではないと判定する。このような判定を、正方形領域aの1つの頂点を、長手方向X又は幅方向Yに隣り合う第1突起に順次ずらしながら行う。具体的には、正方形領域aにおける4つの頂点のうち、何れか1つの頂点を選択し、その選択した頂点を第1突起領域Aにおける全ての第1突起に合わせて、前記の判定を行う。第1突起15,17の本数が5本以上10本以下である正方形領域aが、長手方向X及び幅方向の少なくとも一方に連続して存在する場合、その連続した領域全域が細突起領域となる。
上記の効果をより向上させる観点から、細突起領域A1は、長手方向Xの長さが、ブラシ面13の長手方向Xの全長Lに対して好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下であり、また好ましくは70%以上95%以下、より好ましくは80%以上93%以下である。細突起領域A1の長手方向Xの長さは、前述した〔細突起領域の特定方法〕によって特定された細突起領域A1の長手方向Xにおける前端と後端との間の長さである。長手方向Xにおける前端とは、同方向Xの柄12cとは反対側の端部であり、長手方向Xにおける後端とは、同方向Xの柄12c側の端部である。
また、第1大突起列J5は、幅方向Yにおいて隣り合う第1小突起列J1に対し、第1大突起17の配置位置が、長手方向Xに半ピッチ分ずれている。このように、第1突起領域Aにおいて第1突起は、第1大突起17も含めて千鳥状に配置されていることが好ましい。
上記と同様の観点から、第1小突起列J1中の第1小突起15の配置ピッチP3(図6参照)は、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは7mm以下、より好ましくは6.5mm以下であり、また好ましくは3mm以上7mm以下、より好ましくは4mm以上6.5mm以下である。第1小突起列J1中の第1小突起15の配置ピッチP3は、第1小突起列J1中の長手方向Xに隣り合う第1小突起15の中心間の距離である。第1小突起列J1と第1大突起列J5との離間距離は、第1小突起列J1の配置ピッチP1と同じであることが好ましい。また、ヘアブラシが第1大突起列J5を複数列有する場合、第1大突起列J5の配置ピッチ、即ち、幅方向Yに隣り合う第1大突起列J5間の離間距離は、第1小突起列J1の配置ピッチP1と同じであることが好ましい。第1大突起列J5中の第1大突起17の配置ピッチは、第1小突起列J1中の第1小突起15の配置ピッチP3と同じ範囲であることが好ましい。第1大突起列J5中の第1大突起17の配置ピッチは、第1大突起列J5中の長手方向Xに隣り合う第1大突起17の中心間の距離である。
なお、上述した第1小突起列J1の配置ピッチP1、及び第1小突起列J1中の第1小突起15の配置ピッチP3は、ブラシ面13を平面視したときの、第1小突起15の先端の中心どうしの離間距離である。
剛性をより高める観点から、第2突起16は、先端に向けて先細りの形状であることが好ましい。このような形状としては、例えば円錐台状、角錐台状等が挙げられる。
ブラシ基部13aは、ヘッド基部12aの装着開口12bの開口形状に略一致する平面視矩形形状を有している。
例えば、上述した実施形態におけるブラシ面13は平坦であったが、図9に示すヘアブラシ10aのように、ブラシ面13は、幅方向Yに沿う断面において、突起の突出方向に突出するように湾曲していてもよい。
また、上述した実施形態における第1突起15,17はその先端に球状体15a,17aを有していたが、図9に示すように、第1突起15,17はその先端に球状体15a,17aを有していなくともよい。
また、上述した実施形態における第2突起16はその先端に球状体16aを有していなかったが、図9に示すように、第2突起16はその先端に球状体16aを有していてもよい。
また、上述した実施形態におけるヘアブラシ10は、断面積が同一の第2突起16を複数有しているが、断面積が相互に異なる第2突起を有していてもよく、長さが相互に異なる第2突起を有していてもよく、断面積及び長さそれぞれが相互に異なる第2突起を有していてもよい。
図10に示すヘアブラシ10bは、同じ断面積及び同じ長さを有する第2突起16が長手方向Xに沿って並んだ第2突起列を2列有する、太突起領域Bを有している。図11に示すヘアブラシ10cは、長さが相互に異なる2種類の第2突起16r,16sを有しており、長さが長い方の第2突起16rが長手方向Xに沿って並んだ第2突起列を2列有し、長さが短い方の第2突起16sが長手方向Xに沿って並んだ第2突起列を1列有している。ブラッシング時の抵抗をより低減すると共に、毛髪の絡まりをより容易に解す観点から、長さが相互に異なる複数種類の第2突起を有する場合、ヘアブラシは、図11に示すように、長さが短い方の第2突起が、長さが長い方の第2突起よりも幅方向Y外方に配置されていることが好ましい。ヘアブラシが、長さの異なる第2突起を複数種類有する場合、ブラシ面13の幅方向Yの全長Wを二等分する二等分線CLに最も近い突起を基準とし、該二等分線CLから幅方向Yの外方に向かって各突起の断面積及び長さを順次比較したとき、前記基準とした突起よりも断面積が大きく且つ長さが短い突起を「第2突起」として特定する。
図10及び図11に示すように、太突起領域Bにおける第2突起列は2列以上であってもよく、例えば3列であってもよい。
<1>
棒状突起が立設されたブラシ面を有するヘッド部と柄とを有するヘアブラシであって、前記ブラシ面は、長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有しており、前記ブラシ面の前記幅方向の中央部に、第1突起が、相互間に間隔を設けて1本ずつ独立した状態に設けられた第1突起領域を有し、前記幅方向における第1突起領域を挟む両側それぞれに、第1突起に比して断面積が大きく長さが短い第2突起が、前記長手方向に沿って複数形成された第2突起列を有する、ヘアブラシ。
第2突起の曲げ剛性が、第1突起の曲げ剛性よりも高い、前記<1>に記載のヘアブラシ。
<3>
第2突起の曲げ剛性は、第1突起の曲げ剛性に対して200%以上、好ましくは250%以上であり、また450%以下、好ましくは350%以下であり、また200%以上450%以下、好ましくは250%以上350%以下である、前記<1>又は<2>に記載のヘアブラシ。
<4>
第2突起の曲げ剛性は、0.1N以上、好ましくは0.12N以上であり、また0.3N以下、好ましくは0.25N以下であり、また0.1N以上0.3N以下、より好ましくは0.12N以上0.25N以下である、前記<1>~<3>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<5>
第2突起の断面積は、第1突起の断面積に対して、300%以上、好ましくは500%以上であり、また1000%以下、好ましくは900%以下であり、また300%以上1000%以下、好ましくは500%以上900%以下である、前記<1>~<4>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<6>
第1突起の断面積は、0.1mm2以上、好ましくは0.12mm2以上、より好ましくは0.15mm2以上であり、また0.3mm2以下、好ましくは0.28mm2以下、より好ましくは0.27mm2以下であり、また0.1mm2以上0.3mm2以下、好ましくは0.12mm2以上0.28mm2以下、より好ましくは0.15mm2以上0.27mm2以下である、前記<1>~<5>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<7>
第2突起の長さが、第1突起の長さの40%以上80%以下である、前記<1>~<6>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<8>
第2突起の長さは、第1突起の長さの40%以上、好ましくは50%以上であり、また80%以下、好ましくは75%以下であり、また40%以上80%以下、好ましくは50%以上75%以下である、前記<1>~<7>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<9>
第1突起及び第2突起が、合成樹脂製である、前記<1>~<8>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<10>
前記合成樹脂が、ポリアミド樹脂であり、該ポリアミド樹脂が、ナイロン又はナイロン6である、前記<9>に記載のヘアブラシ。
第1突起の形成材料がナイロンである、前記<10>に記載のヘアブラシ。
<12>
第2突起の形成材料が、熱可塑性エラストマー樹脂又は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である、前記<9>~<11>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<13>
第1突起領域に、前記長手方向及び前記幅方向に分散した状態に複数の植毛穴が形成されており、第1突起は、個々の前記植毛穴に対して1本ずつのみ立設された植毛突起である、前記<1>~<12>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<14>
第2突起が、前記ブラシ面又は該ブラシ面の下に配された連続部と一体に成形された成形突起である、前記<1>~<13>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<15>
第2突起と、第2突起と一体に成形されている前記ブラシ面又は前記連続部とが、軟質樹脂から形成されている、前記<14>に記載のヘアブラシ。
<16>
第2突起及び前記柄が、導電性樹脂で形成されており、第2突起と該柄との間が電気的に接続されている、前記<1>~<15>何れか1に記載のヘアブラシ。
<17>
第1突起は、断面積が相互に異なる第1小突起及び第1大突起を有し、該第1大突起の断面積は、第1小突起よりも大きく、且つ第2突起よりも小さく、第1突起領域には、第1大突起が前記長手方向に沿って複数形成されている、前記<1>~<16>何れか1に記載のヘアブラシ。
<18>
第1大突起の曲げ剛性は、第1小突起の曲げ剛性に対して、130%以上、好ましくは150%以上であり、また230%以下、好ましくは200%以下であり、また130%以上230%以下、好ましくは150%以上200%以下である、前記<17>に記載のヘアブラシ。
<19>
第1小突起及び第1大突起は、長さが同じである、前記<17>又は<18>に記載のヘアブラシ。
<20>
第1突起領域は、複数の第1小突起が長手方向Xに直列した第1小突起列を有しており、
第1小突起列形成された領域よりも幅方向Yの外方に、複数の第1大突起が前記長手方向に直列した第1大突起列が形成されている、前記<17>~<19>の何れか1に記載のヘアブラシ。
第1大突起列は、第1小突起列と第2突起列との間に配されている、前記<20>に記載のヘアブラシ。
<22>
前記幅方向における第1小突起列の配置ピッチP1は、2mm以上、好ましくは2.5mm以上であり、また5mm以下、好ましくは4mm以下であり、また2mm以上5mm以下、好ましくは2.5mm以上4mm以下である、前記<20>又は<21>に記載のヘアブラシ。
<23>
第1小突起列中の第1小突起の配置ピッチP3は、3mm以上、好ましくは4mm以上であり、また7mm以下、好ましくは6.5mm以下であり、また3mm以上7mm以下、好ましくは4mm以上6.5mm以下である、前記<20>~<22>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<24>
第1大突起の断面積は、第1小突起の断面積に対して110%以上、好ましくは130%以上であり、また180%以下、好ましくは150%以下であり、また110%以上180%以下、好ましくは130%以上180%以下である、前記<17>~<23>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<25>
第1大突起の長さL7は、第1小突起の長さL3の85%以上、好ましくは95%以上であり、また100%以下、好ましくは100%以下であり、また85%以上100%以下、好ましくは95%以上100%以下である、前記<17>~<24>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<26>
第1突起は、その先端に球状体を有している、前記<1>~<25>の何れか1項に記載のヘアブラシ。
<27>
前記球状体は、その最大径部分の断面積が、突起の断面積の110%以上400%以下、好ましくは120%以上250%以下である、前記<26>に記載のヘアブラシ。
<28>
第1突起領域には、10mm四方当たり、5本以上10本以下、好ましくは6本以上9本以下の存在密度で第1突起が設けられている、前記<1>~<27>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<29>
前記ブラシ面において、前記長手方向及び前記幅方向の最も外方側に位置する突起の中心どうしを結んで形成される領域を仮領域としたとき、
第1突起領域の面積は、前記仮領域の面積に対して20%以上、好ましくは35%以上であり、また80%以下、好ましくは60%以下であり、また20%以上80%以下、好ましくは35%以上60%以下である、前記<1>~<28>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<30>
第1突起領域における第1突起の総断面積の割合は、0.8%以上、好ましくは1%以上であり、また3%以下、好ましくは2.5%以下であり、また0.8%以上3%以下、好ましくは1%以上2.5%以下である、前記<1>~<29>の何れか1に記載のヘアブラシ。
第1突起領域は、前記長手方向の長さL1が、前記ブラシ面の該長手方向の全長Lに対して70以上、好ましくは80%以上であり、また95%以下、好ましくは93%以下であり、また70%以上95%以下、好ましくは80%以上93%以下である、前記<1>~<30>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<32>
第1突起領域は、前記幅方向の長さW1が、前記ブラシ面の該幅方向の全長Wに対して80%以上、好ましくは85%以上であり、また95%以下、好ましくは93%以下であり、また80%以上95%以下、好ましくは85%以上93%以下である、前記<1>~<31>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<33>
第1突起領域は、第1突起が10mm四方当たり5本以上10本以下の存在密度で設けられた細突起領域を有し、該細突起領域が平面方向に100mm2以上連続している、前記<1>~<32>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<34>
前記細突起領域の面積は、第1突起領域の面積に対して20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上であり、また100%以下、好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下であり、また20%以上100%以下、好ましくは30%以上90%以下、より好ましくは35%以上80%以下である、前記<33>に記載のヘアブラシ。
<35>
前記細突起領域は、前記ブラシ面の前記幅方向の中央域に形成されており、該細突起領域の該幅方向の長さが、該ブラシ面の該幅方向の全長に対して20%以上、好ましくは30%以上であり、また85%以下、好ましくは75%以下であり、また20%以上85%以下、好ましくは30%以上75%以下である、前記<33>又は<34>に記載のヘアブラシ。
<36>
前記細突起領域において、第1突起が前記長手方向に直列した第1突起列を前記幅方向に複数列有しており、
第1突起列の配置ピッチが2mm以上5mm以下であり、
第1突起列中の第1突起の配置ピッチP3が3mm以上7mmであり、且つ前記幅方向において隣り合う第1突起列どうしは、第1突起の前記長手方向の配置位置が半ピッチ分ずれている、前記<33>~<35>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<37>
第1突起領域は、前記長手方向に延びて形成されている、前記<1>~<36>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<38>
第2突起は、断面積が0.3mm2超である、前記<1>~<37>の何れか1に記載のヘアブラシ。
<39>
第2突起列の列数は、2本以上5本以下、好ましくは2本以上4本以下である、前記<1>~<38>の何れか1に記載のヘアブラシ。
実施例1として、下記表3に示す棒状突起が立設されたブラシ面と、該ブラシ面を有するヘッド部と、柄とを有するヘアブラシを製造した。ブラシ面は、幅方向の長さが60mmであり、長手方向の長さが60mmであった。各棒状突起は、長手方向及び幅方向に互いに離間させ、且つ千鳥状に設けた。第1小突起の幅方向における配置ピッチP1、及び第1小突起の長手方向における配置ピッチP3を下記表3に示す。また、第1小突起列中の第1小突起の数、第1小突起列の列数を下記表3に示す。ブラシ面には、第1小突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第1小突起列を8列設け、さらに8列の第1小突起列が並んだ領域の幅方向外方の両側にそれぞれ第1大突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第1大突起列を1列ずつ設けた。また、第2突起として、長さが相互に異なる2種類の突起を用意し、第1突起領域の幅方向外方の両側それぞれに、即ち第1大突起列の幅方向外方に、第2突起がヘアブラシの長手方向に9本直列した第2突起列を3列設けた。具体的には、第1大突起列の幅方向Y外方に、長さが長い方の第2突起(以下、第2長突起ともいう)が直列した第2突起列を2列配置し、これら2列の幅方向Y外方に、長さが短い方の第2突起(以下、第2短突起ともいう)が直列した第2突起列を1列配置した。本実施例において「第2突起」は、第2長突起及び第2短突起の双方を意味する。第1大突起列は、幅方向において第1小突起列と、第2長突起が直列した第2長突起列との間に配置した。また、複数の第1小突起列及び第1大突起列が幅方向に並んだ第1突起領域と、該第1突起領域の幅方向の外方に、複数の第2突起列が幅方向に並んだ太突起領域とが形成されるように配置した。第1小突起列と第1大突起列との幅方向における離間距離を3mmとし、第1大突起列と第2突起列との幅方向における離間距離を6mmとし、第2突起列間の幅方向における離間距離を3mmとした。これら突起の長さ(mm)、断面積(mm2)、曲げ剛性(N)を下記表3に示す。第1小突起及び第1大突起は、ナイロン樹脂を用いて作製し、第2突起はポリエステル系エラストマー樹脂を用いて射出成形によって作製した。ヘアブラシの基台本体及びブラシ基部は、アクリル樹脂を用いて射出成形によって作製した。各棒状突起は、図7(b)に示す突起と同様に、植毛穴である貫通孔に棒状体を挿入し、該棒状体におけるブラシ面とは反対側の端部を加熱して留め部を形成することによって固定した。
第2長突起が長手方向に直列した第2長突起列の列数を1列とした以外は、実施例1と同じ方法でヘアブラシを作製した。実施例2では、実施例1よりも第2突起列の列数を少なくしたので、太突起領域の幅方向の長さW2が9mmであった。
第2長突起を設けなかった以外は、実施例1と同じ方法でヘアブラシを作製した。実施例3では、実施例1よりも第2突起列の列数を少なくしたので、太突起領域の幅方向の長さW2が6mmであった。
第2短突起について断面積を0.26mm2、及び曲げ剛性を0.25Nとした以外は、実施例3と同じ方法でヘアブラシを作製した。第2突起はナイロン樹脂を用いて作製した。
第1大突起を設けなかった以外は、実施例1と同じ方法でヘアブラシを作製した。
第2長突起について長さを18mm、断面積を2.70mm2、及び曲げ剛性を0.16Nとした以外は、実施例2と同じ方法でヘアブラシを作製した。
第2突起を設けなかった以外は、実施例1と同じ方法でヘアブラシを作製した。
第1大突起を設けなかった以外は、比較例2と同じ方法でヘアブラシを作製した
第2短突起について長さを12mm、断面積を0.18mm2、及び曲げ剛性を0.11Nとした以外は、実施例4と同じ方法でヘアブラシを作製した。
第1小突起について断面積を0.27mm2、及び曲げ剛性を0.12Nとした以外は、比較例3と同じ方法でヘアブラシを作製した。
化学的処理履歴の無い日本人黒髪直毛で重さ40g、長さ35cm、幅5.5cmの毛束(トレス)を、市販のブリーチ剤(花王株式会社製、泡カラーハイブリーチ、1剤と2剤の混合比:1対2)でブリーチ処理した。このブリーチ処理として、以下の第1~第3工程を行った。
第1工程:毛束と同質量の前記ブリーチ剤を該毛束に塗布し、30分間室温で処理した後、40℃の水道水で30秒間すすぎ流した。
第2工程:次いで、毛束に、下記表1に処方を示すモデルシャンプーを3.0g塗布して30秒間泡立てて洗浄し、該毛束を40℃の水道水で1分間すすぎ流した。
第3工程:次いで、毛束の水を指で軽く切り、パイル地のフェイスタオルを用いて毛束を30秒間拭いた。
前記ブリーチ処理を3回行った毛束を、評価用毛束とし、下記のブラッシング時の抵抗性及び毛髪の絡まり性について評価した。
評価用毛束を、40℃の流水(水道水)で30秒間濡らした後、表1に示すモデルシャンプーを3.0g塗布し、30秒間泡立てて洗浄し、さらに40℃流水で1分間すすぎ流した。この評価用毛束に対し、下記表2に示すモデルコンディショナーを3.0g塗布し、30秒間なじませた後、40℃の流水で1分間すすいで、水を指で軽く切り、パイル地のフェイスタオルを用いて30秒間拭いた。これを、湿潤状態の評価用毛束とした。
5点:ブラッシング時の抵抗が弱い。
4点:ブラッシング時の抵抗がやや弱い。
3点:ブラッシング時の抵抗を感じる。
2点:ブラッシング時の抵抗がやや強い。
1点:ブラッシング時の抵抗が強い。
5点:指どおりが良好であり、毛髪の絡まりが残っていない。
4点:指どおりがやや良好であり、毛髪の絡まりがほぼ残っていない。
3点:毛髪の引っ掛かりを弱く感じる程度に、毛髪の絡まりがやや残っている。
2点:毛髪の引っ掛かりを感じる程度に、毛髪の絡まりが残っている。
1点:毛髪の引っ掛かりを強く感じる程度に、毛髪の絡まりが残っている。
表3における実施例1と実施例5との対比から、第1突起領域に第1大突起列を設けることで、ブラッシング時の抵抗を低減する効果と、毛髪の絡まりを解消する効果とをより向上させることが示された。
11 基台本体
12 ヘッド部
12a ヘッド基部
12b 装着開口
12c 柄
13 ブラシ面
13a ブラシ基部
15 第1小突起
16 第2突起
17 第1大突起
18 植毛穴
A 第1突起領域
B 太突起領域
F 仮領域
X 長手方向
Y 幅方向
Claims (10)
- 棒状突起が立設されたブラシ面を有するヘッド部と柄とを有するヘアブラシであって、
前記ブラシ面は、長手方向及び該長手方向と直交する幅方向を有しており、
前記ブラシ面の前記幅方向の中央部に、第1突起が、相互間に間隔を設けて1本ずつ独立した状態に設けられた第1突起領域を有し、前記幅方向における第1突起領域を挟む両側それぞれに、第1突起に比して断面積の最大値が大きく長さが短い第2突起が、前記長手方向に沿って複数形成された第2突起列を有しており、
第1突起は、断面積の最大値が相互に異なる第1小突起及び第1大突起を有し、第1大突起の断面積の最大値は、第1小突起よりも大きく且つ第2突起よりも小さく、
第1突起領域は、第1大突起が前記長手方向に沿って配列した第1大突起列と、第1小突起列が前記長手方向に沿って配列した第1小突起列とを有し、第1小突起列が形成された領域よりも前記幅方向の外方に、第1大突起列が配されている、ヘアブラシ。 - 前記幅方向において第1大突起列は、第1小突起列と第2突起列との間に配されている、請求項1に記載のヘアブラシ。
- 第2突起の曲げ剛性が、第1突起の曲げ剛性よりも高い、請求項1又は2に記載のヘアブラシ。
- 第2突起の長さが、第1突起の長さの40%以上80%以下である、請求項1~3の何れか1項に記載のヘアブラシ。
- 第1突起及び第2突起が、合成樹脂製である、請求項1~4の何れか1項に記載のヘアブラシ。
- 第1突起領域に、前記長手方向及び前記幅方向に分散した状態に複数の植毛穴が形成されており、第1突起は、個々の前記植毛穴に対して1本ずつのみ立設された植毛突起である、請求項1~5の何れか1項に記載のヘアブラシ。
- 第2突起が、前記ブラシ面又は該ブラシ面の下に配された連続部と一体に成形された成形突起である、請求項1~6の何れか1項に記載のヘアブラシ。
- 第2突起と、第2突起と一体に成形されている前記ブラシ面又は前記連続部とが、ショアD硬度が40以上65以下である軟質樹脂から形成されている、請求項7に記載のヘアブラシ。
- 第2突起及び前記柄が、導電性樹脂で形成されており、第2突起と該柄との間が電気的に接続されている、請求項1~8の何れか1項に記載のヘアブラシ。
- 第1突起は、その先端に球状体を有している、請求項1~9の何れか1項に記載のヘアブラシ。
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