JPS6238810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のフロント・ドアウインド
のシールに主用されるウエザストリツプの接合構
造に関するものである。

自動車のフロント・ドアウインドに嵌め込まれ
たドアガラスは、室内側の複数のウエザストリツ
プと外側のウエザストリツプとに挾まれてシール
されており、上記車室内側のウエザストリツプ
は、ドアウインドのコーナ部で互に交角をもつて
継ぎ接合されている。

ところで、室内側のウエザストリツプの従来の
継ぎ目構造は、両ウエザストリツプの継ぎ目をイ
ンジエクシヨン成形等により連続形成するか、単
に突き合わせたのみの構造となつているが、端部
成形はコスト高となり、他方単純な突き合せ構造
によると、継ぎ目部分のシール不良により、水漏
れ、風の吸出し音の発生・ほこり侵入などの現象
を起し易い不具合があつた。

本考案は、上記不具合を解消するためになされ
たものであつて、すなわち、本考案の目的は、ウ
エザストリツプの両端部間を、直接組付け接合さ
せることにより、継ぎ目部材のシールを確実にし
たウエザストリツプの接合構造を提供することに
ある。

以下、図示の実施例に基づいて本考案を説明す
る。

第１図乃至第５図は本考案の第１実施例を示
し、第１図は、自動車の右側フロントドアに取付
けられるドアガラスのウエザストリツプを示す。
このフロントドアは図示しないアウタパネルとイ
ンナパネル８とを重合することにより形成され、
両パネルは共にドア本体とサツシユ部が一体のプ
レス成形品であり、これらはいわゆるフルプレス
ドアを形成している。ここでウエザストリツプ
は、サツシ・ウエザストリツプ１と、ベルトライ
ン・ウエザストリツプ２との連成により形成され
ていて、ドアガラスとドアインナパネル８上の窓
周縁の窓開口フランジとの間をシールする。この
ような両ウエザストリツプ１，２は、ドアウイン
ドの前下方コーナＡと、後上方コーナＢとの両箇
所で互に継ぎ接合されている。

更に、サツシ・ウエザストリツプ１の形成態様
は、第２図に示すように、断面Ｕ形に成形されて
内周壁にフインが突設された取付部４と、同取付
部４から分岐して張出したサイドリツプ５と、同
取付部４の延長上に張出した底板６と、同底板６
から断面袋状に浮上つた底リツプ７とにより形成
されていて、その取付部４はドアインナパネル８
の窓開口フランジ８ａに嵌着されると共に、その
サイドリツプ５の毛羽面がガラス３の内側面に密
接しており、かつ底リツプ７は、ガラス３の端面
に当つて同端面をシールしている。

また、ベルトライン・ウエザストリツプ２の形
成態様は、第３図に示すように、断面Ｕ形の同様
な取付部９と、同取付部９の延長上に張出したサ
イドリツプ１０とにより形成されていて、その取
付部９はドアインナパネル８の窓開口フランジ８
ｂに嵌着されると共に、そのサイドリツプ１０の
毛羽面がガラス３の内側面に密接している。

次に、自動車の右側ドアウインドの前下方コー
ナ（Ａ部に相当）における両ウエザストリツプ
１，２の継ぎ目態様につき、第４図および第５図
を参照して説明する。

はじめに、サツシ・ウエザストリツプ１の窓開
口前縁部分の形状は、その上半部斜縁においては
上述した上縁の形状（第２図）に連通する等断面
形状をなしているが、前縁下半部１ａの形状は、
底リツプが切除されて平坦な底板６だけになつて
おり、かつ、サイドリツプ５の裏側には、同リツ
プ５をガラス１側に反力で押付けシール性を向上
させるための長手スポンジ１１が挾持されてい
る。

しかして、ベルトライン・ウエザストリツプ２
の前端の取付部９には、スリツト９ａが切込まれ
た上で、同スリツト９ａは、ドアインナパネル８
の窓開口前縁のフランジ８ｃに押入れられてお
り、一方、サツシ・ウエザストリツプ１の下端
は、取付部４と底板６とが切落とされると共に、
同取付部４の下端は、ベルトライン・ウエザスト
リツプ２の取付部９に突合わされ、更に、その突
合わせ部から下方に延び出たサイドリツプ５と長
手スポンジ１１は、ベルトライン・ウエザストリ
ツプ２のサイドリツプ１０に重ね合わされてい
る。

ドアウインドの後上方コーナ（Ｂ部に相当）に
おける両ウエザストリツプ１，２の継ぎ目態様を
本願考案の第２実施例として、第６図および第７
図に示す。両図において、長手スポンジが介在し
ていないことが異なるほかは、上述した組付構造
と対称的な形状になつていて、すなわち、サツ
シ・ウエザストリツプ１の後端の取付部４にスリ
ツト４ａが切込まれた上で、窓開口後縁のフラン
ジ８ｄに挿入れられると共に、ベルトライン・ウ
エザストリツプ２の取付部９の突合せ部から上方
に延びるサイドリツプ１０は、サツシ・ウエザス
トリツプ１のサイドリツプ５に重ね合わされてい
る。

このように構成された実施例の継ぎ装置による
と、サイドリツプ５，１０同志が重合している継
ぎ目部分は、ドアガラス３に当る接触面圧が強い
ために、ガラス３の内側面のシール作用が良好か
つ確実であり、従つて、継ぎ目からの外水・風ほ
こり等の侵入Ｃや、継ぎ目への風の吸出しＤ音の
発生の虞れがない。

なお、リツプ５，１０の重合面積がわずかであ
ることから、ドアガラス３の開閉操作力に無用な
負担をかけるようなことはない。

更に、専用の継手部材を使つておらず、かつ、
ウエザストリツプの継ぎ端を特別に射出成形する
必要がないことから、継ぎ部のコストは極めて安
価である。

以上述べたように、本考案に係るウエザストリ
ツプの接合構造によれば、第１のウエザストリツ
プと第２のウエザストリツプの何れか一方の取付
部にスリツトを穿開させてドアインナパネルのフ
ランジに係合、固定させると共に、他方のウエザ
ストリツプのサイドリツプを、突合わされた相手
のサイドリツプに重合させて組付けるように構成
したので、簡潔な継ぎ構造でシール性が高い接合
構造が得られると共に、装置の製作コストを低減
させる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示すウエザスト
リツプの接合構造の外観斜視図、第２図および第
３図は、夫々第１図の−線および−線に
おける正断面図、第４図は、第１図の部分Ａのコ
ーナをドアガラス側より目視した際の斜視図、第
５図は、第４図の分離斜視図、第６図は、第１図
の部分Ｂのコーナをドアガラス側より目視した際
の斜視図、第７図は、第６図のサツシ・ウエザス
トリツプ端部の斜視図である。 Ａ……前下方コーナ、Ｂ……後上方コーナ、１
……サツシ・ウエザストリツプ、２……ベルトラ
イン・ウエザストリツプ、３……ドアガラス、
４，９……取付部、４ａ，９ａ……スリツト、
５，１０……サイドリツプ、８……ドアインナパ
ネル、８ａ〜８ｄ……フランジ、１１……長手ス
ポンジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ドアパネルに形成された窓開口の周縁部の一
   部を成す第１の辺に設けられたフランジに装着
   される第１のウエザストリツプと、上記第１の
   辺に角部を成して隣接する第２の辺に設けられ
   たフランジに装着される第２のウエザストリツ
   プとの当接部の接合構造であつて、上記第１及
   び第２のウエザストリツプは上記フランジに取
   付けられる取付部と同取付部から延出して形成
   され上記窓開口を開閉するガラスに摺接するサ
   イドリツプとから成り、上記第１のウエザスト
   リツプの取付部の上記当接部側の端部に上記第
   ２の辺側のフランジに嵌着されるスリツトを形
   成し、上記第２のウエザストリツプの上記当接
   部側の端部のサイドリツプを延出形成して同サ
   イドリツプと上記第１のウエザストリツプのサ
   イドリツプとを重合接合させたことを特徴とす
   るウエザストリツプの接合構造。 ２ 上記第２のウエザストリツプの取付部とサイ
   ドリツプの内側との間に充填材を挾持させ、同
   充填材と上記サイドリツプとを上記第１のウエ
   ザストリツプの取付部とサイドリツプとの間に
   挾み込んで重合接合させたことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載のウエザス
   トリツプの接合構造。 ３ 上記第２のウエザストリツプの延出形成され
   たサイドリツプの内側と上記第１のウエザスト
   リツプのサイドリツプの外側とが重なるように
   重合接合したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載のウエザストリツプの接
   合構造。